独言 2009/07

2009/08

2009/06

2009/07/31
海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 下/塩野七生
ようやくジェノヴァより優位に立ったのに、新たな敵は商人の合理性に見向きもしない物量大国、オスマン・トルコ。駆け引きと戦争を繰り返しながらも次第に交易業は衰退するが、その時々にできる限りの産業の育成によって国の豊かさを享受しつづける。しかし、トルコ以上に外交に聞く耳を持たないナポレオン・ボナパルトによって、ついに幕を引かれる時がきた。
新潮文庫版では4〜6巻にあたる旧・中公文庫版の下巻。それぞれの章に見せ場はあるけど、トルコ戦のことは「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」の三部作に詳しいので、ワタシ的に圧巻と思うのは、あるミラノ人官僚の聖地巡礼の旅行記要約。ナポレオンのことは藤本ひとみでいろいろ勉強したけど、フランス革命の混乱はフランスの悲運だけど、ナポレオンの登場はヨーロッパの不運だよなぁ。

上に戻る

2009/07/30
っポイ!27/やまざき貴子
高嶺の大本命・東聖高校の受験が終わったその時から、二次募集のために受験勉強中の平ちゃん。ところで東聖高の合否は!?今度こそデートと意気込む虎ちゃんはどこへ行く。万里と疎遠だった中1の時、別の友達と作った秘密基地に万里を招待!
長い長い長い中3もいよいよ受験が終わり、卒業式は前巻でやっちゃったから、もう春休みを満喫するのみ。あとの心配は恋の行方だなぁ!でもそうパリッと決着つけない気がするな。今回も万里のたらしの才能垂れまくって父親にまで心配されるほど。

上に戻る

2009/07/28
イエス・プロフェッサー/中貫えり
ハル・テンプルトンペック教授は若くて優秀なんだけど、おしゃべりで借金持ち。クリスティの小説を彷彿とさせる事件を解決!クールで優秀な秘書のサラ・スピードは教授の手綱をしめるのに忙しい。
昔、1巻はたしか古本で入手したけど、2巻がどこにも無く。漫画文庫は合冊なので。「オリエント急行殺人事件」は昔TVで映画見たな。「そして誰もいなくなった」は原作読んだ。「予告殺人」は未読。知ってりゃそれで楽しめるけど、知らなくても困るストーリーでもない。

上に戻る

2009/07/27
海の都の物語 ヴェネツィア共和国の一千年 上/塩野七生
久しぶりに読みました、中公文庫版(笑)。今の新潮文庫版は表紙が賑やかだねぇ。えー、中公の上巻は新潮の1〜3巻。建国時の伝説から街の土台の土木、船の解説から交易航路、カトリックとの関係と聖戦を商売にしてしまったと悪名高い第四次十字軍、四大海洋都市国家との比較、そして女たちの風俗まで。どーでもいーけど巻末の解説が20ページ!
数年前、実際に行きましたよ、ヴェネツィア!元首宮殿の広間で並ぶ歴代元首の肖像画の中でマリーノ・ファリエルの場所だけは黒いカーテンの絵だけが描かれているのを見た時、贅沢禁止法の一種でスカートの裾ひく長さ制限に対抗して履いた高下駄とおぼしき靴をコッレール美術館で見た時、昼食に買ったパニーノを広場の隅に座って食べながら溜井戸の周囲に4つの取水口を見た時、そして運河に点々とさしてある航路を示す杭を見た時、この本で予習し説いて良かったなぁ、と思いました。

上に戻る

2009/07/26
ひまわり1/石原理
ラーメン通の翔が入れ込むのは伝説のトラック野郎・一輝が営むラーメン屋。翔に連れて行かれた力也の期待ふくらむラーメンの味はビミョー……。マリエの遺したラーメン屋と子供を守る一輝だが、店は既に存亡の危機!
あー、なんか「ストップ!!ひばりくん!」のアニメのEDを思い出す片方向矢印?喧嘩上等な野郎共がガッツガッツ食う光景が描きたいらしいよこの作者。画面華やかなタイプではないんだけど、いつも妙に面白い。

上に戻る

2009/07/24
日本人の知らない日本語/蛇蔵&海野凪子
在日外国人学生に日本語を教える日本語学校教師のエッセイ。日本人が子供の頃から使って身につける感覚とか、知らなくても気にならない歴史とか由来とか、日本人でも間違って使ってる敬語とか、外国人に質問されたり間違って使われたりすると、はっと気づくようなあれこれ。
新聞広告の抜粋見て気になって気になって気になって仕方がないので、思い切って買ってみた。学生が母国に持って帰りたいもの一コマ漫画がまた良い。

上に戻る

2009/07/23
LEGAの13 3/やまざき貴子
元首の娘・アルフォンシーナが居る尼僧院に怪しい噂。レガーレは神父に付いて尼僧院に乗り込む。一方、普段レガーレが監禁されている元首宮殿では政治陰謀が進行し、レガーレの身の上にも変化が。
謎が〜解決するどころか〜増えてますけど〜。この展開、いつかフィレンツェにも行くのかな。楽しみ楽しみ。
ヴェネツィアと聞くとつい思い出すので、今日は「海の都の物語」を通勤に持って出た。もっとも私が持ってるのは最近出た新潮文庫6分冊じゃなく、昔の中公文庫2分冊だけど。

上に戻る

2009/07/22
シューズドクターN 50ml ホワイト/セメダイン
貧乏性と言わば言え。買った当初からどっこも痛くならない夏サンダルは、去年も一昨年も3ヶ月ずつくらい通勤でほぼ毎日履いてたので、そろそろかかと部分が減って2層目にかかりはじめた。なので埋めた。かかとはアイボリーなので、真っ白に埋めるとちょっぴり目立つけど、黒よりは良かろう。だいたいどの靴も2回目に塗る頃には別のところが壊れる。
ペースト状のゴム(?)みたいなので、減ったかかとに塗って乾かせば、靴底ゴムが復活。ちょっと柔らかめだけど、百均とかで売ってるかかとに貼るやつより具合が良い。きっちり乾燥させるのがポイント。リニューアルして量が減ったのはちょっと残念。

上に戻る

2009/07/21
龍陽君始末記1/青木朋
ここんとこ通勤はDSで数独フェア中なので、さっぱり本読んでないなぁ。
時代は清。県知事の大事な仕事は警察や裁判。新しい龍陽県知事の趙天麟は知勇兼備の才人。仕事は有能だが、実態はちょっと難あり。
両方にかけてるんだろうけど、龍陽県知事ってより、本人が龍陽(男色)って方が強いね、このタイトル。纏足、阿片、京劇と古い中国っぽさ満載。話も読みやすいので、時代物に慣れない人にもお勧めできる。ただし主人公が龍陽君でも良ければ(笑)。や、天麟がちょっと浮かれたりするくらいで、目のやり場に困るようなことは全然無いっすから。

上に戻る

2009/07/18
劉備くん 青天の赤壁/白井恵理子
主に映画「レッド・クリフ」特集。諸葛亮と周瑜が陰険合戦したり、劉備がわらじを編んだり、強者女の小喬とか、八卦の陣の意外な活用法とか、コケる話満載。

上に戻る

2009/07/16
女神さまと私/波津彬子
虚弱に生まれた子猫のライラを引き取って育てているイーディスは、祖父の影響でエジプト考古学を専攻している兄とは対照的に、考古学が大嫌い。ある夜、女神の夢を見てから、変なことや不思議なことが。
波津さんの話は女性が可愛く頑固。イーディスは遺跡とかミイラとか冒険とか嫌いなのに、そっち方面に流されてゆくなぁ。行き着く先はだいたい見える。この黒頭の人ね。ちょっと昔のイギリス上流のまったりした生活が……うらやましい。

上に戻る

2009/07/14
ナノケア・ドライヤー/Panasonic
髪は基本自然乾燥だが、髪が太多長なので朝シャンの時とか乾かすのに腕が疲れるので、ハンズフリーで使う方法を模索していた。あと、無添加シャンプー・リンスに変えたせいか髪がもっさもっさしてきたのもちょっと気になってた(<-シャン・リン変えろ)。広告が目についたので、2ヶ月ぐらいためらって買った。色がケバいオレンジなのは、この色だけちょっと安かったから。
手で持って使うにはだいぶ重い。付属のハンズフリー置台で使う時、持手のしっぽも卓上に置かないとコケると、うかつにも後で気づいた。置台もそういう形にしておいてほしかった。風速がある分、それなりにうるさいが、乾きは速いと思う。イオン効果か、もさもさ感は少ない気がする。猫っ毛の人はたぶんぺったりしてしまうと思う。
空気中の水分を取り込むペルチェ式だから給水不要。ってか、普通のイオンドライヤーって水入れるもんなのね。知らなかったよ。

上に戻る

2009/07/13
コルセットに翼4/もとなおこ
監獄のようなデスデモーナ女子寄宿学校の最上級生になったクリスティン。亡くなった父親と暮らしたワイト島の家に行き、父の秘密を垣間見る。一方で、校内外の協力者たちと共にデスデモーナ校長への反撃を開始する。
あれ、1冊くらい抜けてる気がするな。本部屋捜索しないと。けっこ怖いです、ジェシカお姉様(笑)。コルセットはちょっとアレだけど、フリルもレースも古いイギリスの家も大好き!見るだけなら。

上に戻る

2009/07/11
悪魔のソネット3 豪華客船は悪魔と一緒/栗原ちひろ
シェルズバーン・カレッジが閉鎖の危機!押しかけてきた臨時校長会は未成年女子のジャスティンなど校長と認めないという。他校と競う合同研修で1位になれば認めるという条件を取り付けたものの、落ちこぼれ学校のシェルズバーン・カレッジに勝ち目はあるの!?
怜悧なルーナエが船酔いする話。あるいはジャスティン口説くなら酒飲ませるのが一番という話。レクスの怪しいケーキって、「四ッ谷渋谷入谷雑司ヶ谷!!」の四ッ谷の料理を思い出す。

上に戻る

2009/07/09
DUAL BLOOD/蓮見桃衣
朝から家庭菜園で育てたもぎたてトマトのジュース。これでも半分吸血鬼のダンピールのルイ。強いのか弱いのかわかんないと言われてしまう軽薄高校生。これでもヴァチカン諜報部員。今日も仕事でフリークス狩りしてます。
現代っ子だから軽いんじゃなく、何歳だかわかんない吸血鬼の父も軽いみたいだから遺伝ね。キャラは軽いけど、設定とかはダークで、展開は流血。

上に戻る

2009/07/08
XXXHOLiC 15/CLAMP
料理を教えていた女性に自分の考えを伝えて以来、拒絶されてしまった四月一日はおにぎりを届け続ける。しかしついに侑子の真実が明かされる時が訪れた。
四月一日、あんだけ料理作っときながら、人に食わせときながら、味見してなかったんだ。ふーん。あーもー、ふりがな無いとわかりにくいな四月一日(ワタヌキ)!こちらでもこないだ出たツバサとクロスするシーンがあります。

上に戻る

2009/07/06
犯人に告ぐ 上,下/雫井脩介
6年前の失敗により左遷されていた巻島警視は膠着状態となった連続殺人事件の捜査責任者に抜擢された。かつて無いテレビを通して犯人に呼びかける「劇場型捜査」を導入し、虚々実々の駆け引きによって犯人の手がかりをつかもうとした。
うぉう、すごい小説だなぁ。読ませるなぁ。げに恐ろしきは獅子身中の虫。大悪に比べて小悪は罪悪の自覚が無いところがタチ悪い。でも自分もやってる気がするな、そういう甘えた小悪。反省。あのう、中年の長髪警視ってちょっと想像しにくいのですが。小川・チョンボ・巡査長がいい味だしてるなぁ。
映画は見てないけど、きっと「模倣犯」の映画よりは良かったに違いない。原作は良かったのに「模倣犯」。

上に戻る

2009/07/05
愛蔵版 鉄錆廃園1,2/華不魅
600年前に封印された魔王イーサ・メルが復活した!村を焼かれ一族を失い連れ去られた姉を探し求めているハザは、辺境の街で姉の腕輪をした女を見かけた。酸を吐く魔物の女から助けてくれた魔法使いジェルソミーナと共に天の玉座に会いに行くが。
なっつかしーなー。Nちゃんに借りたんだよね。後で自分でも買おうかと思った頃にはビブロスは倒産して回収されたまま今のリブレでは出ないし、「一天四海」とか「グラマラス・ゴシップ」とかはかろうじて古本で出たけど「鉄錆」は古本にも出ないし。描き足してついに完結するらしいので楽しみ。
確か書痴友ゾンジが粗大(ソダイ)とかプラダ(天人の印)とか言ったので、以来、笑いなしには見られない。話の前提とか説明がすごくわかりにくい作風なのでアレだけど、今読み返すと壮大な兄弟喧嘩だな。ところでこのファンタジックな話の奥付に「この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件などとは一切関係ありません。」と注記する必要性は!?

上に戻る

2009/07/03
7月22日は皆既日食
7月22日は皆既日食ですね。行けるものなら行きたかったですけど奄美方面(泣)。ツアーとか、びっっっくりするような値段ですよ。泊めてくれる知り合いでもないと無理!
むかし学生のころ部分日食があり、ちょうど選択授業で天文を取っていた年だったので、観察会があって、そん時はすすを付けたガラスと、ピンホールを通した影とで見ました。今じゃピンホールはともかく、すすガラスとか黒下敷きとかは「やってはいけないこと」(国立天文台)とアナウンスされてますね。赤外線で網膜が焼けてしまうそうです。平日だけど幸いゆるい職場なんで、せめてピンホール開けたボール紙でも持ち込もうかなぁ。

上に戻る

2009/07/02
風雲あり 御家人風来抄3/六道慧
訳あり風の女。訳あり風の少女達。訳あり風の隠居の用心棒。世間では俳句や短歌が流行しているらしく、教養なさげな遊女まで西行法師の歌を口にする。しかし俳句の会、運座「のようなもの」とは。大川に土左衛門が浮かんだ頃から、弥十郎の周りで事件がまわりだす。
我ながら多いな、時代小説。ダイイングメッセージは無駄にひねらず明確に!(笑)長谷川平蔵が挿話として出てきます。鬼平はTVでは見たことあるけど、そういえば小説は読んだことないなぁ。

上に戻る

2009/07/01
遠いうねり グイン・サーガ127/栗本薫
突然パロにやってきたゴーラ王イシュトヴァーンは、フロリーとその子供の行方を知ろうと宰相ヴァレリウスに談判を仕掛ける。一方ミロクの都ヤガに向かったヨナとスカールは、従来伝えられていたのとはあまりに異なるミロク教徒やヤガの様子に警戒を強めなければならなかった。
国として立場が弱いってのはあるにせよ、ヴァレリウスもリンダも押しに弱いよな。老練な政治家なら、立場が弱くても言を左右にするのと毅然と物申すの合わせ技があるんだけど。あと、ヴァレリウスが聞く報告だけだけど、どうやらケイロニアのサイロンに疫病蔓延の様子。うーん、これは語られずじまいだな。
遺作のグイン。次巻は途中までになってるとかなんとか、どーすんのかなー。たぶん薄いのか、お悔やみ文かなんかと合わせて出すと思うんだけど。

上に戻る


Copyright © 2009 Yu Rindo, Nakaniwa Tsushinkyoku, All rights reserved.