独言 2009/06

2009/07

2009/05

2009/06/30
三国志外伝 貂蝉記 翡翠の翼 上,下/藤水名子
阿翠は元・伎女の母と暮らす大人びた少女。阿翠が街で出会って阿瞞と呼ぶ若者の姓名は曹操、字は孟徳。大人になった阿翠は貂蝉と名を変え、様々な男達に出会う。
三国志演義に出てくる絶世の美女といえば貂蝉。実在すればディアーヌ・ド・ポワチエも真っ青の不老美女のはずなんだけど。貂蝉が仙女だった、という設定の、まー恋愛ドラマ、かな。歴史の方は軽めに。藤さんは武侠チャンバラ大暴れ物と、淡々とした人間模様とあるけど、これは淡々としてる方。
字、デカッ!お年寄りに優しい?文庫版「ジャミ」みたく厚さ5cmとか平気で出す京極夏彦だったら分冊不要だね(笑)。

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2009/06/29
エンジェリック・ルーン3/立野真琴
ただ一人、ルーン文字の魔法を使うソウェルの秘密が今、明かされる。父と自分の秘密を知ったソウェルの望みは。数年後、天使と悪魔の言葉を聞くエリューとアリューの後日談有り。
いちいち色々教えてくれて、天使も悪魔も親切だなぁ。

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2009/06/27
聖なる花嫁の反乱4/紫堂恭子
神の九番目の花嫁と知られ、捕まってしまったエリセ。ヴァンと合流しなきゃいけないし、ヴァンの使いも逃がさなきゃいけないし!一方のヴァンは囚われのリオンと接触。恐怖の貴婦人からリオンを救うため、乾坤一擲の大勝負!
星のあざの秘密が明かされてきつつあります。エリセはまぁ天然だけど、ヴァンも意外に前向きな感じだよなぁ。前向きっつか、やけくそ?紫堂さん、でろでろな恐怖絵が進化してるなぁ(泣)。

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2009/06/26
クライマーズ・ハイ/横山秀夫
群馬地元紙の記者だが遊撃的な立場だった悠木は死者五百人以上を出した日航機墜落事故という未曾有の惨事に担当デスクを任された。現場記者と本社、社内派閥、他紙との競争、新聞記者のプライドと業、友人の突然の病気、そして家庭内不和に直面することになった。
すんごい小説だと思う。事故の一報が入ってからの落ち着かない頭がカーッとなってる雰囲気とかすっごく臨場感があって。ドラマや映画になったよね。映像化向きだよな。きつかったのは、私はその時々読んでるものの影響を受けやすいんで、2日間すっごく暗い気分になったこと。関係ないことまで落ち込む……。一気読み後の気分転換お勧め。あとー、時代と場所柄で、ポケベル折り返し電話待ちが不便そう。携帯電話が出はじめで車載とか肩掛けバッテリーだった時代、みんな普通に公衆電話の場所チェックしてたし、時間にシビアだったもんなぁ。

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2009/06/25
怪盗アレキサンドライト4/秋乃茉莉
資産価値ではなく心の宝物を狙う怪盗アレキサンドライトの予告状が届く。いつも失敗ばっかりのパリ市警の警部アンリもさすがに慣れて、アレキサンドライト逮捕し損なうのはともかく盗まれる物は心配しない。アンリが溺愛するポーリーヌが浜辺で友達になったシャルルは口がきけない発達障害っぽい子だけど、ポーリーヌには懐いたみたい。
有名なお話から着想を得てるけど、話は全然ちがうので。人間の隠された暗黒面(笑)を暴く話が、うふふ……。

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2009/06/24
風の王国 うつつの夢/毛利志生子
シャンシュンの王リク・ミギャの秘密を知った翠蘭が、他国ながら縁ができた人々のために道を模索しているさなか、シャンシュンに吐蕃軍が侵攻してきた。しかし翠蘭は事態打開に動く間もなく誘拐された!
王妃なのに王とも暮らせず離宮生活だったセーマルカルが、ここへきて大活躍。一方の王のリク・ミギャはもうボロボロ。吐蕃王妃の翠蘭もクタクタなのに大忙し。王様稼業って大変だ。

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2009/06/23
六月の桜 伊集院大介のレクイエム/栗本薫
資産家の津坂老人が住む近所でも有名な屋敷の荒れた庭には見事な桜。塀の破れ目から花びらを拾いに入った桜子は、大声で老人に叱られて驚く。しかし、会話を交わすうち心を通じ合うようになる。
栗本薫が大好きな禁断もここまで(笑)。 伊集院大介シリーズってより、系統で言えば六道ヶ辻っぽい感じ。主人公が思い込み強くどんどん泥沼に逃避していくというか。伊集院大介の調査とか推理とかの過程が無くて、桜子の前に突然現れてなんだかんだ言う人ってだけ。ほとんど活躍せず残念。それにしても、学校でいじめの根絶は不可能だよなぁ。

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2009/06/22
時間商人 トキタと命の簒奪者たち/水市恵
自殺しようとしたら、別の人とバッティング。つい、語り合ってしまった明俊と美琴。(第一話) 陸上部の練習中、走る晶子に追いついて話しかけてきたのは時間商人の助手!?(第二話)他。
3巻なので「さん」奪らしいっす。1冊の中の各々の話は別々に見えて最後はつながる、という傾向は1、2巻の経験で知ってたのに、第四話を読んだ時、やっぱり「あー、ここでつながるかぁ」とびっくりさせてくれるところがすごい。まー、私は推理とかできない方ではあるけど。

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2009/06/21
神曲奏界ポリフォニカ メモリーズ・ホワイト/高殿円
200年前編(炎帝の紋章編ともいう)最終章。マーヴェラスを救うためにクラストの都に向かうスノウ達。マーヴェラスの決意に触れたスノウ達にできることは。外伝はジョッシュのいとこサラサが精霊島の学園祭にやってきた。
サラサって〜、私は初見なんだけど、既出っぽい。ポリフォニカ各色シリーズ合同企画外伝集の「まぁぶる」かなぁ。

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2009/06/18
レディ・ガンナーと虹色の羽/茅田砂胡
ベラフォードとヴィンセントが久しぶりに里帰りしてみたら、ベラフォードの母方の里から20年ごとの祭りのお誘い。異様に羽の色にこだわる伝説の種族の隠れ里で行われる祭りとは。行ってみることにはしたものの、道中で襲われ、さあヘンタイ……じゃなく大変。さらにベラフォードの羽の絵を描いたキャサリンも無関係じゃいられなくなり。
生まれに貴賤はないということを異様に強調する話。このシリーズはそういうテーマらしいけど、今回はまたひときわ。そこんとこをさらっと流して、いつものごとくびっくり人間大集合、として読めるならエンターテインメント性は高い。

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2009/06/17
次男坊たちの江戸時代 公家社会の“厄介者”/松田敬之
嫡子、養子、その他いろいろな子の種類。部屋住みから他家の跡取りへ、跡取りのはずが廃嫡。ただ一人の子が家督を相続する制度のもと、家督を相続できない子供たちはどうなるのか、についての研究解説書。
小説かなんかの参考文献になってた。マイナーなタイトルテーマなので貴重。でもちょっと半端かな。かみ砕いた解説にしてはいろいろ説明不足。例えば本姓と名字の違いとか、周辺事情なんかは知ってるものとして話がすすむので。史料の確かさから具体例がほとんど幕末から明治初期だし。着眼点は面白いんだけど、読むのはちょっと退屈。

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2009/06/15
王子の優雅な生活(仮)2/紫堂恭子
クーデターで追われる身のアンドレア王子様は無理矢理従者にしたアローをお供に今日もクーデター派の追っ手をまくことに成功。……単に迷子になっただけだが。やり手のギルバート森林官は王子に迫るも、幼馴染みとの思わぬ再会に取り乱して今日も任務失敗。
庶民が物を食べることも知らなかったっつー天然王子だけど、心根は善良で前向きでたくましく、存外、帝王学も心得てる。王になったらきっと……よほど良い補佐が居ないと国が滅ぶよ……。

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2009/06/13
女衒の供養 公事宿事件書留帳15/澤田ふじ子
女手一つで息子を育てたお定は25年ほど前に出て行ったきりの亭主を近頃引き取ったが、元亭主は気鬱の病で時折奇行がある。ある日ふらふらと徘徊してたどり着いた神社で公事宿・鯉屋の居候、菊太郎に拾われた。表題作など6編。
タイトル見て、女衒供養するんだと思ったら、女衒供養するんでした。子供たちの身分違いの友情物語、「朝の辛夷」は、ありきたりの話なのに記憶に残る。……蘊蓄で出てくる辛夷の花の利用法が気になるのかもしれん。

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2009/06/11
予知夢/東野圭吾
タイトル通りの予知夢や幽霊など、オカルトっぽいネタそろい踏み。謎に科学の目で挑む物理学者の湯川に事件を持ち込む刑事の草薙、の構図は「探偵ガリレオ」と同じ。
未来の恋人にさそわれるままベランダから訪なう男が、逮捕された。襲われかけた少女が生まれる前から彼女を恋人と信じていたと犯人の男は供述しているという。「夢想る」など5編。

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2009/06/10
探偵ガリレオ/東野圭吾
深夜にたむろして騒ぐ少年たちの1人の髪が突然燃えた!最初の火はいったいどこから来たのか。「燃える」など5編。
刑事の草薙に相談された物理学者の湯川は、一見関係ないような行動や実験から科学知識で事件の不思議を解決。段ボール砲など子供の科学的なものから、自然現象や工場などの現場で使われているものまで、中学か高校理科で端っこは習ってたり、説明されればだいたいわかるような基本的なものばっかりだけど、現実での応用としては、へぇ、と感心しきり。湯川のつかみ所のないキャラは好きだなぁ。

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2009/06/09
容疑者Xの献身/東野圭吾
殺されたと思われる男の身辺を調べると、別れた元妻の靖子が浮かんだ。しかし靖子にはどうやらアリバイがあるようで……。捜査に行き詰まった刑事の草薙は、例によって帝都大の湯川を訪ねた。
借り本。あ、やべ。映画だかドラマだかになったやつだと思って最初に読んだけど、「探偵ガリレオ」シリーズ3作目じゃん。献身的な容疑者Xが誰だかは最初からわかるけど、なかなか容疑者にならなくてハラハラしました。

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2009/06/08
夏コミ落選
封筒届きました。……不備!?何度も申し込みして落選もありますが、不備は初めて。ちょっとショック。冬を目指します。

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2009/06/07
千尋に咲く花2/秋乃茉莉
二位の尼に「浪の下にも都のさぶらふぞ」と言われ、壇ノ浦で入水した幼帝・安徳天皇。流れ着いたのはホントに竜宮城前の浜辺!龍神の妹・撫子に拾われ朱鷺という名で暮らしている。龍神の来客は個性的。今日も亀姫来襲!そして突然地上に帰る日が訪れた。
可愛いけどちょっとわがまま撫子に弱い龍神はちょっぴりへたれ?平家物語は〜、もー、TVも小説も漫画も研究書も昔から見まくってるので、今更目新しいことはなく。

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2009/06/05
世界画廊の住人/栗原ちひろ
上から物が落ちてくるなんて日常茶飯事の不運なセツリがようやく錬金術師と認められた矢先、道ばたで画家を拾った時から日常がひっくり返った。突然お告げが現れるし、刺客に命を狙われるし、逃げ込んだ世界画廊じゃ絵の中の世界が生きてる!?
「オペラ〜」とキャラかぶってるよーな……。特にセツリとカナギ。世界がゆがむ感じの描写も似てるけど、展開の意外性が独特なとこは個性的でよい。

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2009/06/04
幻惑の鼓動18/禾田みちる,吉原理恵子
結界を浄化してすべてが終わり、血族は新しいあり方を模索し始めた。しかし、今まで蚊帳の外に置かれていた淳に異変が。
ちょっとダラッとしてるなぁ。物語の軸足を移す幕間って感じ。ここからは弟の逆襲?

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2009/06/02
ジェネラル・ルージュの凱旋 上,下/海堂尊
救急救命センターに君臨する速水部長の宿願はドクター・ヘリの導入。しかし、産科、小児科と並ぶ赤字部門に余剰の予算など無く、事務から却下を食らう日々。 速水についての告発文書が、リスクマネジメント委員長になってしまった田口の元に届く。同級の速水を信じる田口は調査を始めるが……。
借り本が続く。「ナイチンゲールの沈黙」の解説が刊行順に読めというので、半年後の「螺鈿迷宮」の後になったけど、こちらは「ナイチンゲール〜」と同時進行。時々シーンがダブる。あっちでもこっちでも火を噴いて大変な病院だなぁ。両方に関わって大忙しの田口先生、腹黒狸の薫陶と、白鳥の強引割り込み特別講義で弁論術の向上が顕著。
読み終わってふと奥付を見たら、タイトル横に(じぇねらる・るーじゅのがいせん・げ)とふりがなが付いてた。上巻を見直すと、当然(じぇねらる・るーじゅのがいせん・じょう)。ひらがなで見ると、男性向けライトノベルみたいだ。

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2009/06/01
螺鈿迷宮 上,下/海堂尊
引き続き中庭組借り本。
東城大学医学部の劣等生・天馬大吉は、やる気はまったくないのに桜宮病院で看護ボランティアをすることに。警察の検死を行う病院であり、終末期医療にも積極的と標榜する病院だが、聞けば聞くほど不自然なことばかり。そして患者が次々と死んでいく!東城大学付属病院とのあつれきとは。そして院長一家の抱える闇とは。
噂の氷姫、姫宮登場!チーム・バチスタの話の印象と白鳥との組み合わせで、田中芳樹「薬師寺涼子シリーズ」の呂芳春こと貝塚さとみみたいな、コンピューター得意である種マニアックでちょっとキャピキャピしたような女の子、をイメージしてました、何となく。スペック的にはわりと当たってるのに、全然違う感じでした〜(笑)。

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