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  RON WOOD 

ロン・ウッド・アンソロジー
RON WOOD ANTHOLOGY

 40年に及ぶロン・ウッドのソロと在籍したバンドでのキャリアを俯瞰できる集大成アルバム。1枚目にソロキャリア、2枚目にフェイセズなどのバンドキャリアを、分けて収録。
 なかでも注目は1枚目のラストに入っているロッドとの共演作「ユー・ストラム・アンド・アイ・アイル・シング」。フェイセズ時代のようなやんちゃな音ではありませんが、男同士の友情の年輪を重ねたものだけが到達する帰結、お互いだけが果たせるかけがえのないない無二の関係、役割をこれほど明快に歌った曲はかってあっただろうか?ある意味、「ラヴ・ソング」とも言えるかも。
 これを聴くと、ロンとロッドのヤンチャな過去を想起するのではなく、穏やかな未来が期待できそうな作品です。フェイセズファンは、やっぱり・・・・・・必聴かな? (20060718)


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ノット・フォー・ビギナーズ
NOT FOR BIGINNERS


 前作「スライド・オン・ディス」から8年。あれから書き溜めた曲は何曲もあったそうですが、新作アルバムの核を占めているのはロン個人の新曲というよりも、将来有望な子供たちと自然なコミュニケーションを通じてできあがった曲という作品で、「ウッド・ファミリーのデヴュー・アルバム」と言ったほうがピッタリします。

 息子のジェシーが6曲でギターで参加し、娘のリアは2曲でボーカルをとっています。ジャケット写真には母親の幼い時のセピア色の写真とアルバムを母に捧げるとのコメント、そして兄のアート作の曲をとりあげもし、2曲では親子3人で共演してもいます。
 今までの作品同様、ボブ・ディランのようなビッグ・ネームゲストも参加していますが、楽器パートの一部を埋めるための参加というよりは、ウッド家を訪問したときに軽くセッションした作品の延長と言う感じで、その場のいい気持ち・雰囲気を記録したみたいな空気感が伝わってきます。
 また、ロンの新しい仲間となったマーティン・ライト、マーク・ウェルズなど無名なミュージシャンがバックを勤めているのも、ファミリー・アルバムにするには好都合な環境でしょう。そういえば同時期に出たミック・ジャガーやポール・マッカートニーの新作にも子供たちが参加してるようです。親から子供に何かを伝えたいという気持ちが強くなってきたのかもしれませんね。



 1. Wayside
 いきなりのアコースティックなスライドギターのナンバーで始まるしぶさに驚かされますが、ひさびさにロンが“身近”で弾いてくれている気持ちにさせてくれる暖かな曲です。
 2. Rock N'Roll Star
 言わずと知れた60年代アメリカン・フォーク・ロックのパイオニアバンド、ザ・バーズ(THE BYRDS)のカバー。60年代当時、彼らがイギリスに公演のためやってきた時、英国のバーズ(THE BIRDS)に在籍していたロン達が、バンド名の使用権利関係でアメリカン・バーズの彼らに迷惑をかけたことに対するお詫び的な気持ちもこめられているのかもしれないね。もちろん、ロンが「ロックンロール・スター」であることは言うまでもありません。
 3. Whadd'ya Think
 ロンと一緒に歌っているのはイギリスの若手バンド、ステレオフォニックスのケリー・ジョーンズ、らしい。僕はどんなバンドか知りませんが、ボーカルは良い声してますね。
 4. This Litlle Heart  
 さて今度はロン念願の娘との共演曲。もちろんリードボーカルが娘のリアさん。堂々とした歌いっぷりです。前回のストーンズのツアーでもコーラスをずっと努めていましたね。お父さんのロンはどんな気持ちでしょうね。ちょっと気恥ずかしそうな感じにも聞こえますが(笑)。
 ところでパーカーションのリズムの音色がフェイセズの「イフ・アイム・オン・ザ・レイドサイド」と似てますね。
 5. Leaving Here
  ロンがプロとして初めてデヴューしたバンドがザ・バーズ。そのバンドでもレコーディングしたモータウンナンバーを再びカバー。演奏はバーズ時代を彷彿とさせるものです。
 6. Hypershine
  インストナンバー。
 7. R.U.Behaving Yourself?
  ロンの74年の初ソロ作品などでバックを努めた懐かしのウィリー・ウィークス(B)とアンディー・ニューマーク(Dr)とのひさしぶりの共演作品。往年のグルーブを期待したいところですが落ちついたバラード調の作品。イアン・マクレガンも参加してます。
 8. Be Beatifull
  聞き覚えのあるリフだと思ったら、なんと驚くべきことにロッドの1972年作品「ネバー・ア・ダル・ア・モーメント」でロン自身が演奏したインスト作品「インタールード」(ロンの兄アート作)をベースにしたボーカルバージョン!オリジナルはアコギギターだけの短いインストでしたが、ロンのボーカルに加えギターの本数も増え、広がりのある1級のアンプラグド曲へと昇華しました。最後に聞こえる車の走り去るエンジン音(さらに壊れる音も)もこれまた同じロッド「トゥルー・ブルー」で聞こえる走り去るエンジン音のパロディかもしれませんね(笑)。
 9. Wake Up You Beauty
  バックコーラスをまたまた娘のリアがつけるカントリータッチのスローナンバー。ロンはほんとに歌うのが楽しくてしょうがないだろうな。
 10. Interfere
  今作はフェイセズ時代にだけ聴かせてくれたロンのアコースティックナンバーがふんだんに聴けるのが最大の魅力。この曲もフェイセズ時代のロッドのソロアルバムに入っていても不思議じゃない美しい曲。
 11. Real HardRocker
 低音でせまるロンのボーカル。さらにギター、ブルースハープ、ピアノまで自らで演奏、多重録音している。『激しい腰の動き、ハードだね、だってお前は正真正銘のハードロッカー』とはロッド・スチュワートに向けて歌っている・・・・は僕の願望です。
 12. Heart,Soul and Body
 マーティン・ライト(ドラムス)、マーク・ウェルズ(ベース)、残りの楽器全てをロン、という基本セットのロックンロールナンバー。シンプルながらもロンは好調にロックしている様は嬉しい。
 13. King of Kings
 ロンとボブ・ディランが指しでアコギを弾きながらの曲。ディランがメインパートを弾き、ロンが受けのリフを弾いています。アルバムをしめるにふさわしい物憂げな曲です。

(2001130)







1.Wayside
2.Rock N' Roll Star
3.Whadd'ya Think
4.This Little Heart
5.Leaving Here
6.Hypershine
7.R. U. Behaving Yourself?
8.Be Beautiful
9.Wake up You Beauty
10.Interfere
11.Real Hard Rocker
12.Heart, Soul and Body
13.King of Kings

































レア・ブリティッシュ・バーズ
ザ・バーズ/THE BIRDS


メジャーになれないままに・・・・しかし

  「おい、今のクレオパトラみたいなやつ、誰だ?」とはヤードバーズのギグにブルースハープで飛び入りした時にロン・ウッドに向けられたエピソードらしいですが、このアルバムジャケのロンはまさにそれ(右から2番目)。黒髪のおかっぱ頭で鼻が高くて・・・・。

 ロンが初めて組んだプロデビューバンドがザ・バーズ/THE BIRDS(ちなみにミスター・タンブリンマンで有名な、アメリカのザ・バーズはTHE BYRDS)。英国のはもうブリティッシュ・ビートをガンガンにならしまくるビートバンドで、ヤードバーズをもっと荒削りにして良い意味で一本調子にした感じ。ヤードバーズは曲の良し悪しはリードギター次第ってところですが、こっちのバーズはバンド全体でゴツゴツとしたワイルドなビートを作り上げており、ロンはリードギターとハープで大健闘しています(リードボーカルがハープもしているんでどれがどれかはわかりませんが)。「ノー・グッド・ウィザウト・ユー・ベイビー」で聴かせるイントロリフなんかフェイセズ時代を彷彿させます。またロンはバンドのオリジナル「ユー・アー・オン・マイ・マインド」、「ネクスト・イン・ライン」、他も作曲しており、これがノリノリの曲でなかなかよい(^^)。さらにモータウンの「リービング・ヒア」(爆風スランプっぽい(笑))やザ・フーの「ラン・ラン・ラン」、ミッシェル・ポルナレフの「ノンノン人形」などのカバーも披露していますが、バーズの色で染められて筋が通ったカバーという感じで十分聴ける作品です。

 しかし、結局このザ・バーズはアメリカの“本家”ザ・バーズに知名度的に押されたのか結局シングルばかりでオリジナルアルバムを作るに至らず、メジャーになれないままに終わってしまいますが、決して出来の悪い作品を残したわけじゃありません。運が、ちょっとなかったんですね。その後のロンの成功のためにここで使うわけには・・・・・・。本作は彼らの残したシングルやアウトテイクをまとめたものです。

 その後ロンはジェフ・ベック、ロッド・スチュワートらとジェフ・ベック・グループでベーシスト活躍していくわけですが、バーズでこれほどのギタリストとしての片鱗をみせつけているわけですから、やっぱりギタリストとしてビックになりたい夢があったんでしょうね。それはフェイセズとして結実することになりますが、そこから先は言わずもがなのお話です。

(20011028)

     






俺と仲間
I'VE GOT MY OWN ALBUM TO DO


 ストーンズとフェイセズのブレンド風味

 俺と仲間 このアルバムの発表された1974年というのはストーンズにしてもフェイセズにしても中途半端な時期で、ストーンズはバンドとしての活動は春にレコーディングをした後は年末までオフ状態で、フェイセズもアルバムの制作にも入らず時々ツアーをやるだけ。そんな両バンドの隙間を狙って行なわれたセッションがこのアルバムになったりする。キースとウッディの過ぎたる接近が後に両バンドの命運を決めるものになっていく・・・・とは当時の彼らは気づいていたのかどうか。 

 それはさておきアルバム内容は当然のごとくストーンズとフェイセズのブレンド風味となっていて実に楽しい。ウッディのファーストソロなのにミックもキースもしゃしゃり出てくるわロッドもソロアルバムの御返しのサポート、親友マクレガンも律義に参加してまるでパーティのようだ。 

 聞き物はなんといっても「I CAN FEEL THE FIRE/俺の炎」と「TAKE A LOOK AT THE GUY/あいつをごらんよ」。前者はミックのがぶりよってくるバックボーカルがいい。後年のストーンズでのイッツ・オンリーR&Rを彷彿とさせるよね。後者はロッドが後ろから凄まじく突っつくようなシャウトを聞かせるのが珍しくも面白い。あと、「AM I GROOVING YOU/君に夢中だよ」はカバーだけど一番ストーンズっぽい。ウッディとミック、キースの3人が一体になって作り出すグルーブは見事だ。 

 歴史上の名盤とはいわないけど、ストーンズやフェイセズ、及びその頃のロックが好きな人なら各曲のパーソネルを見ながら聴くとさらに楽しめます。
(19970915)











1.I Can Feel the Fire
2.Far East Man
3.Mystifies Me
4.Take a Look at the Guy
5.Act Together
6.Am I Grooving You
7.Shirley
8.Cancel Everything
9.Sure the One You Need
10.If You Gotta Make a Fool of Somebody
11.Crotch Music
ナウ・ルック
NOW LOOK

 ギタリストとして自立


 このアルバム、ロンがまだフェイセズ在籍中の1975年7月に発表されたもの。しかし聞こえてくるサウンドはと言えば、フェイセズというよりは数年後のストーンズのアルバムに近い。それらのアルバムにはロンが正式メンバーとして参加しているんだから当然と言えば当然ですが、ロンの音楽志向は次第にフェイセズよりもストーンズに近づいていたのかもしれません。なにせこの月はストーンズの全米ツアーにゲスト参加してるんですから。
 サウンドには、フェイセズにはない垢抜けた黒っぽさというかファンキー加減がミックスされています。このアルバムを出した時点でロンはフェイセズのいちギタリストというよりは、独自の色を持ったひとりのギタリストとして自立できたと言えるかもしれません。この個性をストーンズは欲しがり、後にそれは「サム・ガールズ」や「エモーショナル・レスキュー」を作り出す原動力になります。

 録音は5月にアムステルダムのスタジオで前作のメンバーを再び集めて行なわれました。一方、肝心のフェイセズのアルバム製作はロニー・レイン脱退以来、行なわれていません。ソロをひとつ出すだけにとどまらず、2年続けてのソロアルバム製作は、ロンの人生設計おいてフェイセズは既に形だけのものになっていたのでしょうか?
 日本初回盤のLP帯には次のようなコピーが記されています。「ローリング・ストーンズの信頼を一身に集める、フェイセズのギタリスト」。これってなんだか将来を暗示してるよなあ・・・・・。
 
(20010811)










1.I Got Lost When I Found You
2.Big Bayou
3.Breathe on Me
4.If You Don't Want My Love
5.I Can Say She's Allright
6.Caribbean Boogie
7.Now Look
8.Sweet Baby Mine
9.I Can't Stand the Rain
10.It's Unholy
11.I Got a Feeling
ギミ・サム・ネック
GIMME SOME NECK

 フェイセズ時代に出した過去2作のファンキー路線からはやや離れて、ストレートでシンプルな勢いのあるロックンロールの勢いをばら撒いたようなアルバム。さらに陽気なロンらしく気負わずリラックスムードも漂っています。

 1、2曲目と続けてミドルテンポのロックナンバーが続くと、3曲目にアコースティックなギターソロ−−−これはまさに70年代初期のロッドのアルバムでロンがプレイしたいた小品のような味のある趣があります。そして続く4曲目「ベリッド・アライヴ」のギターリフからして往年のフェイセズナンバー「シリコングロウン」を想起させてくれますから、ここまでの4曲だけで本作が好きになりましたね。7曲目にはボブ・ディラン作「セブン・デイズ」。この曲だけ他曲にあるようなお気楽モードは微塵もなく、真剣に歌うロンであります。ドラムにはミック・フリートウッドでヘヴィーな曲調。8曲目はイントロがストーンズの「シルバートレイン」に似ているような? ロン参加前のストーンズナンバーですが関連を考えると楽しいですね。そんなロックンロール満載のアルバムはラストの「ドンド・ウォリー」まで続きます。参加メンバーにはマクレガンやチャーリー・ワッツ、キース、ミック、デイヴ・メイスンなどなど。アルバムのナンバーはロンのバンド、ニューバーバリアンズでライブ演ってるんですが、僕は未聴ですが良さそうですね。
                                         (2006年4月29日記)


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スライド・オン・ライブ
SLIDE ON LIVE
- PLUGGED IN AND STANDING


熱狂のしどうしだったステージ


 1993年1月10日、大阪厚生年金会館で見たライブはすごい盛り上がりだった。1990年のストーンズ初来日後としては初めてのストーンズメンバーの来日だけあって、まだファンの間には余韻が残っているのか「イッツ・オンリーR&R」などストーンズナンバーの時は2階席最前列(私など)に陣どるファンは手すりを打ち叩いてリズムを取って熱狂しどうしだった。もちろんフェイセズナンバーも「シリコン・グロウン」「スティ・ウィズ・ミー」などやってくれたし、また、その場で初めて聴いた「セブン・デイズ」に“なんていい曲だろう。”と感動もした。

 来日当時、僕はフェイセズの代表曲は知っていたが不覚にもロニーのソロナンバーは知らなかったので、演ったかどうか定かでない曲も多く、口惜しい。バーナード・ファウラーのボーカルも後に出たライブCDで聴くよりは迫力があったと思う。もちろんロッドと比べるのはできないが。イアン・マクレガンは遠目で見るとライトのせいか当時人気のあった作家・タレントの志茂田景樹に見えた(笑)。ライブをウォークマンなどで隠密録音しておけばよかったとホントっに悔やまれます。

 僕自身のライブ経験では90年のストーンズ'、94年のロッドに並ぶぐらい楽しめたライブだった。また来てくれないかなあ・・・・・と想い願ってあれから10年が経っちゃったよ。

(1997年11月23日、2002年12月14日)









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1.Testify
2.Josephine
3.Pretty Beat Up
4.Am I Groovin' You
5.Flying
6.Breathe on Me
7.Silicon Grown
8.Seven Days
9.Show Me
10.Show Me [Groove]
11.I Can Feel the Fire
12.Slide Inst.
13.Stay With Me