The Tin Man Was a Dreamer
夢見る人
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1973年に出したソロ・アルバム。60年代かあちらこちらのセッションワークをしただけあって人脈も多彩なのか、ミック・テイラーにジョージ・ハリスン(ここではジョージ・オハ ラの偽名を使っている)もいる。いづれもひとかどのツワモノぞろいなのだが皆一歩下がった“さりげなく実力を見せる”スタンスのタイプが多いのは“類は友を呼ぶ”という事なのだろうか。
収録曲は全て彼の優しさが感じられる良曲ぞろいで、彼のピアノタッチもふんだんに堪能できるのは嬉しい限り。中でもイイのは「Waiting For The Band」。恋人に恋焦がれる気持ちを、バンドからお呼びがかかるのを待つ気持ちに例えた曲で彼の優しげなボーカルとハリスンのスライドが聴ける。
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そして「弁護士の嘆き/Lawyer's Man」。悲しげなピアノイントロで始まり、彼のやや細いボーカルと合間って胸が締め付けられるようだ。
それからこんな曲弾けたら自分に酔いしれてしまいそうなムードのあるインストの「Sundown In Mexico」。だれかこの曲の弾き方を教えて欲しい。
彼は実力の割には表立った活躍が少ないように感じる。そんなイメージを拭うまもなく1994年9月に逝ってしまった。ちょうどストーンズの全米ツアーが行われている頃だった。対照的な両者の境遇が印象的だった。ストーンズメンバーは彼の死をどう思ったろうか。
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Through The Past Darkly
スルー・ザ・パスト・ダークリー
1990年にザ・ローリング・ストーンズが初来日間近になって初めて彼らのアルバムを買った。それが1969年発表のこれ。名曲「Jumpin'
Jack〜」もあれば「Honky Tonk〜」 もはいっているわけで実に美味しいアルバムだったのだが、それらよりも僕にとってさらに強烈に印象が強かったのは「She's A Rainbow」だった。ニッキー・ポプキンスの、まるで雨のしずくが滴り落ちかのようなピアノ鍵盤の高音部主体のタッチは圧倒的に新鮮で美しく、それにからむストーンズメンバーらのぶっきらぼうだが温かなコーラスがまた絶妙だった。ロックに使われたピアノの音色に感動したのはこの時が初めてだったと思う。もちろん来日時のストーンズの音楽性とは既に無縁となっていた彼なのだが、その後ミック・テイラー期の海賊盤を集めていくことになった僕には当時のストーンズサウンドを聴くには欠かせないキーパーソンになった。
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Cosa Nostra Beck-Ola
コザ・ノストラ・ベック・オラ
前作ではゲスト参加だったニッキー・ホプキンスが正式メンバーに。バンドも前作以上にハードで魅力的なサ ウンドをつくりだし、もはやジェフのワンマンバンドではなくなった。ロッドは後のフェイセズともソロ作とも違いひたすらシャウト、またロン・ウッドのベースも常に目立つ音でギタリストに専念させるのは非常に惜しい!
本作での注目の一つはニッキーのピアノ。「ガール・フロム・ミルバレイ」はほとんど彼のソロ作品でアルバム中では異色ともいえる素晴らしい曲。'69年のツアーと中で脱退した彼はこの曲のMill
Valleyの地に移住してしまった。
(20030523)
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Izzy Stradlin
and The Ju Ju Hounds
イジー・ストラドリン&ザ・ジュ・ジュ・ハウンズ
元ガンズ&ローゼズのイジーが93年に出した1stソロ。フェイセズ、ストーンズタッチのロックンロールは好感が持てるどころか最 高に70年代ドライヴィングしているのですが、ゲストにロン・ウッド、イアン・マクレガン、それにニッキー・ホプキンスも参加してるのもポイントを高くしています。
「テイク・ア・ルック・アット・ザ・ガイ」などでロン、マックらの強力なサポートは楽しめますが、ニッキーは別に「カム・オン・ナウ・インサイド」にピアノで参加。ストーンズの「ならず者」あたりの感じで鳴らしてくれています。
ニッキーの最晩年のセッションです。
(20040828)
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