関電機 大型電源

大理石の操作盤を持つ、関電機製の最高級トランス。各種の合成樹脂や、陶製絶縁物の製造技術が高度化する以前は、大理石は最も耐久性に富んだ絶縁材料であった。非常に高価な素材であるのは言うまでもないが、大理石をおごるだけの、最高級機種として恥じない造作と機能を兼ね備えている。
一見して判るように、タップの接点にはポンチで出力電圧の数字が刻印されてあり、ハンドルやターミナルとも分厚なメッキがかけられ、大理石パネルとともに重厚感をいや増している。機能も高級機らしく充実しており、三方に一対づつあるターミナルは、向こう(直接綿巻電線が出ている)が運転用二次線で0・4・6・8・10Vを出力、手前が高電圧二次線で0・10・11・12・14・16V、左はアクセサリー用定電圧出力で6Vを、それぞれ給電することができる。右のターミナルはヒューズ用で、裸のヒューズ線をむき出しで渡す。同社製の普及型電源と比較して見ると、機能の多彩ぶりは一目瞭然だろう。(説明書はクリックすると大きな写真がご覧になれます。)昭和10年代。(畑須美男様 所蔵)
【16/9/17掲載】

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