酒井製作所 2‐6‐2型蒸機
ダイキャスト一体成型の車体、自動逆転器標準装備とそれまでの日 本の鉄道模型には見られなかった手法で、莫大な対米輸出を成し 遂げたとされる酒井製作所のフラッグシップ的存在。簡単、確実な 操作、しかも堅牢とまさにトイトレインとしては理想的な造作で、国内 でもデパートを中心に相当数が販売され好評を博した。
車体はダイキャストとプラキャスト(密度の低いスチロール樹脂・瞬間 接着剤が付着すると穴が開く!)の2種類があり、テンダーはともにブ リキ製だが、側板のレタリングに“HUDSON&PACIFIC”と“HUTTON& PACIFIC”の2種類ある。写真上がダイキャスト車体、写真中がプラキ ャスト車体。
写真下は車体を外した状態。モーターの界磁が割れてラチェットを駆 動する自動逆転器で、同様の下周りが同社製2代目EB58(別掲)に も流用された。逆転器のシフトは2シフト(前進→後進→前進)で、ライ オネルの3シフトより略式であり、車体サイズが当時のライオネル027 よりさらに小さめだったことを併せて考えると、酒井が範としたメーカー は、北米で短縮型車体のティンプレートメーカーとして知られたマークス (Marx)だったのかもしれない。ちなみに酒井製の線路はライオネル027 に準じており、一部の安価な北米製トレインセットに線路をOEM供給 していた形跡がある。


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