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(有)ベルアソシエィツは火災現場の鑑定を専門とする会社です。

火災原因/調査・鑑定の例



不自然な油性成分の検出例


火災保険金請求事件では、次の様な不自然な現象が明記されたり、不自然な測定結果が明示されている試験報告書を見かけます。
1.GC/MS測定の測定日時が明記されていない。
  → 同一データが数年間使い回しされている例がある。
2.出火元として長時間火災環境にあり、燃焼した板状の炭化物から灯油  成分が検出された。
  → 不自然な場合が多い。
 一般財団法人 化学物質評価研究機構
  GC/MS測定を依頼した結果、
    下記図Bell-1、A~D、図Bell-2のとおりです
3.15㎜程度炭化した(20分以上燃焼)柱の表面の炭化物から灯油が検出さ  れた。
  → 不自然である。
4.40分以上も強熱を受けた、コンクリート床上の炭化物から灯油成分が  検出された。
  → ありえない。
5.定量としながら、実際には、定性試験であった。
  → 第3者を誤導しかねない報告書を作成している。
6.ピーク面積(電子強度カウント、他呼び方は多数ある)と検出値の関係が  明記されていない。
  → 算出方法、検出量が不明瞭・不正確
















放火と失火


放火と失火では、燃焼の仕方、火災拡大状況が大きく異なります。原因調査には幅広い専門知識が必要です。

焼残物からガソリンや灯油が検出されたとする、GC/MS分析(ガスクロマトグラフィー質量分析)の結果(クロマトグラム)は作為的な操作によるねつ造の可能性もあります。
ガソリンや灯油の成分は生活物資(建材、日用品、衣服等々)からも検出されます。
多量のゴミや廃棄物等を利用した固形燃料(RDF、RPF)は自然発火することがあります。ゴミ山が自然発火していなければ放水で容易に消火します。

ゴミ山やRDF・RPFが自然発火した場合は、消防の放水でも容易には消火できません。
内部に熱がこもっているからです。ゴミ山に放火した場合は消防の放水で消えやすいです。
プラスチックや木材が内部まで熱くなっていると水で一旦は簡単に消えても、容易に再着火することがあります。

粉末、CO2ガス。N2ガス系消火剤等で消火した後は、水等で冷却を十分に行わないと、容易に再発火します。

   
 下段4ヶ上段4ヶ、計8ヶ積まれた段ボール箱の上段中央部に灯油をかけた後、放火した場合の焼燬状況例 積まれたダンボール箱に灯油をかけると、流れた灯油はPタイル上に面(又は線)状に激しい焼燬痕ができる例。灯油がかからない底面の段ボール紙だけでは強い焼燬痕ができ難い。 





ストーブ火災



ストーブ本体の給油口に直接給油中にその場を離れて火災に至ってしまったケースがあります。給油口から溢れた灯油に引火して、周囲一帯が突然火の海に発展することもあります。
灯油の発火点(自然に発火する温度)は約220℃でも、引火温度(近くに火種がある時に発火すること)は約40℃です。ストーブの周囲に飛散していた灯油が、しばらく経ってから発火することがあります。正常に燃焼中のストーブに、外部からの風が入ると異常燃焼を引き起こすことがあります。

   
 ストーブの上にプラスチック製品を乗せたまま、気づかずに点火した場合、プラスチックは溶けてストーブの反射面、背板等に流れた痕跡が残る。 ストーブの芯枠周辺に溶融・落下して燃えずに残ったプラスチック塊や焼燬痕が残る。
 
   
 石油ストーブの性状の燃焼時に突然風が吹くと異常燃焼を起こすことがある。 給油中に灯油の溢流を放置し、ストーブが異常燃焼を起こした後に、溢流した灯油に引火して、燃焼拡大し始めた実験例。 



 
 上記右側写真続き。
Pタイル床面に流れた灯油が一面に引火し、一帯が火の海となる例




灯油を床板上に撒いた場合の独立燃焼の有無


 (a)灯油を床板面上に、楕円形状に50㎖を塗って点火したところ。左の板は、長方形の加熱源で、床板の上方約10㎝から放射熱を照射して発火した後の炭化痕。

 
(b)右は、(a)と同様に床板上の同位置に、1回につき、50㎖の灯油を繰り返し4回燃焼させて、4回目のの自然鎮火後の炭化状況。床面上に灯油を撒いても、容易には、独立燃焼しないで立ち消えてしまう。





灯油成分のGC/MS分析


建物内の木材(壁、床板、柱、梁、根太、大引等)に“灯油をかけて放火した”とする鑑定書、意見書等を見掛けますが、例えば、柱を灯油中に10分間浸して燃焼させると、20分間程度の燃焼で灯油は焼失し、又は燃焼中の環境に拡散してしまい、灯油成分の検出が不可能になってしまいます。 柱では、20分間の燃焼は、炎の回り易い部分において表面から約14㎜程度、炭化(炭になる)したり、炭化した部分が焼失したりします。


(a) 灯油中に浸す前の柱切断したもの


(b) 炉に相当する竃中で燃焼させる


(c)点火後10分、又は、20分後に取り出した時の炭化状態。放水して鎮火させた。


(d) 炭化した柱を輪切りにした状態。炭化物の試料採取にはノコギリの切断面を避けて採取する。


長期低温加熱による出火の可能性の検討・解明



長期低温加熱による出火条件は多種多様で、一般には知れ渡っていない特殊な条件下で起こる現象もあり、出火原因調査には専門家でないと判断できないことがあります。当該箇所の出火の可能性の検討及び解明には、幅広い専門知識が必要です。

検討・解明の例
1.塗装工程における出火
2.プラスチック工場火災
3.ホテル火災
4.住宅火災

1.塗装工程における長期低温加熱による出火例

【解析の例】
焼付け塗装工場で水洗後の塗料残渣が側溝内で洲となり、自然発火したことの解明実験例

   
 発火直前の試験対体内部で空洞の表面に沿って炭化が進みつつある  着火の兆候が見られた時、恒温槽の蓋を開けると突然有炎燃焼に移行


2.プラスチック工場火災

【検証・解析の例】
・有機系固形物の自己発熱・着火の有無の解析
・プラスチック製造過程の自然発火の検証
・プラスチックブロックの自然発火と放火による発火の違いを実験的に検証
・熱可塑性プラスチックが液体になって燃焼せず、石炭のように個体の形状を保ったまま燃えるケースの検証
・暖められたプラスチックの熱分解による可燃ガスの発生と着火の可能性の解析

   
 プラスチックブロックは形状を保ったまま燃えることがある 表面燃焼しているプラスチックブロックは家庭用散水器で容易に消える場合もある 

   
 熱可塑性プラスチック片を球状篭に入れて長期低温加熱実験中の例 PET、PE(熱可塑性)でも炭カル混入のため溶融せずに無炎燃焼(赤い火種あり)する例 

   
 PET、PE(熱可塑性)でも炭カル混入のため石炭のように溶融せず有炎燃焼する例 同左 

   
 球状篭中のプラスチック片の内部温度変化の例 球状篭中の熱電対位置 

   
 熱可塑性プラスチックブロックでも長期低温加熱により中心より着火した例 同左。密に詰まったプラスチックブロックを2分割して小石をはさんで空気層を作った結果、中心より発火 


3.ホテル火災

【検討・解析内容の例】
・ボイラーの排気ガス・煙道近傍の建築材料の表面着火と長期低温加熱による発火の違いを詳細に解析
・厨房の排気ダクト内の油性付着物の着火・火災伝播と炎危険の有無を解析
・ガスコンロ回りの壁裏からの着火出火の可能性の検討
・表面からの加熱は条件により容易に着火しない例

   
   

   
   


4.住宅火災 

【解析の例】
・暖炉の煙突近傍の壁材と

   
   

   
 
 
   


トラッキング


室内には古くなったり

ネズミ、ペットなど動物による短絡
   天井裏、床下、台所内の流し台下 
 子犬、ネズミに噛まれたコード(例)

その他の火災原因

水の入ったペットボトルが


バナースペース

火災原因を科学する
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