第10回
写真集:クメールの宇宙〜アンコール遺跡群〜 - 前編 -

2002年11月9日(土)〜11月11日(月)の3日間、私は世界遺産に指定されているカンボジアのアンコール遺跡群を巡った。古代カンボジア、戦時中のカンボジア、そして観光地としてのカンボジアを目の当たりにしてきたこれらの遺跡の写真を(写真集)クメールの宇宙〜アンコール遺跡群〜と題して前・中・後編の3つに分けてご紹介する。

(1st Day) Angkor Thom and its surroundings
the gate of Angkor Thom
都城アンコール・トムへの入り口となる南大門。遠くにこの顔が見えたときは、一体何が起こるのかと興奮した。(2002年11月9日)
門の入り口の両側には都城を守るように兵士の石像が並んでいる。そのいくつかは首から上が奇麗に切り取られていた。(2002年11月9日)
顔の長さだけで3mあるという南大門。これを初めて発見した人はかなり驚いたに違いない。(2002年11月9日)

Bayon
無数の顔が点在するアンコール・トムの中のメインとも言えるバイヨン。遠くから見ると異様である。(2002年11月9日)
近づくとさらに顔の迫力が増してくる。ガイドブックには強い信仰心のあらわれと書いてあったが・・・(2002年11月9日)
近くで見るとその顔があまりにも奇麗な彫刻なのがわかる。気持ち悪いほど滑らかな曲線、当時の技術力には驚く。(2002年11月9日)
遠くを見つめているような観音菩薩。陽の当たり方に寄って陰影が変わるとまるで生きているかのように変化する。(2002年11月9日)
バイヨンには観音菩薩以外にも見事なレリーフが多くある。そのどれもが当時の彫刻技術の高さを物語る。(2002年11月9日)
バイヨンに彫られた女神デバダー。この彫刻はバイヨン以外のほとんどすべての遺跡でも見ることができる。(2002年11月9日)

Baphuon
バプーオンの空中参道。まるで天空を歩いているような錯覚に陥る。(2002年11月9日)
修復中のバプーオン。裏には巨大な釈迦像があるらしいのだが残念ながら入れなかった。(2002年11月9日)
バプーオンの裏はまだ未開の林。樹齢の古いと思われる巨木が遺跡に迫ってきている。(2002年11月9日)

Elephant Terrace
象の像が並ぶ象のテラス。長く伸びる鼻、これもよーく考えるとスゴい彫刻技術なのでは?(2002年11月9日)
象のテラスの上に無造作に置かれた壊れかけた彫刻。何かリアリティを感じる。(2002年11月9日)
裏側へまわるとテラスを支える怪鳥ガルーダの像がならんでいた。このガルーダたちがこの遺跡を天空へ運ぶという意味だろうか?(2002年11月9日)

Pimeanakas, Male Pond and the gate of palace
王宮への入り口の門。ここを抜けると王宮ピミアナカスが姿を表す。(2002年11月9日)
王宮の中のいくつかの門はすでに崩壊していてそこから中に入ることはできない。(2002年11月9日)
「天上の宮殿」という意味を持つピミアナカスの遺跡。それほど修復された跡はなく、リアルな形で残っている。(2002年11月9日)
ピミアナカスの階段を登り、上から下界を撮影してみる。すでに周りの遺跡の多くが崩壊していた。(2002年11月9日)
ピミアナカスの横にある男池。かなり大きな池だ。こんな歴史的遺産も子供達には格好の水浴び場となっている。(2002年11月9日)
ピミアナカスの裏側にある門。観光客はここまで来ないため非常にひっそりとしている。それが逆にリアルだ。(2002年11月9日)

Leperking Terrace, Preah Pithu and Khkeang
ライ王のテラスを支える無数の像。当時の民衆だろうか?(2002年11月9日)
王宮の脇にひっそりと建つ仏教寺院プリア・ピトゥ。あまり観光客はいなかった。(2002年11月9日)
南北2つの遺跡に別れるクリアン。間の道は勝利の門に続いている。(2002年11月9日)



(1st Day) The East Side
Thommanon and Ta Kev
勝利の門を抜けてすぐの左にある遺跡、トマノン。ほとんど修復もなく奇麗な形で残っていた。(2002年11月9日)
トマノンの中。ほとんど観光客はいなかったため比較的ゆっくり見物できた。(2002年11月9日)
比較的大きい遺跡、タ・ケウ。こちらもほとんど奇麗な形で残っていた。(2002年11月9日)

Ta Prohm
タ・プローム遺跡に通じる門。といってもほとんど崩壊している。(2002年11月9日)
自然のまま放置されたタ・プロームの建物の入り口。明らかに他の遺跡とは色調が違う。(2002年11月9日)
中に入ってみると他の遺跡と違って草花が全く取り払われていない。こうなるとバイヨンの修復前の姿なども見たくなる。(2002年11月9日)
見たこともない太い根を持つ巨大な木が遺跡にのしかかる。ものすごい迫力だ。(2002年11月9日)
それはまるでどこからかやってきてこの遺跡を占領しているかの様に見える。(2002年11月9日)
この巨木がなくなったら今にもこのタ・プロームは天空に飛び出してしまいそうだ。(2002年11月9日)
巨木を真下から撮影してみる。天空へ向かって力強く伸びる。凄まじい生命力を感じる。(2002年11月9日)
放置されているため、遺跡のほとんどの部分は放置され瓦礫の山と化している。(2002年11月9日)
高度な技術で発展したクメール文明VS自然の力。無造作に転がる遺跡の残骸が何かを物語る。(2002年11月9日)

Banteay Kdei, Sras Srang and Prasat Kravan
沐浴池スラ・スランのすぐそばにあるバンテアイ・クディ。タ・プロームほどではないがこちらもある程度自然のまま放置されている。(2002年11月9日)
バンテアイ・クディの内部。陽も徐々に沈みかけているためひっそりとしている。(2002年11月9日)
陽に染まるバンテアイ・クディ。当時はいったいどういう色をしていたのだろうか。人々はどのように見ていたのだろうか。(2002年11月9日)
沐浴の池、スラ・スラン。池というより小規模の湖と言えるくらいの大きさだ。(2002年11月9日)
しばしばこのスラ・スランにて結婚式が催されることがあるらしい。きっと素晴らしい結婚式になるだろう。(2002年11月9日)
小さな遺跡、プラサット・クラヴァン。陽の光を浴びて暖かい色になっていた。遺跡の前では子供が楽しそうに遊んでいた。(2002年11月9日)

Phnom Bakheng
小高い丘の上にポツンとある遺跡、プノン・バケン。階段は急勾配でさらに段差が非常に高い。(2002年11月9日)
プノン・バケンで夕日を待つ観光客たち。遺跡巡りで疲れた体を優しく癒してくれる美しい夕日を待ち望んでいる。(2002年11月9日)
プノン・バケンからの夕日。1日目は残念ながら分厚い雲に覆われて美しい夕日を見ることはできなかった。(2002年11月9日)

中編につづく

2005/11/22(Tue)掲載