DIARY(2002) May

5/21(Tue)                                  『武満徹』  

きょう、ふらっと渋谷の本屋に入って何気なく背表紙を見ていたら、武満徹の本が何冊かあったので1冊を手にとって無意識にページを開いた。そしてある一行が脳裏に焼きついた。というか何か記憶の扉をノックされたように、ぼくのDNAに響いていた。

「私は音で作曲するのではなく、音と協同(コラボレイト)するのだ・・・」

彼の本は昔、何冊か読んだことがある。一時、現代音楽に興味を持った時期があり、ジョン・ケージ、シュトックハウゼン、一柳慧etc...その中でも武満徹の音や思想には何か惹かれるものがあった。

惜しくも数年前に他界してしまったが、彼の功績はとても大きかったと思う。

ぼくなりに思うのだが、作曲という行為は何か搾り出すような無理なエネルギーが働くように思う。もしかして今気付いたけど、「曲がって(曲げて)作る」という意味だろうか?

もちろんほとんどの音楽は「作曲」されたものであり、素晴らしい作品も多いと思う。商業音楽においては、ほとんどがそうだろう。

しかし「音」とは不思議なもので、ある「音」によっては、まるで魔法にでもかかってしまったかのごとく、その人のからだを通して現われてくる。この「現象」も作曲という単語でくくられてしまうのだが、これは英語でいう「Tune」のほうがふさわしい。「Tune」とは曲のことであり、調和、協調などの意味がある。それに「Tuning」とは波長を合わせるという意味だ。

まさしくこれは武満徹が言うように、「音とコラボレイトする」ということになるのだろう。

そういえば、ジャンルは違うけど(いや、ジャンルなんかでくくるのはおかしいよね)ブライアン・イーノも、音とコラボレイトしているアーティストではないかと思う。

映像分野では、以前日記にも書いたけど、アンドレイ・タルコフスキーもそんなアーティストと言えるかな。彼の場合は「心象とのコラボレイト」なんだろうか・・・。

関連することを以前エッセイで書いているのでよかったら読んでください。

音楽を創るということ

(AKI)

 

5/6(Mon)                          『マリファナ・マーチ2002』  

きょう井之頭公園で『マリファナ・マーチ2002』というイベントをやっていた。近い事もあり散歩がてら自転車で寄ってみた。この情報は2,3日前『カンナビスト』というHPで知ったのだが、今年は2回目ということらしい。

どういう主旨かといえば、「大麻の正当性をアッピールし、法律の改正を訴える」ということだが、代表の人は弁護士でもあり、とても熱心に運動をアッピールしていた。

こういう運動を日本で行っているのは知らなかったけど、このことで思い出したことがある。

10年くらい前のことだけど、NYに住んでいたとき、友人が「きょう、ワシントンスクエア・パークでおもしろいことをやっている」と誘われて行ってみたら、なんと公園内にはたくさんの人々が集まっていた。年齢層もけっこう幅広い。そして驚いたのは、堂々とマリファナを吸っている人も大勢いるのだ。いくら自由の国とはいえマリファナは合法ではない。ふと、公園の出入り口(何箇所かある)を見たら警官がじっとその様子を伺っている。エエ〜ッ、いったいどうなってんの?と友人に理由を聞いてみたら、どうやら今日だけはこの公園の中でだけマリファナを吸ってもいいらしいのだ。でも、そのまま一歩でも公園の外に出たら逮捕されるのだ。中には出入り口のところで警官にわざと「おーい、捕まえてみろよ!」といってあおっている若者もいる。他の出入り口では本当に捕まってしまった若者もいた。

なんかほんとアメリカならではの一場面だった・・・。

今思えばあれがきっとこの『マリファナ・マーチ』だったのだろう。たしか今頃の時期だったような気がする。それにくらべ日本のほうは、とてもまじめだ。(まあ当たり前だけど・・・)大麻の正当性を訴えたパネル展示もたくさんあった。面白かったのは散歩に来たような近所の年配の人たちも何なんだろうという感じでパネルをしげしげと読んでいたことだ。(彼らはいったいどう思ったのだろう?)

しかし、ほんとうにおかしいのは、かたやオランダなどの国では大麻は合法化されててカフェではメニューにも載っているというのに、ここ日本では、持っていただけでもまるで重犯罪者のごとく扱われてしまう・・・。酒やタバコよりも害はないのに、政府は税金を取るためにそれらは容認し、数千年前から人類が親しんできた大麻は法律で規制する。その規制だって戦後のことなのだ。そういえば、マジックマッシュルームももうすぐ規制されるらしい・・・。それこそ「聖なるたべもの」なのに・・・。

もちろんそれらのものには摂取の仕方で危険なものもある。しかしマイナス面ばかりクローズアップされるけど、すばらしい効用もたくさんあるのだ。

ひとつ面白い話がある・・・。1930年代にアメリカのフォード社は自社の秘密工場で、大麻を主とした植物原料のプラスチックをボディに使い、大麻から精製した燃料で走る<次世代の自動車>の開発を進めていたそうだ。ほぼ実用段階にあったが、大麻の禁止政策に伴って開発は中止されたという。もしこの半世紀前の「植物性自動車」が世に出ていたら、地球環境の汚染は今ほどひどくなっていなかったかもしれない・・・。

そして著名な大麻解放論者であるジャック・ヘラー氏は、彼の本の中でこう言っている。「大麻禁止は一言で言えば、石油産業の策略です。1930年代に勢力を拡大しつつあった石油化学産業にとって、大麻の存在が目の上のたんこぶとなったのです。なぜなら大麻からは石油と同等、あるいはそれ以上に様ような製品を作り出すことができるからです。・・・」

そう、大麻はまさに神様が人類に与えてくれた恵みの植物ではないのだろうか?

近年、カナダやオーストラリアでは産業用大麻の栽培が合法化されている。ドイツでは政府が大麻の栽培農家に補助金まで出している。アメリカでも州によって(カリフォルニア州、アリゾナ州)は、96年に住民投票によって医療目的でのマリファナの使用が合法化された。

ところで日本はといえば・・・・・・・・・・・・・!?。

 

http://www.matsuri.net/cannabist/index.html

http://www.matsuri.net/cannabist/database/cnews/cnews00701.html

           

(AKI)

 

5/1(Wed)                                    『うちの庭』  

うちの庭といっても畳2枚分くらいしかなく、しかも2階から樋を伝って流れてくる雨水によってかなりじめっているのですが、なんだかんだ伸ばし放題にいろんなものが育っていってます。

もともとあったものは確かアイビーと水仙くらいだったと思います。それではあんまり淋しいというので鉢植えだったポトス2、3個を土に戻しました。するとそこら中がもうポトスだらけとなり、今では2,3種類のポトスが渦をなして生えています。その渦の中、もったいないからと植えたじゃがいもやらサトイモ、又数年前にハーブセットか野菜なのか、とにかく家にあったので植えた種一式の中のものではなかろうかと思われる物、又はどこからか種が飛んで来たのかなと想像されるような物や食べた後、庭に捨てたかなと思われるようなもの(例えば狭いレンガの隙間から生えている柑橘系のような木とか)までがあい乱れながらもたくましく育っているようです。

このようにいつもうちの庭には気がつくと正体不明の植物が生えているという状態なんですが、実は今そんな野放し状態の中にまたしても正体不明の植物発見しました。あいらしい「紫の花」です。なぜこのように可愛らしい花がうちの庭に咲いているのかもこれまた不思議です(花の種を植えた記憶なし)。しかもその紫の花は群生しているポトスに囲まれながらも日々着実にそのテリトリーをひそかに広げていってるのでありました。なんとけな気な。私もこの名も知らぬ花のようでありたいなどと柄にもなく思ってしまいました。そしてこのまま好きなだけ咲き乱れてくれぃと心の中で毎日祈っている私です。

(hideko)

 

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