10月4日 水曜日

6時起床 エアコンの屋外機の音で目が覚めた。
今回の旅行では目覚まし時計をセットしていない。

到着してから今までは、時差の関係で早起きしていたが 次第に時差に体が慣れてきているようだし 気ままな一人旅なので 睡眠不足と疲労を蓄積したまま運転するよりも よく眠りしっかりと鋭気を充電して 一日を元気に安全で活動したいからだ。

今日はグランドキャニオンに行くつもりで ここまで南下してきたのだが このままグランドキャニオンへ行ってしまうと 週末にロスに着く予定の僕としては 日程的に早すぎることになる。そこで いままで考えたこともなかった国立公園巡りをすることにした。

朝のカイエンタ周辺の道路は朝陽を浴びてひかり輝いている


   

 
道路標識には 無数の銃弾の痕跡があるが小型拳銃のために鉄板を貫通していない

車のダッシュボードに護身用の拳銃があるのは当たり前のことなのか 銃社会アメリカの現実でしょうか



← これはユタ州の車のナンバープレートです。
スキーのイラスト入りで UTAH だぁ!と感嘆詞もついてます

 一番下の部分には 地球上で最高の雪質 と書いてありますよね

ナンバープレートの絵柄は 各州すべて異なるので楽しみです



4州が交差するフォコーナーズから191号線を一旦北上して ユタ州95号線Westで二人の少女が荷台に乗っているトラックを追い越した。
一人の子は顔をうつ伏せ 一人はこちらを見ている 何故か解らないが 楽しい人生をおくって欲しいと願ってしまう。
父親らしき人は 僕が自動車教習場で習ったとおりのハンドルの握り方をしている


     

     

宇宙を想像させてくれるような ユタ州95号線。
この道は50マイル程度の速度でゆっくりと走ってみたい。
広大な景色のなかに自分ひとりだけが存在する不思議な世界。
人間との関わりがあるのは目の前に延びる道路だけである。
バックミラーに映る風景も同じだ



レイクポウエルで出合ったドイツの若者達
真似をして短い足を 気どって石の上に乗せて後悔しました




無人の観光果樹園なんですが この果物 なんでしょうね  

















24号線 キャピトルリーフ国立公園
 
             
              キャピタルリーフ国立公園のスタッフ ユタ州の観光地図を頂戴した
        






ユタ24号線の両側で
可憐に揺れる Aspen


この辺りは緑が豊富で 先ほどまで荒涼たる土地を走ってきたものにとって心が落ち着く。
緑と黄葉のコントラストが実に美しく 荒れ地の乾燥した空気が一転して湿り気をおびたオゾンの味覚に変わり 僕の鼻腔を心地よく くすぐる


       
       Torreyは小さな街だ。ガソリンスタンドと小規模な商店が道         路沿いに並び 西部劇に登場する宿場街の雰囲気が漂う。
       街の突き当たり 大きな岩山の手前でR12の標識に沿って左折する。       
山の中のカーブを曲がると 道路の右側にリュックを背負った30代の若者が立っていた。
ヒッチハイカーを乗せるのは危険だ!乗せるつもりは無かった。
彼の横を通り過ぎる時 半ズボンに緑色の長袖シャツ 薄いピンクのザックを背負った姿を見て 瞬間的に彼の人格を感じ取り ブレーキを踏んだ。

僕も若い頃から旅が好きで いろいろな人との出会いを通じて成長させてもらった。特に旅先での暖かい心遣いは 旅人にとって何よりも嬉しいものだ。
車をバックさせると同時に 背中でザックを揺らせながら走り寄ってくる姿が見えた。
窓を開けて 何処まで行きたいのかと 尋ねた。
すると 「アナタワ 日本人デスカ」 と教科書どおりの日本語が返ってきた。
彼は35歳 10年前に青山に住み 企業で英語を教えていた。
でも日本語はすっかり忘れたという。

2週間の予定でユタ州の国立公園をトレッキング中である彼は、知識が豊富で キャンプ 植物 インディアン 歴史など 沢山の話を聞かせてくれた。

昨日Bluffの店で 週末にロスで会うBobの奥さんへのお土産にZuni indianのブローチを購入したことを話すと ズーニーの宝石に関する創作工芸技術は 数あるインディアンの中でも秀逸であることを説明してくれた。その話を聞いて 僕の審美眼が正常であった喜びを こっそりと味あわせてもらった。
 
彼とは 次のブライスキャニオン国立公園入り口まで2時間ほど一緒だった。
別れ際に 一度も口にしていないインスタント味噌汁をプレゼントすると、今夜のディナーのメインディッシュはミソスープだと おおげさに喜んでくれた

     
      UTA89号線 KANAB付近 標高1,600m


グランドキャニオンの夕陽が見たくて ノースまで行こうとしたが道路工事中であったので先ほどの峠まで戻り 車の屋根に上ると 木立のこずえの陰を通して まさに夕陽がグランドキャニオンに沈むところだった。
カメラを構え シャッターを切る 7時20分だ。
車の屋根から下りようとすると あとから来た若い二人連れが私と同じように写真を撮っていて「良い旅を」と声を掛けてくれた。
 「有難う あなた方も」と応え 峠を下り宿に向かった

 

今日の宿はアリゾナ州Jakob Lakeの山小屋風ロッジ。
早い時間にチェックインできて幸せ

オハイオ州トリノ出身の若いハイカーを車に乗せた時に、ヤコブレイクには宿が
一軒しかないから 早めに確保したほうが良い との彼のアドバイスに従った
結果であった
                      本日の走行 542マイル

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