10月3日 金曜日
ここニューメキシコ州Taosのカチンダ・ロッジの快適な室内は静寂そのものである。
一旦 目が覚めたとはいえ 体はまだねむっているような けだるい感じで うとうと していた。
眠りから再び目覚めて ふと気がつくと7時半。 良く眠ったようだ。
今朝の気温は4度 車の屋根は霜で真っ白である。
昨日のオクラホマシティーより10度以上は低そうだ。


宿泊したkachina Lodge 昨晩は到着が遅かったために周囲の風景はわからなかった。
レストランはブルーを上手に使ったインテリアで 間接照明が雰囲気を盛り上げている。
アメリカ全体に言えることだと思うが 日本でみられるような蛍光灯を使った のっぺらぼうな直接照明と違って 壁面に飾られた真鍮とか銅製の数々の間接照明器具からもれてくる白熱灯の暖かみが、部屋の雰囲気を立体的に盛り上げ さらに 壁際にさげなく飾られている重厚な電気スタンドがアクセントをつけている。
ものを言わない それら調度品から 「お前さんの国とは文化が違うよ 文化が」と言われているような気がする。
右写真は 廊下を使ったレストランですが 普段は使用していないそうです。
9時 リオグランデ川を渡り285号線を北上すると 冠雪したロッキー山脈がみえてきた。
11時コロラド゙州Antonito経由Alamosaに到着。
さらに160号線をユタ州に向かって西へと急ぐ。
Del Nolteを過ぎると 次第に高度があがり 黄葉が始まった山岳地帯に入る。
付近には もみじ かえでのような真っ赤に染まる葉ではなく 赤茶色と黄色だけのスケールは大きいが色彩感に乏しい黄葉である 日本流のななかまどなどの鮮烈な朱色の紅葉ではない。


3000メートル付近の針葉樹林を抜けると そこからは 一気に高度を下げはじめた。
コロラド州の160号線は 峠を越えるたびに景色が変化する。
山肌に緩やかな曲線をとりながら 遠くにかすむ幾重にも重なった山々に向かって 延々と道路が続く風景は 叙情的かつ雄大である

Durangoを通り過ぎてユタ州が近づくにつれて、コロラドの森林風景が 回り舞台が回転したように一変し 広大な荒野にチョコレート色の岩肌が見えはじめた。
自然界にさらされた岩石が 風 雨 雪 氷に風化され 次第に崩壊していく。
現存する岩石も いつの時代にか風化され 砂の中に埋没される運命にある。
これらの残丘を観ていると 自分自身の余生とオーバーラップしてくる。
41号線が163号線に交差する街 Bluff
朽ち落ちる車と背面のビュートが 同じ運命をたどるかのように鎮座している。


↑ レストランと思って入ったら インディアンの商品販売のお店でした。
女主人ライザさんに ケーキと熱々のコーヒーをご馳走になってしまった。

163号線からみた夕暮れのモニュメントヴァレイ遠景
↓ 夕陽に映え 黄金色に輝くビュート (Monument Valley)

今夜の宿は混雑していた。
カイエンタのホリディーインは満室と断られ、7時半 12マイル西へ進んだ街道筋のTsegi Anasazi Innに滑り込みセーフ。
しかし 鍵を開けて部屋に入ると 先客の荷物があるし、クローゼットには女性の服が吊るされていた。当然 部屋は換えてもらったが アメリカって この程度のことはあたりまえみたい。
逆の立場もあることを しっかりと頭に入れておかなくてはいけない。
今回の旅行では 恐怖心とか孤独感のようなものは感じていないが 未知の土地に対する不安は隠しきれない。
今回のドライブに持参したものは
パスポート 航空券 サングラス 老眼鏡 磁石 タイヤゲージ 手帳 筆記具 カード電卓 双眼鏡 懐中電灯 カメラ フィルム レーダ−探知器 ビニール製クーラー 洗面具 使い古しのパジャマ・下着類 クレジットカード 現金500ドル それに貴重品入れである
本日の走行 480マイル
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