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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

水谷任佑 Tadasuke Mizutani

東京少年少女合唱隊 THE LITTLE SINGERS OF TOKYO





CD    フォーレ:レクイエム(1893年版 ネクトゥー、ドゥラージュ編纂)/ジャン・フルネ (Camerata 25CM-563) 1998年11月6日、7日 国際基督教大学礼拝堂で録音。ジャン・フルネ指揮

鎌田直純(バリトン・ソロ)/水谷任佑(ボーイ・ソプラノ)/長谷川冴子 合唱指導:東京少年少女合唱隊(ソプラノ・アルト)/大島義彰 合唱指揮:日本フォーレ協会編成による男声合唱(テノール・バス)

レクイエム作品48
1.Introit et Kyrie        
2.Offertoire        
3.Sanctus        
4.Pie Jesu        
5.Agnus Dei        
6.Libera me        
7.In Paradisum
小ミサ曲
8.Kyrie        
9.Sanctus        
10.Benedictus        
11.Agnus Dei

  これは日本フォーレ協会の企画として作られましたが、元々はフランスの指揮者フルネ氏の希望により、最近の研究による真の「初演版」を作ることを託されたことによるそうです。フルネ氏が声楽部分について強調されたのは、少年と男声による合唱団の編成、「ピエ・イエズ」をボーイ・ソプラノで録音すること、だったとか。それで長谷川氏は、フォーレに相応しい少年合唱ならではの歌声を作り、ボーイ・ソプラノを指導されたのでした。
  水谷くんのボーイ・ソプラノは英国聖歌隊の隊員の演奏という説明を受けても「・・・でしょうね〜」と聴けてしまいます。どちらかというと安定した線の太いボーイ・アルト系。Aled Jonesタイプですが、あのような揺れるビブラートもなく、声の「好き嫌い」ではおそらく「嫌い」という人は少ないでしょう。日本少年に見られる線の細い繊細な青竹系ではありません。今までに国内では無かったタイプです。
  そつなくピエ・イエズを演奏した後の、小ミサ曲でのソロが、又、それ以上に上手なのです。やっぱり国内では無かったタイプです。
  ボーイ・ソロも上手、合唱も上手・・・でも、何度も聴いているうちに(実は2度目から)、聴くことが疲れてきました。
  外国の演奏者とどこが違うか考えてみたのですが、内面の頑張り(自己主張)が、雰囲気として伝わってくるんだと思うのです。気持ちがそんなに力まなくても良いのになあ、と思う。大人のソロも合唱もですが、一生懸命歌おうとしていて、それが音意外の雰囲気で伝わってくるので、音楽を聴いていて、くつろげないのです。一見上手ですが、実は、余裕がない演奏に思えます。この演奏のフォーレでは聴いても天国へ行くのは難しいかも。
  ただし、水谷くんは素材として面白いので、ソロアルバムがあったら良かったのに、とは思いました。日本少年としては 例えば Hear my prayer とか いろいろと歌えた少年だったことでしょう。  (by Hetsuji) 2003/08/10 up 

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