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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

RICHARD BONSALLRICHARD BONSALL





CD     Richard Bonsall Encore (Tsdpole TAD0303) 2003年
Piano:Alan Pow

1. Ave Maria (Bach/Gounod)...3:13        
2. On Wings of Song (Mendelssohn)...3:10        
3. The Lorelei(Trad)...3:02        
4. Christmas Cradle Song (Sanger)...2:38        
5. The Last Rose of Summer (Trad)...3:13       
6. The Lord's Prayer (Malotte)...3:07       
7. Greensleeves (Trad)...3:04       
8. Ave Maria (Schubert)...4:55        
9. Skye Boat Song (Boulton)...2:51       
10. Rose of Tralee (Trad)...2:58       
11. An Island Sheiling Song (Trad)...3:13
12. An Eriskay Love Lilt (Trad)...2:58        
13. Whistling Gipsy Rover(Maguire)...3:25        
14. Mhairi's Wedding (arr.H.S.Robertson)...1:22     
15. La Golondrina(Serradell-Danes)...3:58        
16. Edelweiss (Rodgers-Hammerstein)...1:34       
17. Bonnie Mary o' Argyle (Trad)        
18. Voi Che Sapete (Voi Che Spete)...3:24        
19. Lullaby (Brahms)...1:57       
20. Shepherd's Song (Elgar)...3:26       
21. Tell Me Shepherd (Boyee)...2:33        
22. Whither (Schubert)...2:39

 非常に折り目正しい、クラシックな(古典的な香りのする)演奏です。どの角度からチェックしても、お行儀のよい模範的な態度と品の良さを歌い手の少年に感じます。今の時代からしたら古っぽいかもしれないですが、そこが端正で上品なのです。
 私が個人的に苦手とする揺れるヴィヴラートすら、上品です。昔の到達点ともいえる、少年らしさよりも、完成度にこだわった聴き方によっては、ときに女声てきな演奏にも聞こえます。・・・上手すぎるのです、本当に・・・。レコードで多くのRICHARDの録音が残されていますが、ここに収録されている音源は、傷ついていないのが良いです。
 ・・・彼の歌には、胸を締め付けるような、時代の古さ、切なさがあります。ウィーン少年合唱団の映画「野ばら」で、シューベルトのアヴェ・マリアが流れましたが、この盤での演奏でも、あのときの、祈りが聴こえてくるようです。これからRICHARDのレコードを何枚も集めるのにはチャンスと忍耐が必要でしょうから、手軽な音源で聴いてみるのも一つの手段です。もちろん、現在も素晴らしいボーイ・ソプラノは存在しているでしょうが、時代が歌わせていることもあるので、チャンスがあるときに、試しに目の前の音を聴くのも良いと思います。そこに、RICHARDとの素晴らしい出会いがあることでしょう。   (by Hetsuji) 2016/11/15 TUE UP
LP    "RICHARD BONSALL RECITAL!" (Viking/VP348)RICHARD BONSALL(Boy Soprano), Piano accompaniment by Alan Pow

Side One
1.THE WHISTLING GYSPY ROVER           
2.MAIRI'S WEDDING(or The Lewis Bridal Song)     
3.LA GOLONDRINA           
4.EDELWEISS(from The Sound Of Music)         
5.BONNIE MARY          
6.O COME ALL YE FAITHFUL

Side Two
1.VOI CHE SAPETE(from The Marriage of Figaro)(Mozart)
2.LULLABY(Brahms)           
3.SHEPHERD'S SONG(Elgar)           
4.ALLELUIA(Mozart)           
5.TELL ME LOVELY SHEPHERD(Boyce)          
6.WHITHER (Wohin)(Schubert)

思い入れの深い Richard Bonsall のLPで、その名も「リサイタル!」。幅広いジャンルの歌が、程よいヴィブラートの熟練したB-Sで、抜群の安定性をもって歌われている。少年の声が冴え渡る、充実の出来映えだが、技術的なものだけでなく、持ち前の歌い心が伝わってくる。クラシック系もいいけど、オペラ等でも大人と対等に張り合った事だろう。彼の仔細は不明ながら、お国でも大変愛されていたに違いない。3枚存在するLPは録音年月が定かではないが、どの順番でレコーディングされたか、聴き比べても検討が付かない。常にブレがなく歌えているという事でもあろう。最近、B-Sの録音物を聴く時、歌い手のボイストレーナーになったような気持ちで、「コンクールだったら、どの歌を歌わせよう・・・」と考えてしまうのだが、この中では、2面のエルガーかボイスを持ってきたい。日本では、マックス・ツェンツィッチのリサイタルが実現したが、こんなリサイタルがあれば、ハンカチを持って駆けつけたい。(by Nao) 2002/03/24 up 
LP    "RICHARD BONSALL SINGS" (Viking/VP328)/RICHARD BONSALL:Boy Soprano, Piano accompaniment by Alan Pow

Side 1
1.AVE MARIA(Gounod)       
2.ON WINGS OF SONG       
3.THE LORELEI       
4.CHRISTMAS CRADLE SONG       
5.THE LAST ROSE OF SUMMER 6.GESU BAMBINO    
7.THE LORD'S PRAYER

Side 2
1.GREENSLEEVES       
2.SANTA LUCIA       
3.AVE MARIA(Schubert)       
4.SKYE BOAT SONG      
5.ROSE OF TRALEE       
6.AN ISLAND SHEILING       
7.AN ERISKAY LOVE LILT

特定のソリストの、別の録音を聴ける醍醐味を実感している。録音年に関する記載はないが、好きなソリストが予想外のものを残していた事に感慨も一入だ。危な気なところが全くなく、低音部も高音部も柔らかいヴィブラートを響かせて表現力たっぷりに歌い上げている。声そのものはストレートでとてもピュアだが、音のコントロールが抜群に上手く、それが「歌」になった時は聴く者を魅了せずにはいられない。B-Sには珍しい曲(イギリスの民謡?!)も含まれているが、少年らしさを感じさせつつも、熟練した歌声を披露している。リチャードの歌を惹きたてるシンプルなピアノ伴奏もいい。TV・ラジオ・舞台でも活躍したようで、「アマールと夜の訪問者」「セビリアの理髪師」「ピノキオ」などにも出演していたらしい。アマールなんて、適役だったろうな。ニュージーランドにこういう土壌があったのどうかも分からないでいるが、リチャードはB-S史に残したい、名ソリストだ。(by Nao) 2001/11/25 up 
 LP   "O FOR THE WINGS OF A DOVE" (emerald gem/GES1112)
RICHARD BONSALL with the Choir of St. Mary's Cathedral, Auckland 
 C+P 1974

SIDE 1
1.PANIS ANGELICUS(Franck)       
2.WERT THOU BUT NEAR(Bach)       
3.HOW BEAUTIFUL ARE THE FEET (MESSIAH)(Handel)  
4.ALLELUIA(Mozart)       
5.THE VIRGIN'S SLUMBER SONG(Reger)

SIDE 2

1.CRIMOND       
2.HEAR MY PRAYER(Mendelssohn)       
3.O FOR THE WINGS OF A DOVE(Mendelssohn)

彼の経歴を何も知らないまま、結構気に入ってこのLPを聴いていた記憶がある。久しぶりに針を落としてみて、万人受けするノーマルでいいソリストだなと改めて思った。かなりスローなテンポを取っている曲をしっかりと歌いこなし、やさしいヴィブラートの熟練した声を披露している。おそらくベストな時期にレコーディングされたのだろうが、どこの合唱団に在籍してもトップで活躍できるソリストに違いない。レコードの中に収められた声でなく、生で聴けたら数段素晴らしい声が聴けたはずだ。メンデルスゾーンの"HEAR MY PRAYER"・"O FOR THE WINGS OF A DOVE"はこのLPで初めて出会った曲。これがトレブルの定番とは知らず、「長いけど、いい曲。」と繰り返し聴いていた。さて、肝心のソリストだが、ニュージーランド出身でオークランドのJunior Vocal Championshipで3度優勝し、TV・ラジオ番組にも数多く出演していたようだ。(レコードはMade in Englandだが、emerald gemはニュージーランドのレコード会社らしい。)トレブルのソロLPがごく普通に流通しているイギリスで、当たり前のように発売されたのだろうか。一ファンとしては、たまたま巡り会えて良かったという代物だ。(by Nao) 2001/08/05 up 
LP    "O SING UNTO THE LORD A NEW SONG" (SMLP 100)
The Choir of Saint Mary's Cathedral Auckland with RICHARD BONSALL(Boy Soprano) and Kenneth Weir(Organ), directed by Peter Godfrey, recorded in 1970

SIDE 1:
1.PSALM 98 "O SING UNTO THE LORD A NEW SONG"   
2.LITANIES(JEHAN ALAIN)organ       3.MAGNIFICAT(CHARLES V. STANFORD)       4.GRACIOUS SPIRIT, HOLY GHOST(SEBASTIAN FORBES) 
5.COME HOLY GHOST(THOMAS ATTWOOD)       
6.LULLY, LULLA, THOU LITTLE TINY CHILD(KENNETH LEIGHTON)

SIDE 2:
1.YE NOW WHO SORROW(JOHANNES BRAHMS)      
2.VARIATIONS ON A THEME OF CLEMENT JANNEQUIN(JEHAN ALAIN)organ       
3.PSALM 107

1970年録音のプライベート盤で、リチャード14歳の時のもの。合唱団・オルガニストとの共演だが、彼のソロは1面3・5・6番と2面1番で聴く事が出来る。説明書にも「近年最も顕著なボーイ・ソプラノ」と書かれているが、それくらいの評価は当然だわね。が、残念ながら、Viking 社のレコーディングほどのきらめきはない。St. Mary's Cathedral Choir と一緒にレコーディングしたemerald gem 社のLPとよく似た状態で、レコーディングによって縮こまってしまった印象を受ける。歌っている曲はトレブルのソロで聴いてみたいと思うものばかりだが、レコーディング時期もあまり良くなかったのかもしれない。それでも、リチャードの歌声に出会えた事には感謝&感激。柔らかく揺るぎない声は、どんな時も疲れず聴き続ける事ができる。この盤と最初に出会ったとしても、心に残るソリストだった事は間違いない。1面4番の作曲家 Forbes は、キングスのスカラーだったそうで、歌の構成がいかにも英国のクワイア向きだ。オルガンの Alain の曲は、新しい感覚ながらもオルガンならではの魅力に溢れている。
今46歳くらいであろうリチャードの現在については、何の情報も持ち合わせていない。が、それが私のリチャードの軌跡探しを、掻き立てているのかもしれない。(by Nao) 2002/07/28 up 

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(お返事は出来ないと思います)