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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

フィラデルフィア少年合唱団THE ALL-PHILADELPHIA BOYS CHOIR





 LP   フィラデルフィア少年合唱団(SET (H) 5094 SEVEN SEAS)1975年4月又は5月録音。

SIDE 1:
1.メドレー”アメリカ” MEDLEY AMERICA          2.ジャズ・アレルヤ A JAZZ ALLELUIA         
3.眠れいとし児ら SLUMBER NOW BELOVED CHILD     
4.すばらしき汝の名 HOW EXCELLENT THY NAME     
5.アヴェ・マリア AVE MARIA Solo:Ronald Lyles/Spencer Harrison
不思議の国のアリス」から三つの合唱曲 THREE CHCRUSES FROM ALICE IN WONDERLAND
6.大エビのカドリール THE LOBSTER QUADRILLE      
7.白い騎士の歌 THE WHITE KNIGHT'S SONG Solo:Poul Delorenzo/Thomas Bradford          
8.美しいスープ BEAUTIFUL SOUP

SIDE 2:
三つのアメリカ・二グロ・スピリチュアルスTHREE AMERICAN NEGRO SPIRITUALS
1.同じ汽車 SAME TRAIN          
2.神よ、この悩みを MY LORD, WHAT A MOURNING     
3.イズキル・ソーの車輪 EZEKIEL SAW DE WHEEL
三つの古いアメリカの歌THREE OLD AMERICAN SONGS
4.チンガ・リング・ショウ CHING-A-RING CHAW      
5.500マイル FIVE HUNDRED MILES Solo:Fred Wood  
6.足をとめて(オペラ「テンダーランド」より) STOP YOUR FOOT!<From "The Tender Land"> Solo:Fred Wood
7.さくら SAKURA          
8.若葉 WAKABA          
9.お江戸日本橋 OEDO NIHONBASHI 

今回聴いた3枚のレコード(後の2枚は、BOYS TOWN CHOIRとTEXAS BOYS' CHOIR)の中では、録音された時代による古さを感じさせず、違和感が一番少なかった。これは昭和50年に来日した折りに録音されたレコードである。7歳から14歳までの少年が60人プラス23人の男声と書かれている。あまりにバブリーな数が豪勢過ぎる。良かった時代の録音といえる。ただし、総勢83人の迫力はレコードからは伝わってこない。印象的にはその半分以下の人数がしっかり歌っているなあ、という雰囲気だ。声が出ていないのではなくて、当時の技術というか採録の問題だろうと思う。来日団員が83名とはいうものの、変声前の少年だけで歌っている曲が多いので人数だけを問うのは酷。それより、THE ALL-PHILADELPHIA BOYS CHOIRの演奏は、合唱そのものに開放感もあり、イギリス系とは別の意味で上手なのでとても聴きやすい。
それから「5.アヴェ・マリア AVE MARIA Solo:Ronald Lyles/Spencer Harrison」のデュエットをお聴かせ出来ないのがまことに残念。出だしのAの鼻にかかった一見(もとい一聴?)どこか気怠さを漂わせた如くのふにゃり声が、意外性に富んでいて、聴いている私までをも、ふにゃっと嬉しくさせてくれるのだ。やわらかく優しく素朴な声で、本当は清純。
又「不思議の国のアリス」なんて選曲もあるのが珍しい。スピリチュアルスになると、男声が加わって、ハーモニーがぐっと厚くなる。黒人霊歌は大人の合唱団でも聴いているが、少年のソプラノで聴きたい身には、この合唱団の編成は理想的だ。惜しむらくはたった3曲のみのしかも売れ筋ではない選曲であること。でも、曲が作られた過程に言及しないで言うのだけれど、「2.神よ、この悩みを MY LORD, WHAT A MOURNING」は静かで美しい曲なので繰り返して聴いてしまった。少年声と男声の使い分けが的を射ていて、聴き応えも十分以上。難点は合唱におけるソプラノたちの高音処理と、最後の3曲。日本訪問ということでの選曲だろうが、それよりは1曲でも多くお国の曲を聴きたかった。これも又ただのHetsuji欲。私はこの1枚が気に入っている。(by Hetsuji) 2002/03/10 up

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(お返事は出来ないと思います)