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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

パリ少年合唱団LES PETITS CHANTEURS DE PARIS





CD    MAITRES DE CHAPELLE DE PARIS AU XVUeme SIECLE(SM 12 15.80)1998年録音。

1. Christus natus est nobis,
2. Extrait du manuscript Saizenany,
3. Magnificat,
4. Serve bone,
5. Extrait du manuscrit Saizenay,
6. Petite Cantate de Noel,
7. Petite Cantate de Noel

  タイトルに英語併記があり,「MASTERS OF THE KING'S MUSIC IN 17th CENTRY PARIS」とある。「17世紀のパリにおける宗教音楽名曲集」という感じだろうか。宗教曲のバックグラウンドの少ない私には始めて接する曲ばかりだったが,メロディーの雰囲気といい,声質といい,パリの音楽,パリの合唱団というよりも,どちらかというとドイツに近い感じだ。
  ドイツといっても,乾いた感じの硬質系の音色を特徴とするドイツではなく,声がより滑らかで,金の糸をなびかせている風があり,オーストリアの音色が少し混入したドイツといった雰囲気だ。といっても,曲によっては,アルトが妙にほのぼの温かかったり,一瞬どきっとさせるようなふわっとした色合いが聴かれるものもある。そんなところに,フランスを感じちょっぴり嬉しくなる。特に6. 「Petite Cantate de Noel」などはその類だ。この曲は,CDが音飛びしているんではないかと思うほど,リズムが無秩序にちょくちょく変わってすごく粋な感じだ。歌ったらすごく難しそうだけれど,歌いこなした日には気持ちいいだろうなーと思う。この曲とその次の7. 「Petite Cantate de Noel」は,伴奏にタンバリン?まで登場し,とにかく楽しい。ノエルの明るく楽しい独特な雰囲気を伝えてくれる。伴奏と言えば,このCD全般で聴かれる小編成の楽器のアンサンブルはとても温かくて良い。合唱も割り合い小編成なので,聴き手を家族的な優しい雰囲気で包んでくれるのだ。
  解説を読むと,1981年に設立された団体のようだが,短い期間で良く成長しているのに驚く。さらに解説を読み進めると,フランスにはウィーン少年合唱団,モンセラート少年聖歌隊,テルツ少年合唱団に匹敵するような少年合唱団がなく,そのような団体の存在が強く求められていた背景から設立に至った…とある。思いっきり余談になるが,どうしてパリ木の十字架少年合唱団は出てこないの?と思ってしまった。(by Rise) 1999/11/21 up

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(お返事は出来ないと思います)