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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

PAUL MILES-KINGSTONPAUL MILES-KINGSTON





LP    Music from Winchester Cathedral PAUL MILES-KINGSTON (EMI Records Ltd. CDC 7 47146 2) 1985年8月録音。


1.Frank Panis Angelicus   
2.Trad I wonder as I wander out under the Sky   
3.Warlock Balulalow  
4.Faure Pie Jesu  
5.Vierne Impromptu(オルガン独奏)   
6.Durufle Pie Jesu   
7.Vierne Toccata(オルガン独奏)  
8.Holst Lullay my Liking-Carol   
9.Frank martin The Lord's Prayer  
10.Frank Pastorale,Op.19 (オルガン独奏)  
11.Burgon Nunc Dimittis   
12.Bach Be thou rith me (Bist du bei mir)   
13.Frank Piece heroique(オルガン独奏)

Vocal Quartet Ashley Alexander-Cooper treble, David hurley alt, William Kendall tenor, Allan Mottram bass

  彼も又、アレッド・ジョーンズやニコラス・シリトーと同じ時代に活躍した印象的なソリストの一人である。代表作はANDREW LLOYD WEBBERのピエ・イエズ。演奏はTV放映されたのでご覧になった方もおいでだろう。彼自身が1本の木管楽器のような音を出す。その声は、伴奏のセロ(木管系の声に合わせてセロと、金管系の声だったらチェロと表記するが)に良く馴染む。比類ない超癒し系ソリストである。
  あまりにやさしすぎるこのソリストの声は、録音だからこそより活かされる。Vocal Quartetの声にのって歌われる2.Trad I wonder as I wander out under the Sky が、ともすれば希薄な声にも思える彼を逆に引き立たせているのが素敵だ。オルガンもピアノも伴奏はすべて良いが、一番似合っているのはセロである。声とセロとがやさしさの相乗効果を上げて、ポール・マイルス・キングストンならでは、の独自な世界を築いている。これも又、イギリスの底力、である。
  大手の会社企画なのか、全体の構成にも力が入っている。PAUL MILES-KINGSTON中心には違いないが、トレブルファン層+αを狙って「売り」を視野に入れた作品に仕上がっている。
  とても悲しいのは、当時の私は繰り返して聴いたらしくて、LPにプチプチ音が入っていること。レコードは消耗するのが辛い。だが、音そのものが深い。レコードの音はCDよりも魅力に溢れている。DATで再生して聴いているが、深さは失われていないようだ。利便性を追求しないのであれば、HetsujiはCDよりもレコードの音、MDよりもDATの音の方が好きである。(by Hetsuji) 1999/12/19 up 
 CD    
CD    PIE JESU (448 687-2)

1.Durufle: Pie Jesu (Requiem)*
 (version for mezzo-soprano, cello and orchestra)
2.Faure: Cantique de Jean Racine
3.Lloyd Webber: Pie Jesu (Requiem)
  Paul Miles-KingstonRecorded in 1984 
4.Massenet: Meditation(Thais)*
5.Mozart: Lacrimosa (Requiem)*
6.Schubert: Et incarnatus est (Mass in E flat)
7.Faure: Pavane*
8.Dvorak: Pie Jesu (Requiem)
9.Verdi: Lacrimosa (Requiem)
10.Gounod: Judes (Mors er vita)
11.Berlioz: Lacrimosa (Grande Messe des morts)
12.Faure: Pie Jesu (Requiem)
 Jonathon Bond Recorded in 1975
13.Britten: Lacrimosa (War Requiem)
14.Durufle: Pie Jesu (Requiem)
 Robert King Recorded in 1974
 (version for solo treble, cello and organ)

  普段、オリジナル重視なので、乗合自動車(オムニバス)方式のCDにはあまり興味ないのですが、大好きで私にとって特別な Paul Miles-Kingston くんが収録されている(内容はいつものものですが)ことと、アルバムカバー写真に惹かれたので買ったCDです。
 聴いてみると、これは、これで聴き応えがありました。迫力の女声に始まり、そしてセントジョンズ。 かのCleobury氏がさりげなくオルガンを弾いてたりして・・・。
 80年代の初め頃はキングスカレッジ命に影響されてイギリス系を聴いていたのでセントジョンズも聞き分け可能(なにしろ個性が強かった)だったはずなのに、ここに収録されている1975年のフォーレは、落ち着いていてどこか繊細で私が知っている彼らと全く違うのです。男声に始まり、声が重なっていく過程が、このカバー写真のように澄んでいて・・・テノールとの相性も良いトレブルくんたちも憂いを含んだ大人びたソプラノを聴かせてくれて、ここでは後年(ちょっとだけ後年)のやんちゃぶりがありません。私はボーイ・ソプラノのソロLPが好きで集めていますが、でも、全ての声部を網羅している合唱って良いなあと聞き惚れました。
 以前から名前だけはチェックしていましたが、Jonathon Bond くん、Robert King くんの声を意識して聴く事が出来たのも良かったです。 Jonathon Bond くんは、籠っているのが、修行僧みたいな感じ?です。ものすごく考えて歌っているような気がしました。Robert King くんは声を割合ストレートに出していました。二人ともセント・ジョンズで、LPやCDでソロしています。 
 その他、女声ソロも男声デュエットも、オーケストラを背景にしたヴァイオリン・ソロの響きも麗しく、心穏やかに音楽を楽しむことが出来て、まさに、このカバー写真に相応しい内容のCDでした。    (by Hetsuji)2009/05/17 UP 

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