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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

オックスフォード・ニューカレッジ聖歌隊

The Choir of New College, Oxford





 CD

2010
  MOZART: Requiem (Novum/NCR1383)Recorded on 5, 12 and 13 July, 2010/Oxford New College Choir/Orchestra of the Age of Enlightenment/Higginbottom)

1.Introit: Requiem aeternam (Chorus)
2. Kyrie eleison (Chorus)
3.Dies Irae
4.Tuba miram (Soprano, Mezzo-soprano, Tenor, Baritone)
5.Rex tremendae majestatis (Chorus)
6.Recordare, Jesu pie (Soprano, Mezzo-soprano, Tenor, Baritone)
7.Confutatis maledictis (Chorus)
8.Lacrimosa dies illa (Chorus)
9.Domine Jesu Christe (Chorus)
10.Hostias et preces (Chorus)
11.Sanctus (Chorus)
12.Benedictus (Soprano, Mezzo-soprano, Tenor, Baritone)
13.Agnus Dei (Chorus)
14.Communion: Lux aeterna (Soprano, Chorus)

Soloists:Jonty Ward(treble), James Wash(Alto), Guy Cutting(Tenor), Jonathan Howard(Bass)

ジュスマイヤー版。解説によると普通ソリストは外部から呼ぶものであるところニューカレッジのこの版では全て隊員で賄っており、18世紀当時の演奏形態への試みとのことであるが、演奏においては合唱との、特に少年合唱とソプラノ、アルトにおいて極めて自然な一体感をなす効果があるそうだ。
といった蘊蓄はさておき、ボーイソプラノファンの観点からのこの演奏はとっても魅力的。イギリスの聖歌隊の細く高く透明な声はしばしばモーツァルトには似合わん!特にソリストは厚みに欠けてしまう場合が多い!と常々思っているのだが、さすがヒギンボトム氏、自己満足で中途半端な録音は残さない。華やかで伸びやかなソプラノのJonty WardとアルトのJames Washは、しかし女声のように厚すぎず、あくまでも少年の声の透明感を保ちながら朗々と歌う。合唱も完ぺき。突出したソリストがいても所属する合唱団のレベルが高くないと、全体には聞いていて今一つな感になるが、そこはニューカレッジ。戴冠ミサとか雀のミサ、歌ってくれないかなあ。 (by Emu) 2013/01/01 tue up
 CD Pergolesi:Stabat Mater(BBC Music Magazine)The Choristers of New College Oxford/Edward Higginbottom

1-12.Pergolesi:Stabat Mater
TChoristers of New College Oxford/Academy on Ancient Music/directed by Edward Higginbottom
D. Scarlatti の Stabat Mater

13-21.D.Scarlatti:Stabat Mater
BBC Singers/directed by Harry Christophers.

BBC Music Magazineの2006年4月号付録。録音は2005年か、2006年の早い時期と思われる。ペルゴレージの方を、ニューカレッジのトレブル勢が歌っている。合唱のみで、ソロはなし。さすがヒギンボトムさんで、心得たテンポで時に小気味よく、時にゆったりと美しいが、発声がちょっと弱いというか、きつくて苦しそう。特に高音。また、そのためにちょっと軽めになりすぎている感あり。(by Emu) 2008/02/24 up 
 CD Carols for Christmas Morning (CDG1075) (P)&(C)2003 The Choir of New College, Oxford directed by Edward Higginbottom

Four Christmas Tableaux
I Birth in a Manger
1.Once in royal David's city Joseph Littlewood
2.A boy was born in Bethlehem (from 'A Boy was Born')
3.Balulalow (from 'A Ceremony of Carols') Joseph Littlewood
4.In dulci jubilo (BWV 608)
5.Lully, lulla, thou little tiny child Joseph Littlewood
6.Joseph est bien marie(musette) 
7.Joseph lieber, Joseph mein
II Visitors bearing Gifts
8.Kyrie eleison(from 'Messe de minuit pour Noel')
9.Wassail
10.Quem vidistis pastores
11.In the bleak midwinter Joseph Littlewood
12.What sweeter music can we bring('A Christmas Caroll'op.21)
13.Ou s'en vont ces gais bergers?
III A Spotless Rose
14.There is no rose(from 'A Ceremony of Carols')
15.As dew in April(from 'A Ceremony of Carols')
16.Magnificat(from the 'All-Night Vigil'op.37)
17.Christum wir sollen loben (BWV 611)
IV Jubilation
18.Sussex carol(English traditional carol)
19.Unto us is born a son(from 'Piae Cantiones'1582)
20.Tomorrow shall be my dancing day(English traditional carol)
21.Or nous dites Marie
22.The holly and the ivy(English traditional carol) Corin Cole &Joseph Littlewood
23.Of the Father's heart begotten(from 'Piae Cantiones'1582)
 CD CORONATION ANTHEMS(DECCA/470 226-2)2002.7.11-12,2001.6.25-26録音 at Temple Church,London/Choir of New College,Oxford/The Academy of Ancient Music/Edward Higginbottom,director

1.The King Shall Rejoice(Boyce)
2.Come,Holy Ghost(Boyce)
3.Praise The Lord,O Jerusalem(Boyce)
4.The King Shall Rejoice(Handel)
5.Exceeding Glad(Handel) 
6.Glory(Handel)
7.Alleluia(Handel)
8.Zadok The Priest(Handel)
9.The Lord Is A Sun And Shield(Croft)
10.Praise The Lord,O Jerusalem(Clarke)
11.Let My Prayer Come Up(Blow)
12.The Lord God Is A Sun And Shield(Blow)
13.I Was Glad(Purcell)
14.My Heart Is Inditing(Purcell)
15.Praise The Lord,O Jerusalem(Purcell)

ジョージ1世やジョージ2世ら17、18世紀のイギリス王・女王の戴冠式のために書かれた頌歌集。「Zadok the Priest」でお馴染みのヘンデルの「戴冠式アンセム」も含まれている。ニューカレッジは相変わらず上手く(と言いつつ2曲目や3曲目などでトレブル合唱の高音が僅かにうわずっているように聞こえる。苦しいのか、それとも案外手抜きでぶっつけ本番だったりして)、オケとの愛称も抜群だし祝典音楽にふさわしい華やかな仕上がりだしだが、それはさておき、単にテンポがいいだけでなく全体的に演奏がとてもスピーディーなのも特徴的。特に6曲目などは通常聴き慣れているものと比べると恐ろしく速い。現代感覚?ただし速くても雑でないのは、当然といえば当然だが、さすがと言えばさすがで、5曲目「Exceeding〜」のように少し緩い曲になるといかに細部まで気を遣って(でもさらりと、くどくなく)歌っているかがよく分かる。13曲目「I was glad」冒頭の「〜said unto me」の止め方など、声をふわりと下ろす感じで、演奏に対するヒギンボトムさんとChoirの丁寧な姿勢をしみじみと実感する。 (by Emu) 2003/06/22 up 
 CD  パヴァーヌ、アヴエ・マリア〜Peace  エドワード・ヒギボトム指揮 オックスフォード・ニューカレッジ聖歌隊(ビクター・エンターテーメント株式会社 UCCD 1028) 2000年録音

1.キャロルよりも甘美などのような音楽を(ルッター)
2.ブルー・バード(スタンフォード)
3.光の消ゆる前に《鳥の歌より》(カルザス)
4.真実な る十字架《オンブラ・マイ・フ》より(ヘンデル)
5.アヴェ・マリア(バッハ/グノー)
6.アヴェマリア・ステラ(グリーク)
7.アーメン(フィン ジ)
8.信仰告白〜《聖ヨハネ=クリソストモスの典礼》(グレチャニノフ)
9.神が私の頭にあるように(ディヴィス)
10.ダビデはアブサロンのことを 嘆き悲しみぬ《パヴァーヌより》(フォーレ)
11.主催や今爾の言(ことげ)にしたがい(ラフマニノフ)
12.その道にて汚れなき者は幸いなり(スタン フォード)
13.アテーナーの為の歌(タヴァナー)
14.悪人の謀に行かざる人は福(さいわい)なり(ラフマニノフ)
15.いと聖なるキリストのみ母 (タヴァナー)
16.アヴェ・マリス・ステラ(モンテヴェルディ)
17.おお、救いなるいけにえよ(ロッシーニー)
18.おお聖なる宴(メシアン)
19.おお、英知よ(ペルト)
20.また私は新しい天を見た(ベイトン)
CT  Choral Evensong from NEW COLLEGE OXFORD (PROUD SOUND/PROU121)
CHOIR OF NEW COLLEGE OXFORD, directed by Edward Higginbottom, reorded live in the chapel of New College, Oxford 10 May 1988

Side One
1.Locus iste (Bruckner)
2.Responses (Smith)
3.Psalm 147 (Stanford)
4.Magnificat in A major (Stanford)
5.Nunc Dimittis in A major (Stanford)

Side Two
1.Ascribe Unto the Lord (Wesley)
2.Praise to the Lord, the Almighty, the King of Creation:Hymn
3.organ Voluntary:Chorale no3 (Franck)

20年くらい前の録音って事は、ヒギンボトム氏も長く在籍しておられるんですね。昨今のニュー・カレッジは何を聞いてもキラキラした歌声で、完全無欠とさえ思える完璧さ。それに比して、取り直しの利かないライブで実直に歌われてるのが返って心地良い。派手さより堅実さが前面に出ていて、よくまとまっている。”Ascribe Unto the Lord”はドラマチックで好きな曲だけど、しっかり歌いこなしていて華やいだ雰囲気に酔える。着実に育って行っている過程を感じる。(by Nao) 2009/5/24 up 
 CD  THE GEORGIAN ANTHEM (Meridian/CDE84151)
THE CHOIR OF NEW COLLEGE OXFORD, Directed by Edward Higginbottom, Verse Soloists(Trebles):Richard Catterall, Dominic Franks, Oliver Johston, Paul Tyack, Reorded in New College Chapel on 10 and 11 January 1988

1.God is our hope and strength (Greene)
2.Lord let me know mine end (Greene)
3.Voluntary No.9 in G (Stanley)
4.O worship the Lord (W. Hayes)
5.Turn Thee unto me (Boyce)
6.Voluntary No.5 in D (Stanley)
7.How long wilt thou forget me? (Greene)
8.My strength will I ascribe (Stanley)
9.Voluntary No.5 in G (Walond)
10.O where shall wisdom be found? (Boyce)

18世紀の作曲家のアンセム集。全ての曲にトレブルのソロ・デュオ・トリオが入って聞き所が多い。地味に聞こえるけど、コーラスもソロも上手い。目の前で歌われたら、もっとしみじみ上手さを感じるだろうと心躍る。ストレートで甘さの無い簡潔なコーラスと、抑えたオルガンの音色がマッチしている。一番出番の多いRichard Catterallの真っ直ぐなソロも良い。ずっと聞き続けていたいと思える秀作。(by Nao) 2009/5/24 up
 CD  English Cathedral Classics (CRD/crd3506)
The Choir of New College Oxford, directed by Edward Higginbottom, C.P.1998

1.Sanctus & Benedictus from The Western Wind Mass (Tye)
2.Gloria from The Western Wind Mass (Tavener) 
3.Dum transisset Sabbatum from Cantiones Sacrae 1575 (Tallis)
4.O lux beata trinitas from Cantiones Sacrae 1575 (Byrd)
5.Jubilate from The Third Service (Tomkins)
6.O clap your hands together (Gibbons)
7.God is gone up with a merry noise (Croft)
8.The Lord is King (Boyce)
9.Thou visitest the earth (Greene)
10.Blessed be the God and Father (Wesley)
11.The Lord is my Shepherd (Stanford)

過去に録音された11タイトルの作曲家ものから年代を追って曲を抜粋したもの。最近、程々のクワイアを聞き続けていた事もあり、片手間に聞き始めても整然としたコーラスに「さすが」の感を持つ。なめらなな流れに乗り歌われているけれど、もっと沸き立つように歌ってくれても好きかも。eratoレーベルが音をかなり響かせているのに比べ、少々硬いけど作為されていない自然なコーラスに聞こえるCRDの録音が好ましく聞こえる。録音年にはかなりの幅があって音の背景の違いも感じるが、さほど違和感なくまとまっている。元のCD11枚をそろえるのは難儀だけど、ギュッと凝縮された1枚で並み居る作曲家の作品を堪能しつつ曲目チェック、なんていうのはとても楽しい。曲も長めのものが多く、じっくりと聞きほれてしまう密度の濃い1枚。    (by Nao) 2003/10/26 up
 CD NATIVITAS (ERATO 0630-19350-2) 1997年録音。

1.I wonder as I wander
2.Adam lay ybounden
3.Alma Redemptoris
4.The Angel Gabriel
5.Ave Maria
6.A spotless rose
7.There is no rose
8.The little road to Bethlehem
9.Once in royal David's city
10.Stille Natht
11.Sing lullaby
12.Gloria sei dir gesungen
13.O magnum mysterium
14.In dulci jubilo
15.O Jesulein suess
16.While shepherds watched their flocks by night
17.Quim vidistis pastores
18.Shepherds shake off your drowsy sleep
19.Adeste fideles
20.Videntes stellam
21.Rocking Carol
22.Here is the little door
23.Hark the heralds angels sing

"クリスマスにはア・カペラを 天使たちの聖歌隊2" (ワーナーミュージック・ジャパン/WPCS-6014)
エドワード・ヒギンボトム指揮、オックスフォード・ニューカレッジ聖歌隊
録音:1997年4月&7月

CDの邦題も受けたのか、このジャンルとしては爆発的に売れた"NATIVITA"の日本盤。内容については外盤でHetsuji氏が紹介済みだが、日本語の解説が付いているというのは有り難いもの。ヒギンボトム氏の解説に痛く感じ入っている私の紹介デス。ヒギンボトム氏はこのCDを「クリスマスの旅」と題し、聴き手である私たちも、共に旅をしていると考えている。23の収録曲は、行列−償い−受胎告知−ベツレヘムへの旅−誕生−羊飼いたちの訪問−東方の三博士の訪問、と順を追って展開する。音楽がクリスマス・ストーリーになっている点が画期的だ。全曲ア・カペラだが、旅のお供役でもあるフルートが実に効果的。歌と歌とのつなぎや、本来オルガン演奏であるパートに時折登場するが、それが「キャロルの祭典」の入祭唱のモチーフだったりと、肌目細かい神経が行き届いている。非常に理論家であると見たヒギンボトム氏のコンセプトがしっかりしている上に、ニューカレッジは完璧々(*完璧の最上級変化。私の造語につき、使用しない事!)なコーラスを披露している。突出した存在の合唱団が少ない昨今、流れるようなメロディーラインとあくまで済みきった音色はニューカレッジならでは。高い音にも全く不安感がなく、ワンブレスでどこまで歌ってしまうのかというくらい息も長い。17〜8秒は一息で歌えるようで、それがなめらかさを増幅させる一因となっている。CD発売以来、私のマイカーでのBGMは、これオンリー。どの曲も聴きどころを解説できてしまう、オタクな私になっている。
ここで、おバカな推察をひとつ。コリスターの中に、オーランド・ヒギンボトムという名が見える。これはヒギンボトム氏のお年からいうと、当然息子さんネ。自分の子供が合唱団に在籍している時って、なぜかレベルが高くなるのよね。ルネサンス時代の声楽に造詣の深い氏は、オーランド・ギボンズにも傾倒していて、自分の子供にはオーランドと名付けた。兄弟がいれば、きっとウィリアム(ウィリアム・バードから)だわね・・・ さて、真相は?(by Nao) 2001/11/04 up  
 CD EARLY ONE MORNING/オックスフォード・ニューカレッジ聖歌隊 WPCS-6013 1997年録音

1. 風よ南に吹け,
2. ある朝早く,
3. ダニー・ボーイ,
4. ミンストレ・ボーイ,
5. ケリー・ダンス,  
6. リンデン・リー,
7. サリー・ガーデン,
8. ブリッグの市,
9. ロッホ・ローモンド,
10. シェナンドウ,
11. やめて,ジョン!,
12. 夏は来たりぬ,
13. おおウェイリ,ウェイリ,
14. スカイ・ボート・ソング,
15. スティール・アウェイ,
16. グリーン・スリーブス,
17. かしわ木ととねりこの木,
18. とねりこの木立,
19. 恋人は赤いバラのよう,
20. スウィング・ロー・スウィート・チャリオット

古くから歌い継がれているイギリス・アメリカの民謡を収録した1枚。トレブルの声は腰と粘りが強く,表現も豊かだ。イギリス系の割にビブラートがしっかりとついた艶のある音色が聴かれる。フォークソング集ということで,収集された曲には,恋の喜びと共に,別れの苦悩や儚さ,あるいは人生のあきらめにも似た境地を表現した詩が多いが,男声側,もしくは女性側のどちらの立場からかかれた詩でも,彼らの熱っぽい表現力に驚かされる。女性の嘆きは,聴き手がいたわりたくなるほど可憐に切なく,また,男性の物思いは,心を悩ませる若者そのものの実直な気持ちが伝わってくるかのようだ。重厚な男声により,歌詞に深みが生まれ,清純なトレブルが重なることで感情の生々しさが浄化され,重い内容でも清々しい気分にしてくれる。個人的に嬉しかったのは,昔よくNHK「みんなの歌」で流れていてとても好きだった,18.「とねりこの木立」,が録音されていることだ。"ここは小さな森なのです…"で始まる,中山知子作の日本語詩も非常にきれいでしっくりくるが,原詩では,とねりこの生い茂る森,すなわち,青年が恋人と愛を誓った場所であると同時に,彼女が葬られている地でもあるその森の,永遠に変わらない自然の風景が,青年の嘆きと共に淡々と歌われる。" But what are the beauty of nature to me?","自然の美しさなんて私に何の意味があるのだろう?"という青年の言葉が悲しみを誘う。この他にも日本でもよく知られた名曲揃い。現代の喧騒の中で生命を失いつつあるこれらの伝承歌に,ニューカレッジのクリアーな音色が見事に息を吹き込んでくれている。 (by Rise) 
 CD  AGNUS DEI/The Choir of New College,Oxford LC 0200 1996年録音

1. Agnus Dei(BARBER),
2. Cantique de Jean Racine(FAURE),
3. Kirie(PALESTRINA),
4. Ave Verum Corpus(MOZART),
5. Jesus bliebet meine Freude(BACH),
6. Ave Maria(RACHMANINOV),
7. Lux Aeterna(ELGER),
8. Totus Tuus(GORECKI),
9. Hear my prayer(MENDELSSOHN),
10. The lamb(TAVENER),
11. In paradisum(FAURE),
12. Miserere mei, Deus(ALLEGRI)

モーツアルト,フォーレ,バッハ等,選曲も雰囲気もコンチネンタルな感じがするのは,CD制作国がドイツだからだろうか。録音年は,フォークソング集である「EARLY ONE MORNING/WPCS-6013」と1年しか変わらないが,より深みのある音色で上手い。宗教曲なのでビブラートを抑制してくるかと思ったらそうでもない。トレブルは深く,カウンターテナーの透明度は高い。よって,両者の音色が非常に接近しており,その混じり具合は絶妙な芸術美と神秘性を帯びている。トレブルに対し,超高音域に該当する音を要求する曲を幾つか含むが,頭声の徹底により,困難さ,聴き手の息苦しさを微塵にも感じさせない。フォーレの2.「Cantique de Jean Racine」は、個人的に女性4部の印象が強かったが,男声に重みをおいたこのアレンジは,この曲元来の優雅さに荘厳な雰囲気が加わり,より贅沢な響きを楽しめる。同じくフォーレの11.「In paradisum」では,前述した深みのあるトレブルが聴かれる。同曲のセント・ジョンズ版は,朝焼けに溶けていくような柔らかな透明度があるが,こちらは,同じ朝方でももっと夜に近い。喩えるなら,山の端が白みはじめた頃の深い藍色の空に染み入るような,深く,そして澄んだ音色だ。(by Rise)
 CD  MOZART:VESPERAE SOLENNES DE DOMINICA/LILANIAE LAURETANAE(K617/K617028)1992年7月録音/Solistes et choeurs de New College d'Oxford/Hannover Band/direction Edward Higginbottom/treble solo:Nicholas Witcomb(1,2,5,6,7) / Philip Hallchurch(8,9) / Daniel Lochmann(3,10,11)

VESPERAE SOLENNES DE DOMINICA K.321
1.Dixit Dominus
2.Confitebor tibi
3.Beatus vir
4.Laudate Pueri
5.Laudate Dominum
6.Magnificat
LILANIAE LAURETANAE B.M.V.K.195
7.Kyrie eleison
8.Sancta Maria
9.Salus infirmorum
10.Regina angelorum
11.Agnus Dei

フランスの謎のレーベル(ひょっとして有名?)からひっそりと出ているニューカレッジのモーツァルト。イギリスの聖歌隊らしい透明さを想定して聞くと、あまりにもモーツァルトらしいモーツァルトなので、いい意味でびっくりする。オケ共々、可憐にして華麗。目を閉じて「ウィーン少年合唱団です」と言われたら、信じてしまうだろう。Hyperionのパーセル・シリーズでもソリストと務めるNicholas Witcombほか3人のB-Sソリストがまたいい。Laudate DominumとかAgnus Deiとか5分に渡って朗々とソロを歌うのだが、深い落ち着いた声で、でも華やかで、絶品〜。そしてまさしくモーツァルト〜っ。ヒギンボトムさんは、彼らにこのソロを歌わせたくて、この録音を行ったとしか思えないぐらい。是非ともこの勢いで「戴冠ミサ」や「雀のミサ」も演ってくれ〜。 (by Emu) 2003/01/12 up
CD   HANDEL:JUDAS MACCABAEUS(Hyperion CDA66641/2)2枚組み、1992.3.14-22録音

Soloists:Jamie McDougall(tenor),Emma Kirkby(Soprano),Cathrine Denley(mezzo soprano),Michael George(bass),James Bowman(countertenor),Simon Birchall(bass)/Choir of New College, Oxford(Edward Higginbottom,director)/The King's Consort Robert King,conductor

ヘンデルの「マカベウスのユダ」。表彰式などで使われる有名な曲「見よ、勇者は帰る」の原曲を含むオラトリオで、紀元前2世紀のシリアの支配に対するユダヤ人の独立運動の指導者マカベウス(マカバイ)のユダを題材にしています。ソロに重点が置かれており合唱曲の聴き所はわずか。強いて挙げれば冒頭の「Mourn~」(かなり暗い曲)、「Hear us,O Lord」、「Sing Unto God」、終曲「Hallelujah」くらいでしょうか。「見よ、勇者は帰る」は意外に淡白な曲で、ファンファーレなどにアレンジされたものの方が旋律が生かされていると思います(キングスのCD「Best Loved Hymns」収録の、賛美歌に転用されたものも良かった)。ヘンデルの場合、最高傑作「メサイア」が良すぎて、どうしてもほかのが見劣りしてしまうから、まあ仕方ないかな。なお、B-Sではありませんが、ソプラノソロの「Come,ever-smiling liberty」「So shall the lute」がきれいです。ニューカレッジの技量に関しては周知の通り。この録音でも少年合唱という域を超えた抜群の安定感をみせています。(by Emu) 2002/01/06 up
 CD  PURCELL: COMPLETE ODES AND WELCOME SONGS volume.8(Hyperion CDA66598)1992.1.9-11録音/Choir of New College, Oxford/The King's Consort/Robert King(director)

1.Come ye sons of Art,away(Ode for the Birthday of Queen Mary)
2.Welcome,viceregent of the mighty king(Welcome Song for CharlesU)
3.Why,why are all the Muses mute?(Welcome Song for King James)

一曲目の「Come ye sons of Art(来たれ、汝ら芸術の子ら)」は、1694年にメアリー女王の誕生祝いのために書かれたオード。ウィーン少年合唱団の1989及び2000年来日組のプログラムにも、曲の一部を合唱用に編曲したものが入っていました。オリジナルはアルト、バス、ソプラノのソロ、そして合唱という編成で、ソロの後に合唱が華やかに続く、いかにもパーセルらしい明るさと軽やかさを持ったメロディアスな作品。いい曲なんですよね……でもこの曲の入ったCDはほとんど見かけません。ましてや合唱にboys choirを起用しているとなると、この盤ぐらいしかないのではないでしょうか。ということで、貴重な一枚だと思っています。(by Emu) 2001/11/25 up
 CD ハイドン:オラトリオ「天地創造」(ピーター・ブラウン版/英語歌唱)HAYDN:The Creation(Die schopfung) (L'oiseau-lyre POCL-1096/7) 1990年2月録音

エマ・カークビー(ソプラノ)Emma Kirkby(soprano)/アントニー・ロルフ・ジョンソン(テノール)Anthony Rolfe Johnson(tenor)/マイケル・ジョージ(バリトン)Michael George(baritone)/キム・アンプ(メゾ・ソプラノ)Kymn Ampf(mezzo-soprano)

オックスフォード・ニュー・カレッジ聖歌隊(音楽修士:エドワード・ヒギンボトム)/Choir of New College,Oxford(Master of Music:Edward Higginbottom)/エンシェント管弦楽団、合唱団/Academy of Ancient Music Orchestra and Chorus(Chorus Master:Simon Hasley)/指揮:クリストファー・ホグウッドconducted by Christopher Hogwood

「天地創造」は他にキングスとテルツを持っていますが、このニュー・カレッジ盤は一番すっきりした明るい演奏で、無理なくスタンダードに聴けるかと思います。元々ドラマチックで華やかな曲ですから、私はこれくらいクセのない方が抵抗がなくてよいです。エマ・カークビーのソプラノも透明でGood。(by Emu) 2001/11/18 up 
 LP

1976
  THE GREAT SERVICE (abbey LPB 751)
DAVID LUMSDEN

SIDE 1
1.Magnificat(THE GREAT SERVICE)
2.Nunc dimittis(THE GREAT SERVICE)
3.Ave verum corpus
4.Prevent us, O Lord
5.Praise our Lord, all ye Gentiles

SIDE 2
1.Psalm 47: O clap your hands
2.Psalm 54: Save me, O God
3.Psalm114: When Israel came out of Egypt
4.Psalm 55(vsss.1-7,17): Hear my prayer
5.Psalm119(vss.33-38): Teach me, O Lord
6.Bow thine ear
7.Sing joyfully

きゃ〜っ。なんてチャーミング!とてもバードとは思えないような可憐なトレブル&合唱。時に狂おしいほどにラブリーな声が聴こえてくるので悶絶しそうになる。
かと思うと一転、「華」を封印し、敬虔一途。その後は、全てを解放し、おおらかで自由な雰囲気の合唱を聴かせたり。指揮者はDAVID LUMSDEN 知らないけれど、・・・やるなあ。
 B面は詩編。異教徒でしかも言葉の意味を解しない私にとっての詩編はタラタラと退屈なはずだったが・・・詩編の119でお経のように、「主よ、あなたの教えを心を尽くして守ります」と淡々と歌うトレブルくんが涙を誘うような・・・。考えてみたら、Hetsujiはひちりきの音も、おばあちゃんたちが合わない声で歌う御詠歌も大好きなのであった。とゆーことは、基本的に抑揚のおだやかな詩編の世界も好きなのかもしれないな〜。なんて、これは、ニューカレッジの演奏があってこそ、なんだけれど。上手なCHOIRは個々の隊員くんたちの歌声に自己主張が薄いような気がする。そこが全体として調和していて、聴きやすいような気がする。ニューカレッジ、好きかもしれない。 (by Hetsuji) 2013/01/01 tue up
 LP  "EVENSONG AT NEW COLLEGE OXFORD"(abbey/LPB 725)
The Choir of New College Oxford, Directed by DAVID LUMSDEN, Soloists:JONATHAN BURGESS(Treble), DARA CARROLL(Treble), ROBERT LOWRIE(Tenor), JONATHAN REES-WILLIAMS and CHRISTOPHER TOLLEY(Organ), Recording first published 1973

SIDE ONE
1.(a)Organ Voluntary;Chorale Prelude:Jesu meine Zuversicht(BWV 728)(Bach)
(b)Introit;Jesu dulcis memoria(Drayton)
(c)Preces and Responses(Leighton)
(d)Psalm 139(Martin)
2.Lesson Jeremiah xviii1
3.Magnificat;Evensong Service in A(Stanford) 
4.Lesson 1 Timothy vi 12
5.Nunc dimitis;Evensong Service in A(Stanford)
SIDE TWO
1.(a)Creed
(b)Lesser Litany, Lord's Prayer and Responses(Leighton)
(c)Collects
2.Anthem;Faire is Heaven(Harris)
3.Prayers and Grace
4.(a)Hymn;My Song is Love Unknown(Ireland)
(b)Organ Toccata;Pieces de Fantaisie(Vierne)

ニュー・カレッジのミサ形式の録音で、20世紀の作曲家の曲が中心となっている。現在のニュー・カレッジのレベルに相応する出来映えではないが、気の利いたメロディに英国らしさを感じる。それだけに、もう少しメリハリと透明感があれば・・・と、欲が出てしまう。ドレイトンとスタンフォードのソロは Dara Carroll も歌っており、コリスターの中には 後のヘッド・コリスター Michael Criswell の名前も見える。ジャケットを眺めながら、ささやかな繋がりを見つける事も、そのクワイアへの親しみが増すようで、ちょっとうれしい。(by Nao) 2002/09/08 up
LP   BRITTEN/PURCELL CHURCH MUSIC (SAGA XID 5285) (C)1966 directed by David Lumsden/John Morehen, organ

Side 1:BENJAMIN BRITTEN
1.Te Deum in C
2.Jubilate Deo in C
3.Antiphon
4.Hymn to St Peter
Side 2:HENRY PURCELL
1.Magnificat and Nunc Dimittis in G minor
2.O Lord of Hosts
3.Praise the Lord, O Jerusalem

曲の彩りとしてのソプラノ・ソロが結構目立つのだが、ソリストの記載は一切無し。「彩り」止まりだからなのか? 洗練中の洗練や、芸術性を感じさせてくれる後年97年頃の演奏と比較すると、この盤はどことなく平凡。手軽で上手なご近所聖歌隊レベルではある。悪くはないが、それを目的として外国まで出かけて聴きたい、と思わせるまでには至っていない。ファンとして求める水準が厳しいのかもしれないけれども、ニュー・カレッジの場合は「可愛い」だけじゃダメなのだ。(ホント、ソロやデュエットは可愛い。しかもソリストたちの演奏時間が割合長い。大人のアルトも麗しいし。) と言いつつ、20年くらい前、あんまり選り好みしないで、イギリス系のこ〜ゆ〜タイプの演奏を聴いていたのよね〜と、懐かしくも今回、頬杖付いて聴いてしまった。 (by Hetsuji) 2003/02/23 up

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(お返事は出来ないと思います)