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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

モン・ロワイヤル少年聖歌隊Maitrise des Petits-Chanteurs du Mont-Royal





CD

1988 
  REQUIEM/MESSE BASSE(STEREO 311096),1988年 モン・ロワイヤル少年聖歌隊/キャップ・ド・ラ・マドレーヌ聖歌隊/トロワ・リヴィエール少年合唱団

フォーレ(1845-1924年): レクイエム…
1. イントロイトゥスとキリエ,
2. オッフェルトリウム,
3. サンクトゥス,
4. ピエ・イエズ,
5. アニュス・デイ,
6.リメラ・メ,
7. イン・パラディスム
小ミサ曲…
8. キリエ,
9. サンクトゥス,
10. ベネディクトゥス,
11. アニュス・デイ

  カナダのフランス文化圏,ケベック州にある3つの聖歌隊(合唱団)の,少年129人,男性40人,総勢169人による,フォーレ作曲「レクイエム」,及び「小ミサ曲」(こちらは少年のみ)の大合唱である。モントリオールの3000人を収容できる広大な教会(ジャン=バティスト教会)で録音された。解説書によるとこの教会は音響の良さでも有名らしい。少年の声は,程良い深みのある柔らかく澄んだ音色で,一筋の淡い蒼の光のように聖堂をうねり,耳元に囁きかけるように優しく響く。歌声を聴いている限りでは,129人の少年が歌っているようには感じられない程,声が一つになって聴こえる。男声はフランス系らしくすこぶる柔らかい。少年、男性とも"究極的な力みのなさ"が耳に心地良い。聴き手の肩の力をポンと抜いてくれるような温かさがある。サン=ピエール=オ=リアン・ドゥ・ビュール聖歌隊の音色に良く似ており,素朴な優しさの中に純粋で敬虔な雰囲気が色濃く漂う。
  幾つかの聖歌隊(合唱団)が集まって,このような録音のイベントを行うということ自体,日本人からすると,希少に感じられ興奮させられる。この「レクイエム」の伴奏は,室内オーケストラ用楽器を中心に,少年の素朴な歌声を壊さない小編成アンサンブルで伴奏され,非常に温かい雰囲気に仕上がっている。レクイエム1.「ピエ・イエズ」のソロは,細いが,可憐で明るく澄んだ音色が良い。このソリストは小ミサ曲10.「ベネディクトス」も担当している。別のソリストによる小ミサ曲8.「キリエ」のソロは多少不安定さが残るが,丁寧でひたむきな歌い方に好感が持てる。レクイエムと小ミサ曲は女声でもしばしば歌われるが,初演当時の雰囲気を楽しめる少年声による演奏,しかもフォーレを生んだフランス文化圏の少年声の起用は嬉しい。 (by Rise) 1999/11/07up 
     
     
     
     
     

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(お返事は出来ないと思います)