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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

David PickeringDavid Pickering

Hetsujiの戯言を聞いてください。
1980年代後半、ファン同士の噂話「Pickeringくんの声、カワイイ」を耳にしてしまって以来、ずっと探していたLPがこのCHORAL MUSIC FROM YORKSHIRE です。入手の時期を逸し、でもどうしてもずっとずっと諦めきれずにいたところ、本日、Emuさん経由で、あの日から約30年を経て漸く私の手元に届きました。普段は貴重盤が届いてもとりあえずは収納して、聴くのは気が向いてから、なのですが、今回はすぐにプレーヤにかけて聴いているところです。(途中で地震が・・・邪魔するんじゃないっ!)レーベルがalphaなので聴きなれているみなさんには実力のほどはお判りのこととは思います。
届いたレコードを聴いてみると、30年間、想像していた音とは全く違っていましたが、あこがれ続けていた盤を実際に手にしている私の喜びと感謝を記しておきたくなりました。これで又「聴きたい音源」のノルマが一つ消化されました。きょう、この日を用意してくださったみなさまにどうもありがとう!   (by Hetsuji) 2013/05/18 sat up

 LP

1985
  CHORAL MUSIC FROM YORKSHIRE (alpha APS 359)
THE CHOIRS OF SAINT EDMUND, ROUNDHAY, LEEDS
Director RICHARD DARKE
Solo treble DAVID PICKERING Rediffusion Chorister of the Year 1984
NIGEL HOLDSWORTH Organ
FRANK MUMBY Piano and Chamber Organ

SIDE ONE
1.Let the Bright Seraphim
Let their celestial concerts from "Samson" Handel (Boys' choir)
2."Benedictus" from Missa Brevis
"Sancti Joannis de Deo" Haydn (DAVID PICKERING)
3."The Trout " Schubert (DAVID PICKERING)
4."Pie Jesu" from the Requiem Mass Faure (DAVID PICKERING)
5.Litany to Mary Simon Lindley (Girls' choir)
6.Magnificat from Service in G Stanford (Full choirs-DAVID PICKERING)

SIDE TWO
1.Zadock the Priest Handel (Full choirs)
2.Lord, let me know mine end Greene (Boys' and Gentlemens' choir, 1st treble Benjamin Simpson,2nd treble DAVID PICKERING)
3.Madonna and Child Thiman
4. "He Shall feed his flock" from Messiah Handel (DAVID PICKERING)
5.I Saw the Lord Stainer (Full choirs-DAVID PICKERING, Nicholas White,alt, Charles Beal, tenor, Paul Gatenby, baritone)

オルガンや混声その他の合唱が活躍するため、この盤を聴き終えたときに、DAVID PICKERINGのアルバムという印象は薄いです。ほぼ全体にからんでソロをしている割には突出した印象が無いのが不思議です。この盤への参加は、TREBLES, ALTOS, TENORS, BASSES, SOPRANOS で、基盤に大人の合唱があるため、たいへん地味、ことばを変えると落ち着いた雰囲気があります。ちなみにこのとき1曲のみに記名があるBenjamin Simpsonもヘッドコリスターだったようです。
ソロはあくまでも聖歌隊員のソロ。敬虔かつ清浄。細く魅力的に儚げなシューベルトのソロ"The Trout "は、CD「Twice Were Angels」でも聴くことができます。
私はオリジナルで聴くことの価値を大切にしているので(ま、真のオリジナルはライヴなのかもしれませんが時空的に不可能に近い)ソリスト混在復刻CDのパッチワークのようなつくりの録音では1人1人のソリストの表現のステキさが伝わりにくいかもしれないと感じています。
混声の海面に一筋の光的なのがボーイ・ソプラノの価値とも思いますから。
声に濁りが無いこと、ヴィヴラート過多でないこと、儚くしかも実はしなやかで強靭であること。ボーイ・ソプラノの良さは、ボーイ・ソプラノではない声との対比において顕著です。
私には昔、alpha や abbey レーベルの収集を断念した過去があります。当時は東京の輸入業者経由で購入していたのですが、1枚1枚のお値段が当時3,000円を越していて、しかも私の場合、自宅までの送料が加算されました。
ソロ盤を鵜の目鷹の目で探していた頃の話なのですが、収集を断念したきっかけは、これらのレーベルを夢中になって聞いていた頃に、ふらっとキングスカレッジのレコードを聴いたことが原因です。王者キングスは格が違って聴こえました。
キングスカレッジとの出会いが、イギリスつながりで、alpha や abbey レーベルへ行きついたのですが、キングスを聴きなおしたこと、お金がなかったことが、路線変更へ向かうこととなりました。この盤もその頃、普通に出会って入手していたら、30年もの間、熱病のごとく求めていたかどうかは怪しいところです。出来としては、alpha や abbey レーベルとして良い感じ、ですから。
でも、改めて、今、繰返して聴いていると、このレーベルの真摯さ直向きさが伝わってきて、収集を諦めたのは勿体なかったと思います。
盤の感想に戻りますが、DAVID PICKERINGくんのガラスの声のソロを聴いていて”まもってあげたい”的な気持ちになり、あのときファンが言っていた「カワイイ」ってコトバはこういうこと、を表現していたのかもしれないと気が付きました。ソロの後のGirls' choirへの移行も、なんとも自然で、(場合によって女声とか少女声が入っているだけで避けたりすることもあるのですが、)この盤はそれぞれのパートの声の色彩が、逆に混声であることの利点を際立たせていました。
このCHORAL MUSIC FROM YORKSHIREは、30年間の私の本気に応えてくれた、私にとって、とても価値ある1枚です。ネットではいつも見ていた写真ですが、初めて実際にアルバムカバーに触れたときに、私の元に在るのが不思議な感じがしたことを思い出します。間に入ってくれたEmuさん、本当にどうもありがとう。   (by Hetsuji) 2013/06/01 sat up

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(お返事は出来ないと思います)