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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

パリ「木の十字架少年合唱団」LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS

 フランス語の発音に基づく鼻にかかった独特の音色。驚くほど明るい母音発声。小さな身体から広がる豊かな声量。ソリストたちの太くて丸みのある歌声。管弦楽器の重奏のようにまろやかにで伸びやかなアンサンブル。アカペラで歌われる美しい聖歌やポリフォニーの数々…。
 "こんな合唱団があるなんて…。"非常に水準の高い音楽美を保ちつつも,変に大人びたところがなく,子供らしい愛くるしさ,瑞々しさに満ちている。これこそが子どもの歌声の神髄なのかもしれない。ドイツ語系少年合唱団のような,細く,可憐な頭声に慣れた人にとっては,恐らく,パリ「木の十字架少年合唱団」の歌声は,ある程度のショックを持って受け入れられるのでは? 
 その他の特徴としては,4パート編成(ソプラノ,メゾ・ソプラノ,アルト1,アルト2)での演奏スタイルを主体としていることが挙げられる。アルトが2パートあるため,他の少年合唱団に比べ,特に低音部の音域が広く,ゴスペルのような深みのある響きを生み出すことができる。また,無伴奏用として書かれていない曲までをも,ハミングで随奏しなからアカペラで歌ってのけるのもすごい。
 このハミングがまた絶品で,鼻にかかって豊かに広がり,眼を瞑って聴くとバックにオーケストラがついているように聞こえる。さらに,彼らが一曲を通して,合唱のみ,あるいはソロのみ,というパターンで歌うのは非常に希で,大抵の場合,一曲の中で,"合唱","ソロ&ハミング等","ソリストによる重唱"が目まぐるしく入れ替わりながら歌われ,その絶妙なバランスに圧倒される。
 選りすぐられた団員のみが来日するので,来日コンサートでの質も非常に高い。また演奏マナーに関しては,実に感じが良く,私が出かけた過去3回のコンサートにおいても,この合唱団が持つ善良さと,子供らしい礼儀正しさが滲み出ていた。クリスマスシーズンに来日するせいか若いカップル等、普段の少年合唱団の演奏会では見られない客層も多く、とてもアットホームな雰囲気である。
 興味のある方,他の合唱団にはみられない彼らの独自性に満ちた歌声をぜひ一度体験してみては? (by Rise)

 1974年初夏,初めてパリ木(パリ「木の十字架少年合唱団」)を生で聴いて,芯から衝撃を受けた。光のかけらを含んだかのような声の輝きは,どうだろう!合唱と同じくらいにソロが重要なプログラム構成。入れ替わるソリストたちは,みな上手で,すべての団員がソリストの実力を持っている。すごい!…。私は当時の来日メンバーのLPを買い,来る日も来る日も聴き続けた。パリ木の白いアルバは憧れだった。これがパリ木との出会いだ。そして中でも私にとって特別なソリストは1977年と1979年来日のフランク・バールだ。パリ木=バール。細く糸をひく艶やかな甘い密の声。それがパリ木のイメージ。(by Hetsuji)

CD 

C.2016
   
 CD   Les plus belles chansons
Les Petits Chanteurs A La Croix De Bois
(CD   AUVIDIS  AC 6464)

CD 1
  1   La clocher de Saint Malo
  2   La rose rouge
  3   Adoramus
  4   Itsuki no Komori  Uta
  5   Guten Abend
  6   Ave Maria
  7   Buon Signore
  8   Ave Verum Corps
  9   Deck the hall
10   Berceuse pour un gosse malade
11   Improperes du Vendredi Saint
12   Bahay Kubo
13   Le duo de chats
14   Chanson bulgare
15   Le chant des adieux
16   Dili, Dili
17   L'enfant dormira bientot
18   Stille Nacht

CD 2
   1   Douce France
   2   La berceuse du petit Zebu
   3   Haiti cherie
   4   La nuit
   5   Pojdem spolem
   6   White Christmas
   7   Kalinka
   8   Chargee de mystere
   9   La chanson de Solveig
10    Les temps viendront
11    Jardin de France
12    Nous Sommes les bergers
13    Joy to the World
14    Petite berceuse du debut de la colonie
15    Ave Maria
16    Petit Papa Noel
17    Jingle Bells
18    Chantons Noel 

思いがけないCDとの出合いがあるものである。思わずジャケ買い(というにはCDの場合は小さすぎるが)してしまうほど、生き生きとした少年たちの姿が気に入った。
「極上名曲集」といった意味のタイトルのついたこの2枚組のCDは古今東西名曲集である。
残念ながら、録音年月日とか曲の解説はない。
グレゴリオ聖歌、モーツァルト、シューベルト、ブラームスのクラシックから、イギリス、ロシア、フィリピン、中国等の民謡、そしてクリスマス曲までいろいろな曲が入っていて興味深い。途中で「五木の子守唄」が聞こえるのもサプライズだ。ソロの演奏もあるし、伝ロッシーニの冗談音楽「猫の二重唱」も入っているのも愛嬌だ。
いろんなソースからの寄せ集めであろうが、このCDの良さは、特定のジャンルの曲集なら、質的に似かよっていて、時にあきるのだが、さまざまな曲集なのでそうはならない。曲名を見ずに聞き流していると、次は何だろうと曲当てクイズにして楽しむのも良いだろう。「アヴェ・マリア」が聞こえてきた時、いったい
誰の曲だろうと思ったらシャルル・アズナブールのもので驚いた。
このCDの良さは、パリ木の十字架少年合唱団の多才ぶり、芸達者ぶりを味わえることである。(by northend 2018/10/10 WED up) 
CD

2008

Les Petits Chanteurs a la Croix de Bois (Musique Universelle)

1.Douce Nuit
2.Joy To The World
3.White Christmas
4.Christmas Eve
5.Hark, The Herald Angel Sing
6.La Nuit
7.Ue O Muite
8.Tace Voda Tece
9.Haiti Cherie
10.Chanson de Solveig
11.I Feel Good
12.Sometimes I Fell
13.Maroussia
14.Ave Maria
15.Regina Coeli
16.Popule Meus
17.Ave Verum
18.Ceremony of Carols
19.Alleluia
20.La Mer
21.Le Serment
22.Charge de Mystere
23.Musique Universelle

 かのパリ木でさえ無国籍っぽい合唱に変化していくのも時代の趨勢なのかもと思って聴き始めました。かと思とえば初来日の頃の編制や雰囲気も。バラバラな印象です。が、聞覚えのあるこれぞパリ木の声が出た時点でやっと気が付きました。これ、さまざまな時代の、歴代のまぜこぜ録音です。
 私にとってのパリ木の音は、デルシーヌ神父さまの時代がベストなのですがそれを再確認してしまいました。
 団体として生き延びるための試行錯誤というか実験要素も頑張っているとは思います。いろいろな曲に挑戦していますし。ただ、聴いた感じ、変声直後の若い男声は、ドラケンスバーグの方が清々しいです。クリスマスの天使というキャッチフレーズがありましたが(ファンが言っていただけか?)クリスマスの曲はさすがにシックリ来ますね。
 現在的アピールも視野に入れてる割合新しい時代の(70年代ぽくない)落ち着いた声の響きも魅力ではあります。かといって、私の場合、パリ木as世界no.1と信じていた頃の熱狂にはなかなか戻れませんが・・・。パリ木はこの先何処へ向かうのだろう? そんなことを思いながら聴いた1枚でした。  (by Hetsuji) 2018/7/6 FRI up
 CD

2006
100 ans en chantant (TETRA MEDIA - XIII BIS RECORDS 70022640645)
Direction: Fernand Maillet(19,20) / Rene Delsinne(8,13) /  Bernard Houdy(6,7,10,16,17) / Rodolphe Pierrepont(3,4,5,9,18) / Veronique Thomassin(1,2,11,12,14,15)

1.Musique Universelle (2006)
2.Nous, les enfants (2006)
3.Avenue de l'Amitie (1997)
4.Les Temps Viendront (1997)
5.Le duo des chats (1994)
6.Benedictus (1979)
7.Exultate (1979)
8.La rose rouge (1974)
9.Maroussia (1997)
10.Buon Signore (1985)
11.Ue O Muite (2003)
12.Berceuse Creole (2005)
13.Ave Maria (1974)
14.Priere a Marie (2003)
15.Away in a manger (2003)
16.Petit Papa Noel (1987)
17.Jingle bells (1987)
18.Christmas Medley (1998)
19.Tutu Maramba (1950)
20.Tengo de subir al puerto (1935)

 これはパリ木の100周年を記念してのベストアルバムのようです。というわけで、発売は2006年かな。聞いたことがある演奏もあれば聞いたことのないものもあり、1935年から2006年までの演奏が含まれていますが、つながりに違和感はなく、全体としてはよい感じにまとまっています。
 最初の「Musique Universelle」や14曲目「Priere a Marie」は2000年代からパリ木でよく歌われるようになったと思われ、しっとりとしたメロディーが好印象。5曲目「Le duo des chats」は、何回か録音されている中の一番好きな演奏(そして巧い)が選択されていて嬉しい。
 目玉は6、7曲目ですね。オリジナルはLPで、これまでCD化されたことはないはずです。ずっと以前に知り合いがカセットに録音してくれ、「パリ木がこんなの歌っていたんだ〜、すっごく上手じゃない?」と心惹かれたモーツァルトのアルバムからです。Hetsujiさんイチオシのフランク・バール君のソロなのかな?よいですね〜。パリ木がミサ曲を丸々歌っているアルバムって他に知らないので、そういう意味でも貴重なのでぜひ丸ごとCD化して欲しい。
 13曲目「Ave Maria」は、曲自体も好きですがパリ木の演奏も好きです。パリ木とモーツァルトって合っていると思います。15曲目「Away in a manger」は、フランス語訛りの英語とパリ木独特の粘り気のある歌い方がやみつきで、最後にソロで歌われるアレンジも気に入っていています。16,17曲目は、自分のパリ木初アルバムであるクリスマス集CDからで、当時繰り返し何度聞いたことか。今はキンキンキラキラな感じが少し苦手になってしまいましたが、それでもパリ木といえばすぐに思い浮かぶのはこのアルバム。ソロ陣もみんな巧くてね。自分的には「Jingle bells」の演奏はパリ木基準かもしれません。だから「アアアア〜♪」とオブリガートがはいってこない演奏を聞くとなんだか物足りない。
 パリ木初めの1枚としてオススメですし、「Benedictus」と「Exultate」を聞くためにだけでも入手価値があるアルバムかと思います。 (by Wing) 2014/04/01 TUE UP
CD

2003 
  Noel avec Les Petits Chanteurs A La Croix De Bois (PLYZEN WPCC 0002)
conducted by Veronique Thomassin
(P)&(C) 2003

1.Jingle Bells
2.Entre le boeuf et l'ne gris
3.Les anges dans nos campagnes
4.Madre en la puerta
5.Douce nuit
6.Joy to the World
7.Venez divin Messie
8.Away in A manger
9.Adeste fideles
10.White Christmas
11.Noel en Martinique
12.Il est ne le divin enfant
13.Priere a Marie
14.Priere a Marie(カラオケバージョン?)

 このクリスマス曲集は把握しているだけでほぼ同じ内容で3枚あります。私が持っているのは韓国版のCDです。同タイトルのCDがあるので、おそらくその韓国版かと思われます(ジャケットも似てるし)。もう1枚は2005年頃に発売された紫色のジャケットのクリスマスアルバムで、Ave Maria以外の曲は同出のようです。
 ブックレットは解説部分が韓国語オンリーのため、何が書かれているのかさっぱりわかりません。録音情報もわかりませんが「(P)&(C) 2003」とあるので、2003年頃の録音かな?ちなみにこの韓国版では、オリジナルには無い4曲目「Madre en la puerta」が追加?されており、強いていえばコレが余計。他のパリ木のアルバムでもこの曲はおどろおどろしいアルトで歌われることが多いですが、ここではアルトですらなく、変声後の安定してないテナーみたいな領域に入ってしまっていて雰囲気が他の曲とマッチしてないんですよねぇ。2005年のクリスマスアルバムは持っていませんが、そちらのAve Mariaの方がきっといいな。
 最初に不満を述べてしまいましたが、アルバムとしてはパリ木ファンなら持っていて絶対に損はない1枚です。13・14曲目以外はすべてア・カペラで歌われておりパリ木の真髄発揮。コンサートを聞いているような感覚に陥ります。パリ木のコンサートを初めて聞いた時の衝撃「次々とソロがでてきてすべての子が上手く、曲によって変化するフォーメーションに驚き、しかも全曲ア・カペラで雰囲気たっぷりに楽しませてくれる。」いっぺんで魅了されました。このアルバムを聞きながらその時のことを鮮明に思い出しました。時代や指揮者が変わっても伝統は変わってないんだなぁとしみじみ感じ入り聞き入った次第です。クリスマス時期にパリ木が来日していた頃が懐かしいですね。今はほとんど来日してくれないから代わりにこのアルバムを聞こうかな、そんなアルバムです。(by Wing) 2014/12/01 MON UP 
 CD

1998
  A TOUT CHOEUR ( PolyGram LC 0309 1998)/Direction:Rodolphe Pierrepont

1.Les Temps Viendront          
2.Noel Fin De Millenaire           
3.Ave Maria(Gounod)          
4.Avenue De L'histoire           
5.C'est L'histoire           
6.Hark, The Herald Angel Sing
7.Christmas Medley(Douce Nuit.White Christmas.Les Anges Dans Nos Champagnes.Joy To The World)     
8.Belle-Ile En Mer          
9.Le Duo Des Chants          
10.Madame          
11.Maroussia           
12.Le Serment 
CD 

1997
  LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS / REFLETS DE CONCERT (PolyGram 539 918-2)

1.CANTATE DOMINO
2.AVE MARIA
3.O MEMORIALE
4.LAUDATE DOMINUM
5.IL EST NE LE DIVIN ENFANT
6.WHITE CHRISTMAS
7.LES ANGES DANS NOS CAMPAGNES
8.JOY TO THE WORLD
9.WALDECHO
10.CIUCARELLA
11.RIVIERE TANIER
12.SORA O A RUITE
13.TECE VODA TECE
14.LA NUIT
15.MES JEUNES ANNEES

1997年の録音ですが、私にとってのパリ木のテイスト「糸を引く蜂蜜の声」が残っている録音です。しかも「パリ木始め」だった1974年来日組のメンバーだった団員くんが指揮者。
いかにもパリ木で満足できるのですが、ちょっとだけ外れたのは、選曲のAVE MARIAが指揮者作曲でLAUDATE DOMINUMがモーツァルトではない、ということくらいで。別の意味ではあたったのでしょうが。
前回の来日であまりに薄味というかスマートになってしまったパリ木に唖然とした身には、納得の昔ながらの演奏です。ただし、マイエー神父以後の昔、ですが。  (by Hetsuji) 2010/2/28 up 
CD 

1994
  LES PETITSCHANTEURS A LA CROIX DE BOIS/THE LITTLE SINGERS OF PARIS(A 6210 AUDIVIS FRANCE)1994年

1. Ave Maria(C.Aznavour/G.Garvaarentz),
2. Christmas Eve,
3. La Chanson de Solveig,
4. Chanson bulgare*,
5. Guten Abend,
6. Cantique de Jean Racine,
7. La rose rouge*,
8. Leo duo des chats,
9. Ave Maria(F.Schubert),
10. Berceuse des grandes Antille,
11. Sometimes I feel,
12. Douce France*…アカペラ演奏

 ジャケットの裏面にこのCDを創るに当たっての,指揮者,ピエールポン氏のコメントが寄せられている。"従来と同様な録音にしたいが、何か新しさを付け加えたい。選曲は、合唱団が頻繁に訪問している国々のものを盛り込み,オーケストラの伴奏を付け,合唱アレンジも変え,よりモダンな印象を与えたい。そして,このコンセプトに聴き手が満足することを願う…"と。
 とはいうものの(といったら失礼なのだが),やはりこの盤でも,いかにもパリ木らしい良さを表現しているのは,私にとっては,アカペラの2曲,4.「Chanson bulgare」と7.「La rose rouge」である気がする。「La rose rouge」…すなわちシューベルトの「野ばら」は「パリ木の十字架少年合唱団名演集」にも収録されているが,この盤では,バックハミングの第2アルト(最低音)を変声した少年が務めているので,若干違った趣で楽しめる。
 2.「Christmas Eve」と 3.「La Chanson de Solveig」は,アカペラアレンジの場合,イントロ部分のハミングが粋なので,楽器に取って代わられるとちょっと寂しいかも…。「Christmas Eve」は山下達郎のもので,もちろん日本ツアーからの選曲だから,日本人としてはやはり嬉しい。このアレンジではメゾソプラノが主旋律を担当するが,非常に凝った編曲なので本来のメロディーラインが分からない位だ。それにしても,失恋という内容の現代曲をこんなにも明るく勇んで歌われるとちょっと苦笑…。でもその明るさ効果で何だか逆に悲しい気分にさせてしまうのがパリ木らしさなのだろう。
 12.「Douce France」…「うまし国フランス」はパリ木の歌うシャンソンの中でも私がすごく好きな1曲。オーケストラにのっているので、幾分さらりとした感じで歌われている。97年のコンサートでは、アカペラでは厳しいと思われる難しいリズムのこの曲を,豊かな声量でダイナミックに歌ってくれた。ピエールポン氏の独特で体当たりの指揮に身体を揺らしながら楽しそうに反応する少年達の姿はきらきら輝いていたっけ…。ぜひアカペラ録音も聴きたいものだ。
 9. 「Ave Maria(F.Schubert)」…「シューベルトのアヴェマリア」の原詩はスウェーデンの詩をドイツ語訳したものだが,ここではラテン語でたっぷりとまろやかに歌ってくれる。ソロ(ソプラノ・アルト)の声は太くてまるくて張りがある。いかにもパリ木で嬉しい。この曲独特の切々とした旋律が彼らの声にぴったりとはまっている。
 6. 「Cantique de Jean Racine」…「ラシーヌの雅歌」は,ぜひパリ木に歌ってほしい,というか,パリ木ならどんな風に歌うだろうと前々から興味を持っていたのですごく嬉しかった。が,パリ木風ではなく,意外にもきわめて端正に普通に歌われていている。録音マイクもかなり遠くて,音がオーケストラに埋もれてしまっているのが残念だ。もう少し良い状態でもう一度聴いてみたい。
 10.「Berceuse des grandes Antille」…パリ木はしばしばフランス圏植民地だった地方の民謡・子守り歌なども録音しているが,この「アンティル諸島の子守り歌」もその1曲。彼らが歌うこれらの歌は南国の素朴でのんびりとした雰囲気が伝わってきて気に入っている。日本では,パリ木=クリスマスというイメージが強いが,このように彼らのレパートリーには,椰子の木が揺れる海辺でのBGMに欲しい曲もたくさんあるのだ。
 また,この盤には,映画「L'or des Anges」で歌われた8.「Leo duo des chats」すなわち「猫のデュエット」も入っているので聞き比べると楽しい。オス猫?は淡白だが,メス??はこちらの方がより濃厚かもしれない。(by Rise) 2000/02/13 up 
CD 

1993
  LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS 〜Chantent LE MONDE Et NOEL〜 (MU798)輸入版,1993年 パリ「木の十字架少年合唱団」〜世界の歌&キャロル集(2枚組)〜

〜 CD 1 〜
1. STILLE NACHT - SILENT NIGHT DOUCE NUIT,
2. LES ANGES DANS NOS COMPAGNES,
3. ES IST EIN ROS ENTSPRUNGEN,
4. QUAND LA MINUIT SONNAIT,
5. LA VIRGEN AVA PANALESS,
6. IL EST NE LE DIVIN ENFANT,
7. JINGLE BELLS,
8. BEBE DIEW,
9. DECK THE HALL,
10. O MON SPAIN,
11. NOUS SOMMES LES BERGERS AU C?UR JOYEX,
12. DORS,MA COLOMBE,
13. O COME,ALL YE FAITHFULL,
14. TROIS ANGES SONT VENUS CE SOIR,
15. LES ROIS MAGES,
16. WHITE CHRISTMAS,
17. LE BEL ANGE DU CIEL,
18. NOEL N°2,
19. NOEL POLONAIS,
20. NOEL YOUGOSLAVE

1. きよしこの夜,
2. 荒野の天使たち,
3. 一輪のバラが,
4. …,
5. 御母は産着を洗う,
6. 神の御子生まれ給えり,
7. ジングル・ベル,
8. グリーンスリーブス,
9. ひいらぎ飾りて,
10. もみの木,
11. …,
12. おやすみなさい、私の白い鳩よ,
13. 神の御子は,
14. 3人の天使は夜のヴィーナス*,
15. 東方の三博士*,
16. ホワイトクリスマス*,
17. 天上の美しい天使*,
18. …*,
19. ポーランドのキャロル*,
20.ユーゴスラビアのキャロル* *男声との共演

〜 CD2〜
1. SUR LES ROUTE DE FRANCE ET DE DU MONDE,
2. FRERE JACQUES,
3. CHANSONS ENFANTINES,
4. LA NUIT,
5. LE CLOCHER DE SAIT-MALO,
6. A LA CLAIRE FONTAINE,
7. STEAL AWAY,
8. BERCEUSE CREOLE,
9. LE MONT ALI,
10. BERCEUSE(GUTEN ABEND),
11. SHE'LL BE COMING' ROUND THE MOUNTAIN,
12. NOUS N'IRONS PLUS AU BOIS,
13. ADIEU FOULARD, ADIEU MADRAS,
14. LA MER,
15. L'ENFANT AU TAMBOUR,
16. L'ENFANT DORMIRA BIENTOT,
17. CHANTE ROSSIGNOL!,
18. TROIS JEUNES TAMBOURS,
19. GENTIL COQUELICOT,
20. SUR LE PONT D'AVIGNON

1. …,
2. ヤコブ兄さん,
3. 子供の歌(フランスの庭),
4. 夜,
5. サン・マロの鐘,
6. 澄んだ泉,
7. 逃れゆかん(スティール・アウェイ),
8. クレオルの子守り歌,
9. アリ山,
10. ブラームスの子守り歌,
11. 彼女は山に来るだろう,
12. …*,
13. さようならスカーフ*,
14. 海*,
15. 小さな太鼓叩きの少年*,
16. 坊や、早くおやすみ*,
17. 歌え、うぐいす!*,
18. 3人の太鼓叩きの若者*,
19. 優しいひなげし*,
20. アヴィニヨンの橋の上で(男声との共演)* *

「クリスマスキャロル」と「世界の歌」が収められたファンには嬉しい2タイトルCDです。まさに管弦楽器のような音色。喩えるなら,ソプラノはバイオリンの高音部,アルトはビオラといったところでしょうか。ふわっと広がる心地よい奥行があります。1974年の国内版CD,「世界は友達1」の声質をやや柔らかくした感じの響きで,音の余韻がきれいに録音されています。2枚とも,前半〜中半までの曲は,少年達のみによる演奏ですが,残りは男声との共演で,少年だけで歌われている曲と比べ,幾分くせあります。少年のメンバーも後半では異なるようです。
パリ木の声は,ビブラートが強く,音色が独特で,子供たちだけで既に完成されてしまっている感がありますから,バスやテノールにのって輝く声とは幾分違うかもしれません。でも,各声部の個性を存分に発揮して,自由で,実にのびのびと歌われる混声合唱は,何だか嬉しい気持ちにしてくれます。フランスならではでしょうか。

〜 CD1〜
2. 「荒野の天使たち」…3番の、"Gloria in excelsis Deo!"の箇所に注目。ソプラノのソロにより歌い始められ,そこに徐々にコーラスが加わって,最後には大合唱へと発展するアレンジが巧みに歌い上げられています。

5. 「御母は産着を洗う」…神秘的で女性的な色合いの濃いスペインのキャロル。ソプラノソリストによる哀愁漂う絶唱に胸を打たれます。ソロの合間に歌われる合唱のメロディーは,一度聴くと後々まで耳に残ります。

7. 「ジングル・ベル」…1989年、キャロル集「Noel」での編曲と同じです。ただしこちらはアカペラ。"Oh, what a fun it is to ride in a one horse open sleigh!"の"sleigh"の歌い方は、そりがふわっと宙に舞うような軽やかさ。無伴奏でいてこれほどリズムの効果が生きているのは驚きです。彼らは、来日時のコンサートでも,良く知られた聖歌などを,ときどき1箇所だけリズムにイレギュラーを効かせて歌ったりすることがあり,はっとさせられます。

8. 「グリーンスリーブス」…メロディーは「グリーンスリーブス」ですが,歌詞の内容は,フランス語でクリスマスに関する事柄を歌っているようです。ソロに続く後半の合唱は,楽器の弦の震えのように繊細でまろやかに広がります。パリ木は,誰もが知っているメロディーを丹念に,心を込めて歌うことで,曲の素晴らしさを再確認させてくれます。

〜 CD2 〜
4. 「夜」…日毎、地上に天国の平和をもたらす夜の優雅さを称えた曲。1番は4重唱、2番はソプラノのソリストによりハミングを伴って歌われます。来日時もよく歌われています。ハーモニーの残響が非常にきれいで,幻想的な1曲になっています。フランスの教会でもしばしば歌われるようです。

6. 「澄んだ泉」…愛する人を澄んだ泉に喩えて歌った夢のように美しい曲。ソロが歌う主旋律の後の合唱部分は,泉に広がる波紋を表現しているのでしょうか。一瞬くらくらっと気が遠くなるような不思議な感覚に襲われます。

7. 「逃れ行かん(スティール・アウェイ)」…パリ木の歌うスピリチュアルは,個人的にすごく惹かれるものがあります。1974年の国内版CD「世界は友達1」でも,「時には母のない子のように」が録音されています。児童声によって歌われるスピリチュアルは,とかく,"きれい"だけで終わってしまう場合が多いですが,彼らの歌には,薄っぺらではない魂を感じます。これは,単に彼らの歌の上手さや,豊かな声量に帰するのではなく,彼らの母体が,「"荒廃していく世の中に真心のこもった歌を!"というローマ教皇の呼びかけに応えた貧しくも善意あるパリの子供たちの集まり」であったことにも関係しているのではないでしょうか。"My Load calls me, he calls me by the thunder!"壮絶とも言える叫びの歌声です。

9. 「アリ山」…中国の民謡。いかにも中国らしいひなびた味わいのある愛らしい曲です。音の運びが難しそうですが,ソロの少年の音の掴み方は誤魔化したところがなく非常に正確だと思います。97年来日時のプログラムには,彼らが「万里の長城」にて白いアルパに身を包んで歌っている写真もあります。中国を初めて訪れた西洋の少年合唱団が彼らだということです。

15.「小さな太鼓叩きの少年」…英語圏では「リトル・ドラマー・ボーイ」として知られている可愛いキャロルのフランス語版。貧しい少年が考えついた御子,イエスへの贈り物は、自分の太鼓を叩いてお見せすること。少年の飼っている牡牛と子羊も一緒にリズムをとります。日本の児童合唱団にもよく歌われています。(by Rise) 
 CD

1990
  LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS 〜RECITAL〜 (A 6732)輸入版,1990年 パリ「木の十字架少年合唱団」

〜リサイタル〜
1. O bone Jesu,
2. Adoramus,
3. Regina coeli(1〜3. Drei geistiche Chore),
4. O magnum mysterium,
5. Laudate Dominum,
6. Ave verum Corpus,
7. Improperes du Vendredi Saint,
8. White Christmas,
9. Bueno Signore,
10. Bahay Kubo,
11. Le Mont Ali,
12. Yuki no furumachi o,
13. Haiti cherie,
14. Kalinka,
15. Le petit garcon malade,
16. Jardin de France,
17. Berceuse

1.… ,
2.… ,
3. レジナ・チェリ(天の女王),
4.… ,
5. 主を讃えよ,
6. アヴェ・ヴェルム・コルプス,
7. 聖金曜日の ,
8. ホワイト・クリスマス,
9. ,
10. 小さな小屋,
11. アリ山,
12. 雪の降る街を,
13.愛しのハイチ ,
14. カリンカ,
15. 病気の少年,
16. フランスの庭,
17. モーツァルトの子守り歌

  全曲アカペラのこれぞパリ「木の十字架少年合唱団」といった感のあるCD。時には沸き立つような躍動感いっぱいに,また時には月のかけらのような可憐な音色で,魂を込めて歌い上げられた傑作集。前半は宗教曲,後半はフランスや世界の愛唱歌といった構成。ソプラノだけでなくアルトやメゾソプラノのソロもふんだんに使われ,合唱もアルトの厚みが効いていて,個人的にすごく好みの1枚です。ここで,パリ木のソリストの役割について一言…。パリ木のレパートリーにおいてソロは重要な役割を果たしていますが,だからといってスター性はありません。ソリストも,合唱を歌う団員も,ただ単に主から与えられた使命がたまたま異なるだけといった風で,CDジャケットの裏面にも,カトリックの合唱団らしく,ソリストの名前は決して公表されません。それを残念がるファンもいるでしょうが,彼らのこのモットーは、私がパリ木を尊敬している所以の一つです。
6. 「アヴェ・ヴェルム・コルプス」…原曲では管弦合奏とパイプオルガンの伴奏が付きますが,ここではその楽器部分をハミングでつないでアカペラ歌っています。来日時もよく歌われ、初めてこのアレンジを聴いた時は,軽い衝撃を受けました。眼を瞑って聴くと本物の楽器伴奏にのって歌っているかのようです。このCDでは,若干線が細く,可憐に歌い上げていますが,来日時はより豊かでろうたけた音色を聴かせてくれています。
10. 「小さな小屋」…素朴で愛らしいフィリピン民謡。アルトが効果音のような役割を果たしていますが,ここで聴かれるアルトの音色が私の大好きなパリ木の低音です。パリ木の重要レパートリーの一つである世界各地の歌は,彼らが各地を訪れた時に覚えたものです。大抵の合唱団なら,アンコールにのみ使う歌として存在するそれらの歌も、パり木は"自分達のもの"として積極的に取り入れ,CD録音しています。外国の良く知られていない地方を訪ねるという,パリ木のモットーは敬愛すべきものがあると思います。日本でも東京以外は,地方の主要都市というよりも小規模都市もしくは郡部でも積極的に公演が行われています。
12.「雪の降る街を」…パリ木がここのところ来日時のアンコールに用いている1曲。過去3回のコンサートでは,プログラムの最終曲が「きよしこの夜」,その後,アンコールとして,山下達郎の「クリスマス・イブ」→「雪の降る街を」の順に歌われています。つまり,この曲が実質的な最終曲になるのですが,最後を飾るにしてはいささかすっきりしないかな,とも少し思います。曲が途中から長調に移調することと,彼らの音色が明るいのが救いですが…。日本の冬の曲をアンコールに,というとかなり限られますが,個人的には,山田耕作作曲の「ペチカ」をぜひ歌って欲しい。あの,パリ木の朗々とした音色で,"雪の降る夜は楽しいペチカ ペチカ燃えろよお話しましょ…♪"と歌ってくれたら会場中がクリスマスの温かな雰囲気に包まれるのでは,と想像して楽しんでいます。
15.「病気の少年」…プーランクによるこの合唱曲は,東京少年少女合唱隊の訪欧時ライブCD,「ヨーロッパの響きを訪ねて」シリーズにも録音されています。日本の児童声による貴重な録音なので、ぜひ聴き比べて見て下さい。同じCDに,やはりパリ木のレパートリーである,ラモーの「夜」もきれいに録音されています。
16. 「フランスの庭」…フランスの童謡のメドレーです。「月の光」や「アヴィヨンの橋の上で」等,日本でも馴染みのあるメロディーが多いのに驚かされます。子供の愛すべき部分を凝縮したようなパリ木の子供たちが,瑞々しさいっぱいに歌う愛らしいメロディー。途中、"ミァウ〜"と、可愛い猫の声まねも。ソプラノ,メゾソプラノ,アルト1,アルト2の少年扮する4匹の猫が登場します。(by Rise) 
CD 

1989
  Le Petits Chanteurs A La Croix De Bois 〜Autour Du Monde〜 (A 6149)輸入版,1989年

〜French〜
1. Petite berceuse du dedut de la colonie(Quebec),
2. Tutu Maramba(Bresil),
3. Chargee de mystere(France),
4. Tece voda, tece(Tchecoslovaquie),
5. Berseuse creole(Antilles),
6. La nuit(France),
7. Madre en la puerta(Espagne),
8. Le clocher de Saint-Malo(France),
9. Berceuse pour un gosse malade(France),
10. Ltsuki No Komori-Uta(Japon),
11. Trengeweke Nemel(Nouvelle-Caledonie),
12. La berceuse du petit zebu(France),
13. Dili, Dili(Chine),
14. Maman creole(Le Reunion),
15. L'enfant dormira bientot(France),
16. Repands, charmante nuit(France),
17. Le chant des aduex(France) 〜Japanese〜

パリ「木の十字架少年合唱団」〜世界をめぐる〜
1. …*(ケベック州),
2. トゥ トゥ マランバ*(ブラジル),
3. …*(フランス),
4. 激しい流れのように*(チェコスロバキア),
5. クレオルの子守り歌*(アンティル諸島),
6. 夜(フランス),
7. 門に立つ母*(スペイン),
8. サン・マロの鐘(フランス),
9. 病気の子供のための子守り歌*(フランス),
10. 五木の子守り歌*(日本),
11. …(ニューカレドニア),
12. 小さなこぶ牛の子守り歌*(フランス),
13. ディリ・ディリ(中国),
14. ママン・クレオル*(レユニオン島),
15. 坊や、早くおやすみ*(フランス),
16. 広がれ,魅惑の夜よ*(フランス),
17. 別れの歌(フランス) *:管弦楽器等による伴奏付き。

パリ「木の十字架少年合唱団」の歌声は,鼻にかかる独特の音色が印象的ですが,このCDでの歌声は,その鼻にかかる具合がより強く,日本人には舌足らずに感じられるほどです。そのため,非常に愛くるしく,やわらかで,子供らしく聞こえます。CDタイトルは "Autour Du Monde"(英語併記; Around The World)となっていますが,ごらんの通り,フランスや,かつてフランス領だった地域の歌が圧倒的な数を占めています。Around The Worldといってもアメリカのような大国の曲が一曲も入っていないのは,いかにもフランスらしい気がします。子守り歌,子供のための歌等々,子供たちが自然に口ずさめるような親しみやすいメロディーが多く,コンサートホールや教会で聴くよりも,小さな野外会場やラジオ番組で歌っている姿を想像させられます。楽器や男声と共演している曲が多く,パリ木にしては意外な感じでいて,そのくせ実にしっくりくる出来上がりになっているのが不思議です。歌詞の詳しい内容が欲しいところです。
4. 来日公演でも,ハミングを伴い,アルトのソリストによりしばしば歌われます。少年合唱というとソプラノが華と思われがちですが,パリ「木の十字架少年合唱団」は,コンサートにおいてもCDにおいても,すべての声部に、ソロの使命が与えられています。ここでも,アルトのソリストが民謡調の深みのあるメロディーをゆったりと歌います。
5. クレオルとは,中央アメリカの東方海上に位置する西インド諸島など,旧植民地で生まれたヨーロッパ人種のこと。アンティル諸島は,その西インド諸島の中の主島群です。椰子の木が揺れている様をそのまま子守り歌にしたような,南国的な美しい曲。
8. フランスの中でも,独自の文化と言語をもつブルターニュ地方の民謡です。フランスの子供達が学校帰りに道草をしながら歌うのにぴったりのいかにも楽しげな歌。
9. 非常にキャッチーな心地良いメロディー。子供のためのシャンソンといった感じでしょうか。合唱をバックに歌うソプラノソリストの自然でいて心のこもった歌い方には好感が持てます。
11. 昔,テレビで見たニューカレドニアの紹介番組で,原住民が夕暮れの波打ち際で歌を歌っているシーンがありました。一人の歌声に次々と様々な声部の声が重なるように入り込んでくる…。もちろん言語はフランス語。歌っていたのは普通の島民である大人の男女で,生活の中に自然と歌が含まれているような雰囲気に感動しましたが,その歌を聴いた時,"あ、パリ木の声に似ている゛と思いました。独特のくせがある音色なのに自然に耳に心地よい…。世界中を旅するパリ木はこうした南の島もしばしば訪れるようです。椰子の木の下で白いアルパを来て歌っている彼らもいいなぁ。
15. 「Dort, dort, l'enfant, dort, l'enfant dormira bientot」という歌詞が繰り返され,むずかる子供を優しく寝かしつけようとしている様子が目に浮かびます。ソロを歌っている少年の声のあどけなさが,ほんのり優しい気分にさせてくれます。
17. 日本では「蛍の光」として有名なスコットランド民謡に,フランス語の歌詞がつけられています。フランスでもやはり「別れの歌」です。年長者の一人と思われるソプラノソリストの熱唱を聴きながら,このCDとはお別れです。(by Rise) 
 CD

1987
  Les Petits chanteurs a la Croix de Bois 〜NOEL〜(A 6123)輸入版
〜French〜
1. Stille Nacht(Allemagne),
2. Dors, ma colombe(France),
3. Es ist ein' Ros'(Allemagne),
4. Nous sommes les bergers(France, Xvlle),
5. Entre le baeuf et l' ane gris(France),
6. Joy to the World(Grande-Bretagne),
7. La nuit de Noel(France, Xvlle),
8. Hark! the Herald Angels Sing,
9. Deak the Hall(Grande-Bretagne),
10. O Little Town of Bethlehem(U. S. A),
11. Jingle Bells(U. S. A),
12. Les temps viendront (France),
13. Chantons Noel(Quebec),
14. Noel a Bethleem-sur-Seine(France),
15. Petit Papa Noel(France),
16.Wsrod nocnej ciszy(Pologne),
17. La Virgen lava panales(Espagne),
18. Poidem spolem(Tchecoslovaquie),
19. C' est Noel, joie surla terre(France),
20. Noel, quand tu reviens(France),
21. Petite berceuse du debut de la colonie(Quebec),22. White Christmas(U. S. A),
23. Madre de la puerta(Espagne)

〜Japanese〜 パリ「木の十字架少年合唱団」〜キャロル集〜
1. きよしこの夜*(ドイツ),
2. おやすみなさい,私の白い鳩よ(フランス),
3. 一輪のバラが(ドイツ),
4. 私たち羊飼いは(フランス),
5. 牛と灰色のロバの間で(フランス),
6. 諸人こぞりて(イギリス) ,
7. クリスマスの夜(フランス),
8. 響け、天使の声,
9. ひいらぎ飾りて(イギリス),
10. ベツレヘムの小さな町(アメリカ),
11. ジングル・ベル*(アメリカ),
12. 時は来らん*(フランス),
13. クリスマスを祝おう(ケベック州),
14. …*(フランス),
15. プチパパノエル*(フランス),
16. …(ポルトガル),
17. 御母は産着を洗う(スペイン),
18. ポイデン・スポレム(チェコスロバキア),
19. クリスマス・大地の歌(フランス),
20. …(フランス),
21. …*(ケベック州),
22. ホワイトクリスマス(アメリカ),
23. 門に立つ母(スペイン) *:管弦楽器等による伴奏付き。 "このCDの国内版(ビクター音楽産業,タイトル:きよしこの夜、レコード番号:

  1987年録音。
  " パリ「木の十字架少年合唱団」のクリスマスレパートリーオンパレードのCDです。来日コンサートでは日本に馴染みのある聖歌しか歌われませんが,美しいフランス語で奏でられる彼らの自国のキャロルは,非常に瑞々しく伸びやかです。日本でももっと紹介して欲しいものです。このCDでは特に,歌声の張りの強さと朗々と広がる音色が印象的です。
  2. 天上の平和を思わせる甘美なメロディー。ソプラノのソリストの後を同じ旋律で合唱が追いかけます。
 3. ドイツ語系の合唱団のクリスマスソング集には,必ずといっていいくらいこの曲が入っていますが,パリ木が歌うドイツ語は,ドイツ語圏の少年達とは一味違うまろやかさを含んでいます。2番は4人のソリストによる4重唱で歌われ,アルトソリスト2人が醸し出すパイプオルガンの低音のような重厚な音色,そして普段表に立たないメゾ・ソプラノのソリストの変化に富んだメロディーに注目を!
 5. 日本では,「竹やぶの上は夕焼け雲だ…」という唱歌で知られていますが、元々はフランスのキャロルです。フランス語では,「牛と灰色のロバの間で幼子は眠る…聖なる多くの天使達,セラフィム達がこの偉大な神の周りを舞っている…」。もの悲しく神秘的なメロディーが切々と歌われます。
 7. 4声部による合唱と各パートのソリストによる4重唱が交互に繰り返されます。2と同様、いかにもフランスのキャロルといった感じの心地良いメロディー。
   10. 私が個人的に好きな1曲。同詩のキャロルで曲が異なるものは,イギリスの聖歌隊によってしばしば録音されますが,パリ「木の十字架少年合唱団」のレパートリーとして歌われるのは,素朴さの中にも荘厳な色合いを含むこのメロディーです。2番はソリストの重唱によって朗々と熱唱され,「And praises sing to God the King, And peace to men on earth! 」という歌詞の力強さと相俟って,歌に込められた彼らの魂が伝わってくるかのようです。
  11. パリ「木の十字架少年合唱団」によるアカペラではないジングル・ベルは,このCDで初めて聴きました。97年の来日時には,これと同じ編曲によりアカペラで歌われました。主旋律に入る前の"鈴の音"を真似た歌声が愛くるしさを増しています。
   15. 南仏の農村が舞台のフランス映画「クリスマスには雪が降るの?」の中で,子供たちが食卓を囲んで歌っているのがこの曲です。いかにも楽しげなフランスの古いキャロルです。合唱,アルトソリスト,ソプラノリストが同じ旋律を入れ替わり立ち代わり歌います。途中からはソロを歌っていた2人の重唱になり,そこに合唱が加わリ…という形で盛り上がってゆきます。アルトのソリストの少しこましゃくれた歌い方も聴きどころです。
   19. 英語圏では「アメージンググレース」として有名なこの曲は,もとはアイルランドの伝承歌ですが,フランス語の歌詞がつけられています。合唱→アルトソリスト→合唱→ソプラノソリスト→合唱の順に歌われます。アルトソリストの大地を包み込むような温か味溢れる音色と,ソプラノソリストの全身を振り絞るような絶唱が感動的です。
  22. 来日時も必ずといっていいほど歌われるほど誰もが知っている曲ですが,彼らのように,主旋律に入る前の「The sun is shining, The grass is green…」というイントロの部分から歌い始めてくれる合唱団はなかなかありません。この部分は,合唱では,ましてアカペラでは非常に難しくて,よほど上手くないとメロディーが途切れ,いかにも"曲に歌わされています"的になってしまいます。しかし,私が過去に経験したコンサートにおいても,彼らの歌い出しは絶妙で,彼らがこのイントロ部分を歌い始めると,会場の空気が"ホワイトクリスマス"のメロディーに合わせて突如まろやかに流れ出すような錯覚に陥るほどです。
   彼らのとろけるようなFrench-English(1、6、8、9、10、11、12でも聴けますよ!)も魅力の1つでしょう。(by Rise) 
 LP   Les Petits chanteurs a la Croix de Bois 〜NOEL〜(A 4739)(C)1987
direction:Bernard houdy

SIDE 1:
1.Stille Nacht(Allemagne)    
2.Dors, ma colombe(France)    
3.Nous sommes les bergers(France, Xvlle)    
4.Entre le baeuf et l' ane gris(France)    
5.Joy to the World(Grande-Bretagne)    
6.La nuit de Noel(France, Xvlle)    
7.Hark! the Herald Angels Sing    
8.Deak the Hall(Grande-Bretagne)   
9.O Little Town of Bethlehem(U. S. A)   
10.Jingle Bells(U. S. A)

SIDE 2:
1.Les temps viendront (France)    
2.Chantons Noel(Quebec)    
3.Noel a Bethleem-sur-Seine(France)    
4.Petit Papa Noel(France)    
5.Wsrod nocnej ciszy(Pologne)    
6.La Virgen lava panales(Espagne)    
7.C' est Noel, joie surla terre(France)    
8.Noel, quand tu reviens(France)

 声が悩ましく鼻にかかって出てくるところは同じだが、10年後のパリ「木の十字架少年合唱団」の声は、同じ団だとは信じられないほど、低く落ち着いて、有る意味では聴きやすい音に変貌している。曲によっては雰囲気が違うので寄せ集め盤かもしれない。私は「1.Les temps viendront (France)」が一番好きだがほとんどアメリカの少年合唱団がフランス語の歌をうたっているかのように癖がない。加えて懐かしい感じがした。この曲には卓越したアルト・ソリストがいるがこの声には60年代の日本の少年の声を思い出す。全体的には77年と比較すると、より訓練が行き届いた馴染みやすい合唱かもしれない。ソリストも私が聴いた74年当時よりもずっと大人びた声をしている。(by Hetsuji)2000/01/28up

盤について:
 技術的にも「音」の変貌は凄まじい。クリアさはCD並みといえる。しかもレコードならではの温かい音も感じられる素晴らしい音だ。ザッと音がするとドキドキするが、特に問題ない。収録の段階で音そのものが素晴らしい状態で収められている。(by Hetsuji)2000/01/28up 
 CD

1982
1981
  LE MONDE MUSICAL DES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS(UCD 19019) 1981年,1982年録音。

きらめきの声,第2弾! こちらの選曲は,いつものナンバープラスW.A.Mozart,コダーイ,プーランクやビクトリア等収録しながらも新しい印象。パリ木の声は,うきうきさせてくれたり,又は細く通る高い声で,聴く者を切なくさせたり多彩だ。(by Hetsuji) 
 LP

1981
  "Chanson du Pays de France" LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS(vanstory VS3602)Direction:Bernard Houdy

Face A
1.L'AMOUR DE MOY
2.VOICI LE MOIS DE MAY
3.C'ETAIT MON COPAIN
4.LA PAQUES DES BOIS
5.VIVE LA ROSE
6.LE TEMPS DES CERISES

Face B
1.VA MON AMI VA
2.SUR L'PONT DU NORD
3.BRAVE MARIN
4.AUX MARCHES DU PAL AIS
5.LE ROY A FAIT BATTRE TAMBOUR
6.DANS LES PRISONS DE NANTES

 録音年が、80&82来日の間の81年なので、カバー写真の中に来日した団員がたくさんいても良さそうなのに(大きくなったFAUVET君らしきお子みっけ!)80&82は個性的なお顔立ちの団員くんが多かった割に、カバー写真の団体には見かけなかったので、少年の声はまさに「旬」がものをいうと思った次第。
 さて、この盤の選曲は、古くから伝わる(?)フランスの歌。「1.L'AMOUR DE MOY(モワの愛)」「2.VOICI LE MOIS DE MAY(ほら、5月)」「6.LE TEMPS DES CERISES(桜んぼうの実る頃)」等、来日コンサートで歌われた曲が選曲されている。普通に歌えそうなきれいなメロディラインの曲ばかり。ほとんどがソロ及びデュエットの個人団員をバックコーラスが支える趣。なかなか楽しく聞えます。ソロの声質はフルート系あり、クラリネット系あり、上空ピッコロ系も健在でさすがパリ木。ただし、気になるのは、変声まえの声がアルトでも低い声を頑張ってくれているので、ちょっとお茶目っぽいところ。
 パリ木のソリストは、CHOIRのソリストというより、表現力にスター性があって華やかで、ときに少年歌手のよう。まさにシャンソン。聴き方によっては、リベラ的でもあります。ずっと自然で聴きやすいけれど。ソプラノに残る適度な湿度が心地よいのだ。
 パリ木にソリストがいなかったことはありません。高水準のソリストはいつの時代にも存在しています。この盤しかり。「6.LE TEMPS DES CERISES(桜んぼうの実る頃)」のラストにさりげなく高音が用意されているのですが、ここでもソリスト君は、なんなくきれいな高音を聴かせてくれます。これは、実力集団が、ふるさとの歌を慈しみ、余裕を持って、楽しんで、音楽を創っている雰囲気に溢れた盤で、聴いていると、やさしい穏やかな気持ちに包まれます。   (by Hetsuji) 2006/02/09(Thursday)up 
LP

1979 
  W.A.MOZART LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS (CONTREPOINT CV.24011) (C)(P)1979 Vogue P.I.P. Maires de choeur : Bernard Houdy
Orchestre Harmonia de Paris direction FLORIAN HOLLARD


Face A:MISSA BREVIS en Ut Majeur "Messe des Moineaux" pour soli, choeur, orchestre et orgue, K. 220
1.Kyrie      
2.Gloria      
3.Credo      
4.Sanctus      
5.Benedictus      
6.Agnus Dei

Solistes des Petits Chanteurs a la Croix de Bois
Thierry, soprano/Franck,soprano/Frederic,contralto/Vincent,contralto

Face B:
1.AVE VERUM Moteet pour choeur, orchestre a cordes et orgue, K.618
2.EXSULTATE, JUBILATE Motet pour soprano solo, orchestre et orgue, K.165
a)Allegro.....Franck      
b)Recitativo.....Thierry      
c)Tempo non precise(Andante).....Thierry      d)Allegro:Alleluja.....Franck

 これが80年代にK巨匠からコピーして頂いて以来、Hetsujiが探していた幻の盤です。格調高い(?)裏面を表面だと誤解していたので、今、初めて実際に盤を手にして、余りにパリ木的平凡なアルバムカバーにちょっとガッカリしてしまったのですが、でも、自分では何も出来ないで他人に探させ、しかもそのあげくに、くれくれ攻撃で、ちゃっかり貰ってしまいました。
 演奏曲なんか何でも良い! 演奏内容もどうでも良い! この盤がHetsujiにとって価値があるのは、偏に演奏者にあるのです。HetsujiにとってWSK=80年のミヒャエル・クナップであるのと同じく、 そう! 77年、79年に来日し、TV出演の折の演奏で、Hetsujiが一耳惚れ?した永遠のソリスト、フランク・バール君のアルバム(と勝手にHetsujiが思っている)だからです。
 コーラス隊としてのパリ木は、この盤では意外なほど、癖が無い。そこに、黄金の木漏れ日のようなバール君のソプラノが現れるのです。最高級の密を引くメープルシロップのバール君の声。う〜っ・・・、なんたる至福!(tadaさんの皮を被ったHetsujiは)し・あ・わ・せ だじょ〜っ!
 Franck&Thierry二人とも、子どもの声ですが、決して男声に引けを取らないばかりか、歌うときに大人によくあるような力みが無いので、聴いていて曲が壊れず、心が疲れず、それからね〜、高音ヴィヴラートの最終処理の技が、もうもう無意識でしょうが芸術の域なのです。う〜っとり。基本的にヴィヴラートは嫌いですが、パリ木のは別。
 AVE VERUMは、う〜ん、お坊ちゃん方、ちぃ〜とばかし密を引いていますぜ!って言いたくなるくらいに静かにそして、丁寧に丁寧に歌っています。ドイツ・オーストリア系CHOIRが、この曲を歌うと、なんとなく学術っぽく聞こえるのに対して、この盤のは、情緒的です。もちろん全く感情は押さえられてはいますが、ハートに温かい揺らぎがあるんだなあ・・・。
 そしてそしてB面ともなれば、ティエリー君と、うちの(! いいのかね? ファンが読んだら怒るぞぉ・・・)バール君との独壇場! おぉっ!どなたか存ぜぬが、ヨクゾ、この録音を残してくれましたぞよ!
 楽々バール君のソプラノの軽いこと軽いこと。Allegroの最高音のタッチをお聴かせしたいよ〜!大人には真似出来ない技なんだから。ティエリー君は、バール君からキラキラの黄金の粉をちょっとだけ拭き取った感じ。グイグイとひたすら声で圧してくる感のあるうちの(やめれ〜!)バール君と比較すると、歌心っていうか、表現の細部にまで気をとっても遣っているみたい。丁寧です。ただ、これはレコードで聴くからこそ良いのかもしれません。コピーの仕方にも拠るのかもしれませんが、友人を介して某氏(彼はこのLPに値段を付けて売るなら4万円だが、例え4万円でも譲らん!と のたもうた)からMDにコピーして貰ったのは金属的過ぎる声に聞こえました。どうしてもデジタル系のものは柔らかさに欠けキツイ音になるような気がします。
 いざとなったら、MDに録音された音で紹介原稿をアップしようかと思っていましたが1年も経たないうちにこのLPが手に入ったのは友人のお陰。そして、聴けたのは、企画者や演奏者その他のお陰。ファンであると同時にほとんど孫息子の晴れの録音を抱きしめるような幸せな気持ちで聴き終えたのでありました。   (by Hetsuji) 2004/05/30 up  
 LP

1978
  歌は世界をめぐる/パリ「木の十字架少年合唱団」(SUX-137-PG/STEREO)
sur les routes de France et du Monde Direction:Abbe Delsinne 1978年録音。

SIDE 1:
1.フランスを、世界をめぐり    
2.フレール・ジャック    
3.子供の歌メドレー    
4.夜    
5.サン・マロの鐘
SIDE 2:
1.澄んだ泉で    
2.スティール・アウェイ(イエスのもとへ)    
3.クレオールの子守歌    
4.高山青    
5.ブラームスの子守歌    
6.山を廻ってやってくる

今ではクリスマス=パリ「木の十字架少年合唱団」の感があるが、ちょっとないような選曲が嬉しい1枚。軽いドラム系の伴奏が粋。子どもたちの歌声も粋。このLPもソプラノ・ソリストが素晴らしい。糸を引くつややかな声で丁寧に歌い上げ聞き応えがある。「夜」はソリストの定番曲だろうがここでの演奏もしっとりと聴かせる。明るいようでパリ「木の十字架少年合唱団」の声には哀愁も感じる。パリ「木の十字架少年合唱団」には普通のソプラノ音域のソリストの他に、その上を行くピッコロ的ソプラノ・ソリストが大抵の時代に存在するのもすごいと思う。(by Hetsuji)2000/01/28up

盤について:
 そんなに聴いた記憶がないのにB面にプツプツいう箇所があってショックを受けました。いつ付けた傷なんだろう?無傷だと思っていたのに。これだから、レコードはデリケート過ぎて手に負えません。繊細すぎます。(by Hetsuji)2000/01/28up 
 LP

1978
  心の底から輝きわたる天使の清らかな歌声!日本のファンへ送る最新ベスト・アルバム!!
パリ「木の十字架少年合唱団」のクリスマス/きよしこの夜(SUX-52-PG) 1977年5月録音。

SIDE 1:
1.きよしこの夜(讃美歌109番)    
2.あら野のはてに(讃美歌106番)    
3.エサイの根より(讃美歌96番)    
4.真夜中の鐘    
5.聖母様はおむつのお洗濯    
6.聖なる御子は生まれ給いぬ
SIDE 2:
1.ジングル・ベル    
2.グリーンスリーヴス    
3.ひいらぎの枝で飾れ    
4.もみの木    
5.われらは楽しい羊飼い    
6.眠れ、聖母様    
7.神の御子は今宵しも(讃美歌111番)

  アルバムカバーだけ見ると、表も裏も74年の来日団員の写真が使われているので、誤解してしまったが録音は77年である。ということは、77年、79年と来日した最高のソリスト(私にとって、ですが)フランク・バールが歌っている可能性がある。そう思い込めば、まだ声は幼いが、鼻にかかる溶かした砂糖のように甘くねっとりした声が彼に思えてくる。77〜79年のパリ「木の十字架少年合唱団」は私にとって狙い目の時期でもある。曲はパリ「木の十字架少年合唱団」的選曲とも思えるが、中では「4.真夜中の鐘」「6.眠れ、聖母様」が美しく、珍しくもあるのではないだろうか?パリ「木の十字架少年合唱団」ならではのしっかり歌えるソリストを主体にしたこの盤は、定番ではありながらも、ときに聞き慣れない曲が、敬虔なクリスマスの雰囲気を醸し出している。(by Hetsuji)2000/01/28up

盤について:
 耳元で音がするような気もしますが、これはレコードだから・・・程度に思うくらいで、きれいな素晴らしい音です。「歌は世界をめぐる」後に、レコード針を代えたから、かな。(by Hetsuji)2000/01/28up 
CD 

1974
  世界はともだち1 パリ木の十字架少年合唱団名演集 (CL-2323)国内版,1974年

1. 野ばら(シューベルト),
2. モーツァルトの子守り歌(フリース),
3. 門に立つ母(スペイン民謡),
4.カリンカ(ロシア民謡),
5. 小さな小屋(フィリピン民謡),
6. 時には母のない子のように(黒人霊歌),
6〜11. キャロルの祭典(ブリテン)より、行列聖歌/喜び迎え/春のキャロル/恵み深き神よ/行列聖歌,
12. 菩提樹(シューベルト),
13. ソルヴェイグの歌(グリーク),
14.アヴェ・マリア(モーツァルト),
15. キリスト受難の聖歌(グレゴリオ聖歌),
16. オーメモリアーレ(パレストリーナ),
17. 主よ、人の望みの喜びよ(J.S.バッハ),
18. アヴェ・ヴェルム・コルプス(モーツァルト),
19. 神の御子は今宵しも(讃美歌第111番),
20. 家を亡くした子供たちのクリスマス(ドビュッシー),
21. きよしこの夜(グルーバー),
22. ジングル・ベル(J.S.ピエールポント)

現在でも手に入る貴重な国内版CD 。1974年6月,川口市民会館,国際基督教大学教会堂にて録音。ライブ録音なのでしょうか?でも,そうだとすると,録音月が6月の割にクリスマスソングが入っているので,パリ木は,クリスマスシーズン以外でも必ずクリスマスの歌を歌うのだろうか?それともわざわざ日本用にレコーディングして帰ったのだろうか?と,ちょっと考え込んでしまいました。それはさて置き,74年のパリ木と近年のパリ木を比較すると,他の少年合唱団に関し指摘されるほどにはレベルの変化は感じませんが,このCDで歌っているソプラノソリスト達の丸みと声量の豊かさに比べ,近年のソプラノは少し声が細いかもしれません。それとは逆に、低音はこのCDではさほど目立ちませんが,近年ではより深く,厚みがあります。といっても,彼らの音色や,きらきらと輝く歌い方には基本的に何ら変化はないように思います。これからも自分達の音楽の独自性を守り育てていって欲しいと願います。
1. シューベルトの野ばらのアカペラ演奏は非常に珍しいものです。しかもフランス語の野ばらは"おや?"っと思うほど新鮮。ウィーンの森少年合唱団が一音一音を長めに伸ばしてアカペラで歌ったものを聞いたことがありますが,パリ木の場合は,ピアノ伴奏を真似たハミングをバックに,ソプラノソリストが躍動感いっぱいに歌い上げます。93年のコンサートでは,3人のソプラノソリストが代わる代わる歌いましたが,ここでは1番から3番まで全て同じソリストの演奏でしょうか?ちょっと判別が難しいところです。
3. この曲を歌うアルトのソリストの歌声に感動した人は多いのでは?特に1番は,ピアノ伴奏はもちろん,バックハミングもない,少年の単独の声での絶唱です。音や声の出し方に迷いや躊躇が一切見られず,まっすぐでひた向きな歌声。それでいて,舞台慣れしているような嫌みなところも全くありません。悲しみを湛えた,深みのある独特の声質は絶品です。どことなく日本の民謡歌手が持つ雰囲気を感じます。
4. モスクワアカデミー少年合唱団が歌うカリンカを聴いた時,男声が混じっていたせいか,勇ましく,凛々しい感じを受けましたが,パリ「木の十字架少年合唱団」のカリンカは愛らしく,いかにもパリ木風。ここで使われている編曲は,合唱とソロのバランスが素晴らしく,彼らの演奏スタイルにぴったりはまっています。彼らのための歌といった感があります。合唱の強弱のメリハリも効いています。同じロシア民謡で「赤いサラファン」という歌がありますが、この曲も素朴で女性的な要素があり、彼らの明るい歌声にぴったりだと思います。ぜひ歌って欲しいです。
6〜11. 数多くの少年合唱団や児童合唱団によって歌われるキャロルの祭典は,歌い手によって様々な個性が現れます。歌詞のラテン語と古い英語も,国によって発音の仕方が微妙に異なり,興味深いところです。パリ「木の十字架少年合唱団」のキャロルの祭典は,純粋でいて,ときめいた感じのおしゃれな雰囲気を持っています。こんなにテンポが早くて,とろけるような甘さのある「喜び迎えん」は,私には初めてですし,「春のキャロル」のソロによる2重唱では,低いパートを歌うソリストが,原曲よりもワンテンポ遅れて入ってきて,そこが何とも粋な感じがします。ぜひとも全曲をハープの伴奏付きで聴いてみたいものです。 12. 面食らうほど,明るく華やいだ雰囲気が漂う,パリ木の「菩提樹」です。歌声が明るい分,この歌詞に書かれている失った愛への悲しみ,追憶が浄化された形で浮き上がっているように感じます。この歌がしばしば少年合唱によって歌われるのは,そういう効果を狙っているからでしょうか。以前,テレビのドキュメンタリー番組で,第2次大戦中にユダヤ人の子供たちが大量虐殺された場所が放映された際,バックでこのパリ木の「菩提樹」が流れ,言いようのない悲しみを感じました。その時は彼らの歌うこの「菩提樹」は,亡くなった子供達への鎮魂歌となっていました。
14.たっぷりブレスをとって,引っ張れるところまで引張ってから,バネが弾けるようにポーンと声を出す歌い方(意味が通じるでしょうか?)は,パリ木独特。1の「野ばら」でも感じられます。豊かな声量の4人のソプラノによるカノンは,見事。20人ちょっとしか来日しないメンバーで,このように力量が匹敵する素晴らしいソリストが,ソプラノだけで4人もいるなんて,さずがパリ木です。Mariaのrの発音がきれいです。
21.ドイツ語→英語→フランス語→日本語の順に歌われます。ここで歌われている日本語の歌詞「みははの胸に眠り給う…」は、近年のコンサートでは,「まぶねの中に眠り給う…。」という方が使われています。後者の方が,"h"の発音がない分,彼らには発音し易いようです。驚く程明るい母音の日本語で歌われ,最後の「…ゆめやすく」の"ゆ"の音は,日本人が歌うよりも若干上の方から入ってきます。(by Rise) 
 LP

1974
   母と子のためのシリーズ第3巻
パリ「木の十字架少年合唱団」
きよしこの夜 天使のクリスマス(CBS SONY SOCM-63-XJ)
Les Petits Chanteurs a la CROIX DE BOIS
ロジェ・デルシーヌ神父指揮
1974/6/28 国際キリスト教大学教会堂で録音。 1974/6/26 川口市民会館で録音。

SIDE 1:
1.ジングル・ベル    
2.神の御子は今宵しも    
3.主よ、人の望みの喜こびよ    
4.キリスト受難の聖歌    
5.オー・メモリアーレ    
6.アヴェ・ヴェルム・コルプス

SIDE 2:
1.家を亡くした子どもたちのクリスマス    
2.アヴェ・マリア    
3.キャロルの祭典 行列聖歌〜喜び迎え〜春のキャロル〜恵みぶかき神よ〜行列聖歌    
4.門に立つ母    
5.きよしこの夜

(CBS SONY SOCM-67)と音源が同じで数曲入れ替えただけの盤である。が、懐かしい声が聞こえた。懐かしければそれだけでよいのか?と問われそうだが、この来日記念盤に関してはHetsujiにはそれで良いのだ。余りに特徴があった声のステージだったので、レコードからソリストの最初の一声が聞こえた瞬間に、声の記憶が甦って、それだけで気持ちが一杯になってしまったのだ。これは買いそびれていた盤。それが27年を経てから無傷で届いたわけだから、幸運以外の何ものでもない。「1.家を亡くした子どもたちのクリスマス」が収録されているのも良い。今のパリ木は知らないけれども、この74年のメンバーたち、高い声の子どもたちが集まってキラキラリンリンした声を響かせている私の原点のパリ木がここにある。ジングル・ベルを歌わせたらパリ木は世界一かもしれない。この盤に収められたパリ木のライヴは、華やかでしかも素朴。華やかで素朴なんて言葉で書いてしまえば矛盾して見えるが、この声この歌を聴いたら、「華やかで素朴」を実感することだろう。そしてもの悲しさも。(by Hetsuji) 2001/12/16 up

盤について:
信じられないほど良い状態に感激しました。(by Hetsuji) 2001/12/16 up
LP

1974 
  母と子のためのシリーズ第7巻 世界三大少年合唱団の一つ
パリ「木の十字架少年合唱団」ベスト・デラックス
世界の歌=モーツァルトの子守歌(CBS SONY SOCM-67)
Les Petits Chanteurs a la CROIX DE BOIS sings WOELD BELOVED SONGS
ロジェ・デルシーヌ神父指揮
SIDE 1:3 , SIDE 2:3,4,5,6,7 1974/6/28 国際キリスト教大学教会堂で録音。
他 1974/6/26 川口市民会館で録音。

SIDE 1:
1.野ばら    
2.モーツァルトの子守歌    
3.門に立つ母    
4.カリンカ    
5.小さな小屋    
6.時には母のない子のように    
7.キャロルの祭典 行列聖歌〜喜び迎え〜春のキャロル〜恵みぶかき神よ〜行列聖歌
SIDE 2:
1.菩提樹    
2.ソルヴェイグの歌    
3.アヴェ・マリア    
4.キリスト受難の聖歌    
5.オー・メモリアーレ    
6.主よ、人の望みの喜こびよ    
7.アヴェ・ヴェルム・コルプス

 これがいわゆる来日盤である。地元で初めてパリ木を聴いて、しばらくしてLPに出会って針を落とした瞬間の感激を私は忘れない。コンサートで聴いた歌声がそのまま丸ごとこの1枚の中に収まっていたのだ。これが74年に私が聴いたコンサートそのものの音である。当時はこれが1番のお気に入りで繰り返して聴き続けた。聴くと声とともにソリストの顔も見えた。が、今ではソリストの固有名詞を忘れてしまったのが残念である。前の指揮者もこのときソプラノとして来日しておられる。このときには素晴らしいソリストたちがたくさんいてコンサートの間中、ソリストたちの声に驚きっぱなしだった。私は74年来日組を聴いてパリ「木の十字架少年合唱団」は世界で1番上手な合唱団だと信じたことを思い出す。25年以上も経て、再び聴いても、素晴らしい声量で歌っていることに驚かされる。30kg台の身体(プログラムには身長や体重が記載してある)のどこから大人以上の声量が出てくるのか実に不思議だ。私にとって一番大切なパリ「木の十字架少年合唱団」の録音がこのLPである。ソプラノが強くて合唱はユニゾン状態の印象だが、エコーを加えないかのような自然な録音状態も好ましい。「5.小さな小屋」は今も歌われているのだろうか?(by Hetsuji)2000/01/28up

盤について:
  繰り返して聴いたので、もしかしたらすり切れているかと思ったのですが、それほど気になりません。それにしても、LPに少しでも負担のかからないセットが欲しい。(by Hetsuji)2000/01/28up 
 EP

1971
  Les Petits Chanteurs a la Croix de Bois a Bobino (Pathe EMI EG 917)
direction:1.3.4. Abbe R. Delsinne/2.Mgr Maillet

1.NOUS SOMMES TOUS DES FRERES
2.LA NUIT
3.CAPITAINE TROY
4.MAMAN

1971年だったと思う(たぶん)、パリ木のTVコンサートを聴いて、ある曲に強烈に魅かれた。全体合唱から、実にパリ木的な艶と憂いと声量のあるソロが浮かび上がり、又、合唱がソロをもり立てるそんな曲。雰囲気から母親を賛美する曲ではなかろうかと思ったがタイトルはわからないし、その後聴くことはなかった。それがこのEPに収録されている「4.MAMAN」である。この盤での演奏は、30年前TVで聴いた演奏の印象と比較すると、変声前のパートは、合唱もソロもやせ細っていてパリ木的な豊潤さに欠けて物足りなく、当時の感動には及ばないのだが、変声後のパートも加わっているのが珍しい。
 80年代の始め頃、私はパリ木ファンを自称していた。実際には80年代のパリ木にはそれほど夢中になっていたわけではないので、70年代の印象を引きずっていたんだと今はわかる。私の中では、まさに70年代のDelsinne神父が率いていた合唱の音が「パリ木」で、一番好きなのはその時代。この盤でのDelsinne神父の選曲は「1.NOUS SOMMES TOUS DES FRERES」「3.CAPITAINE TROY」ともに、子どもの歌としてパリ木の選曲として、当時の新しさを感じさせる、他盤では選曲されていそうもない内容になっているのが面白い。(Delsinne神父が創るパリ木のイメージの音ではないところも)
 逆に、マイエー神父の2.LA NUITは、パリ木伝統の1曲で、全ての時代、全ての指揮者、どの団員の演奏で聴いても外れはないと思うが、中でもマイエー神父による指揮の演奏は、厳粛でありながらも人間の温もりが伝わってくる。ソリストも伝統的なパリ木タイプで、湿度のある甘い声でゆったりとした気持ち良いビブラートを堪能させてくれている。     (by Hetsuji) 2005/12/16(Friday)up 
 LP

1971
  パリ木の十字架少年合唱団 その2 (キングレコード SET(H)5076) (P)1971 パリ木の十字架少年合唱団 指揮 R. デルシーヌ神父 東京少年少女合唱隊 / ボニー・ジャックス

(第一面)
1.おお、おおいなる神秘(ビクトリア)        
2.今日キリストは生れたもうた(グレゴリア聖歌)
3.サルベ・レジーナ        
4.2つの古いフランスの歌        
5.コルヌワーヌの子守歌        
6.マリアはみどり児を抱く        
7.深い河

(第二面)
1.ダニー・ボーイ        
2.王様の行進        
3.小さな小屋        
4.ソーラン節        
5.佐渡おけさ        
6.金比羅船々        
7.田原坂        
8.五木の子守歌

最初の来日盤から15年を経て、ソプラノが全くパリ木になってしまっていた・・・・・・。これは聞き覚えのあるパリ木に男声が加わっているLP。とっても元気で生き生きしていて、つやつやで きらきらで ちょっぴりの湿度もあって うるんと輝いていた金管系ソプラノ集団のパリ木。このときはソプラノに(耳にキンキンこない)ソリストがいた模様。あちらこちらでのソロもきれい。特に「5.コルヌワーヌの子守歌」。そして楽々声が出る「1.ダニー・ボーイ」。ふわ〜っと軽い高音ソロに、男声部のハミングが渋いのだ。そうなのだ!ついつい「華」のあるソプラノにばかり注意が行ってしまうけれど、この盤の良さは、男声部に支えられた薄いレースのようなソプラノソロや、合唱に於ける男声部とのバランス。目立たない男声部がとっても とってもGood!! ただし、盤の印象は、B面における4番以降の曲が余りにも気抜けなので 今までの雰囲気ぶちこわし状態。期待していた五木の子守歌も外れた。  (by Hetsuji) 2004/01/11 up 
 LP

1967
  パリ木の十字架少年合唱団 (キングレコード SET(H)5063) 1967年来日記念盤 合唱・・・パリ木の十字架少年合唱団 指揮・・・R・ デルシーヌ 東京少年少女合唱隊 / ボニー・ジャックス (3団合同合唱 B面−2.6.)

A面
1.アヴェ・マリア (ビクトリア)
2.我が選びしぶどうの木(プーランク)
3.おお、イエス・キリスト(ヴァン・ベルへム)
4.小さなこぶ牛の子守唄(イベール)
5.門に立つ母(スペイン民謡)
6.聖夜(グルーバー)

B面
1.さくら さくら
2.山寺の和尚さん
3.越天楽
4.たまごとにわとり (バゴ)
5.山の乙女(イタリア民謡)
6.LE TEMPS DES CERISES6.世界の国からこんにちは 
CD 

1959
-1965
  LES PLUS BEAUX NOELS LES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS(7243 5 65883 2 5)1959−1965年録音。


クリスマスになるとパリ木のコンサートに足を運びたくなるのは何故か?小さな身体から底なしに朗々と出てくる豊かできらきらした明るい声を聴きたいからだと思う。合唱もそうだが,ここの団員は一人一人がトップソリストだ。ソロも合唱も得意なナンバーを集めたこれぞパリ木!の魅力いっぱいのCD。とにかくソリストたちの声のきらめきを聴いて欲しい。(by Hetsuji) 
CD

1933
-1949 
  CHANTS RELIGIEUX (MARIANNE MELODIE 021018 830) rec.1933-1949 / dir. Monseigneur Maillet

1. LE MESSAGE DES ANGES (1936).....2:42
2. ENTRE LE BOEUF ET L'ANE GRIS (1949).....2:59
3. DOMINE NON SUM DIGNUS (1933).....2:41
4. CHANSON JOYEUSE DE NOEL (1936).....3:24
5. HYMNE D'ACTION DE GRACES (1949).....5:18
6. ILS ETAIENT TROIS PETITS ENFANTS (1933).....3:23
7. GUILLO PRENDS TON TAMBOURIN (1937).....2:17
8. DORS MA COLOMBE (1933).....3:10
9. AVE MARIA (1934).....2:34
10. C'EST LE JOUR DE LA NOEL (1937).....2:45
11. SICUT CERVUS DESIDERAT (1935).....2:27
12. UN FLAMBEAU JEANNETTE, ISABELLE (1949).....2:31
13. VOICI LA NOEL, LE TEMPS DES VEILLEES (1933).....2:57
14. LA COMPLAINTE DE NOTRE DAME (1937).....2:54
15. MUSETTE (1933).....2:29
16. LA CONVERSION DE MARIE MADELEINE (1934).....2:59
17. POUR LES ENFANTS DE CHOEUR ET DE MAITRISE (1935).....2:52
18. FACTUS EST REPENTE DE COELO (1933).....2:11
19. ALMA REDEMPTORIS (1934).....3:13
20. HYMNE DE SERAPION(IVeme siecle) (1949).....4:54

 これもパリ木の歴史的録音シリーズの1枚で、"Chants Religieux"なのでクリスマス曲(宗教曲かな?)を集めたもののようです。現在のパリ木のクリスマスレパートリーに入ってる曲もあれば、そうでないものもあり、「へ〜、こんな曲も歌ってるんだ」と新鮮でした。とくに5,20曲目1949年録音の”HYMNE・・・”は伴奏のがやがやした大掛かりな曲でパリ木としては珍しい演奏です(でもちょっとにぎやか過ぎるかな・・)。何かイベントがあったのかもしれません。14曲目”LA COMPLAINTE DE NOTRE DAME”を歌うソプラノ君は雰囲気が良くとっても巧くてステキ。全体的にも良い感じではあるのですが、私としては”CHANTS TRADITIONNELS”のアルバムの方が選曲が楽しくて好きです。            (by Wing) 2006/08/4(Friday)up 
CD 

1932
-1951
  CHANTS TRADITIONNELS (MARIANNE MELODIE 021019 830) rec.1932-1951 / dir. Monseigneur Maillet

1. GENTIL COQU'LICOT (1936).....2:01
2. SEM POSPESTE (1934).....1:59
3. A LA CLAIRE FONTAINE (1934).....2:54
4. DEEP RIVER (1951).....2:59
5. IL ETAIT UN PETIT NAVIRE (1936).....3:10
6. COMBIEN J'AI DOUCE SOUVENANCE (1936).....3:11
7. TROIS JEUN' TAMBOURS (1934).....2:08
8. TENGO DE SUBIR AL PUERTO (1935).....2:43
9. TECE VODA TECE (1933).....2:51
10. VOICI LA ST JEAN (1933).....3:02
11. TUTU MARAMBA (1951).....3:07
12. L'ALOUETTE (1933).....2:22
13. LE P'TIT QUINQUIN (1945).....2:56
14. LE VINGT CINQ D'AOUT (1934).....2:20
15. LE ROI LOYS (1934).....2:50
16. MALBOROUGH S'EN VA T'EN GUERRE (1947).....3:08
17. NOUS N'IRONS PLUS AU BOIS (1947).....3:07
18. SUR LE PONT D'AVIGNON (1947).....3:16
19. QUAND MON MARI VIENT DE DEHORS (1932).....1:22
20. IL EST BEL ET BON (1932).....1:54
21. LA MARSEILLAISE (1945).....2:46

 1930年代という古い古い録音です。CDにされたとはいえ背後には雨降りノイズのようなものが感じられますし、当時の録音技術ですから音に膨らみもありません。でも演奏の素晴らしさがそれらを凌駕しています。
 曲目は紹介済みの絵画ジャケのCDと多少重なっていますが、こちらは第二次世界大戦後の録音も入っています。1945年7月に録音されたと記載されている21曲目のラ・マルセイエーズ、ドイツ降伏2ヶ月後のものなんだなぁと思うと、彼らはどういう気持ちでこの曲を歌っていたのかなぁなどと考えてしまいました。
 この時代のパリ木の演奏は、全体的には今ほどの粘質さを感じず結構アッサリしているという印象を受けます。でもソロを聴くとやっぱりパリ木でした。TUTU MARAMBAのアルトソロ、ド迫力の堂々たる歌唱で聴かせてくれて溜息モノ。ハーモニーは音の広がりと調和が素晴らしく、とくに2曲目SEM POSPESTEはウルッとくるくらい麗しい。そうそう、4曲目DEEP RIVERのソリスト君も雰囲気のある歌唱で良いんですよね〜。などと一曲ずつみていったらキリの無いくらいにどれもこれも素晴らしい。やせた音でしか録音できなかったであろう時代にこの演奏、すごいなぁ。ソリスト達も皆オーラを放っていますし、曲のアレンジもよくて、貴重な録音を噛み締めつつ聴かせてもらいました。           (by Wing) 2006/07/28(Friday)up 
CD    L'AGE D'OR DES PETITS CHANTEURS A LA CROIX DE BOIS (Rym Musique 197111-2 UN873) recording:1933-1940 / director:ABBE F.MAILLET

1.La Rose Rouge.....3:00       
2.Tece, Voda, Tece.....2:52       
3.Ils Etaient Trois Petits Enfants.....3:24       
4.Dors Ma Colombe!.....3:10       
5.La Chanson De Solveig.....2:47       
6.Il Etait Un Petit Navire.....3:13       
7.Tengo De Subir Al Puerto.....2:43       
8.Sem Pospeste.....2:02       
9.Pour Les Enfants De Choeur Et De Maitrise.....2:53  
10.Voici La Noel.....2:59       
11.L'alouette.....2:23       
12.Guillo, Prends Ton Tambourin!.....2:17       
13.Ah! Quand Reviendra-T-Il Le Temps.....3:09     
14.Nouvelle! Nouvelle!.....2:52       
15.En Passant Par La Lorraine.....2:44       
16.L'enfant Dormira Bientot.....3:15       
17.Voici La Saint-Jean.....3:03       
18.La Conversion De Marie-Madeleine.....3:00     
19.Gentil Coquelicot.....2:03       
20.Complainte De Notre-Dame.....2:56       
21.Les Danseurs Noyes.....3:13       
22.La Nuit.....3:24

 このCD、ジャケットがとても印象的ではありませんか?。団員達の写真のジャケットも可愛いものですが、このように絵で飾られるのもお洒落ですね。ブックレットは全てフランス語で書かれているため内容がまったくわかりませんでしたが、古い写真が何枚もあって目に楽しいものでした。そして録音はといえば、1933年〜1940年といった古い時代の貴重なものが満載です。
 私が何よりも好きな曲は2曲目の「Tece, Voda, Tece」。「この曲は少年特有の地声アルトで歌われなくちゃぁ魅力半減」と勝手に思い込んでいる私としては、ここでの端正な地声アルトソリスト君に大満足。今まで聴いた中でピカイチだと思いました。この曲は盛り上がりも何もない単純な民謡調のメロディーを繰り返す本当に短い曲ですが、バックの静かなハミングに浮かび上がるアルトソロが切ないくらい美しく、またパリ木の粘っこい発声がこの曲の魅力を増幅してくれているように感じます。早過ぎず遅過ぎず噛み締めるように一音一音歌われるテンポも、なんかこう心の奥の方をそぉっとノックされるようなそんな感じでグッとくるんですよね〜。もちろん他にもステキな曲がいっぱいです。そして何より全ての曲がパリ木独特のア・カペラで歌われているのが魅力的。男声もまだ存在している年代でもあるので、ここにはパリ木の原点の歌声が詰まっているんだなぁとしみじみ感じました。
 ところでこの時代のソリストってパリ木に限りませんが、持っている空気が違いますね。ものすごい存在感です。声に意思が乗っているというか、歌うと空気が震えるのが見える・・・まわりの空気を変える、そんな感じの歌声に思えます。そして音のひとつひとつがとても大切にされている、そんな風に感じられます。
 音についてですが、古い録音なので音の揺れや雨降りノイズなどはあります。でもかなりキレイに声の部分を取り出したようで、聴きづらさはそれほど感じませんでした。     (by Wing) 2004/11/21 up 
EP

1961?
  les petits chanteures a la croix de bois (EA 10012) 録音年不明。(1961?)ただし、変声後のメンバーがいた頃の録音。

SIDE A: ALLELUIA(HANDEL)
SIDE B: LA NUIT(RAMEAR)

パリ木のヘンデルとは、ありそうでも今まで聴いたことがなかった。男声が加わっていることで、選曲といい音色といい、まるで知らない団体のようなおちついた合唱になっている。ヘンデルのハレルヤは、管弦楽が元々うるさいほど華々しいが、楽器に押されてか、すくなくともパリ木的な高音域のきらびやかさがなりを潜めている。少年声と男声の音量が同分量で聞こえてくるのも、なんだか不思議な気分で聴いた。
B面はパリ木の十八番。近年、コンサートでは、男声を欠いた分、変声前の少年のパートを更に分けて、低い声を調達しているようだが、無理のない正真正銘の静かな男声パートにのって、これまた(昔の体型から繰り出される音だからだろうか)、耳障りなほど高くない、しっとりしたソプラノソロが聞こえてくると、いまのパリ木とは別の合唱の良さを感じる。もちろん、少年声だけで聴かせるパリ木も魅力だが、盤石の低音は、合唱の音の幅を考えるとき欠くのは惜しい。外国へのコンサート旅行では無理だろうが、せめて録音には数曲でも男声パートを加えたパリ木を聴きたいものだ。(by Hetsuji) 2002/01/20 up 
 LP   パリ「木の十字架」少年合唱団コンサート (VICTOR LS 5021) パリ「木の十字架」少年合唱団 指揮 フェルナン・マイエー神父

(第一面)
1.聖堂にて(モーデュイ)        
2.アヴェ・ヴェルム(モーツァルト)        
3.きよしこの夜(グルーバー) b-s solo     
4.キリストは苦しみを受け(グレゴリュース聖歌)
5.わが肉はわが食物なり(グレゴリュース聖歌) 
6.門に立つ母(スペイン民謡)b-s solo 
7.アヴェ・マリア(ルイ・オーベール)
8.ヨハネ受難曲フィナーレ(バッハ)

(第二面)
1.かわいい坊や(フランス民謡) 
2.山びこ(オルランド・ディ・ラッソ) 
3.清らかな泉にて(カナダ民謡)b-s solo 
4.峠へ行こう(スペイン民謡)b-s solo   
5.夜(ラモー)b-s solo   
6.ひばり(カナダ民謡)b-s solo 
7.越天楽(長谷川新一編) 
8.さくら(津川主一編) 
9.螢の光(ベルティエル編)

 パリ「木の十字架」少年合唱団は、1957年に初来日している。この録音は、コンサートというタイトル、日本語による選曲、指揮者のマイエー神父様が1963年に亡くなっていることからして、1957年前後に行われたものと思われる。ジャケットの裏にある説明書きにはパリ「木の十字架」少年合唱団の特色は、少年のほかに、おとなの歌手が加わっていることである。(中略)少年ばかりによる合唱団のように、特別な編曲を必要とせず、原曲のまま歌いこなすことが出来るのである。と記されている。
 今はあまり聴かれない「1.聖堂にて」も他の合唱団では聞き慣れている「2.アヴェ・ヴェルム」も男声の低音部に支えられ、落ち着いた音色の合唱になっている。ガーッとおおざっぱな音の固まりとして採録されているため、音の採録は、特に合唱に於いては、悪く、本当に採録技術の現在との差を残念に思う。曲によっては、少年声だけで演奏しているものもあるが、そのときのパリ「木の十字架」少年合唱団の音色も、今とは違って、もっとつや消しがかかっている。コンサートでもよくとりあげられる「6.門に立つ母(スペイン民謡)」は自然なアルトで、それを幅のあるハーモニーでうすぎぬのようにさらっと支える合唱術は素晴らしい。この時代、超アルトが存在していたようで「6.門に立つ母(スペイン民謡)」も「4.峠へ行こう(スペイン民謡)」「6.ひばり(カナダ民謡)」も同じ少年のソロらしいが、特に「4.峠へ行こう(スペイン民謡)」のソロは(高音のFイグレシアスみたいだが)大衆的でかつ芸術的。
 採録術に不満が残ることは書いた。宗教曲系の曲の収録音が悪い。だが、ソロ系の曲はほとんどがクリアに採録されている。こちらは拾いもの。
 気が付いたことがある。私はビブラートは受け付けないのだが、パリ木のビブラートは別。まったく気にならないし、逆に気持ち良かったりする。何故なんだろう?
 このLPでのパリ木はおもしろくて、ちょっとお兄ちゃんっぽい今聴くパリ木だったり、イギリスかアメリカのまったく別団体みたいだったり、いろいろな側面をのぞかせている。
  パリ木は特にバブリーな80年代に(隔年以上の割合で)頻繁に来日コンサートを行い、「クリスマスシーズンに訪れるクリスマスの天使」として熱烈なファンを集めた。ただ、あのときのパリ木は、振り返ると商業クリスマス用の天使的な存在だったように思う。私が聴いたのは74年だが、パリ木のソロで聴きたい曲「3.きよしこの夜(グルーバー)」も、みごとに歌う子どもたちの存在は同じでも、特に80年代以降、歌の性質(聴く方の心の問題かも)が変化していったように思う。
 このLPに残されている歌声は、イルミネーションで飾られたショーウィンドウのクリスマスとは違う。もっと「本当」の姿に近かったパリ木を感じる、って言えば「じゃあ、本当って何?」って訊かれそうなんだけれど。そういったことを抜きにしても、アルトが抜きんでている。ソプラノ抜きでアルト、テノール、バスだけで歌ったら、全くの別団体だ。
 追記:これはUSEDで仕入れたLP。ジャケットの内側に 名前のシールがあった。ご家族が放出されたのかなあ・・・。と思うと、ちょっと寂しかったりして。 (by Hetsuji) 2004/01/11 up
 10
inch
  The Little Singers of Paris "Les Petits Chanteurs a la Croix de Bois" UNDER THE DIRECTION OF MSGR. F. MAILLET (ANGEL RECORDS ANG 64024) MSGR. F. MAILLET, Director

SIDE I
1.TWO 13th CENTURY NOELS       
2.CHANSON JOYEUSE DE NOEL       
3.NOEL FROM SAVOY

SIDE II
1.A LA CLAIRE FONTAINE       
2.L'ALOUETTE        
3.MADRE, EN LA PUERTA       
4.SCHLAFE, MEIN PRINZCHEN       
5.ADIEU FOULARDS

男声部が加わっているから、という理由だけではなくて、変声前の声による合唱のトーンがイメージのパリ木よりもずっと低くて、別団体の趣もあるが、変声前のソロやデュエットが聞こえると、あ、パリ木!の世界。ヒラヒラのビブラートもパ・リ・木じゃ。
パリ木なんだけれど、表現力も今と同じなんだけれど、採録技術のせいか聞く姿勢にあるのか男声部のせいか 華やかには聞こえてこない。アメリカで初めてのLP録音らしいが、なんというか商業っぽくない歌声。やはり原因は採録技術にあるのかな。選曲は60年代の来日記念盤と割合 共通する。編曲が、聴衆を意識していて「技」を掛けていて その「技」がおしゃれっぽく決まっている。結論。録音がどうのこうの言っても、まあ、このようにして、知らない時代の合唱を聴くことが出来るのは幸せなことだと思う。 (by Hetsuji) 2004/07/04 up 
 SP

 
日VICTOR JA1009  (10インチ)

A  シューベルト: 野ばら
B   グリーク : ソルヴェイクの歌

Matrix No. OLA1572-1、OLA 1342-1

戦前にパリ木の十字架少年合唱団の国内盤のSPが出ていたことに驚く。当時の歌詞カードの表記は「クロア・ド・ボア兒童合唱團」であった。
シューベルトの「野ばら」には、映画「未完成交響楽」と書かれている。映画ではウィーン少年合唱団がドイツ語で歌っており、このレコードではフランス語であるから映画とは何も関係がない。宣伝のために、あの映画の中でも歌われていた「野ばら」ですよ、という意味で利用したのであろう。
この映画の日本公開は1935年であり、さらにレコードには「特」の刻印があり、1937年に特別物品税(2割)が課せられた印であり、このレコードはこの頃発売されたものであることがわかる。
余談であるが、1937年の映画「舞踏会の手帖」(ジュリアン・デュヴィヴィエ監督)にもパリ木の十字架少年合唱団がわずかだが、出ている。(by northend 2018/10/10 WED up) 

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(お返事は出来ないと思います)