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Art of the treble〜sounds’Library (JAPAN)

Andrew JohnsonAndrew Johnson





 CD  GORMENGHAST(original soundtrack)(SONY CLASSICAL SK89135)1999録音

Original score by Richard Rodley Bennett/Performed by the BBC Philharmonic Orchestra/Conducted by john Harle

Title track(1) sung by Andrew Johnson(treble)

Choral Music(5,11,17,22)by John Tavener
Performed by The Academy of Ancient Music
Conducted by Paul Goodwin With the Temple Church Choir

1.Song Of Titus
2.Celebration
3.Cat Room
4.Burning The Library
5.The Christening
6.Fuchsia &Steerpike
7.The Sisters
8.Fuhsia & Lord Groan
9.The Madness Of Lord Groan
10.The Death Of Swelter
11.The Earling
12.Keda
13.The Sisters In Prison
14.Freedom
15.In The Forest
16.Irma's Romance
17.The Carver's Ceremony
18.The Death Of Barquentine
19.The Red Room
20.Sarabande For The Sisters
21.Ceremony In The Rain
22.The Death Of Steerpike
23.Fuchsia 's Funeral
24.Farewell To Gormenghast

1999年製作の日本未公開のBBCテレビドラマ「ゴルメンガスト」のサントラCD。メルヴィン・ピークのファンタジー小説をBBCが巨額を投じて映像化したもので、主人公を演じるJonathan Rhys Meyersが巷でカルト的な人気を誇っているらしい。外盤でDVDが出ているが、私は映像本編は見ていない。物語は、架空の国に存在するゴルメンガスト城の継承者Titus少年の成長物語とのこと。
主題歌(3分41秒)を、ボーイズ・エア・クワイアもといセント・ポールのアンドリュー・ジョンソンが歌っている。透明で真っ直ぐに伸びていく確かな歌声で歌われるが、少し儚げでアンニュイな旋律や、曲全体が醸し出す雲間を飛んでいるような浮遊感が「スノーマン」の「Walking in the Air」を思わせる。(実際、文末の「ゴ〜ルメ〜ンガ〜ストゥ〜」というフレーズなどは、「I'm walking in the air〜」の部分とメロディーが似ている気も。)ただしこちらの主題歌にはオケやブラスが伴奏として加わっているので、ロマンチックな雰囲気が増している。派手さはないが、印象的な曲。
サントラ全体は、目立たず、さりとて控えめすぎずといった、いわゆる縁の下の力持ち的な曲の集まりで、ヴォーン・ウィリアムスの交響曲にも似た線の細い弦やハープやピアノの起用が、ストイックな大人テイストのファンタジーロマンを想起させる。合唱入りの4曲は、ジョン・タヴァナーの作品。5曲目Christening(2分45秒)はトレブルの合唱で始まり、最初、普通の現代曲のように聞こえるのだが、続くハープをバックにした男声が低音の唱和もどきや微妙な不協和音などの神秘的な旋律が、いかにもロシア正教をベースとしているタヴァナーらしい。11曲目(1分58秒)は、歌うというよ、伴奏の弦とハープの旋律に載せてトレブルがほぼ同じ音だけをスタッカートで繰り返すというもの。17曲目はまさに曲名の通り、管やドラが鳴る合間に超低音の男声ソロで儀式的な節が数秒発さられる。タヴァナー作品4つ目は、ブックレットには「22曲目」とあるが、恐らく「23曲目」の誤りだろう。控えめな弦をバックにシンプルなトレブルの唱和的な合唱が繰り返される。テンプルは、イギリス聖歌隊トップクラスのレベル。クリアだが響き過ぎず、ブレやアンバランスさのない落ち着いた歌声は、緻密な計算に基づいて作曲されただけにヘタな合唱団だったら不安定に聞こえてしまうタヴァナーの曲を着実に歌っている。(by Emu) 2002/03/03 up
 CD

1998
 THE PRINCE OF EGYPT(SOUNDTRACK)1998〜9年頃録音
Original Songs by Stephen Schwarz
Score composed by Hans Zimmer

1.The Prince Of Egypt(When You Believe)
2.Deliver Us
3.The Reprimand
4.Following Tzipporah
5.All Ever Wanted
6.Goodbye Brother
7.Through Heaven's Eyes
8.The Burning Bush(Andrew Johnson,The Boy Choristers of Salisbury Cathedral)
9.Playing With The Big Boys
10.Cry
11.Rally
12.Tha Plagues
13.Death Of The First Born
14.When You Believe
15.Red Sea
16. Through Heaven's Eyes
17.River Lullaby
18.Humanity
19.I Will Get There

スピルバーグ率いるドリームワークスが旧約聖書のモーセの出エジプトを描いたアニメ映画「プリンス・オブ・エジプト」(1999年製作)のオリジナル・サウンドトラック。長年構想を温めてきた大作と鳴り物入りだったが、表情の乏しいアニメキャラクター(主人公モーセ)がひたすら苦悩する場面の連続だったり、最新のテクノロジーを駆使したと話題の割れる紅海のシーンも一瞬にして終わったりと(製作者の自己満足だ〜)、本編は見ていてかなりかったるい(好きな人が読んでいたらごめんなさい〜)。しかしサントラの方は、マライア・キャリーとホイットニー・ヒューストンが歌う主題歌The Prince Of Egypt(When You Believe)をはじめ、歌もインストルメンタルも、メロディアスでノリが良く、ミュージカルアニメにふさわしい良くできた作品だと思う。
モーセの前に神が顕現するシーンで使われる8曲目「燃える柴」(約6分半)に、セント・ポールのアンドリュー・ジョンソンとソールスベリー大聖堂聖歌隊がメインで登場。繊細でゆっくりめの美しい旋律を「AAA」で歌っているのだが、重力や物質的なものを全く感じさせない限りなく透き通った声は、まさに天上のコーラス。曲そのものも、ただ繊細なだけでなく映画音楽として盛り上がるべきところがちゃんと盛り上がっており、聖歌隊の醍醐味を噛み締めつつしっかりと聴ける。
いよいよエジプトを出る時にかかる14曲目は主題歌When You Believeの旋律で始まるが、キャラクターの一人の声を担当した女優のミシェル・ファイファーがそのまま歌っている。途中でメロディーが変わり、ヘブライ語によるリズミカルな神への讃歌が素人っぽい少年少女たちによって大衆児童合唱という感じで歌われる。躍動感と喜びの表情に溢れたこの部分は、サントラ中で私が一番気に入っている部分。切れ目なく15曲目に移って、再び「燃える柴」のフレーズが現われ、ソールスベリー聖歌隊のコーラスが再登場する。(by Emu) 2002/03/10 up




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(お返事は出来ないと思います)