Yuto's Diary 9月前半

一番上が新しい書き込みです。

下線の引かれている単語には説明があります〜。



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9月15日(土)
 昨日行かれなかったから、今日は早めにオアシスに行った。
 そしたら俺が店についた直後にミツルも来て、「昨日のことは?」ってしつこく聞いてくるから、大気さんと話すのもそこそこに話せる範囲で説明した。
 大気さんにはもちろん、ミツルにも俺が昔援交してたってこと話してないな。……もう言う機会逃してる気もするし。
 ミツルは自分で「俺の仕事は愛人」なんて言っちゃってるけど、俺はそんなふうに言えない(今は援交やってないけど)。
 周りの反応とか気にしちゃうし、大気さんにそれを聞かれて──軽蔑されたら嫌だから。
 とは言っても、自分のしてきたことなんだからいつかは話さなきゃいけなくなると思うけど……。

9月14日(金)
 世間は狭いものだ。と思わされた。
 東京に出てくる前、まだ援交っぽいことをしてたころに何度か会ってた人と、ばったりあの街で会ってしまった。
 向こうは全然変わってなくて、俺もそんなに変わってないから(背もそんなに伸びてない)お互いすぐに気づいた。
 その人は俺の中で上位にランクインするくらいいい人だったから、そのまま2人で飲みに行ってしまった。もちろんオアシスではなくて、別の店。
 そしたらなんとその店にミツルがいて(俺の知らない男と一緒だった)目が合った瞬間、にたぁって感じに笑われて、俺は慌てて「大気さんには言わないでくれ」って言ってた。
 詳しい話は明日するからって解放してもらうと、そのあとはミツルは俺の方を見たりしなかった(そういうとこ、ミツルは大人だ。俺なら気になってずっとチラチラ見てしまいそう)。

 東京に出張で来たというその人は、昔と変わらず『紳士』って言葉が似合う人だった。
 確か俺たちが会わなくなったのって、彼が「ちゃんと付き合わないか?」って言ってきたからだったんだけど、そのときとった態度のことを俺は謝った。今さらだけど(彼にひどい言葉をいくつも言ってしまったから)
 そんな俺のことを彼は「大人になったね」って言ってくれて、なんか認められたって気がして嬉しかった。

 カクテルを3杯飲んでから店を出て、その人にホテルに誘われて、すっごくしたかったけど、大気さんのことを考えたらできないなって思って、丁重に断らせてもらった。
「また東京に来たら一緒に飲んでくれる?」と聞かれて、「飲むくらいならいつでもいいよ」と携帯の番号を教えあった。
 その人の番号は昔と変わってなかった。本当に、あの人が変わってなくてよかった。

9月13日(木)
 久しぶりに実家から電話がくる。
「このあいだはごめん」と俺から謝った。エイズのことが気になってて、まともに会話できなかったから。
 おふくろは「あんたが謝るなんて、槍でも降ってきそうねー」なんて言いやがった。人が素直に謝ったってのに。
 家のほうのことをいろいろ話して、それから「年末には帰ってきなさいよ」って言って、おふくろからの電話は終わった。おやじはいなかったみたいだ。よかった。

 いつ、打ち明けるべきなんだろう。俺が女はダメだってこと。
 跡を継ぐとか、家に戻るとか、それは別にいいんだけど……結婚とか子供とか、そういうことを言われてしまったら──逃げ出すしかないような気がする。
 オアシスに来てる人たちって、そのへんどうしてるんだろう。
 明日オアシスへ行って、ミツルあたりに聞いてみようかな。

9月12日(水)
 夢を見た。
 女とセックスしてる夢。
 なんでだろう。俺、女としたことなんか1度もないのに(タチ役やったこともない)
 んで女とやり終わったあと、隣の部屋に移動して(女はその部屋に置いてった)今度は男とセックスした。
 なんつー夢だ。最低だ。

 また欲求不満かよ、俺……。

9月11日(火)
 オアシスに行ったら、ミツルやレイジさんの友達のヨリトさんが1人でいた(すごい珍しいことだ)。俺も大気さんが忙しそうだったから話し相手がほしくて少し話をした。ヨリトさんとあんなに話したのは初めてだった。
 レイジさんに似てるかなって感じの性格で、話の仕方も人を笑わせるのもうまい。気づいたらあっと言う間に1時間経ってた。
 そのあと、女装したミキさんがオアシスに現れて(最初ホントの女だと思った)、2人はどっかで何かあるのか帰ってしまった。
 しかしレイジさんもヨリトさんもミキさんも、モデルってだけあって背も高いし顔も整ってるしうらやましい。俺もあれくらい背が高くなりたかったな……。

 そのまま大気さんのバイトが終わるまで店にいて、駅までだけど一緒に帰れた。
 大気さんが、今度俺と原宿に行きたいと言ってくれた。例のランプを買った店に連れてってほしいってことらしいけど、一緒に行けるならどこだって嬉しい。
 出かけるの、すっごい楽しみだ。

9月9日(日)
 オアシスへ行く。大気さんに会って、ちょっと照れくさかった。
 昨日1日一緒にいたからかもしれないけど、誰も知らない秘密を共有してるって感じで、妙にどきどきしてた。……マスターに変に思われなかったよな?

 店員と客って関係から、少しずつだけど友達っていえる感じになってきたのかな、なんて思ってしまった。

 大気さんもそんなふうに思ってくれてたら嬉しいんだけど。

 大気さんて、実はけっこう男らしいんだよな。見た目とか態度とかは『優しい!』って感じだけど、仕事中の顔とか、料理作ってるときのフライパンの使い方とか(昨日中華鍋を使ってマーボー豆腐を作ってくれた)引き締まったいい顔する。
『この人に抱かれたら……』なんて想像して、危うく席から立てない状態になるところだった。危ない危ない。

9月8日(土)
 大気さんの家から帰ってきた。
 なんかもう夢心地っていうか、すっげー幸せでほわほわしてる。顔が勝手ににやけてくる。
 ……別に何か特別なことがあったってわけじゃないんだけど、なんていうか、大気さんの側ってやっぱり居心地いいなっていうか、安心するっていうか……。
 一緒にビデオ見たり、ご飯食べたりするだけであんなにどきどきして、それでもすごく落ち着いた幸せな気持ちになったのは初めてだった。
 機会があればまた誘ってもらいたい。

 昔、一時期付き合ってた(っていうのかな、あれも。援交っぽい付き合いだったけど)男に、「おまえといると安心する」って言われたことがあったけど、あのときは「はぁ? 何それ」って笑って受け流したなー。
 あの人にとって俺は、俺にとっての大気さんみたいなものだったのかもしれない。だとしたらあんなふうに聞き流して悪かったな。
 あの人、今頃どうしてんだろ。

9月7日(金)
 久しぶりにオアシスへ行く(っていっても、1週間もたってないけど)。
 大気さんにお見舞いのお礼を言ったら、マスターが「ああ、だから一昨日早くあがったのか?」って言ってた。どうやらマスターには俺のところに顔を出すって言わなかったみたいだ。
 そのあとしばらく大気さんの顔が赤かったような気もしたけど……照明が暗かったから定かじゃない。
 明日は学校もバイトも休みだって言ったら、大気さんに「それじゃ僕の家に遊びにくる?」って誘ってもらった。
 すっげー嬉しくて、でも突然のことでびっくりして、「それじゃ、1回家に帰って準備してきます!」なんつってオアシスから飛び出してきてしまった。
 これからまた急いでオアシスに戻らないといけない。けど、気持ちの整理をしたかったからこのノートを開いちまった。
 大気さんの家に行くなんて、考えただけでどきどきする。俺、変な顔してたらどうしよう。
 なんてこと書いてるより、早く戻らないと!
 ……その前に、パンツくらい履き替えていこうかなーとか考えてる俺って、やっぱかなりエロいのかな……。

9月6日(木)
 昨日大気さんが、バイトを早めに上がって俺の家に来てくれた。オアシスからご飯を持ってきて、おかゆを作ってくれて。
「よく効くから」って、風邪薬まで持ってきてきてくれた。なんて気が利く人なんだろう。
 大気さんのおかげで、今日起きたら気分はすっかりよくなっていた。昼休みに大気さんに電話して、昨日はありがとうございましたとお礼を言った。
 大気さんの声、機械を通してもやっぱり心地いい。

 残念ながら、今日はバイトがあってオアシスに行けなかった。

9月5日(水)
 大気さんから電話がくる。声がかすれてて恥ずかしかったけど、せっかくの大気さんからの電話だし出てしまった。
 大気さんは俺の声を聞いてびっくりしてたけど、オアシスの帰りでよければ何か持って来てくれると言ってくれた。昨日も今日も何も食べてなかったから、申し訳ないとは思いつつ好意に甘えさせてもらうことにした。

 早く来ないかな、大気さん。

9月4日(火)
 本格的に風邪を引いてしまったらしい。起きたらすっげーだるかった。
 仕方ないから学校もバイトも休むことにする。

 今日もまたオアシスには行かれなかった。がっかり。

9月3日(月)
 季節の変わり目ってこともあるのか、ちょっと体調が悪いみたいだ。
 今日はバイトが休みだったからオアシスへ行こうと思ってたけど……みんなに風邪うつしちゃ悪いし、やめておこうかな。

 これ書いてる途中で寝てしまった。気づいたらもう深夜0時近い。
 大気さんに電話しようかと思ってたけど、今電話しても迷惑だろうから今日はよしておく。
 薬飲んでまた寝よう。

9月2日(日)
 久しぶりに原宿に買い物に行く。やっぱり原宿はいい。品物が豊富で安いから。
 雑貨屋に入ったら、大気さんが好きそうなアルコールランプがあって(ランプとか好きらしい)、思わず衝動買いしてしまった。
 そのままバイトに行って、その足でオアシスに行って。ランプを大気さんにプレゼントした。
 大気さんがその場で開けたランプは、やっぱり大気さんによく似合ってた。大気さんもすごく喜んでくれたし、俺も大満足だった。買ってきてよかった。

 お礼にって作ってくれたピラフは、今日もすごく旨かった。

9月1日(土)
 久しぶりに大気さんの笑顔が見れた。なぜだかほっとした。
 今日はどこかでイベントでもあるのか、店の中にはあまり客がいなかった。のんびりできてよかった。
 実はちょっと落ち込んでたところだったから、ミツルたちがいなくてよかったなんて思ってしまった(ミツルたちがいれば嫌でも盛り上がった雰囲気になってただろうから)。

 落ち込んでた原因は、中村に付き合おうなんて言われてしまったからだと思う。

 言われたのは一昨日で、今日バイト先に来た中村に返事した。「ごめん」って。
 だって、やっぱり俺は大気さんのことが好きだし……たとえ大気さんとのことに望みがなくても、代わりみたいに中村と付き合えないって思ったから。
 ……でも、中村にセックスしようって誘いをかけたのは俺だったし、少しだけ罪悪感みたいなものがあって、迷ってたのも事実だった。

 でも、大気さんの顔を見たら、『ちゃんと断ってよかった』って思えた。
 いつまでもそんな不実なことはしてられないって。
 中村の気持ちはすごく嬉しかったけど、だからって誰かの代わりをさせるわけにはいかないよな。

 これからは、一時の感情で誰かと寝たりしない。……酔っぱらったらどうなっちゃうか、自分でも自信ないけど……。


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