Sou's Diary… 5月後半

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5月16日(金)
いつものようにセックスしたあと、あいつがぽつりと言った

「それ以上やせるなら抱いてやらないぞ」

・・・・・・・・・・・・・・・・。

てめーにいわれたくねぇってんだよ

だれがクスリおぼえさせたんだよ


自分かってなヤロウだ ホントにムカつく






5月17日(土)
街にあそびに行こうと思ったんだけど
外に出たとたんに身体がふるえ出して
めまいみたいなのにおそわれて動けなくなってしまった

仕方ないから家でおとなしくごろごろしてた

つまんないの






5月18日(日)
橋本から電話がくる。何度も何度も。
けど、出る気にならなくて結局1回も出なかった。

クスリのこととか聞いてきてくるんじゃないかって思って
それに答えたくなくて出なかったんだ。



自分がどんなにバカなことをしてるのかなんて
そんなことはわかってる。

でももうやめられない。


これがないと……苦しくて仕方ないんだ。






5月20日(火)
保健医に呼び止められて、保健室まで連行された。
「クスリやってるんでしょう?」
ってズバリと聞かれて、思わず「はい」って答えそうになった。
もちろんごまかしたけど。

「みんな、あなたの様子がおかしいって気づいてるわよ」
美人ってことで有名な女性保健医が探るような目で僕を見てきて、
その眼差しの鋭さに思わず吐き気がしてきそうだった。
女の人ってみんなこんな目をするのかって思ったら、女性不信に陥りそうだった(笑)。


探られたくない。
本当のことなんて誰にも話したくなんかない。

誰にも。






5月21日(水)
クスリに対する依存度が上がっていると自覚しはじめてから少しずつ量を減らしてるつもりなんだけど、別にクスリが嫌いになったわけじゃないし自分的にはずっと続けてやっていたいようなことだから、もしかしたら全然量なんて変わってないのかもしれない。と今日気づいた。
身体にとってよくないものに内側からじわじわと侵食されているような気がしないでもないけど、『冒されている』って考えると別にこのままでもいいかなとも思う。自分で考えたり動いたりしなくてもよくなるような気がするから。

やっぱりやめる必要性を感じられない。
今持ってるのを全部使い切ったら二度と買わないと思ってたけど、やっぱりまた買いに行こう。
僕には必要不可欠なものになってるんだなぁ。






5月22日(木)
最近、あの人が妙に僕のことを独占しようとしている気がしてならない。
部活の時間なんて、前は最初に顔を出せばいいくらいだったのに、今じゃずっと僕の傍に座ってるような感じだ。
他の部員の手前もあるし、突き放すことも馴れ馴れしく話すこともできないから辛い。……今の状態でも充分おかしいと思われてるだろうけど。

あの人は図体の大きな子供のようなものだから、刺激を与えるようなことも言えない。その発言があの人の『不快』のツボに入ってしまったら……僕はどうなるかわからないし。
あの人にまつわる黒いウワサは、きっとどれもこれも本当のことなんだろう。


このままあの人と付き合っていても、うまくいかない気がしてきた。
あの人といたら、僕の将来は潰されてしまうのかもしれない。
……考えを誤ってしまったのだろうか。

早いとこ縁を切るべきなのかもしれない。やっぱりあの人は普通じゃない。






5月24日(土)
土曜日なのに部活をやるとか言われて学校まで行った。
だけど美術室に行ったらいたのはあの人だけで、結局誰もこなくて。
あの人が満足するまで、思う存分身体を貪られてしまった。ああ……身体が痛い。


よくよく考えてみれば。
土曜日に部活をやることなんてほとんどないし、部活をやることになったら部長の僕から皆に連絡を回さなきゃいけなかったんだから、その時点で気づくべきだった。

…………どんどんダメになってるんだろうか、僕は。






5月25日(日)
久しぶりにネットでいろんなサイトを見ていた。
「お気に入り」に入れているゲイサイトを見ていたらなんだか無性にしたくなって、前にあの人からもらったバイブでオナってしまった(笑)。
最近あの人以外の男と寝てない。俺の好みはがっちりした筋肉質な男なんだ、細い部類に入るあの人に抱かれてても全然満足できない。
……から、久しぶりに男遊びをしてきた(笑)。
やっぱり男は筋肉がついてないとだめだよな。

橋本はどんなカラダしてるんだろう。……なんて、なに考えてんだ、僕は。






5月26日(月)
気持ち悪い手紙をもらった。

『一目見たときからあなたのことが好きでした。
 毎日毎日あなたのことを考えてオナニーしています。
 あなたの中に俺の精液をぶちまけたいです。
 俺とセックスしてください』

誰だよ、こんなの書いてくるやつは…………。
──なんかどっと疲れた。






5月28日(水)
さっかくを起こしてしまいそうだ
自分が誰かにとっては大切な存在なんじゃないかって
そんなことあるわけないのに

とうさんのへやに入ってみたい
そうすればもしかしたら
自分が とうさんにとって本当はどんな存在なのかわかるかもしれないから






5月29日(木)
橋本から電話がくる。
最近1日に1回は必ずかかってくる。
出たいとは思わなかったけど、これ以上無視し続けるのも悪いかなって思って、今日は出てみた。
ずっと電話に出なかったから怒ってるかと思ったけど、
「身体大丈夫か?」
って開口一番に言われちゃって面喰らった。

やっぱり橋本はいい奴だ。
クスリのことは一切何も言わず、こんなどうしようもない僕に前と変わらず接してくれた。
『次はいつ遊ぶ?』なんて言葉、今日初めて言われた気がする。

土曜日だったら大丈夫だと言ったら、土曜は塾が遅い時間まであるからって明日の夕方にしないかと言われた。
明日は街に行こうかと思ってたんだけど……橋本が来るなら退屈しないだろうと思ってOKした。

橋本と話すのは楽しい。
きっと橋本は頭の回転が速いんだろう。僕みたいな愛想のない奴とも話題を合わせて話してくれて、いつの間にか違和感なく笑いあってるんだから。
橋本は社交的な場所が似合う奴なんだろう。
……僕と違って。

久しぶりに会うせいか、ちょっと楽しみだ。






5月30日(金)
めちゃくちゃだ
何もかもが終わってしまった



もう

僕なんていなくなればいいんだ!!!






5月31日(土)
目から水があふれてきてきもちわるい

きのう なにかがあったんだけど
すごくかなしいことだった気がするんだけど
なんだったのか思い出せない

でも
思い出さなくていいことだよね
だって
思い出そうとすると きもちわるくなっちゃうし





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