Sou's Diary… 6月前半

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6月1日(日)
すごくきもちわるい……


だれかたすけて


たすけて


たすけて


たすけて たすけて たすけて たすけて たすけ






6月4日(水)
いつのまにか6月に入ってた。
ここ数日間時間の感覚が狂ってるみたいで、自分が何をしてるのかよくわからなくなってる。
その記憶が定かでない間に橋本から何度も電話が入ってた。メールも。全然気づかなかった。……悪いことしたな。

そういえば、橋本にはみっともないところを見られちゃったんだった。……あいつ、どう思っただろう。
友達なのに父さんに「連れ込む」なんて言い方されて、気分悪く思ってるかもしれない。
……怖くてこっちからは連絡できない。






6月6日(金)
自分から誘ってあの人とセックスした
頭の中が混乱しているような感じがして 気持ち悪くて
めちゃめちゃにしてほしくて

身体が壊れちゃいそうなくらい激しくされて(してもらって)
みっともない声を上げたり泣いたりして
最後には頭の中が真っ白になって気絶してしまった

学校であんなに大声上げてしたの はじめてかも

でもすごくよかった
ストレス発散できたみたいな感じ
あの人も満足してくれたし たまにはこんなのもアリだよね






6月7日(土)
風邪を引いたのか身体がだるくて仕方ない。
最初は大丈夫だと思ってたんだけど、歩くこともまともにできないくらいになってきたから、さすがに何もしないのはまずいだろうと風邪薬を飲んだ。
……けど、僕が飲んだのはどうやら風邪薬じゃなかったらしい。
昔誰かにもらった精力剤みたいな錠剤を飲んじゃったみたいで、身体がすごくほてってきてる。
気が狂いそうで、だから1人でやったけど、全然おさまらない。

誰か家に呼んじゃおうか……どうせとうさんだって帰ってこないんだから。

……………………でも、万が一帰ってきて見られたらやだし、やっぱりやめとこう。






6月8日(日)
橋本から電話が来た。
このあいだのことを何か言われるかと思ってちょっと怖かったけど、思いきって出てみた。
橋本は僕の父さんのことなんて全然気にしてなかったみたいで、明るい声の感じにちょっと落ち込みそうになった。
橋本にとっては、僕と父さんのことなんて気にかけるほどのものじゃないんだろう。……当然といえば当然だけど。

来週の日曜日にまた遊ぶことになった。
今度は一緒に外に行く。
父さんに会う心配はなくなったからとりあえず良しとしよう。






6月9日(月)
生きることに意味を見出すことがこんなに難しいなんて

自分が生きてきた中で最も嬉しかったことは あったかどうかわからない。
自分が生きてきた中で最も悲しかったことは ありすぎてどれか選べない。
自分が生きてきた中で最も楽しかったことは ────
自分が生きてきた中で最も苦しかったのは …………

自分が生きてきた中で生きていてよかったと思ったことなんて 一度もない。


こんなこと 考え出したらきりがないだろうに
何を考えてるんだろう……僕は。






6月11日(水)
父さんの秘書から電話が来る。
「大事な仕事が入った。しばらく目立つ行動は慎むように。特に、夜繁華街に出るのは控えろ。とのことです」
事務的な声はそれだけ言うと、さっさと電話を切ってしまった。

…………つまり、当分の間夜の街へ出かけて行ってクスリを買ったり男と寝たりするなってことだろう。

そんなこと、秘書に電話させないで直接ここに来て面と向かって言えばいいのに。
汚らわしい息子には会いたくないってのがバレバレだ。

……興信所の監視がずっと続いてたとはちょっと驚きだったけど。






6月14日(土)
あの人を学校に呼び出して、たっぷり2時間かけてセックスしてきた。
欲求不満の顔で橋本に会うわけにはいかないもんな。

ホントは街に出たかったんだけど……このあいだ父さんから忠告受けたばっかりだし、自分のこれからのためにも無茶はできないと思って。
当分はあの人としかセックスできないかと思うと辛いけど、1ヶ月もすれば禁止令も解けるだろうからそれまでは辛抱しよう。


でも、なんであの人のテクは上達していかないんだろう。
いつまでたっても入れられるたびにアナルが痛くなるなんて、よっぽどセックスが下手なんだなー(笑)。






6月15日(日)
橋本と会った。
軽く昼食をとってから街をぶらぶらして、服を買ったり本屋で参考書を見たりした。
なんか、普通のデートみたいで妙に照れくさかった。
『デート』なんて言ったら橋本に拒絶されちゃいそうだけど。

今日思ったんだけど……橋本ってやっぱいい男なのかもしれない。
優しいし、勉強もスポーツもできるし(中学のときはそうだったし今もそうなんだろう)、服のセンスとかもいいし、もちろん顔もいいし。
どこか欠点がないかって探してみたけど、特には見当たらなかった。……ああ、ときどきおせっかいだなってそれくらいか(笑)。
女にもモテるんだろうなーと思って「彼女は?」って聞いたら、「いない」って言われてかなり意外だった。
……でも、『今は』ってことだろうけど。

夕方までいろいろ見て回って、夕飯を食べてからそろそろ帰るかってことになったときに、
「──あれ、橋本?」
って声をかけてきた人がいた。
橋本が驚いたように振り返って、僕も気になって振り返ったら、そこには僕らより年上っぽい男の人が2人いて。
「せ、先輩!?」
橋本がちょっと甲高い声でそう言って、焦ったように2人に近づいていった。
それから3人(ていうか、2人のうちの1人と橋本)がぼそぼそと小さな声で話をしはじめて、何を話してるのか気になったけど近づけるわけもなくて。
その人たちがまた歩き出して、橋本が僕のところに戻ってくるまでバカみたいに立ち尽くすことしかできなかった。
その2人と橋本の関係がなんとなく気になったから
「……今の人たち誰?」
って聞いたら、
「バスケ部の先輩たちだよ。このあいだ引退したんだけどさ」
って、ちょっと赤くなった顔で答えてくれた。
……なんで赤くなってたんだろう、橋本。





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