Sou's Diary… 4月後半

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4月16日(水)
2日続けてはまずいかなぁと思いつつ、なんとなくそんな気分だったから街に遊びに行った。
だけど、誰かと寝てもよかったんだけど珍しくそんな気分にならなくて。
よく行くクラブで酒を飲んで、昨日稼いだ金でいつもの売人からクスリを買って早めに帰ってきた。
途中で若い男に声をかけられたけど、金にもならない相手と寝るつもりは全然なかったからシカトしてきた。気の弱いタイプは好みじゃないんだよな。






4月18日(金)
最近部活が終わったあとにセックスするのが習慣になりつつある。
あの人の醜い嫉妬心のせいなんだけど。
ヤケになってされてるせいで、挿入されても痛いだけで全然よくない。
……挿れられ慣れてるから裂けることはないけどさ。

結局新入生は15人も入ってしまった。
ホントに絵が好きそうな奴から、図体のでかい欲求不満の塊みたいな奴までいろいろ。
……いつ襲われちゃうかな(……冗談じゃなく)。






4月19日(土)
橋本から電話がきた。
このあいだ家に来た時に番号の交換はしたけど、まさかかかってくるとは思ってなかったから驚いた。
それに、橋本が映画を見に行こうなんて言うからさらに驚いて。

別に断る理由もなかったし、家に来られるよりはいいかなと思ってOKしたけど……僕、早まったのかな。
今は橋本に会うのがなんか怖い。
あいつには何もかも見透かすような澄んだ瞳があるんだった。あの瞳で見られたら、俺の汚い部分なんて全部暴かれてしまうんじゃないだろうか。






4月20日(日)
橋本と映画を観に行って、夕飯を一緒に食べてきた。
……意外に、楽しかった。

あんなふうに友達と待ち合わせをするのが初めてなら、人を待つのも初めてで。橋本が待ち合わせ場所に来てくれたときはほっとした。
映画自体はおもしろくもつまらなくもなく(映画を楽しむ習慣がないからよくわからなかった)。でもそのあとに行ったイタリアン料理の店はおいしくて、僕にしては量を食べた。
橋本と話すのも慣れてきたみたいで会話に詰まることもなかったし。今までは久しぶりすぎて何を話したらいいのかわからなかったりしたけど、今日は学校のこととか進路のこととか話せた。
橋本は高校でもバスケをしてるらしい。確かにすごくうまかったもんな。久しぶりに橋本のバスケしてるとこ見たくなったりして。……見に行くことなんてできないだろうけど。
僕も高校で美術部に入ったって言ったら、なんか妙に嬉しそうな顔をされた。なんでだろ。

今度また会おうって約束をして別れた。ホントにまたどこかに行かれたら楽しいかもな。






4月21日(月)
今期の生徒会長である石毛に告白される。
付き合えないと断ったら、突然抱きつかれてキスされた。
けっこう巧みな舌技だった。……前言撤回なんてしなかったけどさ(笑)。


これからこういうことが増えそうだ。
男子校ってなんでこうなんだろ。






4月23日(水)
塾の帰りだっていう橋本とファミレスで待ち合わせて一緒に夕飯を食べた。このあいだ会ったときに塾で使ってるっていう文法の参考書をコピーしてくれるって言ってて、さっそく作ってきてくれたらしい。
橋本と過ごす時間は楽しかった。楽しかったけど、帰りにちょっと面倒なことがあった。
ファミレスを出たところで、あの人によく似た人を見かけてしまったんだ。赤信号で止まってる車に乗ってた人なんだけど、車はあの人の乗ってるのと同じだったしこっちをずっと見てたから……十中八九間違いないと思う。
内心(まずいな……)って思っていたら橋本に「どうした?」って聞かれちゃって、慌ててごまかしたけど不信に思われたかな。
くそ……明日学校行きたくないな。






4月24日(木)
やっぱりあれは見間違いじゃなくあの人だったらしい。
一限目が始まる前に呼び出しがかかって、結局二限目が終わるまでしつこいセックスをされた。
ただ友達とご飯を食べに行っただけなのに、なんであんなふうに怒ることができるんだろう。
僕の言うことは端から嘘のように言われると、いくら僕でも腹立だしくなる。
……殴られるのは嫌だから素直に「ごめん」って言っといたけど。

こんな関係をあと2年……身体もつかな。






4月26日(土)
最近ネットで知り合った奴らが集団自殺してるっていうニュースをよく見かける。
そんないかがわしいサイトがあるなんて……と思い探してみようとしたけど、やめた。

今そんなもの見たら、きっと僕も参加したくなるだろうから……。

死に逃げることだけはしたくない。
生まれてきて、こうして生きている限り──僕は幸せになりたいと願い続けたいんだ……。






4月27日(日)
今日寝た相手はなかなかおもしろい奴だった。

『体力自慢』って言ってたから回数が人よりこなせるってことなのかと思ってたら、どうやら『筋肉自慢』だったらしい。
僕の身体を抱き上げて立ったまま下からズコズコ突き上げたり、騎乗位で彼の股間部に乗っていた僕を乗せたままブリッジしたり。あまり体験できるもんじゃないからけっこうおもしろかった。
でも、「おうおうっ!」ってケモノみたいに叫びながらそれらをされるから、気持ちいいんだけどどうしても笑いが込み上げてきちゃってプレイに集中できなかった。
あの声がどうにかなったならもう一回くらい寝てあげてもいいけど、なおらない間は絶対やだな(笑)。






4月29日(火)
父さんが家に来た。
思いきって声をかけてみた。
……完璧に無視された。


僕のことを黙殺してるんだろうか。
受け入れたくない存在なんだろうか、僕は。






4月30日(水)
朝から身体がだるくてしょうがなくて学校を休んだ。
風邪のような感じでもあったし、単なるクスリのやりすぎかもしれないし、全然原因がわからなくて嫌な気分だった。
ベッドの中でごろごろしててもよくなる気配がなくて、それどころかどんどん気持ち悪くなってくるみたいで、ベッドを這い出て冷蔵庫に並べて入れてあった酒を片っ端から飲んでいった。クスリを炙りながら。

だけど浴びるほど飲んでも酔えなくて、結局クスリをがばがば飲んでぼーっとしてた。









どうして どうして どうして どうして どうして

父さんは僕を愛してくれないんだろうか 
僕は父さんに愛されないんだろうか




どろどろした感情が押し寄せてくる。
どうしたらこの気持ち悪さを拭うことができるんだろう。





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