Sou's Diary… 6月後半

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6月16日(月)
あの人とセックスしたあとは、他の人としたときに比べて身体の調子がおかしくなるってことに気づいた。
なんでだろう。今まで寝てきた相手には、あの人より異常なセックスやる奴だっていたし、見た目ずっとブサイクな奴もいたのに。


それだけ僕が、あの人を精神的に拒絶したいからなんだろうか。






6月18日(水)
父の秘書から電話がくる。
「仕事が一段落ついた。しばらくの間は自由にしていていいぞ。とのことです」
それだけ言って切ろうとしたから、僕のほうから彼を引き止めた。
「今度家に来て」
それだけで、彼は僕の望みがわかったらしい。
「……週末伺います」
僕の大好きな低い声がそう言ってくれた。






6月19日(木)
授業中にどうしてもクスリが欲しくなって家に帰ってきてしまった。
薬物依存にだけはなるものかと思っていたのに、僕はこうしてクスリなしではいられなくなってしまっている。

僕はこんなに弱い人間だったのだろうか。
自立した大人に、本当になれるんだろうか。






6月21日(土)
父さんの秘書が家に来てくれた。
自分でも訳がわからない感情に突き動かされて、彼が玄関をくぐった瞬間に抱きついていた。
深いキスをたくさんしてもらって、そのまま居間でセックスして、
何度となく貫いてもらいながら歓喜の声を上げていた僕はなんて汚い人間なんだろう。


……クスリを使っていなければこうして冷静に自分を判断できるのに
あの人が風呂から上がってくる前にクスリを使って、もっと激しく抱き締めてもらおうと思ってる自分はなんてダメな人間なんだ……………………。






6月22日(日)
彼は僕が寝ている間に家を出て行ったらしい。朝目が覚めたら姿がなかった。
僕が作った合鍵をまだ持っているみたいで鍵もちゃんとかかっていた。

久しぶりの彼とのセックスで、身も心も満たされたような気がする。
クスリのせいでよく覚えてないけど、ベッドで激しく攻められている間彼が何かを言っていた。……何を言っていたんだろう。

僕の求めるものを全部くれる人。僕に男の身体の素晴らしさを教えてくれた人。
あんなに優しく抱き締めてくれたのは、彼が初めてだったから
僕はあの人の優しさを利用して、ずっとこの関係を続けたいと思ってる。

彼には、父が用意した幸せな家庭があるのに。






6月24日(火)
勉強がさっぱり手につかない。
もっと将来のことを考えて頑張らないと駄目なのに、わかっているのにやる気が出ない。気力が起きない。
クスリを使わずにこうしていろいろ考えているのに、今は明確な答えが何も見つからない。
昔は、「これだ」と信じたものがたくさんあったはずなのに。


……なんだか無性に橋本に会いたくなった。
なんでだろう。
そういえば、日曜日に「一緒に勉強しよう」って誘われたのに断っちゃったっけ。

……僕から橋本を誘ったら、駄目かな。






6月25日(水)



……どうしようかな。






6月27日(金)
長いこと迷ったけど、橋本に電話してみた。
僕の方から電話がくるとは思ってなかったのかすごく驚いてたみたいで、しばらく電話口の向こうで絶句してたけど(笑)、
「日曜に図書館に行かないか?」
って誘ったら、
「いいよ」
って言ってくれた(橋本は土曜日に部活と塾と両方あるから、日曜のほうが都合つきやすいって前に言っていたのを思い出したんだけど、その通りだったみたいだ)。
昼に待ち合わせをしたから、明日は家で大人しくしていよう。クスリもしないようにして、夜も遊びに行かないようにしよう。
橋本のこと考えてると、不思議と酒もクスリも欲しくならない。

なんだかんだ世話焼きなところがうっとおしく感じるときもあるけど、でもやっぱ橋本と一緒にいるとなんでだか落ち着くんだよな……。






6月28日(土)
明日がなんだか楽しみだ。
友達と図書館に勉強をしに行くだけなのに、なんでこんなに明日が待ち遠しいんだろう。

明日はどんな格好で来るんだろう、橋本は。
あいつけっこうセンスいいし、背も高くてスタイルもいいから、一緒に歩いてると周りの視線とかすごく感じるんだよな。
そんなのに、橋本は全然気づいてないみたいだけど。

女にがつがつしてないところが橋本の魅力を引き立ててるのかもしれないな。






6月29日(日)
橋本と会った。
天気もよくて暑かったのか、橋本はTシャツにジーンズっていうラフな格好だったけど、すごくカッコよくみえた。これは絶対女にモテてるだろうな。
とりあえず軽く昼食を食べて、それから図書館に行って、それぞれの学校の授業がどこまで進んでるのかとか、お互い苦手なところを教えあったりして、夕方までしっかり勉強した。
僕が思っていた以上に橋本は勉強ができるみたいだ。僕が「理系の科目が苦手」だって言ったら、化学式の簡単な覚え方や計算のこつなんかをわかりやすく教えてくれた。
僕も橋本が苦手だっていう文系の科目を教えてあげた。橋本は飲み込みが早いからすぐに覚えたみたいで驚いた。
中学のときも今日みたいに勉強してたら、もしかしたら同じ高校に行けたかもしれないのにな。なんて、今さらだけど。

6時近くまで勉強して、夕飯を食べてから帰ってきた。
橋本といると話すことが尽きなくて、久しぶりにたくさん笑った。自分で「しゃべりすぎてるな」ってわかっても全然疲れてなかったし(普段しゃべらないほうだって自覚はあるから)。
なんか、不思議な奴だ。橋本って。

いつのまにか橋本が僕を家まで送ってくれてて(僕は普通に家路に向かってたから、橋本が送ってくれてるんだってことに全然気づかなかった)、
「また誘ってくれよ」
って言って帰っていった。家に上がってもらってもよかったんだけど……引き止めたら帰るの遅くなってたから別によかったよな。

せっかくいろいろと教えてもらったんだから、ちょっと復習してから寝るかな。
久しぶりに有意義な時間を過ごせた。……橋本に感謝しなくちゃ。





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