とうとう――
みんなお楽しみの
ハロウィーンが
終わっちゃって。
残念ですね!
イベントには全力で盛り上がるトゥルー家なだけあって、終わった後は燃え尽き症候群みたいなものもけっこう見受けられるであろう憂鬱な月曜日、そんな日にみんなを見守るような日記を書くのは、いかにもホタだなあと思いつつ、個人的には「うわ、もう11月!」という思いでいっぱいだったりもいたします。
それはともあれ、「ちょっぴり気の抜けただらだらムード」といわれるぐらいですから、かなり本格的に倦怠感に覆われているんでしょうね。まあ、ここんちの子たちのことですから、今日明日のうちにすっかり回復しそうな気もします。祝日も控えていますしね。
さて、ハロウィン後の変化はそれだけではなく――
でも――
そんな少しだけ元気のない
みんなのかわりに――
おうちの中はどこか
ムンムンとした甘い香り
が満ちています。
うむ、ハロウィンといえば、小さい子がお菓子を貰うイベントですゆえに。トゥルー家内部で振舞われたものも多いでしょうけれど、外からもきっとたくさん収穫があったことでしょう。みんな可愛らしすぎな子ばかりですから、近所の方々もそれはもう積極的にくれたのではないかなと。
……というか雄野郎であるところの身としては、「おうちの中がムンムンとした甘い香り」というのは、むしろ普段から感じているにおいなのではないかなーとも思うわけですが。ええ、女の子が上から下まで19人もいればそれはもう、色々すっごいと思いますよ。クラクラしそうなぐらい。……この家の匂いだけで、ご褒美の領域だと思います正直。
ほら、見てください!
ダイニングのテーブルの上に
積み上げられたこのお菓子の山!!
……と、挙げられているお菓子の多さにさすがにビックリ。まあ人数が人数ですしね。夕凪さん立夏あたりが発狂しそうな勢いなのが目に浮かぶかのようです。で、霙姉さんだけ餡子の類がなくて面白くなさげな顔をしていたり。
とりあえず、食べすぎにならないようみんな平等に食べていって欲しいところですが、やはり夕凪さんには「シンデレラの魔女のキャラメル」あたりを多めにあげたいところですね。
それにしても、ホタが「全部片付けるのに1年くらいかかりそう! ウフフッ♥」と言ってますが、誇張した表現だとしても、本当にすごい量ってイメージが……。ええ、立夏がいるから片付けるのはもっと早いでしょうけれど、その速さはそのまま脂肪の増加とも結びつき……あわわわわ。冬だしヤバイかも……。
と、思ったら――
そう言えば――蛍の部屋も――
山盛りなんでした……
とほほ。
今日の蛍の部屋は――みんなが使った後の
ハロウィーンの衣装で山盛り!!!
……などと思っていたら、思わぬところで修羅場が。ええ、先日のハロウィンコスプレにはとても満足させてもらいましたが、その裏でやはりこういう大変な思いが。これはあくまでホタの趣味とはいえ、みんなが一緒に楽しませてももらっている以上、ホタ1人の問題にはできませんよね。
ああ……
これから片付けなくっちゃ――
蛍、衣装を作るのは大好きなんだけど
その片付けは――ちょっぴりニガテです。
えへへ――♥
とまあ、以外な弱点――というほどのことでもないですね。誰でも片付けは面倒ですから――を告白してくれた以上、片づけを手伝うのは当然の義務でありましょう。……コスプレ衣装に極端に際どいのとかを発見したりしないかドキドキしつつ。
……ところで、ふとここの家は、『俺妹』の桐乃と交流があることを思い出しました。ホタのコスプレはそれほどアニメやゲームには偏重してなさそうですけれど、それでもこの本格的なコスプレ見たら喜びそうだなあと思った次第。また遊びに来てくれてもいいなあとちょっと思った今日この頃。
運動会に、
ハロウィーン――
秋の大イベントが
やっと終わった――
と思ったら。
休む間もなく――
明日は、秋の芋ほり遠足。
トゥルー家にはイベントラッシュが良く似合う! ……とはいえ、やはり少しばかりオーバースケジュールでもあるのか、それだけ完全燃焼しているということでもあるのか、マリーが少々お疲れのご様子です。
というのも、この文化の日になにやら芋掘り遠足なるイベントが。普段のマリーならば(女王らしくないなんてことは言わず)、祝日が潰れることなど意にも介さず大いに楽しみにしているところだったのでしょうけれど、さすがに今回は――
ああ――
さすがのマリーも
ちょっと――
お疲れだわ……
ふぅ。
……おお、テンション低めになってしまうマリーというのもなにやらレアかも。
しかしながら、そこはそれ、アントワネッティズム(造語)を常に保ちつつも、そのくせその範疇で――というかそれを活かして、常に理想的ないい子でもあり続けているのがマリーの凄いところでもあり、今回に関しても、
まったく――
女王さまのタイクツを
なぐさめようとして
民衆がせいいっぱい
力を尽くすっていうのは――
もちろんいいことだと――
思うけど♥
でも――
あんまり次から次っていうのも、
ねぇ?
……この素敵な受け止め方ですよ。まあ、運動会に関しては疲れるのも当然で、ハロウィンだって全力で楽しめば疲れるのも昨日ホタが言ってたとおりではあるのでしょうが、「かわいい衣装をおねだりするにも意外と準備が大変」などと可愛らしいことを。
それはさておき。……このマリーの、ものの受け止め方のポジティブさっていうのは、なんというか、マリーという子が纏っている風格の根幹になってますよね。人間として極めて理想的なものの考え方というか。だからこそマリーは幼稚園ではみんなの中心なんでしょうし、トゥルー俺たちもこれほどまでにオーラを感じてしまうわけで。
だから、少々面倒な芋掘りというイベントであろうとも――「本当にマリーのためのイベント達なのかしら?」と。この世の全ては自分を楽しませてくれるためにあるというものの考え方。これがすごいと思うんですよ。別にマリーは能天気にそう考えてたりするのではなく、そういうポジティブな考え方を自然にしてしまえる人間力があるんでしょうね。「マリーアントワネットの生まれ変わり」って思い込みも、きっとそういう生まれつき世の中に対してポジティブな考え方ができるからこそ根付いたものなんだって思います。
そんなマリーですからして。疲れているところを駆りだされるうえ、いかにも泥臭いこのイベントに対しても――
だから――
明日は、王妃らしく。
家族のために――
芋をほってほってほりまくるわよ!?
泥だらけの芋畑の中だって
マリーの輝きは隠せないの♥
芋ほり女王の座は――
絶対にマリーが守るんだから!
この、まばゆいばかりの主張ですよ。これは決して無理して言っているというわけでもないし、まったくお気楽ご気楽な考え方というわけでもないんですね。意識せずとも、世界が自分を愛してくれていると思い込めて、その思い込む力で世界に愛されてしまう。マリーのすごさを言葉で表現すると、きっとそういうことなのでしょう。
だから、泥にまみれて芋掘りにはしゃぐマリーの姿は、歳相応に子供らしい可愛らしさがあるでしょうし、それと同時に、泥にまみれてさえ隠せない人間力の輝きにも溢れているのだと思います。
あったかい
おうどんの――
おいしい季節に
なりましたね♥
うふふっ――♪
この寒い季節にはもってこいの、聞いてるだけであったかくなりそうな話題を持ちかけてきてくれたのは――あったかいという以上に「春」という季節の力強さを常に帯びた乙女・春風さん!
……ええ、春風さんって、基本的にはそれこそホタに負けないぐらい家庭的な女の子ってイメージではありますし、事実そのとおりでもあるんですけれど、こと「トゥルー俺」としての立場だと、どうしてもそれを押しのけてしまうばかりの強烈極まるイメージが付いてきてしまうことも仕方ないといえば仕方なく。
はい、今日の話題だって、実にあったかな、家庭的な話題なんです。なんですけど――
こうしてみると――
意外とシンプル♥
でも、これがウチの――
定番のおうどんの味です♥
ハートマークは乱発されつつも、我が家風のうどんを語る春風さんの姿は、まさしく家庭的という言葉以外では語れないぐらいなのですけれど、
こんなおうどんは――
お夕飯にいただく、
というよりも――
寒い寒い冬の日。
真っ白い息を吐いて
とってもとっても
寒い思いをしながら――
短い冬の陽が
まだ落ちないうちに、
「今日は先生が急な休みで
午後の授業がなかったんだ――」
なんて言いながら。
……ほうら。なにやらそんな微笑ましいはずの話の方向が、少しずつ少しずつあやしげな方向に進んできましたですよ。
まあ結局、このおうどん話は、いつものラブラブ妄想へと行き着き、これまたいつもの「きゅぅうううん♥」で占められるわけですが。……はい、さすがにもうトゥルー歴も長いので、ここまでは最初の数行を読んだ時点で妄想が即座にできるぐらいにはなりました。
しかしながら。――そんなトゥルー俺の期待や想像を、ある意味必ず超えてくるのが春風さんという逸材。
どんなおうどんが
好きですか?
1番好きな具は――
やっぱり春風、でしょうか?
きゃっ――うれし♥
――さすがのトゥルー俺も、この文章を想像することは不可能でした。
いや、「ワタシを食べて♥」的な文脈だけなら、それこそ日常的に浴びるが如く味わっているわけですけれど、まさかうどんの具を用いてくるというのはクリエイティブすぎやしませんか春風さん! これから先、うどんを食べるたびに春風さんのアプローチを思い出さずにはいられないじゃないですか! ……そこまで計算した発言なのだとしたら恐ろしい。いや多分間違いなく本能のみで即座に思いついたお言葉なのでしょうけれども!
真璃じゃないけど。
大騒ぎの10月、
ハロウィンが終わって――
ようやく、静かな
秋がやってくる――
と思ったら。
今度はクリスマス――
だそうだ。
……
はぁ。
……
まったく――
やれやれ、だ。
ヒカルがなんだかいきなりお疲れモード!? いや、ヒカルは基本運動タイプってだけで、そんなむやみにはしゃいだりすることが多いわけでは有りませんけれど……って、たまにありますけどね。プロレスとかプロレスとか。あと、日本シリーズ絡みではきっと大いに盛り上がっていたであろうと予想できますが、ともかく今のヒカルはなんだか「やれやれ」とばかりにため息モード。
先日のマリーが言ってたように、イベント続きで疲れている、というのもなくはないんでしょうけれど、そういう面ではタフなヒカルのことですから、もっと精神的な面が問題なんだろうなあ……と思いつつ話を聞いていますと、ついこないだまでハロウィン一色だったのが、いきなりクリスマスモードになってしまったりする時間の流れのせわしなさみたいなものに、どこかヒカルのセンチメンタルな部分が反応したって感じみたいですね。
「でも、私は――あんまりこういうのは好きじゃない」という言葉は、あくまでもそういう忙しなさを指しての言葉であり、家族でいっしょに過ごすこと自体は何よりも尊重しているヒカル。
静かな――秋。
今年は――暑くて長い夏の後に、
やっと涼しい風が吹いたと思ったら、
今度はあっというまに、
寒さが進んできて――
きっと一瞬で
過ぎ去ってしまう――
……おお。これは明らかに、ヒカルの乙女モードが発動していますね。内面の感性的にはたぶん、姉妹の中でも一番繊細なものを持っているであろうヒカルですから、「ただ――
ただみんな、もう少し。
イベントとかなしで。
静かに――時を過ごせないものなのか、
と思うんだ。」って言葉に、思いの全てが込められているんでしょうね。
こういう不安定なときのヒカルは、なんだかそのまま泣き出してしまうんじゃないかって心配すらしてしまいますが(実際ありましたよね)――
この週末はオマエと――
何も――思うことなしに。
ただ――
秋の1日を穏やかに過ごしたい
気がするな。
どうかな。
ぼんやりと――
枯れ葉なんて。
眺めてみるのも
頭が空っぽになって
いいのかもしれない――
……などと、ちょっと嬉しい申し出をしてくれたりと。落ち着くってだけじゃなくて、ちょっとロマンスを感じるシチュエーションでもあるわけですが、それもきっと、ヒカルの内面が乙女モードに入ってしまっているからなんでしょうね。
とりあえず申し出どおり、静かに秋の時間を感じる週末を過ごしたいところです――が、なんだかそう言ったヒカル自身が、野球中継を見て一転、超白熱観戦モードに突入してしまいそうな予感も少々。まあそれはそれで素晴らしい週末ですが。
ぶちゅっ!
ぶちゅっ!
ぶちゅっ、
ぶちゅっ、
ぶちゅっ!!
……………………い、いきなりとんでもない擬音が飛び込んできたんですが……。
この日記が青空のものだと分かれば、とりあえず納得することはできましたが、それにしても月曜日早々この圧倒的な響きを持つ擬音が連呼されるトゥルー日記……改めて恐るべし。
しししし――♪
ああ――おいし!
きゃらめる、
おいし!
おいしーな♪
くりーむきゃらめる。
とりあえず、この擬音の正体についてはすぐ明らかにされまして、ああ、お菓子を食べる様子でしたか可愛いなあ、ということで収める事も可能といえば可能……のような気がしないでもありません。ええ、「そら、だーいすき!」なんて無邪気に言われた日には、それはもうありとあらゆる邪念など吹き飛んでしまうかのような清らかな心に……
ひとつもらって、
おくちにいれたら――
ぶちゅっ!!!!
て、すーぐ
かんじゃう。
…………ま、まだまだ。
「ぶちゅ」とかその程度の単語で俺のトゥルーが……
くりーむいっぱい、
おくちいっぱい♪
ほらほら――
みてみて!
くりーむ、でてきた!
んばあ――
……
ねっ
そらのおくちのなか――
ぐっちゃぐちゃ!
くりーむだらけ♥
………………………………………………すまん、もう無理だ!(←いわゆる白濁液シチュエーションと脳がハッキリと認識)
ゴッド! トゥルーを作りし我らがゴッドよ! これはあまりにもあまりにも――と言いたいところではありますが、しかし確かに、小さい子供ってこういうおふざけを無邪気にしてしまうんですよね。食べ物でなんか汚い感じの食べ方をしてしまうという。ましてや青空は一応一歳児なわけでして、口周りをぐちゃぐちゃにして遊ぶこともありえそう……つまり、このシチュエーションもあくまで自然な範囲であり、それを変な見方をしてしまう俺たちのほうが汚れているのだという結論に至らざるを得ないのです。ああ、なんということ。
ししっ♪
おにいちゃんも――
たべたい?
あ。
そらの――
もうないないだから、
おくちのなかの、
はんぶんあげる!
そしてダメ押し。
いや、そのシチュエーション……マニアックな成人向けビデオでシチュエーションの一つとして繰り広げられる行為にどこか似ている、と俺の汚れた脳が囁いているのですがあくまでそれは汚れた心が鏡写しのように反映されているだけで、実際には無邪気な青空が微笑ましいことをしてくれているだけなのです! そう認識しなければならないトゥルーの宿命! お、お、お……!
……ところで、小さい幼児が鼻を詰まらせたとき、お母さんは口で吸い出すことがあるみたいなので、このシチュもありといえばアリなのかもしれません。……やってしまう? やってしまうのかトゥルー俺!?
今日の夜ごはんは
グラタン。
グラタンって――
好きです♥
食べ物の話題になるとみんな笑顔がまばゆいばかりだなあ……と常々思うトゥルー日記ですが、小雨が食べ物の話題を持ちかけてくるのって、わりと珍しいという印象が。
もちろん、小雨もそんなにネガティブな話ばかりしているわけではなく、最近ではむしろいきなりハートマークがこぼれるような話をしてくることも多いわけで、こういう聞いただけでほっこりしてしまいそうな話というのも、その流れを象徴しているように思えますね。
さて、小雨が好きだというグラタン。この季節であれば、それはもう最強に強まった素敵なメニューなわけですけれど、同じグラタンの中でも様々な種類をあげて説明する小雨のその姿からは、本当に好きなんだなあって気持ちが伝わってきます。
今日のメニューは
シンプルに♪
いいにおいのする、
フレッシュなチーズの
た〜っぷりかかった――
チキンときのこの
マカロニグラタン!
……ああ、聞いているだけで美味そう。ホタか春風さんが作っているものでしょうから尚更。……ところで、たとえ食べ物とはいえ、いいにおいを積極的にくんかくんかしている小雨の姿って、ちょっぴりグッと来ますよNE! ……などという汚れた話はさておいて。
「シンプルだけど美味しそう」……うん、なんか小雨らしい、自分のイメージをもどこかに重ねた、その素朴な嗜好。小雨って本当、野に咲く花みたいな魅力の子ですからね。ちょっとそのへんの認識が自分自身で強すぎるかな、という気もしないではないですが、それもまた悩める思春期ならではの個性でしょうし、成長していけば、もっとナチュラルに自分の魅力を理解してくれるのは間違い有りません。今でもこんなふうに、すでにその兆候が見られるわけですしね。
いつも定番ばっかりで
つまらないって、
立夏ちゃんからは
言われてしまいますけれど、
でも――
小雨は――冒険が苦手だから。
ついつい――いつも。
定番を選んでしまいます。
冒険しない女の子・小雨――いや、これは保護者的立場からすればむしろ安心する話でして。もちろん、人生にはいずれ冒険しなければってときも訪れるわけですが、無理に冒険しにいく必要もないんですから。立夏みたいに毎日が冒険になってしまう子も、自分自身でそれを楽しめているなら大きな問題はありません。兄としてはやや心配ではありますが! ともあれこれはいずれも素敵な個性というお話。
……などと言ってる小雨も、そのうち自分からどんどん冒険してしく女の子になってしまうのかなあとむしろ思ってしまう次第です。
とはいえ今は、小雨は「定番」を選ぶ女の子でありつづけたいわけで。
いつ食べても、どんな時でも
おいしくて――
大きくハズレっていうことのない、
ホッと安心する約束の味
小雨もそんな定番みたいな女の子
になれたらいいな、なんて――
思ったりして――エヘヘッ♥
……この言い方そのものも大変可愛らしいわけですが……これはあれですか。言外に、「小雨のこと食べてください♥」みたいなニュアンスがあると認識してしまってもいいものなのでしょうかトゥルー俺的には。
こんな臆病な小雨ですけれど、
本当は、もしもお兄ちゃんが――
えいって手を引っ張ってくれたら。
いつか本に出てくるような
すごい冒険にも旅立てるような
気がしているんです――
ほらほら、この発言。さっきは小雨もいずれ冒険しにいくのかなって言いましたけれど、むしろ今すでに小雨は「トゥルー俺にならいつでも冒険に連れて行って欲しい」とアプローチをかけて来ているんですよね。それも、わりと積極的に! 一番大人しめな女の子に見えて、トゥルー俺に対しては、さりげに姉妹の中でもかなり積極的な女の子だというのが小雨の印象であります。ううむ、かわいやかわいや。
今日、学校でセーフティ教室が
ありました。
ユキ達、1年生と
吹雪ちゃんがいる
1つ上の2年生は――
体育館に集まって、
合同でおまわりさんから
お話を聞きました。
ビクゥ!(←おまわりさんという言葉に反応) い、いや、別段後ろ暗い事などなにも! ただ、このトゥルー世界のあまりの心地よさに、もしやこの社会内において認められない極楽を享受しているのではないか(特に児童なんとか関係で)という潜在的な恐怖心がこのような反応を作り出してしまった次第。
しかし、そんな個人的事情を抜きにしても、なにやら気になる雰囲気ですね。「ちょっぴり、
こわーい――
お話」とユキが語ったその内容は――ああああ誘拐! トゥルー家にとってもっとも恐ろしい話題の一つ! いや、子供が多すぎるし家はお金持ちと来たらそれはもう。
もしもユキが――
もう2度とおうちに
帰れなくなって、
お兄ちゃんやみんなに――
会えなくなったらどうしよう…
ガバァ! ……と、話の続きを聞くまでも無くその場で抱きつかねばという衝動が炎の如く沸いて出てきましたが、かく言うユキ自身が一番怖がっているわけですから、ここはひとつ冷静に。
そういう輩の手口としては、美味しいお菓子やオモチャで釣るのがまず。……一部、この手のものが危なそうな子もウチにはいないこともないですけれど、ユキならこのへんは心配ない……かな? 天使みたいに穢れの無い子だから、むしろ無条件で声をかけられて善意につけこまれるのが一番怖いですね。
おまわりさんも、その対策をきちんと仕込んでくれたみたいなんですが、
「いや!
いかない!
たすけて!!」
が、大きな声で言えること!
だから、集まった体育館で、
みんなで大きな声で――
「いや、いかない、たすけて!!」
が言えるように練習をしました。
「いや! いかない! たすけて――!!!」
みんなの大きな声で体育館が
いっぱいになるまで――
何回も何回も練習をしました。
…………………………あ、え、えーと。すいません、正直、なんというご褒美かとか思ってしまいました。ゆ、ユキや吹雪が叫ぶ「いや! いかない! たすけて――!!!」……ある意味、トゥルー俺には決して言わせることの出来ないこの言葉。……ちょっとゾクゾクしてしまう自分を抑え切れません。
さて、その他のアドバイスとして、「実は良い人っぽい」という危険性を指摘してくれたおまわりさんはさすがに的確だな、と。それどころか――
ユキね、おまわりさんのお話を聞いてるウチに
もしもみちばたで悪い人が――
「お兄ちゃんがあっちで待ってるよ」なんて
言ってきたら――
ユキ、絶対行っちゃうかもって思いました――
どきん!
なんだか、こわいです。
……ううむ。やはりこれがユキたちにとっては一番危険なんだろうか……と思うと、嬉しいやら怖いやら。このケースは最悪の事態として、たとえ冗談でも、自分の身が危ないとか言ってひっかけたりするのはよそう、と決意した次第。「どきん!」とさせるだけで重罪ですよ自分的に。
だから――お兄ちゃん、
これから一緒にお外に行くときは、
いつもユキがはぐれないように――
手をつないでいてくださいね♥
そしてさりげなくスキンシップを求めつつ、お外に行かないときでも別に四六時中ずっとつないでいてあげたい欲がこれでもかというほどに。
さっき――
客間の和室にいったらね。
観月ちゃんが――
押し入れの隅っこを、
じっと覗いているのを
見つけたの。
…………なにやらいきなりただならぬ雰囲気が。
観月は普段から、色々と霊とかもののけの話をしてくる子ではありますし、それはなにやらガチっぽくもあるのですが、実のところ、オカルト的なものというよりは、もっとこう、日本の生活や文化に根ざした民俗学的な見地からって雰囲気のことが多いんですよね。具体的には、いわゆる霊とか妖怪も、人の思いや諸活動が作り出す現象そのものの象徴だったり喩えだったりしている側面がなんとなく見受けられるような気がするんです。ただ荒唐無稽なオカルト的存在や現象というのではなく、その裏に、しっかりと人の生活に根ざした何かが見え隠れするような。
そんな観月でありますからして、これまであまり露骨にオカルト的な事件はからんでこなかったのですが――それはあくまで、本人自身が語っていたから、ということなのかも知れません。いや、それでも観月の言ってる事の本質が変わるわけではないんですけれど――ええ、今日の星花視点から語られる日記は、いつになくオカルトチックであり、どこか……
……
なんだか――
ちょっぴり――
冷え込んできたような
気がしたから――
「観月ちゃん、何してるの?
ここは寒いから早く
リビングの方に戻ろ?」
って聞いたら、
観月ちゃんが振り向いた
その時――
ひゅるるるる―――
って。
押し入れからすきま風。
観月ちゃんの前髪が揺れて――
陰になった――
観月ちゃんの顔がニヤっと――
……はい。ここだけを見ればものの見事に怪談です。観月は幼いながらに黒髪美女ですからして、こういうシチュエーションだとなかなかに堂に入って――って、そういう場合じゃないのかも知れませんね。身の回りおきる霊絡みのことであればなんでも把握して対処できそうな観月ではありますが、今回もそうとは限りませんし――
っていうか、こんな光景を目撃してしまった星花が怯えてるんじゃないかとちょっとヒヤヒヤしたわけですが……幸いにというべきか、星花自身は、別にオカルト的な現象とは認識していないみたいですね。……そのわりに、語りになにやら力が入っていた気がしますが……
……
ぶるるるるっ!!
このとき感じた悪寒を、単なる季節によるものと解釈した星花は、たぶん霊感とかとは無縁でいられる子なんだろうなあ、と思った次第。ええ、むしろ良いことですよね。星花みたいな純朴な子が、そういうのに惑わされるのは、きっと相性的にも良くない気がしますし。というか、だからこそ感知しえないのでしょうけれど。
もっとも、観月本人に言わせてみても、「この寒い季節には、体に悪いものが入り込んで苦しめることが多いから」みたいな感じに、本質はさておき結局は普通の風邪やインフル対策と同じような心構えをしていれば良し、みたいなことを言ってくれそうな気もしますね。
そんなわけで、あったかくして早く寝た方が良いという星花の言葉で綺麗にしめ――られればよかったのですが。
それにしても、
あのすきま風――
どこから吹き込んで
きていたのかしら?
あの押し入れの裏は
お納戸になっていて、
どこともつながって
いないハズなのに――
不思議ですね?
……嗚呼。やっぱりオカルト的な引きが――
うっぶ――
ぶぶぶぶぶ……
にゃーにゃ!
はっちゃばぶぅ〜
ぶっぶう――
んっん――んばばばばっ!!!!!!
ぶぶぶぶぶ……に思わず蜂の羽音を想像してしまったのですが、あさひさんのその可愛らしい赤ちゃん服のせいでしょうか。
さて、それはさておきあさひさん日記ですよ。相変わらず初見では詳しく分からないのは仕方ないとして、なにやら今日の日記には、「何か」を急いで訴えかけているような雰囲気が。いやまあ、赤ちゃんが話そうとしていることなんて大抵が何かの要求ではあるんでしょうけれど、とにかく翻訳部分を。
なんかいる――
おうちのなかにしらないひと……
おにいちゃん!
なんで気がつかないんだよぅ〜
このどんかんめ――
あのみづきはきっと――ほんものじゃないのだっ!!!!!!
……なんということ。
ええ、確かに先日の星花の報告で気にはなってはいましたが、あさひさんの赤さんならではの神秘的生命センスでバッチリ引っかかってしまうとは……「きっと」とはいえ、今の観月が尋常な状態でないことは確かなようで。
あさひさん的に「しらないひと」が観月絡みで入り込んでいる、という状態になっているようなのですが……ううむ。これが観月がちゃんと意図して行っていた事なら、さほど心配はいらないんですけれど、そうでない自体だったとしたら、肌があわ立ちます正直。
「ほんものじゃない」といっても、肉体的にはたぶん観月そのもので、何かに憑依されている状態なんだと思うんですが……あああああ、この情報を得て週をまたぐとはなんということか。あさひさんに責められっ放しのままで観月のことを気にし続けなければならない週末であります。
今日は――夕方から、
久しぶりの雨がふってきました!
リアルHOKKAIDOでは降雪状態ですがトゥルー世界は雨が。この季節の雨は心底冷え込みそうである意味雪の方がって印象もちょっとありますが、その雨絡みでちょっとした面白い出来事が。
お外遊びが大好きな青空ちゃんは、
お天気に敏感みたいで――
おうちの中にいてなかなか
気がつかないような空模様の変化を
よく、真っ先に気づいて教えてくれます。
おお、青空さんYASEI力の中にこんな能力も――というトゥルーのDNAならではという解釈もありですが、これはどっちかというと、ホタが言ってるように外遊びが好きな子なのと、自分の名前も「青空」だからっていうのが大きいのかもしれませんね。ほら、ここんちの子ってみんな、自分の名前に非常にこだわるところがありますし。名が体を現している子が多いのも(吹雪など例外もあるとして)そんなところから来ているのでしょうね。
まあそんな事情があるだとしても、やはり青空の感覚は超1歳児。おかげでお洗濯担当のホタたちが助かることもしばしば――と、誇張とか褒めてあげたいからっていうの抜きで役に立ってそう。さすがは青空だのう。
氷柱ちゃんなんて――
それを見て。
海晴姉様の予報より
よっぽど当たるんじゃない?
って言って――
海晴お姉ちゃんに口を
つねられたりしてるくらい!
うふふ――♥
……その一方、お姉ちゃんであるはずの氷柱はなんか可愛らしい醜態を。海晴姉さん笑顔でえげつないなあ相変わらず。これも大お姉ちゃんの愛といったところでしょう。そしてこのお姉ちゃんの連鎖は、さらに下の夕凪さんあたりに受け継がれるのでした。
さて――ここまでの話はあくまでも前フリであり、メインの話題は、こんな雨の日に発生する「お兄ちゃんお迎え争奪戦」について。そういえば以前にもこういう話をされたことがありましたよね(G'sでだったかな?)
なんというか、こんな幸せな環境で暮らしていたら、わざと傘を忘れてみようとか思ってしまいそうなぐらいですが――そんなお迎えにホタの、
だから――本当はお迎えはいらないの。
でも、そんなこと言ったら
みんなの優しい気持ちが台無しだから――
いつも「とっても助かったわ!」って言って――
お迎えの傘に入れてもらって帰ります。
……優しい家族の中で、さらに優しい愛情をもたらしてくれていたりして。ああもう、ここんち地上の楽園すぎる。1人暮らしの人がこんな愛情に触れたりしたら、なんかもう、どうにかなってしまいそうですよね。
でも――心のどこかで思うこと。
たった1度でいいから――
もし誰もお迎えに来ない日があって、
お兄ちゃんのために蛍の置き傘を――
「はい、どうぞ♥
こんな日のために準備してたんです」
って少しだけ得意な顔で取り出せる日があったら――
楽しいのになって、思う蛍はやっぱりちょっぴり――
欲張りさんでしょうか?
えへへへ――♥
そして優しいだけではなく、しっかりと女の子願望もさらけ出してくれるホタさん、マジ「女の子」としてのバランス取れすぎじゃあないでしょうか。溢れんばかりの母性の中に、歳相応の甘えたい少女の心もしっかりと。
あのね、知ってますか?
男の人のハートは
胃袋でつかめ!!
って――
春風さんに胃袋つかまれちゃう! キュッ☆と!!! ……という危惧を一瞬のうちに抱いてしまった今日の日記のこの文章ですが、まあそれは春風さんに対する思い込みによるものであり、実際には春風さんの家庭的なところがこれでもかというほどに醸し出された、お料理についての日記であります。うん、お料理の仕方について語るときについてくるハートマークは、いつものきゅんきゅんプレッシャーも薄くて安心できますね。というかごく普通に可愛らしいですよ。
で、そこから少々踏み込んできたのが、先の「胃袋をでつかめ」発言。「あ、もちろん――
春風はそんなこと
全然思ってなかったですし――」と、そこいらの女の子が言ったなら、いやいやいやとツッコミたくもなってしまうわけですが、そこはそれ、本質的にとことんピュアな春風さんですからして、それはまさしく言葉通りの意味であることに微塵の疑いも持つ必要はありますまいて。
だって春風は――
ただお料理が好きだし、
家族のみんながおいしい笑顔に
なれますようにって思って
ただ作って来ただけなんですもの!
これこれ。春風さんの基本は、多少夢見がちだけれど、とっても家庭的で優しい女の子なわけですからして。日ごろのきゅんきゅん攻撃のせいで、ついつい色眼鏡で見てしまいがちですが、それとて、その本質のピュアさから来ている行動とも言えるわけです。
で、その傾向は、やはりというかなんというか、お料理に関しても同じ傾向があるようで――トゥルー俺が来てからというもの、「いつも王子様の好みばかり考えてしまって――♥」……と。
(数々の妄想が繰り広げられますが省略)
とか、あれこれ。
――きゅぅぅうううん♥♥♥
今夜は――
春風が王子様のために作る
とっておきのエビフライです♥
あのね、エビって――
とっても♥
精力アップにいいそうですよ?
……はい。いつもの春風さん入りました。ああああもう、お年頃の、そして目の前の俺を「男」として見てしまっている女の子が、「精力アップ」とか言って促すとか! ピュアということは、それだけ一気に桃色に染まりやすいということでもあるというのが春風さんを見ていてよく分かります。いいかげん慣れてもいい時間がたっているのに、この春風さんのきゅんきゅん攻撃を繰り出されるたびトゥルー俺は理性と激しい戦いを繰り広げなくてはならないわけで!
しかしながら……今回のこの日記に関してだけは。
ファイト〜一発!の
タウリンたっぷりなんです♥
だから、あなたのために――
今日はエビフライをたくさんあげましたから、
どうぞ好きなだけ食べてくださいね ♥♥
この最後の5行のほうが破壊力が高かったというか――
ええ、「ファイト〜一発!」って、身振り付きで春風さんが言ってる姿を想像するだけで卒倒するぐらい可愛らしいですし。ああもう可愛いなあこの年上の姉(ひと)!
そしてなにより、最後3行の、シンプルかつディープなインパクトが……ええ、男の子を陥落させる基本にして頂点みたいな、家庭的女の子のベストオブベストともいうべきお言葉。「胃袋でつかむ」の全てがこのセリフに凝縮されているといっても過言じゃないですよね。いつも食べている春風さんの料理ですが、毎回こういう思いを込められて出されているものだと再認識してしまうと、もうその時点で陥落してしまいたくなるような――
うわ〜〜!
サムイサムイサムイサムイ――
う〜〜、
ブルルッ!!!!!
ジューシーサムカワ的な語感だと思わず感じてしまいましたが、それはさておきあの立夏すら寒がらせる11月の気候恐るべし。「いきなりサムスギでしょ、コリャア――!」と、なにやら印象に残る言い方も立夏的ではありますが、確かに今年は秋と呼べる期間が短げで、立夏の言うこともうなづけます。
あ、
まだコート出してないの、
立夏だけで――
蛍ちゃんにすっかり
怒られちったんだけどサ♪
――テヘヘッ♥
などと思ってたら、さすが立夏という事実もまた明らかに。まあ、まだコートがなくても日によっては全然大丈夫という気もしなくは無いんですが、道民である俺の感覚をトゥルー関東圏に適応できるかは微妙なところ。
ともあれ、寒さにわめく立夏もかわいいなあとか思っていたら、「リカのかわいいドリョク」と自分の可愛らしさに自覚的な立夏さん。この子はなんというか、自分のことを卑下したりコンプレックスを抱いたりする部分がないわけではないんですが、それを表にあまり出さないパワフルさがとにかくありますよね。
しかしながら、とにかく寒がる立夏を見て、いくらこの季節だからってと軽くいぶかしんだところ、
オニーチャン!
もう、そんなところに
ツッタッテないで――
カワイソウにこんなに
こごえてる立夏を、
ぎゅううぅぅ――っと♥
ハグしてよぅ♥♥♥
――っと♥
あ〜〜、あったかい♥
……ハイパースキンシップが待ち受けておりました。ああもう、この子ってば、無邪気に甘えるだけじゃない年頃の女の子だってのに、この無遠慮な甘えっぷりは反則ですよトゥルー俺の理性的に。ああー、立夏があったかいと思う以上にトゥルー俺がいろんな意味で発熱しそう。そのおかげで立夏もまた実にぬくぬくできそうという好循環。……そのうちオーバーフローしてしまいそうですが!
「この寒空にミニスカでムキダシのふとももにはタマラナイっす♥」と、むしろこちらがムキダシのふとももタマラナイっすと破顔してしまいそうなわけですが、さすがは立夏、たぶんこの寒さになるまでヘソだしルックすら着るレパートリーに含まれてしそうな気が。とにかくお肌出さなきゃっていうノリは、トゥルー家族の中でもこの子特有ですよね。
まあ立夏の場合、体つきがとにかく健康的で――端的に言ってしまうと、肉付きがよいため、その分あったかいだろうなという失礼な想像もしておりましたが、
これでダイブ
あったまったら――
今度はキッチンに移動シテ、
レッツカロリー補給だっ!!
こんな時には糖分とアブラモノだよね、
ヤッパリ――うん♪
リカの希望は極甘の
カラメルシナモンクリームラテと――
フレンチフライだ!
レッツ、ハッピー、クッキーング☆
……失礼どころか、事実そのものでありました。
なんというお肉製造機っぷり……! いや、冬はただでさえお肉を蓄えやすい季節であり、立夏もふだんからわりと苦しんでいるというのに、この懲りなさはある意味頼もしいぐらい。しかしながらこの勢いだと第2期タイトルがべびプリ増量中とかになってしまいそうです。ああ、みっちゃん……オマエを超える逸材がここにいるのだ……!
蛍お姉ちゃんたちにみつかる前に――
こっそりキッチンで作っちゃお♥
……と、こっそりお菓子作り能力の片鱗も見せてくれたり。自分が食べたいって意欲があるので、あんがい立夏はお料理適正があるかも知れませんね。……全部自分で食べてしまうかもですが。
……
うっぷ。
まだ――
胸焼けしてる
気がするな。
開始早々「うっぷ」とか言ってしまう霙姉さん……もうすっかり食いしん坊キャラが定着してしまいました。もちろん女の子で食べるのが嫌いな子なんてそうはいないでしょうけれど、霙姉さんの場合、そのキャラ付けとして非常に大きな影響があるというかなんというか……とにかく、これはこれで魅力的な霙姉さんの一面、ってことで済ませておくべきかなあと思ったり。
さて、そんなリアクションではありますが、いつものように餡子絡みのことではなく――どうやら先日の、立夏のお夜食フレンチフライが原因だったようで。っていうかやっぱ見つかったんですねアレ。ただ、この様子を見る限り、霙姉さんだけが目ざとく見つけたって雰囲気ですね。……これは、鋭い次女としての面と、食いしん坊キャラとしての両方の部分が発揮されたと見るべきでしょう。あらゆる意味で侮れなさすぎるキャラです霙姉さんもうすっかり。
まあ、この光景自体はなんだか微笑ましいものなんですが……
いくら寒いときのカロリー補給って
言ったって――
1キロ入りを全部あげてしまうのは――
多すぎだろう?
……さすが立夏は格が違った。いくら立夏だからって1キロという単位からは雌豚呼ばわり目前と言わざるを得ますまいて。おやつってレベルじゃねーですよこれ!
そしてそれにつきあう霙姉さんも霙姉さんですが……まあ、トゥルー俺含め3等分したとしても、300g以上は一人頭で消費しているわけで。餡子ならまだしもポテトでこれだけ食べてしまうとか、まじ霙姉さん食べる係。完全なる消費者。
そして悪いことに、その後に続くてんぷらたっぷりの鍋焼きうどんコンボ。そういうときに限ってそういうメニューが来るんですよねー。少なくとも素直に申し出ていればそんな過酷なメニューは回避できたでしょうに。……立夏はもしかしたらケロっとしてるのかも知れませんが、少なくとも霙姉さんはグロッキー。……これが餡子だったら大丈夫だった可能性もありますが。
こうなったのには――
オマエも、
責任あるんだからな?
立夏と一緒になって
大騒ぎで――
ポテトを作ったりしただろう?
……あろうことか、こちらに責任を問いかけてきましたよこの人! いや、そりゃあ止めなかったという点の過失はありますが、明らかに食べた自分の自己責任であるところを攻め立てるのは、やはり姉という立場の特権ですね。ああ、悪くない、こういう姉立場の振りかざしはとても悪くない……! という喜びに軽くですが震えておりましたら。
責任とって、
この胸苦しさを――
なんとかしたらどうだ?
押したり、さすったり――
してみるか?
ああ――
別に多少見られることなど
気にしないぞ?
そんなことは、
この宇宙の塵のごとく
小さく些末なことだ――
……ご褒美的というかなんというか、嬉し恥かしイベント来ましたよこれ。……ええ、小説版でのナチュラル・ボーン・スタイルで陽太郎の意識を轟沈させたお人ですからして、そういうのまったく気にしてなさそうなんですよこの人ってば。……この男というのを意識しないというのは、きょうだいだからという以上に、霙姉さんの性格というのが大きいわけですが、こういうわりと強めのスキンシップをわりと取りたがるというのは、単に反応が面白いからなのか、無意識の内に男の子を肉食的に弄ぶ欲を抱いてしまっているのか――まあ、どっちでもトゥルー俺は悩乱モノですが。
あのね、
あのね、
お兄ちゃん――
あのね。
……
これ、ないしょなの。
……いきなり「ないしょ」と持ちかけてくるさくら! ああもう、この「あのねあのね」がいきなり可愛らしすぎるなあと興奮状態に陥ったわけですが、しかし一体なんなのでしょうか。
もっともさくらの場合、困ってたりするときはダイレクトに態度に出るので、すなわちこの書き出しの時点で、特に心配のないご機嫌状態であることがわかるので、それもまた俺の幸福度を高めてくれているわけです。
もちろん、さくらの言うことならなんであれ耳に全てダイレクトインする以外の選択肢がないわけで、さっそく耳を貸そうとしてみましたら――
あのね――
お耳か〜し〜て!
……
こしょこしょこしょこしょ――
……
うふふふっ――♥
くすぐったい?
――俺のさくらが小悪魔っぽい行為を俺に!
な、ななな、なんということでしょう――いやまあ、虹子をはじめ、幼児組でも誰もが十分に小悪魔・悪女属性の片鱗を持ち合わせているトゥルー家族ですが、よりにもよって一番子供らしいさくらに……い、いや、さくらにだってけっこうそういう兆候は見られましたけれど、こうしていざダイレクトに攻撃を喰らうと、これはまた……強烈です。ああもう、こんなにも儚い小悪魔にどう対処したらよいのでしょう。かわいいかわいいと撫でまくり攻撃ですか? ええ、さくら自身もこういうのが苦手って言ってますから――って、
でも――
お兄ちゃんに――
しちゃった!
いたずら♪
えへへへへ――♥
さくらのいたずら、
おもしろい?
お兄ちゃん♥
――負けました。
……本当、ここんちの子は、5歳未満のうちから女としての部分が完成されすぎやしませんか。こんなん! こんなんされたら、男なら大抵誰でもコロっと行きますってば! ええ、子供らしくて可愛いというのを通り越した何かが! なんというか、さくらが成長したら、虹子とタッグでとんでもない妖艶コンビになるのではないかと今から楽しみすぎです。
……とまあ、このような甘く刺激的すぎる前戯はあくまでも前フリで、なにやら本題があるようで。
あのね、観月ちゃんが――
へんなの。
よるね、ねんねするとき――
おめめが――きらりんって。
ひかってるの。
それと――なんか――へんなにおい。
おいものてんぷらのにおい。
観月ちゃん――おびょうき?
さくら――どうしよう。
うえ――――ん……
……ああ、やっぱり自然回復はまだしていなかった……。
こないだの一件以来、観月だから大丈夫かなと思いつつも、やはり心配な奇行がまだ終わっていないとなると、やはり何らかの対処を考えないわけにはいきませんね。
「へんなにおい」にちょっと反応してしまいそうでしたが、要はコレ、油の匂いですね。……油を舐めてるアレなんでしょうか。狐つきとかでもこういう行為が見られるのか等、かなり心配になって来てしまうんですが……やっぱキュウビの仕業なのかなあ。ほらこないだ、キュウビの嫁探しって話がありましたから、それが絡んでいるの……かも? 直接のきっかけはこないだの一件なのかもですけれど。とにかく、詳しい事が知りたいと思いつつ、土日を挟んでしまうと言うもどかしい状況です。
あのね――
にじこね――
しってるんだから♪
「夜の挨拶」!!! 虹子の口から飛び出すだけでなんともドキドキな単語になってしまうというこの二歳児の神秘! ええ、基本汚れているうえに虹子という子の放つ色香にメロメロな俺たちとしては、この組合せに即座にいけない妄想の翼をはためかさずにはいられなくなります。
――ええ、要するに虹子が「こんばんわ」の使い分けを覚えたと言う話なのですが。二歳ですからね。そりゃあちょうど今覚えるぐらいでちょうどなぐらいなんですが……そんな幼い子に対し、右往左往してしまう俺たちの業深きことよ。
こんばんわを言う必要のない、暗くなったらすぐおうちに帰る偉い子の虹子ですから、それを覚えるのは最近になってからということなのですが、この子たちに関しては、普段の喋りが流暢すぎて、まだ言葉を覚えている最中の段階ってことをついつい忘れがちに。
しってる、しってる、
しってるんだも〜んっ♥♥
えへへ――
にじちゃん、すご〜いっ!!
まあ理屈はさておき、この虹子のはしゃぎ方が俺を幸福にしすぎてくれるので何も問題はありませんが。
さて、普段は早く寝てしまうであろう虹子ですが、それでも次第に、夜になったら出会うものを着実に学びつつあるようです。以下に並べますが――
それはね――
おつきさまと
おほしさま!
それから――
よるごはんと
みぞれちゃん!
それからそれから――
おばけとふくろうと
おおかみおとこ!!
こ、わ〜〜い♪
おお、こわいもののラインナップ……って、霙姉さんが挙がってますがな。お、狼男と同列……いやまあ、霙姉さんと並んでいるのは「よるごはん」ということで、そっちとこっちは分けて考えるべきだとは思いますが! お月様を怖いと虹子は思ったりしないでしょうしね。……つまり霙姉さんは「よるごはん」と同列。うん、ますます食いしん坊キャラが定着中。
それはさておき、普通の女子がやったらあざとい「こ、わ〜〜い♪」というリアクションですが、こと二歳児である虹子が言うのであれば、そこにはなにも作為的なものなどない、ごく純粋な可愛らしさとして認識が可能です。そのくせその効果は普通の女の子が男を陥落させるために行うとき以上の破壊力なのですからして虹子ってば女の子としてはチートすぎる存在ですよね。
あ、あとね――
よるのおにわにはね、
にゃにゃ〜んって。
ねこちゃんも来るの!
にじしってるの。
にじってすご〜い♥
NEKO! もしやいつぞや、さくらがひろってきたアイツでしょうか。元気で生きてくれていたならなによりです。まあ、それ以外でもトゥルー家の庭にはNEKOやら虫やらクリーチャーやらが跋扈しているのかも知れませんけどね。
もうすぐ――
展覧会!
今日は学校で、
図画工作の時間が
あったから――
みんなで作品の
最後の仕上げをしました!
む、展覧会なる聞きなれぬ単語が登場。絵のコンクールは麗絡みでありましたけれど、こちらはどうやら学校で行う催しのようですね。「みんなで」って表現からして、夕凪さんのクラスでも、それぞれの作品を作っているというところでしょうか。ううむ、図画工作という授業の響き、なんだか今にして思うと非常に心惹かれるものがあるなあ。
ともあれ夕凪さんももちろん作品を創り上げていた模様。勉強は苦手でも、こういう面白いことに関してはいかにも乗り気になりそうなイメージですが、やはりその通りのようで――
夕凪の作品のタイトルは――
ズバリ!!
「愛のマホウ」!!!!
ウフフフフ――♥
すごいでしょ?
タイトルからしてまさしく夕凪さん。しかしながらそれは、わりと本格的な焼き物のティーカップのようで。……そういや自分もこのぐらいの頃にそういうの作った記憶が。うわぐすりとか塗るんですよね確か。
ともあれ、粘土をコネコネするところから完全なる夕凪オリジナル作品であることを強調されてしまい、俺も夕凪さんにあちこちコネコネ……もとい、感心した次第です。いやむしろ、夕凪さんをコネコネ……すいませんもうやめます。
このティーカップの名前についても説明が。いやまあ、夕凪さんが作った時点でそのネーミングの理由は十分すぎるほどに納得できますが……なるほど、ペアになってるティーカップ。二人でそのカップを使うと
も、あっちっち〜♥の
ラッブラブ♥♥♥
になっちゃうんだから♪
……と、これはなかなかによさげなアイテムじゃあないですか。クラスの女の子なんかには特に受けが良さそうな気がしますね。
とまあ、単にそういうものだとするだけでも良さそうな気もするんですが、そこはやはりマホウ使いの夕凪さん。きちんとマホウ的な根拠も作ったときに仕込んでおいたようですが――焼き物にチョコを混ぜ込んでおいたという、なんだか聞き逃せない発言が。
ちょっと底に穴が開いてるけど――
そんなのは急いで一気に飲んじゃえば
全然気にならないよっ☆
クフフフ――♥
…………いやその。夕凪さん。
さてどうしたものか――夕凪さんのマホウどおり、窯の中でチョコは思い切り蒸発(とけ)てしまっていたわけですが、なんというか……ジョジョが飲む缶ビール状態じゃあないですか。しかもティーカップということは、恐らく熱々の飲み物が前提なわけで。しかしながら、この可愛いクフフ笑いを前にしては――ああ、可能なことだと信じきっている夕凪さんの無垢すぎる心を裏切りたくは無く、さりとて……。
料理は――
キライなの。
……
は?
何よ、
その顔。
バッカじゃないの!
……なんか最近の氷柱は、開始数行でニヤリングが止められない止まらない的なことを電撃的に言い放ってくれて大変すばらしい傾向という気がいたしますが、なにはともあれ氷柱に料理! ……なんだか実にいい組み合わせですよね。この子の性格とかキャラとかを考えるとそれだけでもうある意味黄金の組合せというか。
とまあ、そんなニヤけがさすがにトゥルーを隔てても思い切り伝わっていたようで、それに対する言葉というのが――
勘違いしないでよね?
決して
苦手――
なわけじゃあ――
ないわよ?
ただ――
好きじゃないだけよ。
……王道。こ、これほどまでに王道テンプレ的なリアクションが帰ってくるだなんて……! ニヤリングを通り越してある意味感動すら。ああああもう、どこまでこちらの期待に忠実に応えてくれるんですかこの子ってば。
一応もっともな説明として、この家でわざわざ氷柱が料理をする必要がないということを持ち出す氷柱。ええその通りなのですが、それが本質的な理由にはなりませんよね、とわざわざ追求したりしないようにするのが、氷柱にとっての優しい下僕という名前のお兄ちゃんの務めであることは改めて言うまでも無く。
さて、そんな言い訳を重ねるのも、だんだんいかにも辛い感じになってきて――キレたでござるの巻。ああもう本当、どこまで期待通りなんだとむせび喜ぶわけですが、その理由というのが更に更に――
……
んもう!
やんなっちゃう!!
小さい頃から
コレやっちゃうの
わかってるのに、
なんで春風姉様と
蛍ちゃんはいつも――
私に大根下ろしを
言いつけるわけ!?
今日もまた指が
絆創膏だらけになったわ……
……ああ、もうね。なんというか、その絆創膏だらけになる理由も、ホタたちが任せたくなる理由も、なんとなく全力で分かってしまうと言うか……。氷柱の直情さと生真面目さから、こういうついつい熱が入ってしまう作業というのは、いかにも似合いまくりであり、しかして指までおろしてしまうというのも大いに頷ける話。しかしこのように危ないうえに衛生的にも問題があるので、もっとこう、すりこぎとか比較的安全なものを任せてあげたいところではあります。……間違っても包丁仕事とか任せられないなあ。この危なっかしさが本当いとおしすぎです。
……
ふん。
でも――まあ、いいわ、べつに。
オトナになったら――
下僕がごはんを
作ってくれれば
いいんだから――
……で、いとおしさ方向でさりげなく核爆弾を落としてくれるわけですよこの氷柱って子は。なに、その……なんだ、生涯いっしょに過ごして氷柱の面倒を見てあげることが氷柱の脳内ではごくナチュラルに確定気味――っていうか、それ以外の状態がそもそも思考の中に入っていませんか。あああああああああこのお兄ちゃん大好き妹は!!!
この発言、女の子としてもう一直線に、という類のものではなくて、もっと幼い、妹的思考から来ているものだと思うんですよね。とにかく下僕なんて言い方をして自分のものとして縛り付けているこの子ですから、本当になにも意識していない素の言葉なんですよ。ああもう、精神年齢ならぬ妹年齢としては夕凪さんと同じぐらいにピュアですこの子。どうしよう。愛すしかない。
ふわぁ〜〜。
……
コン!
コンコン!!
この前からずっと気になっていた観月本人がついに日記に! ……とか思ってたらなんか超露骨にコンコンしてる――!? なんというか、あまりにも露骨すぎて、めその背中のチャックを見たかのような気分になってしまいましたが……「コンコンコンコンコン――
コーンッ!!!」と更に咳き込みは続き、あわわわわどないしようとトゥルー俺パニック状態。
……
やや――
風邪かの?
奇妙な咳が
出てしもうた。
気にするな――
コンッ♪
……とか思っていたら、なんだかごく冷静な反応が。ええ、この反応を見る限り、ごくごく普通の観月……っていや最後がアレなんですが、たしかに先日からの一連の状況がなければごく普通に風邪ぎみな状態とも取れるわけで。
しかしながら、あれだけ思わせぶりな流れの中、これほど露骨にコンコンしてくれているというのは……ううむ。さすがに何かあると思わないわけにもいきません。
とはいえ、この明らかに何かありそうな事態に際して、トゥルー俺がどうすべきかというと……そもそも何もしようが無い気がすごくしますし、なによりこの状態が何か風邪以外の異変であるとして、観月にとって危険なことなのかどうかというのも重要なポイントなんですよね。
観月のこの反応だけを見れば、実は先日からのおかしな様子に、自覚症状はないんじゃないかって感じがして、それだとちょっともしかしたら危ないかなという気もするんですが、観月のことですから、自覚はあって(むしろ自分から何かしていて)それでなおすっとぼけているということも考えられなくは無く。
……とまあ、気にしてみれば本当キリがないわけですが、やはり打つ手なしというのが正直なところなので、おとなしく様子を見守るしかなさそうですね。風邪っぽいのも確かな気がしますから、とにかく安静にさせつつ。……油とかあげたら喜ぶんだろうか今の状況だともしかして。
風邪が流行って
いるようですね。
主に鼻と喉に
症状が現れる
風邪のようです。
キミは――
大丈夫ですか?
この季節になるとこの小さい子の多い家では気にせざるを得ない話題が出てきました。ええ、リアル&トゥルー俺ともども気をつけなければなりませんし、そういう意味で吹雪の気遣いは心に刻み込んでおくべきでありますが――やはり今気になるのは、先週風邪ともキツネの鳴き声ともとれるセキをしていた観月の一件。
さっそく吹雪もそれに触れてきていますが――症状からして、ただの風邪、と断定気味。う、ううむ、確かに吹雪ならば、そういうオカルト的なことは考慮の外でしょうしね。
ともあれ軽めとはいえ、風邪の症状そのものは出ていたようなのですが、それよりも――
心配した蛍姉と
春風姉が――
観月のリクエストで
油揚げのたくさん入った
うどんを煮てやったら。
ひどくよろこんで
小食な観月にしては
4杯もおかわりをして
食べて――
……ま、またあからさまに俺たちを惑わす情報が……。いや、それ明らかにおかしいと思うんですが、そういうオカルト的な疑念を抱いておらず、そもそも大食いの多いトゥルー家ですからして、そういう大らかな認識で済まされてしまうのもやむなき話ではありますね。しかしそれにしても、本当に露骨なまでに……
ともあれ、その疑念はますます強くはなりつつも、元気そのものは取り戻せたようで、それは本当になにより。
それに絡んで、吹雪が語るインフルエンザの話題。……どっちかというと、吹雪的にはこっちを語りたいっていうのが今日のメインみたいですね。
常に進化を続けるウィルスたちに
人間が追いつくことはきっと
ほぼ不可能でしょう。
永遠の追いかけっこです――フフ。
あのように微細で単純な生物が――
持っている進化の力は素晴らしいですね。
……ふ、吹雪が怪しい笑い方を……。いや、リアクションの少なめな吹雪ですからして、こうして嬉しそうに語っているのを見られるのは実に嬉しい事なんですが、喜んでいる対象が少々物騒なのが気がかりであり。いやまあ、純粋な研究対象なわけですから、そういう観点はそもそも必要としていないんでしょうけれど。ええ、語るだけなら別に何も心配は――とか思っていたら、
そう思ったら、
そんなウィルスをつい、
この目で見たくなって――
見てください。
この小さなビンの中に――
観月がおそらく
感染していたであろう
ウィルスを捕獲しました。
なんか危なっかしいかもしれないことを実行しておられますよこの子!?
いや、別に、ウイルスを捕獲っていったって、一緒に住んでいればごく普通にそこらに舞い散っているであろうものですから、改めて捕獲しただけで危険と思うのも変なのかもですが……なんというか、吹雪ってば、こと研究意欲をかきたてられると、わりとアクティブな子になりますよね。少々マッドサイエンティストの素養の片鱗が見えたかのようで、いくらか心配ですが――
この半透明の乾きかけた
液体の中に――
どのくらいの数の
ウィルスがいることか――。
接触したら――
観月と同じ風邪にかかること
確実です――
試してみますか♥
……い、いや、からかって言ってるんだってことはわかるんですが……!
しかしながら、今回の観月の症状は、ちょっと普通のウイルス起因のものだとも思いにくいので、そういう意味でも危なっかしさがひとしおでありまして。……吹雪までコンコン言い出しちゃったらどうしましょう。
冬になるとやって来る
女の敵!
それは――
やはり長女なだけあってこの圧巻の19人姉妹の中でも一番の雌オーラを放っておられる海晴姉さんがなにやら心の叫びばりに「女の敵」を説明しはじめておられる! ええ、ここんちの姉妹は19人もの女子空間で過ごしているだけあってみんな女子オーラは高いって思うんですけど、そんな中でもやはり海晴姉さんは、オトナの女性でもあって別格な感じがしますよね。……ええ、ここで「年の功」などという表現をしてしまう愚行はもう犯しませんとも。……はっ、つい書いてしまっている。
などという枕言葉的なやりとりはさておいて、まずあげられるのが冬の寒く感想した空気。「これはみーんな、お肌の敵!」と可愛らしくも女子オーラ漂うお言葉ですが……次点の脅威としてあげられたのが、立夏を彷彿とさせる食べ物絡み。
……な、なんか、ラテだのチョコだの焼き芋だのと全力でおいしそうなのを言いまくるその様子は、ホントに立夏顔負けって感じで、この人があの子のお姉さんなんだなあというのを改めて認識。
なんというか海晴姉さんって、そのノリノリなお姉さんキャラの裏に、非常にいろんな顔を持っている人って感じですよね。具体的には、この姉妹全員に通じる何かを持っているというか……正しく言うなら、海晴姉さんが持っていた要素を、妹はみんな何かか受け継いでいるというか。そんな中の一つが、このスイーツ大好きでも太るー的な顔なんじゃないでしょうか。
ああ――もう!
こんなのすべてみーんな揃って
スーパーカーボハイカロリーの
ボディラインの敵!!!
ほんと、つくづく思うけど――
冬って自制心が試される
季節よね。
……とまあ、同じように叫びつつも、なんだかんだでちゃんと自制心が働くのが、海晴姉さんがオトナであり長女であるがゆえんってところでしょうね。お天気お姉さんとしてテレビに出る以上、脂肪増量はちょっとシャレになりませんから。いや、オトメなら誰でもそうなんですが、仕事が絡むと社会人としての責任問題ともなるので。遊びじゃありません海晴姉さんの場合。
そんなところで、ふと海晴姉さんの社会人らしさに思いを馳せてしまった次第なのですが、最後に残った敵というのが――静電気。ああ、これは全人類に共通する敵でありますが――
残念ながら私はけっこう静電気体質よ。
キミは静電気体質じゃないといいな♥
だってそうじゃないと――
真冬に抱き合ったりしたら。
バチバチバチーッて
火花チラしちゃって
困っちゃうもの。
寒い季節だからこそ――
ハグくらいたーっぷり
いっぱいしたいわよね?
ウフフフ――♥
……なんだかんだで結局、トゥルー弟をお姉さん的にからかうことも忘れない海晴姉さんなのでした。いやいやいや、むしろ静電気のせいでハグがより密着モードに、などと思っていても言い出せないのが弟クンの姿であり、そんなトゥルー俺を見てますます海晴姉さんのスキンシップやらハグやらが過激になってしまうのでありました。
べびプリ日記への感想や、誤字・ミスの指摘などございましたら、こちらからどうぞ。(返信)
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