今日は――
都民の日で、
幼稚園はお休み。
ふん。
つまんない!
おお、のっけからアントワネッティズムを発揮しておられるマリー日記! というか、トゥルー内にも都民の日はバッチリ適応されているんですね。リアル道民としてはなんともいいなあと思うわけなのですが、マリーとしてはご不満な模様。基本的に幼稚園に行くのが好きで好きで仕方ない、恐らくトゥルー家族内でも最もリア充度が高いと思われる真璃ですからして、それもなんとなく頷ける話ですが、「都民なんかじゃない、パリジェンヌなのに」発言がなんとも微笑ましく。
基本、内面が極めて大人びつも、表面的な部分はごくナチュラルに歳相応なマリーとしては――
あーあ。
久しぶりによく
晴れた秋の園庭で――
マリーの大好きな
トンネル滑り台で、
思い切り遊べる――
と思ったのにな。
つまんないつまんない、
つまんない!
つまんないったらつまんない!!
ああ――もう!!
つ、まんないぃ〜〜!!!!!!
……とまあ、これほどまでに率直に子供らしいわがままリアクションをも見せてくれるのであります。ああ、だだをこねるマリー、新鮮――というほどでもないのかもですが――で可愛いのう可愛いのう、と涎を垂らして慈しまずにはいられません。
しかしながら、そんな子供らしさを微笑ましく思っていたら、さらりとその幼児らしさを凌駕した一面を見せてくれるのもマリーの醍醐味の一つでありまして――
だから――
ウフフッ♥
ね、私の愛しいフェルゼン――
ね??
いいでしょう?
こんなに――
あなたのプリンセスが
退屈しきっているんですもの。
もちろん――
教えてくれるわよね?
……はい、この妖艶かつ迫力のある迫りっぷり。マリー以外のどの幼稚園児がこんなオーラを放てましょう。はっきり言って、この仕草と言葉で迫られた時点で、すでにトゥルー俺に抵抗できる余地などないわけですが……ど、どうしよう。一体何を要求されるんだろう――と戦々恐々としておりましたら、
フェルゼンだけが知っている
っていう――
夕凪お姉ちゃまの――
ヒ・ミ・ツッ♥♥♥
ああ、やはり例の。「Y」――っていうか、トゥルー俺はやはりプロジェクトに組み込まれてしまったようで。しかしながら、秘密でありながら、なぜ「秘密であること」そのものが暴露したのかといえば、まあ考えるまでも無く、
あら、大丈夫よ――
2人の間に秘密があるってことは
夕凪お姉ちゃまが自ら――
ちゃあんとマリーに教えてくれたんだもの。
はい。まさしく夕凪さん。
まあ、これは夕凪さんに限らず、秘密を持ってるんだよってことは、それが後ろめたいものでなければ、わりと人に話してみたくなっちゃうものではありますけれどね。
そして、それをよりにもよってマリーに話したって言うのは、これまたまさに夕凪さんというか、一番食いつきがいい相手を的確に見抜いた、事態を楽しみたいという夕凪さんの享楽的本能のなせるわざと言えましょう。だってホラ――
ウフフフッ――
秘密ってやっぱり、
素敵な響き♪
妖しい香りがするわ――♥
マリーは秘密ってだーい好き!
特に――他人の秘密をこっそり
知るのは最高♪よね?
嗚呼! 計画主の夕凪さんと同じかそれ以上にハッスルしておられる! そしてこの滲み出るSオーラというか、女の子度というか……もうとにかく、マリーのマリーたる部分がこれでもかってぐらい滲み出たリアクションですよ。
当然、虐げられたい遺伝子(と書いてフェルゼンと読む)を持つトゥルー俺は、そんなマリーに打ち震えざるを得ず――そして期待はもののみごとに、
さあ、とっとと白状して
しまいなさいな♥
いったい――夕凪お姉ちゃまと
2人の秘密の計画ってなんなの?
白状しなかったら――
……
こっぴどいお仕置きが待っていてよ?
は、は、話すわけにはイキマセン!(←期待に潤んだ目を向けて)
夕凪姉から――
頼まれ事をしました。
大変珍しいことです。
夕凪さんと吹雪の絡み! それは確かに珍しい……。いや、歳は近いし同室でもあるんですけれど、基本的に嗜好や性格のベクトルがこれでもかというほどに相反していて、接点が少ないんですよね。そのうえ夕凪さんテンション高いせいで普段から体温高そうですし。一応夕凪さんもそういうところは弁えていて、なるべく吹雪に迷惑がかからないようにはしているでしょうけれど、そのせいでやはり接点はますます少なく。
それだけに、この夕凪さんからの頼みごとというのは、吹雪にとって特筆するほど珍しいことなのでしょう――珍しいってだけじゃなくて、なにやらなんとなく、嬉しそうな雰囲気も感じられるような……? とまあそれはさておき。
途中でダジャレも
言わずに――
あんなに真剣な顔で――
話を聞いてくれるなんて。
おまけに――
お礼にと言って、
お菓子をくれようと
しました。
途中でダジャレも言わずに――これがそれほどまでに珍しいというあたりで、夕凪さんの日常におけるキャラクターが逆説的に分かりすぎるほど分かるわけですが、ともあれ夕凪さんは今回真剣です。吹雪がそう感じるならばまさにその通りなのでしょう。
……とはいえ、その真剣になっている理由というのが、まず間違いなく例の「プロジェクトY」関係だというのが、はたして真剣さに見合う内容なのかといぶかしい思いも抱いてしまうわけですが。いやまあ、たとえどういう内容であれ、夕凪さんはいつだって全力全開であり、すなわち真剣だってことなのかも知れません。
で、ダジャレ以上に真剣さが感じられるのが、お菓子をあげるという、甘いものでできた女の子であるところの夕凪さんとしてはにわかに考えられない行為。いや、がめつい子っていう意味ではなくて、それだけ甘いお菓子とか大好きだろうって意味で。
そのへんは吹雪も、震える手などを見て(そ、そこまで……)察したようで、受け取る事はなかった模様。苦手な類のお菓子だからってことですが、たとえこれが吹雪の大好きなかき氷等のものだったとしても、受け取らなかった……のか、どうなのか。受け取るなら受け取るで、可愛らしい反応ではあるのですが。ちょっと判断が付きかねますね。あれでさりげなくお茶目さがある子ですし吹雪って。
さて――夕凪さんがそれだけ真剣に頼んできたことというのが、どうやら……暗号の作り方らしく。……うーむ、確かに子供の遊びとしても大いに用いられるものですし、吹雪きも頷いているように、夕凪さんが好みそうといえば好みそうなことですね。しかし、それだけ真剣にってあたりで、単なる遊びではない(本人的に)という雰囲気もバリバリ感じられ。
――フフ。
あの、夕凪姉が――
暗号に興味を持つなんて
不思議なような、でも
どこか頷けるような――。
これからは夕凪姉と
暗号解読についての話など
できるのかと思うと嬉しいです。
そしてやっぱり吹雪がうれしそうだ! 普段、夕凪と合う話なんてあまりなさそうな吹雪ですが、そこはやっぱり同じ屋根に住む歳の近い姉妹、なにげない話だってしたいんでしょうね普段から。
とまあ、この吹雪の嬉しそうな姿が見られただけで、プロジェクトY万歳って感じなわけですが、そこはそれ、やはり中身そのものにも興味はあるっていうか、夕凪さんの楽しさにのってあげたいというか。
そこのところを察してか、吹雪がさっそくその暗号で何かを伝えてきてくれたわけで――
キミも――暗号に興味がありますか?
ではキミにも1つ暗号を送ります。
「LMRXSZM WZRHFPR」
私達の仲間にはいるための
秘密呪文、だそうですよ?
フフフ♥
おお、やはり嬉しそうにしているなあ吹雪。この子のためにも、トゥルー家ではこれから、こういう暗号のような遊びをもっと流行らせようと心に誓いつつ――さ、さすがは吹雪というか、まあ暗号っていうぐらいですから、ぱっと見には分からないですねこれ。とりあえず、なんか規則性がありそうなアルファベットの並びではあるので、暗号らしいなとは分かりますが。
……で、この解法ですが、すでにこの暗号の種類は、吹雪自らが話してるんですよね。無粋なリアル俺としては、さっそくその単語でぐぐらせていただき、その解法に基づきあてはめていったわけですが……フヒヒ!
いや、なんというか、秘密呪文っていう概念では明らかにないっていうか……こ、これを吹雪が暗号とはいえ口にしたと思うと、それだけでもう、ニヤニヤウフフが止まりませんよ! もちろん思いついたのは夕凪さん自身なんでしょうけれど、吹雪からしてすでに「私達の」って表現を用いてる以上……あああああああ!
いやもう。ほんと、どうしましょう。とりあえず、どうしても解けなかったという人、解く時間がないという人は、この「LMRXSZM WZRHFPR」という文字列を、こちらのサイトで翻訳してみると良いかと。……ニヤケが止まらなくなるので、人前でやらないように注意です。
街を歩くと――
キンモクセイの香り。
ちっちゃなかわいい
オレンジ色の花が、
あちこちで咲いて――
甘くてさわやかな
匂いをただよわせています。
秋の自然と風情を初々しく語るユキ! 「ちっちゃなかわいい」って表現は、花よりもむしろユキ自身に当てはめたい気持ちでいっぱいなトゥルー俺ではありますが、このような感覚をユキが愉しんでいると思うだけで、もう満足ですよ。
いやなにせ、今まで外を歩く事もままならなかったユキが、ごくごく普通に、こんな感覚を味わっていられるというのが、なによりも幸福なことでして。「普通」に勝る幸せはなし、とユキを見てつくづく思うのです。
学校の帰り道、
ちょっぴり下を向いて
ユキが一生懸命に
歩いていると――
どこからか、
甘い香りが
してきて――
すう――って。
胸一杯にすいこむと、
とーってもとーっても――
いい香り!
……ねえ? 「学校の帰り道」とか、「一生懸命に歩いていると」とか、このへんの単語だけでも心の琴線を刺激されてしまうわけですよ。そしてこの香りを吸い込む仕草――これを想像しただけでもう。もう。これだけで「とってもすてきな気持ちになったユキです♪」とのことですが、この日記を読んだ事で、そっくりそのまま「ユキ」を「トゥルー俺」と入れ替えてもOKです。とにかく――とってもすてきなユキだったわけで。
さて、そんな何事も無い幸せな日のメイン話題は、二期制につき、今日渡された通知表について。……こういうありふれた学校生活の光景も、ユキにとっては心から叶えたい夢だったんだろうなあ……。「良い」がいくつもらえるかを気にしているようですが、もう体育含めて全部「よい」に決まってるでしょう、と兄バカを隠す気すらございません。当然、全力で褒めてあげる方向で。ええ、本当に頑張ったんですからね。
……とまあ、通知表の話が出たわけで。ユキについては健康面以外なにも心配はないわけですが……ええ、小学生組としては。その……いくらか気になってしまう子が、なんというか、一人。このところ某プロジェクトに御執心なあの方のことですが……いやまあ、さすがに小学校の成績ですから、そこまでシビアなことは……むしろ、「もっと落ち着きを持ちましょう」とか書かれているのではないかと心配だったり。悪いところだけじゃなくてもっといいところも見てあげてよ!……と、読む前から反論の準備をしてしまうあたりがいくらか悲しく。
今日は――
小学生の子達が
通知表をもらって
くるっていうので、
もう――
大騒ぎ!
通知表の日だとは知ってましたがそれよりタイトル! タイトル! 一行見た時点で海晴姉さん特定余裕でしたが、通知表という単語でこれほどまでにドキッとする響きをもたせてくれるあたり、さすがは海晴姉さんという他ありますまい。
まあ、そんなタイトルはさておき、とりあえず本日のメインは小学生組が貰ってきた通知表であり、それを保護者立場で受け取る海晴姉さんなわけで、この日の日記を担当するのは大いに頷ける話であります。
海晴姉さん自身も大学で成績表をまだ貰っている立場であり、さらに仕事場においてはもっとシビアに評価が下されているわけなのですけれど、そういう身からして、小学校の通知表というのは、(一部懸念はありつつも)ごくごく穏やかで心休まるものなのかなあ……って思っていたんですが、
ウチの妹たちは
みーんないい子達
ばっかりだから♥
もちろん――
「よい」ばっかりの
通知表をもらってくる子が
ほとんどなのは――
わかりきってること
なんだけれど――
……うん。やはりシビアな心配は全くないようですね。いくら夕凪さんあたりにいくらか懸念があるとはいえ、しょせんは小学生の通知表、そういうところは穏やかなトゥルー家の家風を感じさせます。躾にはうるさくとも、学力にはこだわらないって感じですしね。ましてや小学生時代ならばなおさら。
とはいえ、それはあくまで保護者立場の見方であり、当の小学生組にとってはドキドキものであることには変わりない――というのが海晴姉さん的にはツボらしく。
そんな「楽しい楽しい小学生時代♥」と羨ましがるような前置きをして、海晴姉さんの口から出てきたのはやっぱり――想像していた感じの愚痴であり。とまあ、そのようなストレスを感じた海晴姉さんという人物が、どのような解消法を取るかといったら――
あーあ、つまんないっ!
だから――
お姉ちゃんも
欲しいなっ♥
オトナの――
通知表♪
……ええ。ええ。海晴姉さんはときに、このような可愛らしい稚気を見せてくれる女性なわけでして。っていうか、普段の言動もお姉ちゃんらしくはありつつも、その溢れる茶目っ気が、ある意味常に稚気を帯びているという印象をも与えてくれるとは言えるかも。
そんなわけで、いつものノリといえばいつものノリなのですが――まあ、「オトナの通知表」という言葉のアダルティな響きはこの際おいておくとして、なんというか……やっぱ、トゥルー俺の存在が、あらゆる意味でこのヒトの癒しになっているのだなあと、なにやら面映い気分であります。
まあ、そういう認識はあったとしても、弄ばれモードでもあるっていうことは変わらないわけですが――
項目は――そうね。
その1、妹たちにとってよいお姉ちゃんであったか?
その2、いつも笑顔でお仕事にあたり、少しでも――
世の中を明るくすることができたか?
そして、その3。
たった1人の弟にとって、優しい――
大好きなお姉ちゃんであったか――
ね、点数つけて?
平均点が80点以上だったら――
お姉ちゃんもなにかごほうび欲しいな〜♥♥♥
……この、項目自体は、まあいいとして。この明らかに高得点以外をトゥルー俺が付けられるはずもない(たとえどれだけ客観的に見ても)項目で、あろうことか「弟クン」から「ご褒美」を要求する――ああ、いつもにも増して弄ばれモード、と受け取ることももちろんできるわけですが。
ここはやはり、その表面的な「(対トゥルー俺時の)海晴お姉ちゃん」モードのみならず、もうちょっと奥底にある、何かに寄りかかりたい1人の女の子としての部分も、それとなく気付いてはおきたいなと思う次第です。
日本全土から――
神様がいなくなって
しまうという――
神無月。
む、観月らしくここにきての神無月話題。日ごろから常にそこらに漂っている不可視の概念を感じ取って語ってくれているこの子ですからして、ましてやこの季節ともなれば、色々と見た目にも慌しいことになっているのでしょう。
そんな観月からふと、「出雲に神々が集まって何をしているのか」と尋ねられ。む、そういえば神様が集まるってことしか知らないなあと思い話を聞き続けると――
フフフ―― ♥
それはのう――
もちろん、
……
縁談じゃ!
縁談♥♥♥
……と、なにやら初耳なことを教えられまして。なるほど、調べてみると確かにそういう説があるとのことで、ましてや直に神様を見たり話したりが可能な観月がいうのですから、これはまさしくそのとおりなのでしょう。
縁結び――と来れば、突き詰めて言えばすなわち「子作り」であり、幼児が語るのはどうか――というか、そもそも具体的には認識できないであろう事柄なのですが、そこはまあ観月だからということで。それでも、「神々だとて、1人っきりで増えてゆくわけにはゆかぬからの」という発言には今でもドキッとしてしまいますが! ハートマークたっぷり使用で、ああもう、どのぐらい具体的に認識しておられるのやら! いや、具体的な部分についてはそっくりそのままワカっていると思うのですが、単に知識として知っているのと、具体的に「実感」しているのとではまたちょっと違う意味あいなわけで、うち後者に関してはまだ――と思いたい兄心でもあり。
とまあ、そんな意味合いのある神無月という月を、観月がどう表現するかというと――
出雲のおおやしろに
お集まりになって、
皆で――
お見合いパーティーを
しておられるのじゃ♪
いや、実に楽しそうじゃのう♥
……ぱ、パーリー……。まあ、言葉そのものはいいんですが、その光景そのものはというと、なにやら『かみちゅ!』みたいな世界を想像してしまいますね。
で、そんな桃色めいた神無月の催しに、あろうことか、自分も参加してみたいと――い、いや、そんな! 「そこに行って狙うのは、もちろん――わらわの婿!」と、想像どおりの言葉が続き、どうやって留めようと反射的にトゥルー兄としては思わざるを得ないところでしたが――
――ではのうて。
もちろん――
このキュウビの婿じゃ!
フフフ――
って、まさかのキュウビ話に! い、いや、そりゃあキュウビもいわゆる日本的神様な存在ですからして、出雲に集っていてもおかしくは無いんですが……ん……? なにやら違和感が……
そうじゃ、もちろん
、
このキュウビは――
かわゆいおなごじゃぞ?
――なんということでしょう。このトゥルー生活の3年目に明かされた新事実。……い、いや、九尾の狐といえばすなわち玉藻前であり、あえて性別を考えるならばそっちだというのはむしろ自然なのですが、なんんとなくキュウビのイラストってわりと男の子っぽいというかなんというかであり――あろうことか、霧賀ユキ先生すらが今日まで男の子だと思っていたというこの事実。な、なるほど、道理で男の子っぽいイメージが。
「そろそろお年頃」というあたりで、キュウビはいわゆる妲己以来のガチ九尾の狐ではなく、もっと年若い眷族の類であることも分かったわけですが……まあ、でなきゃいくら観月とはいえそんな凄すぎるのを連れてたりは……いやまあ、そのあたりはちょっと分かりかねるので、ひとまず置いておきますが。
とりあえず当面の問題は、そんな妙齢のおなごであるところのキュウビさんが「盛って」おられるという事実。いや、火を吹かれたりするのも困りものですが……その、ねえ? もっと直接的な心配というか……期待というか……まあ、あまり具体的なことを言うと、「では」ということであてがわれかねないので慎重な態度でいますけど! ちょっと期待しているとはいえ!
兄じゃも――
なにか良き方法はないものか、
一緒に考えてみてほしいぞよ。
……というわけで、今まっさきに思いついていることについては口をつぐむしかないので、何か考えなければ。……擬人化した姿はどんな感じだろう等等。
きょうね、
おやつのおミカン――
食べてたら。
もぐもぐ――
もぐもぐ♥
のっけからの虹子もぐもぐ! 子供がなにかをおいしそうに頬張る様にほほえましさを感じない大人はそういないとは思うのですが、これがトゥルー家族の姿であるという条件が加わるだけで、そのいとおしさは圧倒的なレベルにまで。ああ、いきなり幸福。
ましてやそれが虹子となれば、単に可愛らしいだけでなく、どこか男心をくすぐらせるところも垣間見させてくれるのでは――という予感を抱いておりましたら。
おみかんの中から、
ちっちゃなちっちゃな
赤ちゃんミカン――
でてきたの♪
かわいいかわいい
赤ちゃんミカン――
まるでちっちゃな
にじちゃんみたい!
でしょう?
うふふふ――♥
あ、赤ちゃん――!? と、この単語に思わず過剰反応してしまうのは、やはり虹子の発言だからということなのでしょうか。
さて、食べてたミカンにちょっとしたサプライズが……というのはいいのですが、これを受けて「ちっちゃなかわいいにじちゃん」と自称してしまえるこの無条件の自身というか風格がまた兄心を特殊な意味でも刺激してくれまして。ええ、そりゃあ全力で肯定しますとも。小さい子ゆえの意識っていうのもあるんでしょうけれど、やはりおませな虹子がいうと、けっこうクるものもありますよね。
ちっちゃくって
フニャフニャの、
赤ちゃんミカン――
……はい。正直に告白します反応しました。虹子の口から「ちっちゃい」「フニャフニャ」という言葉が漏れてしまったのに対して、トゥルー兄でありながら、口に出すのは憚られる類の思考を。
そんなギルティなトゥルー俺が猛省しているのをよそに、すっぱいにじミカンをみごと完食。さすがは虹子と思いつつ、さらに中から出てきた種に虹子さん大反応。
あのね、にじちゃん、
しってるのよ♥
お花はたねから
生まれてくるの。
だから、たねは――
お花の赤ちゃん!
「た、種ぇ……」……い、いや、さっき猛省したばかりなので、そちら方向の思考は自重するとして。いや、確かにこの年で、種子のはたらきをちゃんと知っているのは本当にえらい、すごい。
さっそくその種をまいて育ててあげたいようですが……このあたり、おままごと的というか、赤ちゃんを育ててみたいという女の子ならではの欲求がストレートに出てるみたいですね。虹子は以前にもあさひの面倒を見てあげたがってたぐらいですし。もちろん、なったミカンをたくさん食べたいという気持ちも、本人が言ってるとおりあるんでしょうけれど。
にじちゃんたのしみ――♥
おミカンいつできるかな?
あしたのあしたのあしたのあした――?
そして、歳相応――なのかはさておき、ひたすら子供らしいはしゃぎ方をしてくれる虹子もガチ可愛すぎて至福なのです。
うんどうかいは――
いっとうしょ!
そらのいちばん♪
いっとうしょ!
まだ運動会という年齢ですらないにも関わらず運動会というイメージが確かに青空からは漂ってくる! この超アクティブで野外派の1歳児には、本当体を動かすのが似合ってる感じですよね。
自ら一等賞を自称して、さらにどんどん走り回っているこの様子を見ると、まさに超1歳児という感慨はもちろんながら、幼稚園や小学校に進んだら、さぞヒカル顔負けの活躍でみんなのスターになるんだろうなあ……という思いすら抱いてしまいます。
なんか「さくらよりはやい――いっとうしょ!」って言ってますけど、これに関しては、誇張でもなんでもなく、実際にかけっこしてさくらに勝ったんじゃないかって感じですね。まあ、さくらはさくらで、姉妹の中でも特に運動とかが苦手そうですから、いくら青空が相手だからとはいえ、転んじゃったりスタートで怯えちゃったりなどの理由で負けちゃいそうなビジョンが思い浮かびます。
さて、まだ幼稚園にも通ってない青空ですから、これはあくまで運動会ごっこかと思ったら、ご褒美に紅白饅頭を貰ったという発言が。お姉ちゃんの誰かがあげたんでしょうかね。
そら――
せかいでいっちばん、
はやいちび!
……うん。きっとこの表現は、誇張でもなんでもないような――という思いに浸ってましたら、
おにいちゃんにも――
しゅしゅしゅしゅしゅ――っ!!!!!!
どっかーん♪
どりゃ――!
うりゃ――っ!!
とつげき――っ!!!
えへへへへっ♥
つーかまーえたっ!
なんか直接攻撃めいた愛情アタックを喰らいました。な、なんか、わりと本気で痛そうな……とはいえ、たとえ多少痛かろうと、トゥルー兄としては痛いそぶりも見せず全力で受け止めてあげるのが義務であり。いや本当、この無条件にパワフルすぎる元気っぷりを見ていれば、それだけでこちらも元気がもらえるというものですからして。
おにーちゃん♥
そらも――
もうようちえんに
いきたいよぅ〜!!
……とまあ、今日のこの暴れっぷりも、結局のところはこれが根源になるんでしょうね。紅白饅頭をくれた誰かも、そんな思いを汲んでくれたんじゃないかと。
まあ、数年まてばすぐではあるんですが(トゥルー的事情はさておき)……青空みたいな子が家の外で思う存分走り回れる日々……待ち遠しいような、ちょっと恐ろしいような。
逆立ちをすると――
世界がぐるっと一回転!
へ、へ、へ、へ、へーんなの♪
なんだかいきなり底抜けに明るそうな雰囲気――やはりというか夕凪さんでした。
夕凪さんというと、今月は例のプロジェクトY遂行のためにきっと色々やってるのかなあと思っていたわけなのですが、それと関係あるのか――な、なんか全然関係なさそうな雰囲気ですが――逆立ちに興じておられました。
逆立ちとはこれまた視覚的にたいへんなことになりそうなんですが、それに関しては、逆立ちを行う夕凪さん自身の視覚に関しても同じなようで。
こうしてリビングの壁を使って――
逆立ちをしていると。
目の前を通るのは――
みんなの――足、あし、アシ!
お茶を運んでいる――
春風お姉ちゃんのスカートの足、
オヤツを持って自分の部屋に行く――
霙お姉ちゃんのタイツの足、
あんまり音を立てないでそっと歩く――
麗お姉ちゃんのハイソックスの足、
その反対に踊るように元気に跳ねてる、
マリーちゃんのフリフリ靴下の足――
……ううむ、なかなかの絶景。いや、これはあくまで夕凪さんがやってるから微笑ましいのであり、トゥルー俺がやったらそれこそ家族会議というか、そもそも理性が許さないという行為ではありますが。
露出度的にはさしたことではないんですけれど、やはり脚というのは女子の肉体でも実に魅力的な部位であり、さらにはいつもと違う視点でまじまじと見るのにはロマンを感じますよね。
そんな中、さりげに霙姉さんのおやつにまみれた日常生活のワンシーンが垣間見られたのはちょっと面白く。
そのような独特の視点の楽しさを、夕凪さんも堪能しているようで――ええ、まさしく赤ちゃんの視点の高さなんですよね。あさひさんと目があって思わずハートマークも飛び出しつつ、「この高さだと結構目が合うんだナ――」と感心の仕方が夕凪さんらしい言い方でかわいいなと。
新発見♪
あ、さくらちゃんの
パンツみーえー♥
なぁーんて。
詳しく!……って、なーんてって言ってるから、見えそうになっただけとかそういうことなんでしょうか。……って、冷静に考えれば、さくらぐらいの子ならきっと普段からぱんつ全開で見ているような気がするのですがそこはそれ。逆立ちシチュで見えるというところに魅力が。
それはさておき、逆立ちを長く続けすぎると、頭に血が昇るとかで色々心配なんですが――
こんな風にしていたら――
頭にいっぱい血が回って、
なんだか、いつもの夕凪より
賢くなっていきそうな不思議。
スゴイ!
夕凪のカシコイマホウだ――
新ジャンル――
始めました☆
って感じ?
クスクスクス――♥
……なんかその感覚をも大いに堪能しておられますよ。新ジャンルとか夕凪さん面白いなあ。っていうか、このある意味トリップ感をマホウとして堪能できるとか、感心するとともに、それはそれで心配であり――って、言った傍からそろそろ限界が!
ましてやそこに、トゥルー家族の抱えるモンスター・あさひさんが――
だめ、あーちゃん、こっちに来ちゃあ!
そんなヨダレだらけの顔で
夕凪にくっつかれたら――
きゃああああ―――
もう、ダメ、倒れるよう――!!
うわぁ――ん、
夕凪もパンツ丸見えだぁ〜〜〜!!!!
Oh! Good!
……って、喜ぶ前に助け出しますが! プロジェクトYならぬYパンに気を取られつつも!
この前の連休に
幼稚園の運動会が
終わったばっかり
って思ったら――
今度は星花たちの
小学校で!
マラソン大会の
練習が始まりました!!
さすがは運動の秋、運動関係の話題が続くここ数日ですが――ええ、日記を書いてる星花自身もまさしく同じ印象で。ハートマークも乱舞するあたり、さすがは体を動かすのが好きな星花の反応ですよね。外を元気に駆け回って、それでいてマジメないい子の星花。……うん、なんとなく、躾の行き届いた小〜中型犬って感じのイメージが。思わず頭をなでてあげたくなるあたりが特に。
なにせ、マラソン大会の練習ということで、「校庭を12周してきました」とかさりげなくいっちゃう子ですからね。……ううむ、すでに運動から身を引いて久しい身としては、それ聞いただけでなんか動悸が――
さて、そんな風にはりきる星花ですが、マラソン大会の具体的な説明に際しては、「そんなにたいしたモノじゃあなくって」と控えめな表現を。こういうところはなんかいかにも星花って感じですが、まあそれでも、ごくごく普通のマラソン大会ではあるようで。……というか、小学校でマラソン大会って、実はあまりピンとこないんですが、最近だとわりとあるものなんでしょうかね。
それはさておき。マラソン大会の説明がいくらか不満げなのは――
それに――
どんなにがんばっても――
お兄ちゃんには
見てもらえない
とっても残念な行事
なんですけれど――
……
ああ、本当に残念♥
……さりげなく……ってレベル、じゃあないですね。もう、かなりストレートに、アピールを。さっきも言ったように、星花は何かと控えめな子ではあるんですが、本当に主張すべきところとか、三国志などの自分の好きな得意分野、そしてなにより――トゥルー兄への愛情要求に関しては、他の姉妹と比べても、まったく遜色ない積極性を持っていてくれる子なのです。ああもう、この愛と忠に溢れた良妹よ。
そんな星花ですからして、いかにも得意そうなマラソン大会での自分の雄姿は、本当にトゥルー俺に見せたかったことなのでしょう。
星花は夕凪ちゃんや
立夏お姉ちゃんみたいに、
そんなにモトモトの運動神経が
イイっていうわけじゃあ
ないんだけれど――
唯一。
たったひとつだけ――
持久力には自信があるんです!
と言ってるぐらいですしね。……っていうか、「夕凪さんの運動神経が立夏ばりに良い」という意見にちょっとビックリ。いや、確かに動き回るのが大好きなすばしこい子という印象は強くあったんですけど、落ち着きがなさげという印象の問題だけでなく、ごくごく素で運動神経が良いというのはけっこう意外。立夏はまあ、ほら、YASEIなところがあるから大納得なんですが。
ともあれ、歳も近くて一緒にいることの多い星花が言うのだから、身内の欲目(あるいは負い目)を抜きにしてもそうなのでしょう。トゥルー家の子は運動神経いい子はみんな人並み優れたレベルって感じですよね。
さて、あくまで謙虚な自分自身の言葉ではありますが、そんな元から優れた才能を持っているわけではないという星花が誇れる唯一のもの――それが持久力。およそあらゆる運動に必要不可欠な、ある意味それを持っているのは他のどんな才能よりも有利なものだと思う要素ですが……これってもしかして、もともとの素養というよりも、純粋に星花自身の努力と、生まれつきのまじめな性格が培ってきたものなんじゃないかと思うわけですよ。まあ、「努力できる才能」っていうのは、ある意味天賦のものとも言えるわけですが――きっと星花が、もし何かのスポーツを本格的に始めたとしたら。スタートラインは他の才能溢れる子よりは後ろでも、最終的にはきっとトップクラスになれるんじゃないかと、そんな風に思えてなりません。バキで言うなら烈先生すらダウンさせたスモーキンの如く。
そうだ、明日からは――
朝練もしちゃおうかな?
へへ――♥
マラソン大会楽しみです♪
ともあれ。この勤勉な美徳にまみれた愛情が、ひたすらまばゆいばかりです。俺も少しぐらい運動せねばなあ。
お〜じょ〜♪
お〜じょ〜♪
おじょじょじょじょ〜〜〜♥
うぅんばばっ!
うんばっ!!
あっばればばばお――♪
……なんか、「じょじょじょ」という単語があさひさんの口から多く放たれていると、ちょっとある種の心配をせざるを得ないというか……いやまあ、基本的にオムツ着用でしょうから、ひどい被害にはならないのでしょうけれども。
とはいえ、もしおねしょ天国状態になってしまっていたとして、見たところあさひさんの様子はご機嫌そのもの。……この豪胆極まる赤さんのことですから、多少オムツの中がえらいことになっていたとしても、わりと平気で喜びはしゃいでいられるという印象もありますが……とりあえずは翻訳をば。
おばけだぞ〜♪
こわいんだぞ〜♪
かぼちゃおばけの
あーたんだぞ〜〜〜
みてみろ!
ゆうなのつくったおめん!!
かぶってみたら、
ちょうおばけ――♪
……って、よかった。下半身が洪水状態というのでは全くありませんでした。
しかしながら、言っておられることそのものはやはり豪胆というかなんというか……ええ、あさひさんはお面を被らなくともすでにある種のモンスターというか。赤ちゃんはみんなそうなんですけどね。赤ちゃんというのは世界一可愛いモンスターなのです。あさひさんはモンスターの中のモンスターという印象もちょっぴりありますが……
とりあえずハロウィン月ということで、ジャクオランタンを夕凪さんが作ったのをあさひさんが強奪してきたみたいですね。……もしかしたら、先日逆立ちしていた夕凪さんを襲った際に手に入れたものなのではという心配も心をよぎりましたが、まあ実際にはそこらに置いてあったものかな。
夕凪さんといえば、(本人が忘れてなければ)今月はプロジェクトYの準備でおお急がしなのでしょうけれど、このかぼちゃもその一環なのかもしれませんね。
しかしながら、あさひさんの普段のコスプレを思うと、むしろジャクオランタン姿がお似合いすぎるので、ここはひとつ、ちゃんと肌に優しい布で作ったかぼちゃマスクをホタに作ってもらいたいなと思ったり。
本当に大好きな人とは――
全然違うって思うんだけど。
……
でも――
ちょっと――ほんの少しだけ。
どこかは――わからないんだけど、
どこか――似てる気がして。
タイトルの時点で麗の日記だって判断余裕でした!! ……いや、判断ができるってだけで、ヒヤっとするのは同じではあるんですが、さすがにこの数年間で、いくらかこの子の言動にも耐性がついてきまして。
ええ、この子がこういう激情を放つときは大抵、鉄道絡みのお話で――(違うこともあるけど)、そしてこの、明らかにミスディレクションを誘っている日記の書き出しから、その予想が正しいのだろうなという確信めいた予感がすでに。
はい、この恋をほのめかす文章――しかしながら、これが麗が書いたものと知った時点で、「あ、鉄道のお話だな」と判断できるようにトゥルー俺はなっておりまして。そりゃあ出会いの挨拶からして「初恋は105系」(間違いご指摘感謝、とともに麗に盛大に怒られることを覚悟)ですからね。慣れますとも。
なれると同時に、この気難しい子のことをだんだん理解できるようになってきたんだなあと誇らしい気持ちにもなるわけですが――そんな俺の感慨はさて置き、麗のことが心配なので読んでいきますと。
……
本当に別に、全然、
好きじゃない人なんだけど。
そう、それは――天地神明に誓って確実よ。
だからこれって絶対浮気じゃないの。
ただ――ちょっとだけ。
気になってた――
オレンジのよく似合うあの人。
大好きな人にほんの少しだけ
似たところがあって――
ただそれだけの人なのに――
いなくなってみると、こんなに
辛い気持ちがするなんて。
……どういうオチの話なのか分かっていてさえ、ドキっとするっていうか、胸がざわついてしまいそうな、恋する乙女の文章。麗さん、鉄道だけではなく将来男の子の良さに目覚められる日が来たとしたら、もうこの物憂げな語りだけで何人もの男を虜にしてしまうことでしょう。いや、現に今トゥルー俺のドキがムネムネであり。
あくまで相手が無機物とはいえ、こういう思いをしょっちゅう抱いてきた感性というのは、ある意味非常に磨かれているというか――本当、この子が将来、普通に「恋」をするようになってしまったら、大変なことになってしまうでしょうね。いやいや、そんな日はあと数十年ぐらい来なくてもいいんですがとトゥルー兄面を出しつつ。
今朝のニュースを見た私は――
やっぱりちょっと死にたい気持ち。
いくらなんでもスクラップにするなんて
想像するだけでも心がちぎれそう。
……
どうしてか、なんて――
無神経に聞かないでよ?
なんでかわからないような人は――
わたしの兄なんかじゃないわ!
……あ、兄失格発言……。いやまあ、知らないことではなく「無神経に尋ねる事」がダメっていう風にも取れるので、そういうことにしておきたい気分であり。うううっ、いつまでもテツ知識が身に付かないトゥルー兄をどうか許して。
とりあえず、麗の言ってるのはこちらの件のようで。(さざなみ壊変より) ……なまじ知識のない人間が、「そんなことない、その車両はいつまでも麗たちの心で生きつづけるんだよ」としたり顔で言っても、それこそみつどもえの宮下ばりのウザい知ったかとしか思われなさそうなので、沈黙せざるを得ず。あううっ。
なんか――
メガネが――
めっちゃ、
はやってるデショ?
サ・イ・キ・ン♥
クフフフッ――
タイトルを見て何事かと思ったら日記の書き手と序文で全てを理解しまして候! ああ、立夏的にはもう眼鏡=小雨なのだなあ、何の悪気もなくごく純粋に。
とはいえ、いきなりの「眼鏡がはやってる」というのは一体何処で、と思ってしまったわけなのですが、とりあえずは立夏内部でのマイブーム的なものなのでしょうか。こないだタイムリーに久坂さんところで立夏含む姉妹の眼鏡イラストがあったりはしましたが。
まあ、そのようなことは気にしないで感情の赴くままの言動を迸らせるのが立夏という子のいいところ、ということで――
ついに!
小雨ちゃんのジダイ到来ッ
――って、感じ?
WAO〜♥♥♥
いいなぁ――
小雨ちゃん!
立夏も、メガネ
してみたぁ〜〜いッ♥
なんかこう、これを聞いて小雨が戸惑いつつもなんとか笑顔で頷いてみようとする姿が想像できるかのようですが……そのへんはまあ、歳の近い姉妹ということで、きっと慣れっこではあるんでしょうね。小雨と立夏って、性格はまさに真逆ではあるんですけれど、これはこれでバランスのとれたコンビ……なのかも知れません。小雨はこういうノリに押されまくりつつも、その爆発的なまでの明るさできっと助けられてもいるんじゃないかなあ。……と、そういうことにしておきたい兄心。
そんなわけで、さっそくオシャレ雑貨店などで伊達眼鏡チャレンジな立夏ですが――相変わらず立夏のお小遣いは即お菓子を経て体脂肪に変換されてしまっている模様。なるほど、ハロウィンはお菓子の季節でもありますからね。
も、力いっぱいゼンリョクで!
おかし買いすぎちゃって――
も、ゼーンゼンだめ。
おサイフはスーッカリ!
空っぽらっぽの空っぽで――
お金ナイんだもんっ♪
清清しいまでの浪費っぷりですが……ええ、大人になるまでには、ある程度の自粛が可能になってくれることを祈るばかりです。
とまあ、買えないのであれば借りるが吉とばかりに、小雨から借りて装備してみたようです――が。
……
なーんかちょっぴり
チガウ気がするのは――
気のせいカナ?
ねね、オニーチャンはどう思う?
リカ、メガネ、似合ってる?
シシシシシ――♥
似合わないかもと思いつつも嬉しそうではありますが、小雨の眼鏡ってわりとクラシカルなものですから、立夏がたぶん憧れてるであろうオシャレ眼鏡とは、ちょっと違うって感覚になるんでしょうね。
とはいえ、それはそれで可愛いだろうなと、兄バカ心もわいて来る訳ですが、
今日はこのまま
遊びに行って、
ミンナに見せてジマンしーちゃおっと!
ちょっぴりカシコイ立夏ちゃん
誕生なのダ〜
気持ちはわかりますが、きっと小雨が困っていると思うのでできるだけ早く返してあげるよーに、と。……きっとそのへんのことをすっぽり忘れて、長い時間小雨を「めがねめがね……」状態にさせたままにするんだろうなあ、とも思いつつ。
みえない…
みえない、
みえない、
みえ…
ない…
どんだけお約束に忠実な眼鏡っ子なんですか小雨は!!!
いや、昨日のあの眼鏡ジャックを受けてまず最初に心配したのはこれだったんですが、まさか翌日にまで引っ張ってくるとは……ま、まさかあれからずっと眼鏡を奪われたままなのではという心配すらしてしまいますが、まずは小雨のストロングスタイルな眼鏡っ子ならではのリアクションを拝見いたさねば。……ええ、まっさきにトゥルー俺を頼ってくれた時点で、心の中にじわりと広がるなんとも言えぬ多幸感。それをとりあえず堪能して――
――ないんです。
なくなっちゃったんです。
小雨の――
メガネが。
さて、一大事。とりあえず、小雨の視力が眼鏡がないとほぼ何も見えず、いわゆる「めがねめがね……」イベントを発生させざるをえないレベルであることがこれで確認できました。いや、性格そのものといい、眼鏡の形といい、眼鏡っ子原理主義者が見たら今時まれに見る生粋モノだと大喜びしそうな逸材ですよ本当に。
……とまあ、そんな一部のフェチ者の喜びよりも小雨の視力などのほうがよっぽど大事なのでどうでもいい話ではありますが、とりあえずどうして眼鏡がないのかといえば――ええ、やはり昨日の立夏。
昨日の時点では、しばらく借りつつも、ちゃんと返してはくれたみたいなんですが――
それなのに――
今日学校から帰ってきて――
立夏ちゃんに――
顔にペンのインクがついてるから
洗ってきた方が良いよ?
って言われて、うわぁ、恥ずかしい
そんなお顔じゃあお兄ちゃんに
会えないよ〜って思って洗面所に行って――
戻ってきたら。
メガネが――なくて。
…………立夏、こういうことに関してはなんと知恵の回る……と、すぐさま立夏が犯人と判断してしまうのは、兄としては控えたいところではあるんですが……またちょっとだけ借りるつもりが、楽しくてうっかり、というのは、立夏の性格からしてもありえそうな話であり。
ちょっとしたものなら別にそのぐらいはいいって思うんですが、これだけ視力の低い小雨にとって、眼鏡はまさに自分の目そのものといってもいいぐらい大事なものなわけで。今、どうして眼鏡が見当たらないのかについては真相が明らかになるのを待つとして、それ以前に、眼鏡が小雨にとってどれだけ大事なものか、ちゃんと言って聞かせてあげないといけないでしょうね。ええ、怒るというか、ちゃんと教えないと。
……まあ、そんなモラル面を心配する一方で、この小雨のめがねめがね……状態を楽しんでしまったトゥルー俺ですから、一方的に怒る資格なんてないわけですしね。
それどころか――
一体どうしたらいいか――きゃっ!!
ご、ごめんなさい、お兄ちゃん――
……
小雨ったら、メガネがないと
こんなふうに――たちまち
何かに抱きついてしまうんです…
……こっそり、感謝の念さえ……! もしかしたら、小雨自身も、このメガネイベントで幸せな思いを少しは抱いてくれているかも知れないので、そのあたりはまあ、よきかなよきかな、と。
やはり犯人は――
立夏姉でした。
昨日なくなった小雨姉の――
メガネのことです。
嗚呼、やっぱり……というか、さすがにあの状況では他に原因が考えられなかったわけですが、一応単に床に落としてしまったなどのこと理由もないわけではなく、決め付けるわけにはいかなかったわけで……まあ、姉妹の間で、無断の貸し借りというのはごくごく当たり前の光景ではあるんですけれど、今回の場合はさすがに小雨が非常に困ってしまったわけですからね。スルーするわけにもいかず。
さて、そんなこの事件の顛末について語るのは、姉妹でももっとも冷静なものの見方が可能な吹雪。まさに適任といったところですが――
まったく――
あの思いこみの強さと行動力は、
時に大きな武器ですが――
やはり。
大いに迷惑なときも
ありますね。
まったく――と、嘆息めいた発言は、吹雪にしてみてもわりと珍しいリアクションかなと。今回のことがどうのというより、立夏という子の個性がいろんな意味ですごいということを如実に表してもいますね。そして吹雪も表向きクールながら、物事の受け止め方に関しては普通の子と同じようなものをちゃんと持ち合わせているんだということを示しているわけで。
さて、犯人だった立夏はというと、「ほんの少しだけで返すつもりだった」「今朝は少々反省していたようですが――」と、今は反省している状態の模様。……なんか、昼頃にはもう忘れてそうな気もしないではないんですが、まあ今回のことについてはさすがに少しばかり反省すべきことでもあるので、けじめとしてはいいところかなと。夕凪さんがしでかしたときには氷柱が怒り係みたいなものですが、立夏にはやっぱ海晴姉さんあたりが直々にお叱りを与えるんでしょうか。それともヒカルあたり? 氷柱だとちょっと年が近すぎですしね。
しかしながら、立夏については、基本的なモラルは身に付いている子でもあるでしょうから、それはそれでいいんですが――問題はむしろ小雨が、
やはりメガネをなくしたのは
自分の不注意なのだろう――
だとしたら自分の至らなさを
棚に上げて立夏姉を疑うなんて、
なんて自分は性格が悪いのか――
――と。
自分を責めながら、
大変困っていたそうです。
……うわあ。なんという小雨らしい……。これって、小雨の優しさを通り越した、自分を殺してしまう悪いところもちょっぴり出てしまってますよね。本人にとってのみならず、こんな風に言ってるのを聞いたら、逆に被害を与えた側は、怒られるよりも辛い気が――あ、だから立夏も反省していたのか。ううむ、ある意味、極端同士でちょうどよいといえばよいのかもですが……
まったく――
あの2人は年も近く
同室でありながら、
まったく対照的な2人です。
と思っていたら、吹雪もわりと同じようなことを思っていたようです。
性格の問題ということで、まっさきに遺伝子のことが浮かんでくるのが吹雪らしいですが、たしかにこのトゥルー家の血筋には、ある意味遺伝的なものが強い気もするので、考えてみるべきテーマかも知れませんね。
たった1歳違いの姉妹で、
おそらく多くの共通な遺伝子を
持っているはずなのに、
ああも発現内容の違う2人――
そうですね♥
よい研究材料になりそうな
気がしてきました♪
このように、吹雪も同じような意見であり、そのうえご機嫌に。まあ、性格に関しては、後天的な部分も大きいですし、なによりこの家は母数そのものが多いので、いろんな個性が出てくるのも統計的に自然であり妥当でもありますが――
あ、でも――
小雨姉とはまた種類が違いますが、
私も目が弱いので――
やはり我が家には屈折以上の遺伝が
あるのかもしれません。
目の異常の発現は30代まで続きます。
キミもどうか――
気をつけてください。
……と、ちょっぴり気になることも。小雨のは普通のよくある近眼なんでしょうけれど、吹雪のは――なんか特殊なケースという気がするので、これもまた単に遺伝的な問題だけでは片付けられない気はしますが……まあ、それをわざわざ言ったりせず、素直に頷いておくのがトゥルー兄としてすべきことかなと。
風がずいぶん、
冷たくなって――
今朝はみんな、
上着を着て――
学校にいきました。
寒い季節になると真っ先に心配なのはユキの体調について……というトゥルー俺の思いを先読みしたのか、この寒くなる季節にユキ日記が。
もちろんユキに限らず、きっとホタたちが小さい子たちの秋・冬服を準備するのに大忙しなんだろうなあって思うわけですが、やはりユキの場合は、深刻度が違うので――と、あまり1人だけ過保護にするのは嫌がりそうな気もするのでこのへんで。……氷柱はそういうところ、どういう風に判断してるのかなあ。
ともあれ、そんな寒くなる季節についてですが、ユキとしては寒さよりもむしろ、日が沈むのが早くなってしまうことのほうが気になるようですね。
お外で楽しく遊んでいても、
こどもは帰ろうの鐘が鳴る
5時を過ぎると――
もうお空はすっかり、
うすぐらくなって――
墨のおりたよう。
そんなお空を見ていると、
早く早く――
早くおうちに帰らないと
おばけがやってきて、
オマエを喰ってしまうぞ――
って言われてるみたいな
気がして急にちょっぴり
こわい気持ちが湧いてきて、
急いでおうちに帰ります。
おお、トゥルーにおいてもそういうのがやっぱあるんだ、と郷愁めいた想いを抱きつつ、やはり小さい子にとっては、暗くなるのはこういう風に怖いイメージを膨らませるのだなあ……と。
これはこれで感受性のなせるわざではありますが、ただ……ユキの場合は……
……ついこの間まで、病院で1人、暗い夜をずっと過ごしてきたユキ。たとえ嵐や雷の夜だったとしても、思わしくない体調のまま、1人でいなければならなかったこの子が、そういう「暗さ」に対してどういう思いを抱いているか――それを想像しただけで、胸が苦しくなってきます。
もちろん、こうして元気を取り戻して、自分の足で歩ける状態になったうえで、お外で感じる「暗くなっていく」感というのは、病室で感じていたそれとは大分違うものではあるんでしょうけれど――でも、そうそう割り切れるものじゃないというか、きっと、そういう辛いときのことを思い出してしまうんじゃないかと――
――そんな心配どおり、ユキの「黒い悪魔」って怖い妄想が――
……
なんて。
ウフフ♥
本当は、これ――全部、
ユキの想像なんです。
だって――ユキは丈夫じゃないから、
こんな風の冷たい日に、
5時までお外で遊んでいるなんて――
そんなことは絶対にできないんですもの。
――なんて思っていたら、むしろユキが小悪魔的な!?
いや、それはそれでなんと可愛いと思ったりああこんな清楚なユキに言葉で弄ばれたりしたらそれはもう的興奮もあることはありますが、後に続く言葉がやっぱりたのしげとはいい難い事実を重くのしかけていたりして、無邪気に身悶えするわけにもいかず。
しかしながら――
昨日――おばけの出てくる
ちょっぴり怖い本を読んでしまったら――
今日はなんだか怖い想像が
ユキの頭の中いっぱいに
広がっているみたいです。
……
お兄ちゃん――
こわいの…
今夜は一緒にねむったら、
いけない――ですか?
…………この、一片の邪気すらないユキの、心からのすがりつき。あらゆる邪念抜きに、それはもう、全力で一晩ずっと――といわず毎晩でも! なんというか……これほどまでに「守ってあげなきゃ」と思わせる女の子が、この世におりましょうか。否。
腹巻き――
なんて。
冗談じゃないわ。
そんなもの――
するわけないじゃない。
なんかこう、「氷柱」と「腹巻き」という、いかにも素晴らしい組み合わせから始まりました今週トップのトゥルー日記。いやもう、氷柱みたいな子に腹巻きというだけで、ニヤニヤがわいてきてしまうわけですが、さっそくそんな期待通りの反応を示してくれているようで。
ええ、このところかなりの冷え込みですから、きちっと防寒してほしいという思いは当然ありますし、そういう観点からも腹巻きはして欲しいわけですが――まあ、そもそもの発端としては、
いくら蛍ちゃんが――
「女の子はおなかと腰を
冷やしちゃいけないのよ♥」
とか。
「腹巻きをすると
太りにくくなるのよ♥」
とか、なんとか――
まるでどこかのしわくちゃな
おばあちゃんみたいな
寝言を言ったからって。
やはり我が家のお母さん・ホタのオススメだったようです。ううむ、氷柱のセリフを読む前に「おばあちゃんっぽいなあ」と思ってしまいましたが、このへんの知識、もしかすると本当におばあちゃん譲りなのかも知れませんね。ああ、おばあちゃんのホタホタ焼き……ならぬホタホタ巻き。
とまあ、そういうおばあちゃん的な要素というのは、年頃の子供にとっては気恥ずかしいのが常であり、氷柱も思い切りそれにあてはまってますね。……言ってくれているのが氷柱と一歳しか違わない姉というのがまた素晴らしいシチュなんですが。
まあ、かっこ悪い以外にも色々と理由はつけていますが――「蛍ちゃんのすすめる腹巻きはピンクのリボン付きで趣味悪いし」……ほ、ホタセンス侮りがたし。ときどきやらかすゴイスーな料理といい、ホタはけっこうそういうところありますよね。
しかしまあ、氷柱の反撥はつまるところ――
もし、この私が――
腹巻きなんてどんくさいもの
してるって世間に知れたら――
笑いものになるに決まってるわ。
つまるところ、この言葉に全てが。ああ、典型的なまでの中二的感覚――いや、今まさしく中二の氷柱ですからして、むしろ当たり前の反応なんですけどね。
そして、当たり前の中学生よりはずっとお母さん的なホタとしては、そんな氷柱に言うことを聞かせるために――寝相の悪さを指摘してくると氷柱は踏んでいる模様。ッていうか多分、前にそういうこと言われたんでしょうね。
ホタと策略家というのはなかなかイメージが結びつきませんが、お母さんが子供に言うことを聞かせる手管と考えれば、なるほど納得。……つまるところ、氷柱がそれだけ子供だという意味でもあるんですが、そういう意味でも、お母さんらしすぎるホタとはつりあった関係なのかも知れませんね。
あ、下僕も気をつけた方がいいわよ?
蛍ちゃんの言うこと全部信じてると、
梅干しをこめかみに貼ると頭痛が治るとか、
ときどきとんでもない目に遭わされ――
……とか思ってたら、これまたわりと聞き捨てなら無いエピソードが。ええ、氷柱が中二センスで反撥しているというのを考慮しても――コレは多分、ガチというか。ええ、ゴイスーな料理を作ったりする延長線上に、こういう「とんでもない目」というのはいかにもありそうな話。梅干しみたいなのもアレですが、もしかしたら、お尻にネギぐらいのことをしたことがあるのかも――と思うと、畏怖とニヤリングが同時に沸いて来たり。
……とまあ、ホタはホタで、どっかズレてるところもあって、なんだかんだでお母さんというにはまだ可愛らしいかな――と感慨深く思ってた矢先、
……
っくしゅん!
……
……
ふ、ふん。
今のはもちろん――
くしゃみなんかじゃないわよ?
ただの――
……
呼吸よ!!
……これはまた、なんともお約束どおりな……。ホタの言いくるめには、それなりにアレなところもあるのでしょうが、少なくとも氷柱がおなか丸出しで寝てたっていうのは本当なんでしょうね。氷柱としてそれは認められない事実でもあり、ますます強がらなくてはならなくなり……
あーあ、最近力が余っちゃって
困るったら!
仕方がないから、今日は
下僕をいじめて遊ぼうかな――
な――っくしゅん!!!!
……これまたこちらはこちらで、歳相応に可愛らしいなあ、とますますほのぼのとした気分に。ここは多少罵声を受けたり蹴られたりしようと、氷柱になんとかして腹巻きをつけさせないといけませんね。ああ、そのやりとりを想像するだけでこれまた幸福。
おふとんふやそ♪
おふとんふやそ♪
北風ふいたら――
おふとんふやそっ♪
おお、いつになくご機嫌そうなさくら。いきなりの歌の可愛らしさにヘブン状態へと誘われましたが……やはり今日の話題も、この急に冷え込んできた天気について。
どうやらトゥルー家も、この寒さに慌てて冬モードの寝具にチェンジしたようですね。「ふっかふかあったかおふとんの国♪えへへへへ♥」……と、さくらがやたら嬉しそうなのは、あったかいおふとんが使えるようになったからなのでしょう。……さくら、布団とか大好きそうだよなあ。冬の朝とか、おふとんから出たがらない子姉妹ランキングのトップ争いに参加できそうなイメージが。
さて、そんな布団を変えなければならないほどの寒さに対して、さくらは小さい子ならではの疑問を抱いた模様。「さむくなったの――どうして?」と。……この手の幼児からの質問に対して、どう答えられるかで、その人の懐の深さやセンスが試されるといっても過言ではありますまい。トゥルー俺としては、他の子にはどうやって今まで答えて来たのか、先達のお姉ちゃんたちにお伺いを立てたいところではありますが――聞くよりも先に、まず予想をたててみたさくら。すなわち――さくらの嫌いなおばけ原因説。
わ、るーいおばけ!
おばけなんて
いなくなったらいいのに!
ぜーんぶ、えいえいって
やっつけたらいいの。
わ、るーいおばけ!
……これまた、いつになく強気かつ攻撃的なさくら。さくらは基本、優しくて怖がりな子なんですが、やはりまだまだ小さいということもあって、幼児ならではの残酷性がほんのり垣間見られることもあったりしますよね。……まあ、もう少ししたら、こういう想像の中にも、「おばけさんにも事情が……」みたいな感性を身につけると思うんですけれど。
さて――強気ではありましたが、やはりおばけは怖いのがさくら。いつものように怖くなって泣き出してしまったわけですが……おばけに怖い目にあわせられないためには、早くおねむするのが一番と、きっと誰かの躾なのであろう理想的な対応をとってくれました。幼稚園で言われたのか、それとも家の誰かか。ともあれ、さくらは素直ないい子です。これはきっと、怖いからってだけじゃなくて。
あったかふかふかおふとんに
あたままでぜーんぶ入ったら
おばけに見つからない?
お兄ちゃん――
さくらがねんねするまで、
おばけこないか、
みはっててほしいの――
そして、期待通りに、トゥルー俺にとっての義務と言う名前の幸福タイムが。寒くなってくると、こういうリクエストがあちこちから出てきて嬉しいやら大変やら。
すっかり――
秋ねぇ……
……
あ、なんかちょっと
年寄りっぽかった?
いや〜〜ん♥
いきなり反応に困る自虐ネタを……! 海晴姉さん、実際にはどれほどそのへんを気にしているか分からないんですけど、それをあろうことかトゥルー俺をからかうネタにまで用いてくるとは。いや、これって確かに弟クンの性格までを見抜いた見事ないじくり攻撃であり、どう言ったら良いかとしどろもどろしている姿で海晴姉さんが大いに喜んでおられるというのも、なんというか複雑ではありますが、Mとしてはやはり悦楽感が。
……あえて言うなら、その秋に対する感慨よりも、この「いや〜ん♥」というリアクションの方に強い昭和オーラを感じるわけなのですが、
どうしよう、
そんなつもりじゃあ、
全然――
なかったんだけど。
うふふっ♥
……この人を前に、そんなことを。ええ、口にできるはずもなく――いや、あえてちょっぴり言いずらそうに指摘してみることで、大いにいぢめられてしまうというのも、アリといえばアリ……?
などと変態じみた思いに耽らざるをえないトゥルー俺をよそに、海晴姉さんが本題……というか、本来言いたかったであろう、秋に対するアンニュイムードの心境を。
ああ――
所詮、人間って――
孤独なのよね――
とか♪
……社会人として、大人の女性として、色々楽しいばかりではない思いを抱いているであろう海晴姉さん。ですが、そんな感慨を抱くにも――最後を「♪」でしめられるところが、海晴姉さんの海晴姉さんらしさというか、トゥルー長女の貫禄というか。やっぱこのヒトは、19人の「お姉ちゃん」なだけあって、器がすごいですよね。
さて、そんな寒く切ない秋空に対抗すべく、トゥルー家ではなにやらあったかなメニューが。ハロウィンということで色々作っているみたいですね。……そういえば、プロジェクトYの存在も気になりますが……忘れてないといいけど……。
蛍ちゃんの心づくしの
あったかいパンプキンスープが
心に染みるわ〜♥
はぁ♥
…………はい。思ったことを、率直に言葉に出しすぎないことは、決して不実ではないと信じて、特に何も言いません。
さて、このパンプキンスープのみならず、この夜にかけて、中学生以上のお姉さん総出でお料理モードに。
みんなで夜なべしてするのは――
も・ち・ろ・ん♥
今度のハロウィーンの時に配る
かわいいカボチャのお菓子の
包み作り♪
氷柱ちゃんに怒られないように
リボンはていねいに結んでね♥
飾り付けにはやけにうるさそうな氷柱の姿が想像できますが……そんなハロウィンということもあって、(昨日うっかりここで反応しそびれましたが)ユキ先生イラストまでついた超ハロウィンモードに大突入!!! ゆ、ユユユ、ユキのバンバイア姿……! こんな清楚な天使になんと背徳的な……! 俺たちの嗜好を完全に見越したかのような素晴らしい組み合わせに、すでにハロウィン万歳モード100%ですよ! 昨日の立夏ハニーも可愛らしすぎて死ねたのですが、もしかしてこれから連日!? 大きな絵の一部って雰囲気もあって、大いに期待してしまいます!
世に――
おそろしきもの。
それはこの世に存在する
数知れぬうろの数々――。
うろ! あまり聞きなれない単語ではありますが、MTGでそんな感じの単語をいくらか見たような……あるいは虚淵玄。とまあ、そんな程度の知識のリアル俺ではありますが、観月がなにやら恐ろしげに語るうろ即ちホールの怖さはなんとなく感じられます。
「それはいつも――異界への入り口なのじゃ」……つまり、トゥルーの裏山とか、あるいはトゥルー世界そのもののことでしょうかと、リアル俺としてはつい思ってしまったりもしますが、日ごろから常ならざるものと親しむ観月にとっては、そのような「ことなるもの」の出入り口として、日常的にも色々なところでそういう認識を抱いているのでしょう。
たとえば――
わらわたちのほんの――
身近な場所にも。
この世と異界とをつなぐ、
暗き穴はつねにある。
押し入れの隅にある真っ暗な隙間、
裏口の古い扉のサビのついた鍵穴――
飲んだ後の缶ジュースの飲み口に
さくらの破けたパンツの穴――
そのどれもが――
どこと繋がっているとも知れぬ、
異界への入り口なのじゃ。
………………。……うん、な、なるほど。ちょっと興味があるので観月さんもっと詳しく教えてください具体的には最後に例にあげた一件について。……パンツってそんな頻繁に破けたりするものなんでしょうか。それも大人しいさくらの――いや、さくらのパンツならそれなりに見慣れているでしょうから、と、特別に興奮しているとかそういうことじゃないんだからねっ! ……とキモいごまかしはさて置いて。
とにかく、どういう理由でさくらのパンツが破けてしまったか、それを考えるとそれこそ思考の深淵に落ちてしまいそうな気がいたします。ああ、まさしく異界への入り口。「その気があれば、じ――と。覗いてみるとよい」と、観月もなにやら幇助するような発言を!? 「その暗闇の向こうから、むくむくとなにか、うごめくものの気配が――」さくらの股間に一体何が!? ……はい、本当にこのへんにしておきます。
……
ふふふ♥
そんな――わけでの。
夕凪姉がさっき脱ぎ捨てた――
ハロウィーン用の帽子。
逆さまになった、
その三角のとんがり帽子の
真暗きうろの中に――
妖しい気配を感じたのじゃ♥
……とまあ。今日のこのお話はというと、このことを言うための前振りだったようで。というか夕凪さん! ハロウィンにプロジェクトYなる素敵計画を立ててその後すっかり忘れているんじゃないかと疑念を俺に抱かれていた夕凪さんがハロウィン絡みでなにか妖しげな事に!
もしや――
姉じゃはついにマホウとやらの
術を完成させたのかも知れぬ。
さすがは――我が姉上様じゃ♪
「妖しげ」とはいっても、ハートマークがついていて楽しげだったのは、このような受け止め方をされたからの模様。わりとガチで非日常なものが「見える」観月にとっても、夕凪さんのマホウは、「自分が見えているモノとは違う」というだけで、それがなんなのかをわざわざ見抜いたりはしていないみたいなんですよね観月も。むしろこの発言からはリスペクトみたいな雰囲気も。……夕凪さん、お姉ちゃんとしての貫禄持てそうですね。
さて、ハロウィン当日もいよいよ迫ってきたわけですが、残る1日で、夕凪さんがどんな計画の星花を見せてくれるか、非常に楽しみです。それを抜きにしてもユキ先生イラストがあるだけで本当に素晴らしく。パイレーツ麗……ちょっと嫌そうに照れているのが本当たまらんですよ。ホタもきっと、麗にはコスプレさせがいがあるなって思ってるに違いありません。嫌がるくせに、いざ着てみるとノリノリになりやすい子ですしね。
期待通りにユキ先生ハロウィンイラストが土日である当日にも! 小雨なんかその悩ましい表情がえろいですよ!
さて、小さい子たちの衣装がそれぞれ可愛すぎるわけですが、やはり今日の主役は夕凪さんですね。今日はマホウ使いが大手をふるっていい日ですゆえに、プロジェクトYも含め、心から楽しんでくれることを願うばかりです。
海晴姉が――
菓子袋を1つもくれない。
なんと――
心の狭いことだろうか。
いきなり霙姉さんがひどくアレなことに――
なんと――オヤツに忠実なことだろうか。もうそろそろ霙姉さん、こちら方面でのキャラが本格的になりつつありますね。まあ、この一面は一面として、いざとなると流石は霙姉さんって貫禄があるところは変わりませんし、むしろ普段はこのぐらいのほうが霙姉さんらしさが際立っていい感じではありますよね。
私だって――
苦手な蝶結びをがんばって、
あんな興味もない下品な
オレンジ色のハロウィンの
飾りのついたお菓子袋作りを――
夜なべまでして協力したのに。
……
本当に――
まったく。
大人げがない!
……はい。例によってツッコミはしない方向で。むしろ「大人げ」という単語から、「霙姉さんの大人毛のほうはどんな感じなのかしらウフフ」とダメな方向に思考を逃避させたくなる勢いではありますが、「苦手な超結びをがんばって」という記述のあまりの可愛らしさに失神寸前の俺にはそれすらも難しく。ああもうこの人は本当に!
ともあれ、子供たちのために作ったお菓子を守ろうとする海晴姉さんの方が、さすがに今回ばかりは極めて真っ当な判断であり、霙姉さんのは「締まり屋」という単語を思わずぐぐってしまった俺の額の無さを棚に上げたくなるぐらいの無茶主張であるといわざるを得ません。
とはいえそういう言葉の裏には、小さい頃からの積み重ねもあるようで。……なるほど、年が近い姉妹ではありますが、霙姉さんにとってただ1人の「お姉さん」だったんだなあというのがありありと伝わってくる過去回想。
たった1歳しか違わないっていうのに
いつもおやつの管理は海晴姉がしていて――
いつもきっちり――
等分のわけまえしか
よこさなかった。
半端が残れば明日の分。
いつもこっそり手を伸ばす――
私の手をパチンと叩いていたのを思い出す。
海晴姉さんしっかりもの! 今でもしっかりしてはいますが、あの性格……というか、超お気楽っぷりは、昔からなんでしょうかね。それとも、麗ばりの男ギライが直ってからあんな感じになったんでしょうか。もしそうなのだとしたら、こうやって霙姉さんをしかってたころの海晴姉さんは、氷柱ばりにカリカリと怒っていたりしたのかも知れません。そのへん、色々想像してしまうなあ。
それはさておき、霙姉さんの口からちゃんと「秋の夜長の勉強時間に――」と、勉強しているという事実が出てきたことに軽く驚嘆。いや、そりゃ小説設定では生徒会長でさえあるぐらいですから、案外そちらのほうは特に努力しなくても優秀って雰囲気もありますけれどね。
ともあれ、今回のおやつはハロウィン用ということで、餡子の類が使われていないことでようやく納得した模様。……これが餡子祭りみたいなお菓子だったら決して納得しなかったんだろうなあ……と戦々恐々しつつ、
オマエも――せいぜい
カボチャマスクでもかぶって
気分を満喫するんだな。
私は――
甘納豆でも食べながら、
その様子を見ていよう――
と、すっかり大人モードに入ってしまわれました。ついさっきまで、夕凪さんもかくやという勢いで子供らしかった人ではありますが、そこが霙姉さんの魅力ということで美談っぽく。
……と、それよりもそれよりもそれよりも! 吹雪の衣装が衣装が衣装が衣装が、刺激刺激刺激刺激<的すぎてヴァーーー!!!!! なに! なんなんですかこの可愛らしすぎるサキュバスは! こちらが眩暈を興して倒れてしまって、その体を隅から隅まで性的に調べつくされてしまうかのような雰囲気すら! ああもう、綿雪といい吹雪といい、こんな穢れのない白が似合うユキユキコンビにこんな格好をさせるだなんて、ホタ――というかユキ先生は本当にもう! 心から感謝!
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