いよいよ今日から――
4月♥
新年度の始まりですね――
春風のステキな王子様♥♥♥
新年度の開始のあいさつからしてハートマークが4つも乱舞! さすがは春風さん、季節効果でさらに春風乱舞という他ないテンションであらせられます!
まあもっとも、新年度開始とはいえ、まだまだ春休み中なうえ、先日の麗が人生最大級な勢いで喜んだ鉄道博物館に続き、この次の週末には、さらに某着ぐるみの遊園地へとお出かけする予定が控えているわけですからね。それはまだまだテンションが高いままであっても無理なからぬことといえましょう。
……もっとも、そんな通例的な家族のお出かけ行事についても、
王子様があちこち
連れて行ってくれるおかげで――
ステキな楽しい春休みを
満喫中ですけれど。
春風さんフィルタをかけると、こんな具合に認識してくださるわけですよ。……い、いや、さすがにお出かけに関しては、トゥルー俺も一扶養家族の領域を出られないというか、むしろ春風さんのほうがお姉さんであるとか、色々あるわけなのですが……今の春風さんに水を差すのも悪い……っていうか無理そうですしね。とにかく、春風さんのお喜びのままに対応するように務めましょう。
……いやあしかし、それにしても、いかに春休みでウキウキ気分とはいえ、春風さんのテンションは盛り上がっておられます。いやまあ、いつも大概こんな感じっていえばその通りでもあるんですが、さすがに「頭に春風」が定番のキャッチフレーズになりつつある彼女にとって、この春という季節には、何か特別盛り上がるものを感じずにはいられないのかもしれません。とりたてて何もない一日であるにも関わらず!
ほら、そんなことを言ってる矢先から――
こんな――少し花冷えの。
何もない春の1日も
やっぱりとっても
しあわせいっぱいで――
春風はもう胸が――
――――きゅぅぅぅん♥♥♥
なんだかワケもなくときめいてしまいます♥
――またも俺を森崎君のように吹っ飛ばすかのような強烈な春風が! ――ええ、予想通り吹っ飛ばされましたとも。な、なんという風圧か……! 春風さんの愛情の勢いを身を持って感じざるを得ません。
いや、しかしながら、今日に関しては、この突風性春風よりはむしろ……
桜の花もあちこちで
開き初めて――
本当に――春、満開!
と、同時に――
もちろん春風も――
満開ですっ♥
うふふ――♥
もう、どうしましょう――
春風さんがイケナイ満開状態になってしまいました!!!
……い、いや、むしろこっちがどうしましょうですよ春風さん! いや、その、春風さん、春風さん自身が満開って……それはあれですか、そのへんのワードが青少年に対して連想させうるベクトルを十分に理解しての言動でしょうかそれは!? それとも、考えるよりも何よりも、体の迸りをそう表現せずにはいられないほどに抑えきれなくなってしまったということでしょうか。
いずれにせよ、今の春風さんの様子を表現するのに、「発情期」というぐらいの単語しか思いつかない下賎なトゥルー俺を、どうかお許し下さい。……えっ!? それで正しいですって!?
いや、しかしながら、「女の子の」「満開状態」って、どうしたらいいんですかそんなこと言われた日には。なんというピンク色状態……! そりゃあ自分自身で「ひどくピンク色な気持ちになるの」なんて言っちゃうだけのことはありますよ!
……一体何が春風さんをここまで昂ぶらせてしまったのでしょうか。やはり春は春風の季節って綺麗に収めたいところでもありますが……
とってもしあわせな――
うれしくってときめく――
ふあんと軽やかな――
桃色のわたあめみたいな気持ち。
これって、やっぱり
春の――
せいかしら?
……ええ。もう、そういうことにしてしまいましょう。春の性、じゃなかった、春のせいですね。春風さん自身もそう断言してますし。
もっとも、他の季節の春風さんがきゅんきゅんしていないかというと、全くそんなことはないわけですが……とにかく今年の春にも、トゥルー俺には、より一層の理性強化が求められるようです。
こうして同じ家にいるのにさみしくて。
隣にいてもまだ足りなくて――
もっともっとあなたの――
王子様のそばに近づきたくなって――
なんだかとっても――
……冷静に考えてですよ。高校一年生の性衝動を抱えた男の子が、こんなにもノリノリに発情しまくっておられる同世代の女性と一つ屋根の下に住んでいるというシチュエーション。しかも、そんな同居状態にすら、「まだ足りない」って言ってくれるほどの春風さんですよ? ……いかに他の家族の目があるとはいえ、トゥルー俺の理性障壁はもうボロボロでしょうね。いつ崩壊してもおかしくない気が。
春風の心は、
羽が生えて飛んでいきそうです。
もちろん、
まっすぐ、
ただ、あなたの元へと――
ウフフ――
……とまあ、途方もないきゅんきゅんっぷりをこれでもかってほど見せ付けてくれた春風さんは、そんなポエムなのか「……して?」サインなのか判断に困る発言でこの日記を締めくくってくれたわけですが……あまりにも春風の勢いが強すぎて、今日からトゥルー家に住むことになった桐乃について言及する暇すらなかったようです。
いやまあ、桐乃の件については、こっちのトゥルー日記では触れず、あちらの描写でどういう交流が行われてるかを伝えるって感じのスタンスなのかも知れませんが、今日の春風さんを見ていると、きゅんきゅん度が高まりすぎて、本来語るべきだったことすらうっかりスルーしてしまったということだったとしても、何も不思議はないような気がします。
……こんな春風さんを見て、そういうノリには耐性がある(というか大好物)とはいえ、あくまで部外者である桐乃は、一体どう思うことやら。……とりあえず、妹がいっぱいいるというシチュエーションについては早速反応しておられるようですが。あまり外からの視点というものを感じることの無いトゥルー日記にとって、良き観察者として機能してくれることにも期待です。
じゅ、13人!? 13人も妹がいる……!!
なにこの家! 天国!? 天国なの……!?
いいえ、天国という名前の現実(トゥルー)です。以後、どうかお見知りおきを。
……しかしそれにしても、小さい子たちに関してはともかくとして、今日の発情しまくった春風さん(一応姉です)を見て、部外者である彼女がどういう感想を抱いたか非常に気がかりです。あのきゅんきゅんっぷりを、はたして受け入れられるか否か。……全力で羨ましがられそうな気もしますが。
しかしそれにしても、普段トゥルー姉妹の日記だけ読み続けているせいか、桐乃の文章を読むと、さすがにウチの子たちとは違うなあとしみじみ感じたり。まあ、草を生やすのはこの子ならではでしょうけど、顔文字とかは今時の女の子なら誰でも使うでしょうしね。なんとなく日記の文章も、どこかケータイ小説的な雰囲気を感じるのは俺だけでしょうか?(やたら短く句読点抜きで改行するのが多い等) まあ、それはそれで、新鮮な感じがしてよろしいかなと。
――なにはともあれ、ようこそ地上のトゥルー(楽園)へ。
ふぅ――。
……
なんだか、ちょっぴり
タイクツ。
うおおおおおおおっ、マリーがなにやら女王様的な「物憂げ」オーラを放っておられますよッ!!! ……すいません、唐突に興奮しました。いや、マリーの日記って、普段はわりと、少なくとも書き出しの部分ぐらいまでは、わりと年齢相当のノリや内容のことが多いので、のっけからこの風情というのは新鮮で、俺内部の服従属性も大いに刺激されてしまうわけなのですよ。えっへん。(←自分の内のM属性に誇りを持っているご様子)
ええ、ちょうど春休みに入って、お出かけの日以外は、とりたててやることもなく、みんなそれぞれにのんびりと過ごしているんでしょうね。もっとも、小さな子たちには退屈かもですが、きっとみんなの食事を作るホタや春風さんにとっては、いつも以上に忙しい日々になってるかも知れませんが。
ところで、今は一応、単に何も無い日々というわけではなく、昨日から桐乃がこの家の中でいっしょに暮らしているわけで、そういう意味では退屈はしのげるかも――という気もするのですが、そこはそれ、一応お客様待遇でしょうし、この日記の中では書かれてないだけで、それなりに交流はあるのでしょうが、ともあれマリーの退屈は、それとはまた別腹扱いのようですね。
そんなわけで――
毎日毎日家にいて――
もう。
刺激が足りないんだわっ!
オオウッ! マリーの叫び! ……すいません、ちょっぴり興奮してしまいました。
ともあれ、やはりマリーにとってネックになっているのは、「毎日家にいてばかり」って部分のようですね。家族愛には満ち溢れていても、恐らく姉妹の中では一番社交的であるマリーにとって、外に出ないで過ごすというのは、なかなかに苦痛になるご様子です。まあ、いつも書く日記も、幼稚園で起きたことばかり書くぐらいですしね。この社交性、出不精なリアル俺にはちょっと眩いぐらいですよ。
――とまあ。その原因を察することだけならばたやすいことなわけですが。問題は、そのマリーのうっぷんを、どう晴らしてあげるか。どうすれば晴らして挙げられるかということ。
ええ、早くなんとかしてあげないと――
ねぇ――
私の愛しいフェルゼン?
なにか――
ない?
なにか――
楽しいコト。
――まだ幼稚園児であるはずの真璃が、ますます気だるい色香をお放ちになってしまわれます!! お、お、お、名家のマダムもびっくりなぐらいの、ぞくりとくる気だるい雰囲気――! いやまあ、ここんちの子は、早ければ二歳ぐらいから(例:虹子)大人を反応させるぐらいの色香を漂わせることがあるぐらいですし、真璃がその気を出せば、トゥルーフェルゼンの一人や二人、あっさりと陥落させることも可能でしょう――っていうか、すでに陥落させられてる状態ですね。少なくとも自分に関しては。
それにしても、この女王様然とした要求っぷり。まさにマリーです。「マリーを楽しませてくれるのはフェルゼンの役目じゃなくって?」と、思わず俺を絶頂させてしまいそうな視線と言葉を注ぎ込んでくれました。ああ、こんな台詞を、ソファーに寝そべりつつ、脚でこちらの体をぐりぐりしながら言われた日には、その時点でイキかけるどころかそのものイキそうです。
ええ、そんな俺のM的喜びに追い討ちをかけるかのごときワードをさらに畳み掛けてくれましたよ。
それは――「お仕置き」!
タイクツなままだったらお仕置き……と、それはまあいいのですが(←いいのか)、その腕が最近メキメキ上達しているという、なにやら聞き逃せない発言が。
というのも――
だって春休みでみんながお家にいるせいで、
青空がコーフンしてイタズラばっかりするから、
もうすっかり――
おしりたたきの名人なんだもの♥
Oh! コーフン! オウフ! お尻たたき(スパンキング)!
……といっても、決して痛くたたいているわけではなく、むしろ青空が面白がるよう遊んであげるようなノリでお尻たたきをしてあげているようですが――って、案の定、大喜びなようですね。
これがお尻をたたかれるのがトゥルー俺や、幼稚園児のマリーの男の子友達だったら、別の意味で大喜びで思わず嬉ション漏らしてしまうかもしれませんが、あの小さなYASEIっ子・青空には、このぐらいの刺激がちょうど良いのでしょうね。そのあたりをちゃんと適切に行えるあたり、マリーはさすが、お姉ちゃん度が高いです。
姉妹全員が同じぐらいの年齢だったら、もしかするとマリーの頼れる度やお姉さん度って一番かも知れませんね。いい意味で歳相応に大人びてますものこの子。
そんなお尻たたきのコツを教えてくれましたが、その内容を見ても、おお、さすが――と思わせられます。いや、青空が喜ぶようなコツを熟知しているのはもちろんなんですが、「そうしたら――青空みたいな小さい子でも痛い思いしないで悪いコトしちゃいけないルールがわかるわ」って部分。本当、マリーは間違いなく、トゥルー家族幼年組のリーダーですね。それどころか、下手をすると小学生組の誰よりも大人かも……? 頼れるという意味においては、相当なものですよこれは。
そんな立派なマリーの精神性を見せ付けられ、トゥルー俺もフェルゼンどころか、マリーの飼い豚にすらなりたい的欲求を心のどこかに覚えてしまうぐらいなのですが――
そうだ――
今日は風が強いから
外では遊べないし――
フェルゼンにもおしりたたきのやり方を
教えて上げようかしら?
是非! “実体験”にて、是非とも! ……えっ、「叩いてもらえる」方法ではなくって!?(←心の底から服従遺伝子が発動中)
どうしちゃったの、コレ――
キリノが――
キリノが――なんか日記書いてる!!
ちょ、無断で勝手に書いておられたんですか桐乃さん! そりゃあさすがの立夏もオドロキでしょうが――それを気にしたかはさて置き、こちらの日記にも立夏がご登場です。
ええ、そりゃあまあ、彼女を招待したホストでもあるわけですしね。昨日の春風さんなんて、客人が来ているというのに一日あんな感じでしたし。
もちろん、普段のトゥルー日記からは見えないところできちんともてなしているとは思うのですが、どうもそれは、こちらの桐乃日記で書かれている分以外は、トゥルー俺には窺い知れない扱いになりそうなので、他ならぬ立夏がこちらで書いてくれると色々と助かります。
リアル俺も『俺の妹がこんなに〜』をちゃんと読んだことがあるわけではないので、彼女とだけ会話しろとなると、なかなか間が持たせにくいところがあるというか、ああ、リアルに妹が友達連れてきたらたぶんこんな気分になるのだろうなと思った次第であります。いやまあ、リアルじゃなくてトゥルーでもそのへんの戸惑いは同じってことで。……中身的にはなかなかにリアルでは見受けられない子って感じですが。
それはさておき、お友達が来ていようと、立夏のYASEIっぷりは相変わらず。驚きのあまり食べかけのたい焼きのあんこを落としてしまったわけですが、そこにすかさず霙姉さんが現れ――たりする前に、3秒ルールを適応したり等。いやまあ、トゥルー家の床はたぶんいつでもマリア様だってキスしたくなるぐらいの状態でしょうけど。……でも、汚れていたなら、それはそれでキスしたくなるような気もウフフ(←ほほえみデブの微笑みを浮かべて)
……っていうか、そもそもこのたい焼き自体、霙姉さんのオススメ品だったようですが――
あ、オニーチャンも食べたい?
この立夏の食べかけのトコ???
エヘヘッ♥
えーい、そしたらはみ出てほっぺについたぶんは――
リカがいただきダッ!
うあーん♥
もーまじ、ヤバーイ!
あまーい♥♥♥
タイ焼きもオニーチャンも、
超LOVE♥
リカ、しあわせ――
――ここぞとばかりに、あたかも見せ付けんがばかりの勢いで、妹愛を全力でアッピールしておいでじゃないですか立夏さん!!
……い、いや、この子のやることですから、あえて見せ付けるとかそういう計算は皆無であり、単純かつ純粋にそういう衝動に駆られただけなのでしょうけど(そしてトゥルー家族内においてはいつもの日常的な光景でもある)、しかしながら、こんな見ただけで幸福死しそうなイチャ甘えっぷりを、仮にも妹属性のある人に見せ付けた日には、どういうことになるか……俺にはよく分かります。いやはやなんとも。
というか……日記以前に、桐乃自身の目の前でこんなことを行っちゃっていたようで。しかも妹萌え属性をしっかりアピールしておられるじゃないですか! こんなカミングアウトまでしているところを見ると、二人はそうとう気の置けない仲って感じですね。まあ、立夏のことを知ってるなら、この子の前で変に自分を守ったりする必要なんてないって分かるでしょうけどね。とにかく、ちょっと嬉しいです。兄として。
まあ、それはそれとしても、やはりその性癖そのものまでは理解しきれていないようで――
キリノっておもしろいよネ?
リカは、オニーチャンが1人いたら、
もうそれでサイコウなのに、ねぇ――
……い、いや、それに関しては……その……やっぱ、姉も妹も欲しいというか……19人ぐらいね!
こんな「トゥルー俺」の領域に、桐乃ははたしてどのぐらい近づいてくれることでしょうか。
明日は――
いよいよ遊園地ですね!
みんなとっても楽しみにしています♥
ついにやってきました着ぐるみ遊園地へのお出かけデー! 春休みに入ってからここしばらく、桐乃が来ていること以外はとりたてて何事も無い日々が続いていたわけで(といっても一週間ですが)、昨日の日記のマリーなどを見ても、小さい子たちには相当の退屈による鬱憤が溜まっていることでしょう。明日はその反動で、多くの子たちが大いにハジけて楽しみまくることでしょう!
……と。そんな前日に日記を書くのは、小雨なのですが……この着ぐるみ遊園地へのお出かけに関しては、ちょっとした懸念が。
本人自身も「と、言いたいところなんですけれど」なんて言っている通り……そう、彼女も麗と同じく、着ぐるみが怖くて反対派だったんですよね。
あの意見が分かれて投票を行ったとき、反対派の子たちもそれぞれに理由があったわけですが、なんとなくというのではなく、明確に行きたくはないって事情があったのが、この小雨たちなんですよね。あとは麗とさくら。
麗に関してはまあ、先日の鉄道博物館での感動が途方もなかったため、こちらに関しては、たとえ怖かろうとガマンしようってぐらいのモチベーションが備わったようなので、安心……とまではいかないまでも、なんとか一日過ごせそうな気はするのですが……問題は、残る小雨とさくらですよね。
さくらに関しては、まだまだちっちゃい子だから、ずっと離れないよう、トゥルー俺かお姉ちゃんの誰かが、あまり怖くないところを中心にずっと一緒にいてあげることでなんとかなりそうですが、もうそれなりの年長者である小雨としては、妹達の手前と言うのもある分、より深刻な問題なんでしょうね。
で、小雨が具体的にどのぐらい着ぐるみを怖いかというと――
や、やっぱり、
ああいう遊園地の大きな着ぐるみは
どうしても苦手っていうか
離れていたいっていうか、
どうにも――
おそろしくて――
……ううむ、なかなかに重症の様子。少し遊べば慣れるよ、なんて気軽に放り出せる状態ではなさそうですね。
確かに小雨自身が言う様に、小学六年生でここまで着ぐるみが怖いというのは、ちょっと珍しいかもしれませんが……
もし、「ようこそ〜!」って
着ぐるみさんにニコニコ手を出されたら、
歓迎してくれてるんだってわかってはいても、
でもやっぱり――
あの、その――
……
――グスッ。
うおおおおおっ、ダメだ! 小雨を泣かせるわけにはいかない! うーむむむ、これは当日、相当気を使ってあげなくては。
明日行く着ぐるみ遊園地が、千葉のDLそのまんまということであれば、着ぐるみ大好き派は通常の方へ、苦手派はシーの方へと分かれるって手もあるにはあったんでしょうけど、どうもそういうわけにはいかないようですね。
もっとも、通常の方でも、そんなにそこまであちこちに着ぐるみばかりってわけではなかったと思うので、普通に遊ぶことはできそうな気もするのですが――それでもやはり、園内の各所で突発的に出会ってしまうと恐ろしくなってしまうことでしょう。
で、そんな恐ろしい思いをした場合、小雨がどんなことになってしまうかというと――?
小雨――
考えただけで、なんだか
足がガクガク――
震えてきます。
なんだか――
おなかがヒンヤリしてきて
おトイレに行きたくなるような――
……
……これは、まずい。
そ、そそそ、そんな、まるで今週のKiss × sisのような目に小雨をあわせるわけには! わけには! ……ええ。ぢたま某先生の世界に小雨を誘うわけにはいきません。……い、いきませんとも!(←目に見えて動揺しておられます)
ともあれ、当日は小雨のためにおむつを用意……とかそういうたわごとは妄想内のみに留めておくとして(←と言いつつ、ちょっとそのシチュエーションを具体的に想像中)、小雨自身の不安はただならぬことになっているようで、「こんな情けない小雨なんかが」とか、「図々しい」等などのネガティブワードまで飛び出してきてしまっております。……ううむ、さすがに気持ちが分からないでもないのですが、やはりこういう状況になると、まだ後ろ向きなところが出てきてしまいますね。最近はそれでもかなり前向きポジティブなところも光っていたのですが――
とはいえ、言葉の上でネガティブでも、きちんと前を向こうという意思があるのは大変よきこと。
明日は――遊園地に行って、
もしやっぱり本当に――
着ぐるみさんが怖くて仕方なくなったら。
お兄ちゃんに――手をつないでもらってもいいですか?
……そうそう。こうやって助けを求めることができたなら、それだけでも十分ですよね。もちろん、明日は小雨につきっきりで、安全そうなところを中心に見て回りますとも。
「いつも輪の端っこから」なんて言ってますけど、端なら端だって、楽しさも、みんなとちゃんと分かち合えるんですよね。トゥルー俺もさすがに着ぐるみ遊園地で真っ先に楽しみまくる立場ってわけではないので、当日は小雨たちのような苦手組や、あさひたちの面倒を見ているであろう海晴姉さんたちとともにまったりと見て回ることになりそうですね。
お兄ちゃんが近くにいていいって言ってくださって。
お兄ちゃんの手にそっと触れていられたら――
大丈夫のような気がするんです――
……そして、控えめなようで、わりと大胆なことを言っている小雨でした。
この家に来て しばらくたったケド
チョーびっくりしたことがあるんだよね
……まさかさー ここまで仲いいなんて
フツー思わないじゃん?
だからこそのトゥルー家族なのでありますよ。……と、桐乃日記の第二弾目であり、このトゥルー家逗留もすでに三日目に突入しておりますが、さすがにこの三日間で、この家族がどれほど愛に満ち溢れているかは、よく実感してくれたようです。
いやまあ、二次元三次元に関わらず、そもそもの人数からしてまず比較対照にすることができないスケールの家でありますから、この感想も無理なからぬ話ですよね。
とはいえ嬉しいのは、そんなトゥルー家族に引いた様子など一つも無く、素直に羨ましがってくれている件。……まあ、さっきも言ったように、自分のところの家族と思わず比べてしまうのは、仕方ないことかもしれませんが……いやいやいや。トゥルー家族はその愛情の量・濃度ともに前人未到の領域に達してはいますが、別に大事なのは、そういうボリュームや質の問題ではないですからね。家族であること、その事実こそが一番なのです。……この口ぶりだと、ちゃんとそういうことは分かってくれているようで、この子にも結構親近感が沸いてきました。
とまあ、そんなわけなので、ガイルの勝ち台詞のような台詞(おまえにも かぞくが いるだろう ……)を放つのは、もう少し後でもいいかなって思った次第です。まあ、大事だからこそ、時には距離を置くっていうのも大事なことですしね。
嬉しいことに、このトゥルー家族のパラダイスっぷりは、ほぼあますところなくキチンと理解してくれているようで――うむ、さすがはオタの子。この手の桃源郷願望はもともと強烈なのでしょう。そりゃあ彼女の目にはトゥルー家族は魅力的に映ることでしょうね。
期待していたとおり、家族の皆も、(通常日記でこそ触れられてませんが)いつもの調子でとても良くして上げているようで――
お姉ちゃんたちは 気を遣って色々世話を焼いてくれるし――
妹たちは お姉ちゃんが増えたって 喜んでくれて――
いっぱい甘えてくれたりして――――――
(*゚∀゚*)
ひゃっほ――う! 来てよかったぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!
ようこそ、トゥルー家族へ! これはあれですね、潜在的トゥルー兄としての資質は十分ありそうな子というかなんというか。リアル側に在住しておられたならば、きっと良きトゥルー兄として活躍せしめていたことでしょう。
とはいえ、桐乃は一応、トゥルー側に地続きな世界にお住まいなので――
決めた!
アタシもうずっとここに住むから!
ってわけで 今後ともよろしく!
ぬうっ、次元突破という荒行を経ることなく、トゥルー家族といっしょにすむことが出来るだなんて……なんと羨ましい。
……などと、メタ的な部分で語るのはそのへんにしておくとしても、さすがにずっとというわけには……と思いつつ、いられるならばいつまでも、って気持ちでもてなしてあげるのがトゥルー流でしょうね。もちろんその裏で、彼女の実家やリアル兄などともしっかりと連絡を取る準備なんかはしてるのでしょうが……まあ、それはいずれ。
あさひちゃんのホッペつんつんしてくるね(*゚∀゚)σ)∀`)
こ、この顔文字文化圏……なかなかに新鮮です。姉妹は♥以外、この手のものを全く使いませんが(立夏でさえ!)、これはこれでなかなかに。桐乃が使うのは、今風ケータイ文化圏のと、オタ文化圏のとハイブリッド顔文字って感じですけど。
桐乃日記と同時に、イラスト更新まで! おおお、これはなんというトゥルー楽園な土日であることか……!
というわけで今日は、トゥルー内での大型イベントがある土日にはお決まりとなった、ユキ先生によるイラスト更新であります。
ええ、昨日の小雨の反応を見ての通り、今回の着ぐるみ遊園地、決して手放しで楽しみってわけではなかったんですよね。実際の現場でどうなっているか、トゥルー内でのリアルタイムを覗けぬ身としては、やはり心配ともどかしさがあったわけで、このイラスト更新はいつも以上に嬉しいタイミングでした。
で、その着ぐるみ遊園地ですが……ああ、やはり黒いネズミではなかった模様。まあ、トゥルー内千葉県にあるくせに別の地名が名前に含まれているとかそういう要素はあるかも知れませんが、基本的に例のアレとはわけて考えるべきでしょうね。
……っていうかこの着ぐるみ、よく見たらトゥルー家族が中の人になってるじゃないですか! 夕凪さんステッキとバッグを装備してたり、星花シニョンや、立夏キャンディなどを持ってるのもいますし、ましては後ろで霙姉さんが顔を出してたり……ああなるほど、着ぐるみ遊園地ってそういうことなのか。いや、これはたまたま、園内でそういう「着ぐるみ実体験!」って感じのアトラクションがあって、それを遊んでいる様子なのかも知れませんが、ともあれこれはちょっと意表を付かれました。
まあきっと、園内にはちゃんと、職員やアルバイトの着ぐるみも闊歩しているのでしょうけど、こういう風に、中の人が知ってる家族ってことであれば、着ぐるみが怖い子たちも大丈夫かな……って思ったら、それでも小雨さん卒倒しておられますよ! もしかしたら中の人に気付いてないのかもしれませんが、もし知っててこれなら、相当に深刻かもしれませんね。
他には、麗はやはり緊張を隠せず、さくらは例によって泣き出してしまっていたりと、やはり苦手派の子たちにはそれなりに試練となっている模様。とはいえ、着ぐるみを着ているのが、そんな彼女たちと誰より良く通じ合っている姉妹たちなのですから、これを機に、少しでも慣れられるといいですね。そして今日のこの日を楽しめたらなと。
……ところで、吹雪の表情がやけに輝いているのがちょっと印象的。どっちかというと「埃っぽいから」という理由で反対派だった吹雪ですが、何かこのセルフ着ぐるみを見て、感じるものがあったのでしょうか。
……とまあ、気になって仕方が無かったこの当日の様子を見られただけで、リアル俺としては一安心でありました。怖がっている子も、帰る頃には笑顔でいられれば、それでイベントとしては勝利ですからね。このあと、気ぐるみを着ている子たちが一斉に、「じゃっじゃーん! 実はリカたちでしたー!」って感じで正体を明かせば、それで大分気持ちも落ち着いて楽しめると思うんですけどね。ともあれ、これで一安心です。
……と、綺麗に締めたいところなのですが、一つ、猛烈に気になる点が。
泣いてるさくらの左となりに位置する、星花が普段身に着けているパンダマスコットが、なにやら自律活動を行っているような……? これはあれですか。これもトゥルークリーチャーだったのでしょうか。もしくは、この着ぐるみ遊園地自体、裏山みたいなトゥルー濃度の高い空間で、そこに長時間存在したせいでクリーチャーとして目覚めたとか。今更ではありますが、気になります。
あっばっ!
あっばばばばばっ!!!
あんばー?
ばばっ!
うっば―――っ……
ぶぶぶぶぅ――
きゃーははははは♥
うおおおおおおおっ、土曜日にもごくナチュラルに更新しておられるうううううっ!? しかも書いてるのあさひさんですよ!
いや、今日は通常日記の方でも、ちゃんと遊園地での様子をユキ先生イラストで更新されているわけなのですが、それにしてもこの状況は実に嬉しい! いやまあ、桐乃の方のは最初から「10日連続更新」ってちゃんと言われてたので、期待はしていましたけれど。いやあ、この土日更新があるだけでも、桐乃さん来てくれてアリガトウッッて感じですよ。
今日はトゥルー家族はみんなで例の着ぐるみ遊園地に行っているはずなので、その間桐乃がどうしているのかがちょっと気がかりだったりもしますが、まあそのへんは上手くやっているのでしょう。桐乃自身が気を利かせて今日はとらのあなでも見ていたりするかもしれませんしね。
さてさて、そんなコラボ日記に、あろうことかあさひさんのご登場なわけですが、ちょうど昨日、桐乃が「あさひちゃんのホッペつんつんしてくるね(*゚∀゚)σ)∀`)」って言ってたんですよね。ううむ、顔文字というのも味があってこれはこれで……と、それはさておき、桐乃自身も相当にお気に入りなあさひさん。いやまあ、赤ちゃんが嫌いな女の子っていうのもそれほどいないでしょうから、ごくナチュラルな反応とも言えますけれど、ともあれ気に入っていただけたようで家族としても嬉しい限り。
そうなってくると、そんな桐乃を見て、トゥルー姉妹のみんながどう思っているかが気がかりに。姉妹はみんなご存知の通りみんな人当たりの良いいい子ばかりですし、女の子ってことで、麗の男嫌いにもひっかかったりせず、みんな親近感を持って接してくれることでしょう。人見知りする小雨やさくらも、この分だと心配することはないかな、と。
で、そんな中でも、ほっぺたぷにぷにされたあさひさんが、ダイレクトに反応を残してくれたわけで、早速そちらを読ませていただこうかな、と。桐乃のみならず、トゥルー俺にもあさひさん語を解読するのは難しいので、いつものようにTRANSLATION先生お願いします。豪胆なあさひさんのことですから、きっと……
また新しい“おにいちゃん”がきたの?
ニオってみる!
あやしいニオイだ――……
よだれつけてやれ――
……案の定! 案の定、あさひさん、人見知りのご様子まったく無し! そのうえ、「ニオってみる」というのはまだしも、あやしいニオイ判定のうえ……嗚呼、桐乃さんに迫る、あさひのヨダレ攻撃――! ええ、いつぞや、おろしたての制服に直撃させてヒカルを泣かせてしまったアレですよ。これを喰らってしまえば、服に気を使わざるを得ない女の子としてはかなりの打撃となるわけですが――
あ、抱っこしてくれた、いい人かも♥
――桐乃さん、猛獣使いの資質有り! おお、あの濃厚なYASEI度を誇るあさひさんをしっかり手なずけられるとは……存外に度量の大きい女の子なのかも知れませんね。
まあ、なにはともあれ、あさひさんに好かれる以上、トゥルー家族とともに暮らす資質は十分に有り、と公的に認められたも同様ですね。……っていうか、あさひさんの言う「また新しい“おにいちゃん”」表現が気になります。いや、新しいお兄ちゃんというだけなら、赤ちゃんの認識ってことで問題ないんですが、「また」という部分が……いや、細かいことかもしれませんが、その言い方だと、トゥルー兄の時点ですでに複数存在したとかいう流れになりかねないので。……まあ、次元の壁を超えれば、トゥルー兄は海千山千と存在してるわけですけれど。具体的には、この文章を読んでいる諸兄ら等。
まあ、なにはともあれ、あさひさんは見知らぬ相手にもその赤さん特有のYASEI動物センスを全開に接してくれるということが明らかになりました。こういう外部の人との接触は、姉妹の新たな面が見えてくるのでいいですね。このコラボ企画、非常に素晴らしいなあって改めて思った次第です。
日曜日だって、土曜日に引き続き何事も無いかのように更新しちゃうッッ! 桐乃さん、ホント、いつまででも居ていいんですよっていうか是非居て下さい。
いや、単に土日にもべびプリ世界が楽しめるというだけでなく、家族の外の視点でトゥルー家族のことが語られるということ自体が新鮮で非常に楽しいですし、それにこの桐乃自身についても、トゥルー家族に対する感情とはまた別ながらも、すっかりお気に入りになってしまいました。俺妹は実は1巻だけ買って流し読みした程度だったのですが(あとはG'sの漫画)、これは続刊含めてじっくり読み直さないといけませんね。
とにかく、この当初は寝耳に水だった『俺妹』とのコラボ企画ですが、現時点でもうすでに個人的には大満足といっていいぐらい楽しめております。いやあ、やっぱ家族の外にもちゃんと世界があるっていうのはいいものですよね。家族の内が強固で大事だからこそ。
さて、ゲスト桐乃さんはこの日曜日、どう過ごしてたかというと……立夏とお買い物とのこと。おお、中学生女子同士が日曜日に町へお買い物……現役高校生であるトゥルー俺をしてさえ、いくらか聖域的なものと見なさざるを得ますまい。
桐乃の「あたしってふつーに読モとかやってるしチョーかわいいじゃん?」的な語りは、今時のギャル風だなあと思わないでもありませんが、これはこれでトゥルー家族の子にはちょっといないタイプって感じで新鮮だし、本質的にいい子ってのは知ってますから、なんだか微笑ましく見れるようになってきましたね。うん、こういう妹というのも、それはそれで。
で、そんなオシャレに自信のある桐乃は、立夏の服も選んであげてるようで――
やっぱさーあ
素材がいいと 腕のふるいがいがあるよね!
マジかわい〜から なに着ても似合うっていうかぁ
脚、長いし――
顔ちっちゃいし――
モデルとかやったら いきなり人気出そう
……そうか、立夏って客観的に見てもやっぱ超イケてる系なんですね。いや、トゥルー家族の中だと、それこそ思春期の女の子の脳内理想体型って感じにスレンダーな氷柱が隣に居るせいで、ついつい立夏の体については「ふとましい」系の感想を抱いてしまうのですが、実際の女の子現場においては、まったくそんなこともないようで。……そりゃあねえ。確かに健康的にむちむちしてはいますが、あれで太いとかいってたら、たとえトゥルー内とはいえ実物の女の子を見られませんとも。
そんなわけで、いい具合に着替え着せ替えを楽しんでおられたようですが……大胆すぎるミニスカートですと!? ――「見たい」、ですとッ!?
ぷっ
ばーか
見せるわけ ないじゃん(^∀^)
なにあわてちゃってんの〜〜
こやつめ、ハハハ!
いや、別に怒ってるわけではありませんが、ここはちょっと怒ったそぶりを見せて、からかい&からかわれあいの関係の醍醐味を味わうのが吉ってことで。
いやまあ、よく知らない子にいきなり言われたらさすがにアレですが、これもまた、それなり以上に親愛関係が築けているからの軽口でしょうしね。ましてや同じ妹属性のいうことってことで、自嘲すらされてしまったら、園田三国志的な返しで楽しむしかないじゃあないですか。
それはまあさて置き、こうして妹たちが家族外での友達と、和気藹々に楽しんでいるのが実際に描かれているのは、本当に幸せな気持ちになれますね。立夏とのみならず、他の姉妹とまで交友が始まっているようですし。連れ立って原宿に服を見にいく……おおお、リアル俺に原宿の領域というのはなかなかに敷居が高すぎですよ。トゥルー俺ならば問題ないでしょうけど。
それに、トゥルー姉妹と遊ぶのを想像して「へへ……」って嬉しそうな桐乃さんを見てると、彼女に対してもまた妹属性を刺激されている自分を発見せざるを得ません。いや、さすがは『俺の妹がこんなに可愛いわけない』なんてタイトルの作品のヒロインなだけありますよ。カテゴリーA以上の妹であるとハッキリ認識いたしました。
姉妹みんなで お出かけしたらさ
遠足みたいで ぜったい楽しそうだと思うでしょ?
ええ、それはもう。そして、そんな楽しそうなイベントがひっきりなしに行われているのが、このトゥルー家族という名前の真実(パラダイス)なのでありますよ。
そら、きにいった!
――ちゅろす♥
青空がなにやらお気に入り宣言を! いやあ、この堂々たる宣言っぷりたるや、どこぞの小岩井さんちの緑髪の子供を思い出させる元気っぷりでありますが、そんな青空のお気に入り対象となったのは――チュロス。
おにいちゃんもすき?
ちゅろす。
ながーくて、あまーくて
かりかりしてるの。
おいしくって
ながーいの。
あまーいこなが
いーっぱいついてるの。
おおお、今更ながら、一歳児とはとても思えないぐらい立派な説明! いや、もちろんチュロスは知っておりますが、あんまり食べる機会はないですね。映画館とかでもせいぜいポップコーンぐらいしか注文したりしませんし。
しかし、このお上手な青空の説明を聞いてると、それだけでなんだか食べたくなってくる気がしてならないわけで。ほほうそうかそうか、ながーくて、あまーくて……うむむ、少々ヨダレが。
そら――
はじめてたべたの!
――ちゅろす♥♥♥
……もっとも、青空のこの狂おしい可愛らしさを目の当たりにすれば、食欲から来るヨダレなど、昂ぶりに昂ぶった愛情から生じる生理反応としてのヨダレの前にあっさりかき消されてしまうわけですけれど! ああもう、「はじめてたべたの!」とか、もう、もう……!
まあ、それはそれとしても、なんだかチュロスが食べたくなってきた気がするのもまた事実であり、さっそく明日にでもどこかで買って食べようかなって思うわけなんですが、チュロスを食べられるのって……やっぱドーナツ店とかでしょうかね。パン屋とかにもあるかもしれませんが。
さて、そんな青空がそもそも、どうしてチュロスをお気に入りになったかというと――まあ、そもそも食べたのが初めてだったようですね。そりゃあまだ一歳ですから、そもそも固形のものをまともに食べられるようになってから、それほど経ってすらいないわけですしね。
ともあれ、あの食いしん坊でならした青空が、特にこうしてリクエストを出すほどに「うーんときにいった」とのことであれば、なにがなんでもまた食べさせてあげたくなりますよね。
……で、そんなチュロスを食べたのは、やはり先週土曜日の、着ぐるみ遊園地でだったようですね。青空いわく、「おしめさまのくに」。……か、か、可愛すぎる……! 遊園地をちゃんと「くに」って認識しているのも、遊園地側が感涙してしまうぐらい理想的なエンジョイっぷりが出来ていた証ってことでしょう。ああ、やはり青空は子供という名前の天使。……苗字でもありますけど。
たべたい、たべたい、らべたい!
――ちゅろす!!!
……こ、このおねだりっぷりが、ま、また、その……!(←ぴくぴくと痙攣中。あまりの可愛らしさに) いかに青空がすごい子とはいえ、おしめさまといい、らべたいといい、興奮したときには口が上手に回らなくなっちゃうんですね。ああ、これをまた聞くためだけに、興奮させて喜ばせてあげたくなる……!
しかも、単にわがままとしておねだりするだけじゃなくって、偉いんですよ青空。
うーんといいこにしてたら、
またたべられる?
うん――そら、もう
おねーちゃんだから、
おえってならない。
おててねろねろにも――
ならないよ!
おててねろねろ! ……ああ、この言語感覚……さっきの舌の回らなさといい、確実に父性本能というかなんというか、生物としての本能を直撃しますよこのあたり。
それはさておき、やはりこの手のものを食べると、まだまだおえってなってしまうことがあったみたいですね。でも、これだけ立派にいい子してられるぐらいに成長しているのだから、きっと食べるほうだって大丈夫ですよ……って思ってしまうのは欲目ってやつでしょうか。
ともあれ、近日中に再び「おしめさまのくに」に行くのは難しそうなので、ここは買って来るなり、ホタや春風さんに頼むなりで、青空のおててをねろねろ寸前にしてあげたいところです。
き、桐乃さん、麗までバッチリ手なずけておられる――!?
いや、麗がトゥルー俺に対して素直じゃないのは、単に男嫌いが影響しているっていうのが大きいので、実際にはもっと素直な子だっていうのは十分良く知ってるんですけど、しかしそれにしても、たとえ男じゃないとはいえ、自分の直接のお友達でもない女の子、それもちょっと年上相手に、わずか一週間足らずで、こんな風に打ち解けてお出かけの話をするようになるとは……。桐乃さん、想像以上に器大きめなんでしょうか。
とはいえ、麗がわざわざ日記に顔を出して、そのうえこれほどまでに饒舌なのは、やはり――
()
原宿駅から乗れるのは山手線だけだけど、
明治神宮前駅なら千代田線と副都心線に乗れるし、
表参道駅まで行けば――
千代田線と銀座線と半蔵門線に乗れるわ。
だから――
原宿で買い物がしたいなら、
私としてはやっぱり
表参道駅を使うのが1番のおすすめね。
うん――表参道駅は私のなかなか好きな駅よ。
田園都市線や小田急線の直通運転があって――
いろんな種類の車両が見られるもの。
4000形のフルカラーLEDの行き先表示器が
見えてくると――アタリ! って思うわ。
時間さえ合えば――最新型のロマンスカー
MSEが来るのも見られるし。
平日ならメトロホームウェイが狙い目ね。
ちょっと帰りが遅くなっちゃうけど――
夕飯ギリギリになったのがみんなに見つからないように
こっそり帰るのも、また楽しいものだわ。
ああ――
考えただけでワクワクしちゃう
私――地下鉄の直通運転って大好きなの!
……ええ、ご覧の通り、鉄道ネタがトリガーだったようで。語りっぷりがけっこう大変なことになってしまっています。
まあ、桐乃はジャンルこそ違えど、極めて高純度なオタ気質の持ち主ですから、いきなり麗がこんな勢いで知識を語り始めたところで、そんなに面食らったりはしないことでしょう。……あ、もしかすると、そういう風に、オタ的趣味に理解があって、きちんと話を受けてくれる人っていう部分で親近感を持ったっていうのもあるかもしれませんね。
このあたりの路線ネタは、DOUMINである俺にはさすがについていきようもないのですが、それとはまた別に、この中で、非常に気がかりな発言が。
表参道駅を使うのが1番のおすすめね。
ママの仕事場も近いし。
――ママの存在に言及された!? こ、これは珍しい……! 基本的にトゥルー家族のママは、確実に存在はしているけれど、その具体的な人物情報についてははっきり示されないというのが通例だったので、これは非常に驚きです。
っていうかまず、ちゃんとお仕事をしておられたという事実が明らかに。ここの家だと、既存の財産で食べているのではって雰囲気もあったのですが、まあそれはそれとして、きちんとお仕事もされているようで。今まで20年近く、ほぼ毎年産休を取っていたことでしょうから、勤め人ではなく、自営業なんでしょうけど。
しかし、それを踏まえて、「表参道」周辺の仕事場となると……なんか相当スゴイ規模の職場のような? まあ、トゥルー家の規模を見る限り、そこらのヒルズ族以上に裕福な家っていうのは間違いないでしょうから、不自然ではないですけれど。
ともあれ、こうしてまた少し情報が出てきたトゥルーママ。もうすぐ出てくる小説版では、もっと突っ込んだ人物像が描かれるかもしれませんね。
まあ、ママのことはひとまず置いといて――それにしても麗さん、鉄道ネタを思いきり語れたおかげで、超テンション高めであらせられます。「ああ――考えただけでワクワクしちゃう♥ 私――地下鉄の直通運転って大好きなの!」って、当の桐乃のことをすっかり考慮していない勢いでの語りになっちゃってるような気もしますが――
――うん。
桐乃さんって結構――
センスいいんじゃない?
誰かさんと違ってね。
――ふん!
――話がきちんと通じてるかどうかはさておき、この話し方からして、完全に心を許しておられますよ麗さん! ……っていうかこの場合、桐乃をダシにトゥルー俺への憤懣を表したのか、あるいはその逆か。麗のことですから、深く考えずまっすぐ思ったままを言ってることだけは間違いないでしょうけど。
しかしそれはそれとして、桐乃のセンス――いや、モデルやるぐらいですから、普通の女の子としてもイケてはいるんでしょうけれど、やはりどうしても、萌え属性的な方向のものが滲み出ているような気がしてなりません。そのへんを知るためにも、きちんと俺妹に目を通しておかなければなあ。
……っていうか、この原宿お出かけの話、いつのまにか「デート」扱いになっていたんですか! 姉妹みんな、って話だったので、てっきりトゥルー俺抜きの話かと思っていたのですが、これはなんとも……というか、麗の口から「デート」って単語がナチュラルに出てきたことがけっこう衝撃的です。麗の考えるデートって、むしろ憧れの鉄道に乗ることが、その「車両とのデート」って風に考えてそうな印象が少し。
麗自身は、ファッションには興味ないって言ってますけれど……桐乃のみならず、家族のみんなが(それも女の子ばかり)の目があって、見立てたりもしてくれるでしょうから、むしろ本人的には興味がないとか言っておきながら、実際にはそれなり以上のセンスを有してそうな気もしますね。し、しかし、麗のミニスカート……これは、相当……うおおおおっ(←セルフ妄想で興奮)
さて、そんな風にお出かけに思いをめぐらせていた麗が、唐突に「今度、春の大井川鉄道、誘ってみようかな?」とご発案。それも……
桐乃さんみたいな保護者が一緒なら、
きっと海晴姉様もOKじゃない?
桐乃さんと私と――
あ、桐乃さんはお兄さんも誘いたいって言うかしら?
き、桐乃のみならず、そちらの兄まで――!? い、いやそれは、トゥルー兄によっては、場合によると「自分が二人」みたいなノリになりかねないので、なかなか難しいというか、トゥルー兄の心情的にもにわかに承服しかねるというか……
そしたら――
席が1つ余るから――
特製駅弁買ってくれるなら、
一緒に来てもいい――<br>
……
ような気がしないでもないわ。
それはナイスアイデアですね!(←手のひら返し)
ああもう、「駅弁買ってくれるなら」とか、「気がしないでもない」とか、いちいち麗はいうことが可愛すぎる! ……これを読んでる桐乃も、「ああ、こういうのがツンデレ妹っていうのか……」って興奮しつつ関心しているのではないでしょうか。いや、一人のオタとしては、単にツンデレ呼ばわりするんじゃなくて、もっと複雑で繊細な中身も見て欲しいなとか言い出したくなるのでしょうが……とまあさておき。
これはもしかすると……さらなるお出かけイベントのフラグでしょうか? 桐乃日記は10日分とのことで、あと残り4日あるわけですが――なるほど、何か事情があってトゥルー家に駆け込んできたみたいですし、実の兄との関係改善には、都合も良いイベントかも知れませんね。明日以降の展開が楽しみです。
楽しかった春休みも
とうとう終わってしまって――
今日からいよいよ
学校が始まりました!
ついに――新学期ですね♥
そんな新学期最初の日に日記を書くは、星花! なんだか星花って、夏休み前に学校においてあるものを持って帰ったりと(7月17日)、わりとこういう学校関係のことに触れる日記が多いような気がしますね。それだけマジメというか素朴というか、ごく普通の女の子としての小学校生活が似合う女の子って気があらためていたします。
そう、ところで……「今年の」新学期、新年度についてなのですが……
去年、すなわちリアル西暦でいうところの2008年には、姉妹がきちんと進級・進学したということに関しては、みなさんご存知の通りだと思います。初期から同じ文面の自己紹介を読むと、みんなそれぞれ2008年度以降よりも一学年ずつ下なんですよね。一番分かりやすいのは、初期には小学六年生だったのが、中学生になった立夏でしょう。他の子も、それぞれ学年が一つずつ上がっているのが分かりますよね。当の星花も、自己紹介では小学三年生となってますが、これも今は四年生です。
……で、問題は、その進級・進学が、今年も行われてるかについてなのですが……どうも今日の日記を読む限りでは、そのあたりを読み取ることが出来ません。
ただ、「新しい教室に新しい先生」って部分を深読みすれば、通常小学校で担任の先生が変わるのは二年後ごとで、つまり今年から星花は五年生になったのでは……と思えなくも無いのですが、やはり今年に関しては、トゥルー内での整合性を取るために、2008年度時点のままみんなの学年は同じままって考えるのが自然だと思います。そういうディレクションを行うために、あの「0歳のお誕生日」なんて異次元文章が日記の中で明言されたわけですからね。
まあ、本当にそうなのかは、これからを見てみないとはっきりしたことは言えませんが――とりあえず、現時点での俺内部ではそういうことだと認識いたしました。つまりは、2008年度のみがオープニングイベントとしての例外で、そこから先のトゥルー世界は完全なるサザエさん時空と化したのだと思います。
……などと、俺たちがトゥルー世界の有り方について考え込んでいる一方で、星花のほうはというと、新学期ならではのちょっと新鮮で戸惑うような感覚をじっくりと噛み締めておいででした。まあ、トゥルーの内部においては、そもそも意識する必要などない事柄ですしね。
ついこの前まで、
毎日使っていたはずの
私の場所に――
もう他の誰かの
靴が入っていたりして。
あっ、そうか――
もうここは私の場所じゃないんだ
って――あわてて移動して。
ちょっぴり淋しくなったりして。
……えへへ♥
……ちょっぴりセンチメンタルな星花です。この子もやはり、歴史ロマンに心をときめかせるだけあって、感受性が繊細で豊かですよね。ものごとの移り変わりや、時の流れみたいなものの情緒を、他の子よりも深く感じているところもありそうですよね。孔明死後の三国志を読んで、たまらない寂しさを覚えてしまうタイプに違いありませんよ。真・三国無双4の、辞典部分のBGMを聞いて、思わず泣いちゃったことがあったりするかもしれませんね。(参考ニコニコ動画:【真・三国無双4】事典〜MEMORIES〜)
ただ、そうした感傷に浸るばかりではなく、新学期ともなれば当然、うきうきわくわくしてくることだって次から次へと起こるわけで。そういう感傷を抱きつつも自然と新学期への高揚感を受け入れてられる星花の感性は、別に特別というわけではないですけれど――実に健全で、いいなって思いますよ。「……えへへ♥」とはにかむ可愛らしさもいつもどおりですし。
この新しい教室で始まる1年は――
どんなステキな1年になるのかなって。
星花も胸がドキドキしてます!
ああ、星花にはやっぱり、こういう健全なことを改めて言わせたりするのがすごく似合うなあ。素朴だけど力強い、星花って子の内面を感じられます。
「これぞ――『三国志前夜』!」っていうのは、あれでしょうか。『演義』の章題そのものかな? うーむ、やっぱ星花の三国志知識は、原点そのものという今時珍しいぐらいのストロングスタイルなんでしょうか。もうそろそろ『蒼天航路』のアニメも始まるので、できることなら一緒に視聴したいところです。……HOKKAIDOじゃやらないみたいですけど。まー!(←蒼天呂布っぽく泣き叫び)
ともあれ、新学期ということで心機一転、改めて三国志的な言葉をいただけて、なんとなく嬉しくなった次第です。
ところであたし
立夏ちゃん 小雨ちゃん 麗ちゃんの部屋にお邪魔して
四人部屋にしてもらってるのね
桐乃逗留七日目にして新情報発覚! ……っていうほどのことでもありませんが、とりあえず呼び出し主の立夏と同じ部屋を使っているというのは、当然といえば当然ですね。トゥルー家のことですから、来客用の空き部屋ぐらいはありそうですが(姉妹が後々一人部屋にするためにも必要ですし)、そちらを使おうと思えば使えたのでしょうけれど、そこはやはり、友達と一緒のほうがいいに決まってますからね。
問題は、立夏自身も小雨と麗との相部屋ってことなわけですが……
狭くなっちゃってゴメンねって言ったらさ
三人とも
おねーちゃんが増えたみたいでウレシイ〜♥とか
そんなカンジで 歓迎してくれてさ
チョー感激したょ(´Д⊂ヽ
トゥルー家族の情に触れたら、そりゃあ感動しないわけにはいきますまい! トゥルー俺自身、それをこの世の誰よりも強く実感している存在なわけであり、桐乃のおもしろ顔文字を使ってまでの感動の表現に強く共感しないわけにはまいりません。
それにしても、兄のみならず、お姉ちゃんが増えることも大歓迎なんですねトゥルー姉妹たち。立夏は楽しければなんでもウェルカムな子ですから分かりますが、比較的神経質そうな小雨や麗までとは。いや、麗に関してはむしろ兄がダメってことでもありますが。やはりそれだけ、このトゥルー家族の持つ情愛の気質が骨身に染み付いてるってことなのでしょう。ホント、トゥルーの楽園度というのは計り知れませんね。そこいらのマヨイガが裸足で逃げ出す勢いです。
ところで、やや人見知りの強そうな麗が、この桐乃と仲良くお話をするようになったきっかけというのは――やはり想像通りだったようで。
いままでなかなか話しかけられなかった麗ちゃんがさあ
電車のおもちゃで遊んでたから 話しかけてみたのね
電車 好きなの? って
そしたら すごい 食いつきよう(゚∀゚)
やっぱ
好きなものの話だと
喋ってて 楽しいよね〜
う〜ん 分かるなあ
おお……まさに、寸分たがわず想像通りの展開だった模様。麗って本質的に繊細なので、その分、この人とはお話が通じるって思ったら、とことん心を許して突き進んでしまうタイプって感じですよね。
もっとも、それがちょっとオタの子特有の、自分のうんちくばかり語ってしまう系の現れ方になってしまっているので、いくらか心配なところもありますが、この桐乃の場合は、ジャンルこそ違えどそのあたりの心情はよく理解してくれているようで、問題なく受け入れてくれているようです。うーむ、相性も良いってことでしょうねこれは。桐乃の度量がそれだけ大きいとも言えます。「……電車の話をして ちょっとは仲良くなれたかな?」と気にしてますが、もうバッチリでしょうね。ああ、この子も優しい子なんだなあ。
そんな桐乃ですが、立夏部屋の三人のみならず、トゥルー家のベイビープリンセスたちとの交流もしきりに行っておられる模様。あの大部屋によく遊びにいってるとのことですが……
ちっちゃい娘たちのパワーはすごいね!
元気いっぱいっていうか
あたしも一緒になってはしゃぎたくなっちゃうもん
_|\○_ヒャッ ε=\_○ノ ホーウ!!
↑もーずっとこんなノリ
ちょwwwこの子の表現面白いなあ。ギャル風顔文字文化圏か、なんて最初は身構えてましたが、なんのなんの、大変面白いし率直でよろしいじゃあないですか。……この顔文字シチュ、両手を広げた荒ぶる鷹のポーズ的な感じを表してるんでしょうかね。
それにしても偉いと思うのは、あさひのほっぺをぷにぷにするために、ちゃんと爪を切ったという点。女子中学生的に重要なオシャレ部であるところの伸ばしてる爪を、ちゃんと切る……いや、小さい子と接するうえでは当たり前の配慮ともいえますけれど、その当たり前を当たり前にできるっていうのは、なかなか難しいわけで。特に誰にも言われることなく、そういうことができるっていうのは、それだけで好感を抱くに値しますですよ。
マニキュアつけても ちょいサマになんないケド
しょーがないっか
ホッペつんつんのためならば!!
ふふふ
む、む、む、出来ておる……! いや、これぐらいの愛情と配慮がある子ならば、あさひさんや、他の小さい子たちが受け入れないわけがありませんね。
いやあホント、このコラボ日記を読んでいくうち、桐乃さんに対する評価がトゥルー俺たち内部でうなぎのぼりって気がします。少なくとも俺は間違いなく。トゥルー家族の度量がとことん深いというだけでなく、桐乃の方にもしっかりと彼女達を受け入れられる大きさがあるんですよね。……こうしてコラボ日記での印象を刻み込んでから、俺妹の原作を読むと、これはまた非常にレアで面白い印象になるかも知れません。べびプリ小説と同時に俺妹3巻も出るようですし、これは併読するしかありませんね。
……
あー
なんかねー
しみじみ思った
あたし この家で暮らしてて 幸せ〜
……や、もう。それはもう、本当に。トゥルー俺的には、それこそ首が折れるぐらいの勢いで頷きたくなる意見ですが、家族としてではなく、一客人として感じるその印象は、またちょっとトゥルー俺のそれとは違うんでしょうね。まあいずれにせよ、トゥルー家族が本当の意味での楽園なことは間違いないわけですが。
かくいうこちら側としても、この桐乃さんが一緒に住まう生活は実に楽しげであり(トゥルー日記が倍になて、しかも土日も休まないあたり最高すぎ)、そろそろこの子とお別れするのも辛いかなって思えるぐらいの情が沸いて来たわけなのですが……うーむ、残り3日間、かあ……。楽しいからこそ、お別れの時間がやってくるというのは、お約束といえばお約束ですが……。
満開の桜の花が、
はらはら
はらはら――。
まるで優しくて暖かな
雪のように。
……トゥルー姉妹はみんなポエム能力高いです! いや、春という季節の影響か、ここのところ姉妹の日記を読んで、そういう感想を抱くことしきりですよ。……中には、日記丸ごとポエムに走りすぎて、後から照れてしまう子もいたりしますけれどねウッフフー。……ご、ごめんなさい、金獅子丸はやめてせめてプロレス技でッ!(←肉体的接触に備えて目が血走っておいでです)
……と、思わず今日の書き手を無視して暴走してしまいました。反省。そう、今日のこの春ポエムは、こういう記述が姉妹の中でも実に似合う感じな子、ホタによるものであります。
もっとも、そういう感受性の豊かなのも似合うことは間違いないですが、ホタって女の子は、そればかりではなく――
絶え間なく散る花びらが
あんまりキレイで――
今日は学校の帰り道、
ちょっぴり――
寄り道しちゃいました!
ウフフッ――
いけないですね。
オオウッ! 全然いけないことなんてないですけれど、この小悪魔的な言い方がなんとも兄的にシビれるので、いけないってことにしてくださいッ! ああもう、ホタったら、寄り道なんてしていけないなあとか言って、てへって舌を出してしまうホタの仕草を想像するだけで絶頂可能なトゥルー俺にとっては是非ともッ!
……ええ、別に、本当に全然いけないなんてことはないですよね。ただでさえホタは、家での仕事に多くの時間を拘束されてしまうわけで、そういうことを考えてるからこそ、冗談めいた言い方とは言え、「いけない」って風に思ってしまうのでしょう。しかし、だからこそ、ホタにはこういう寄り道なんかをもっと堪能して欲しいなって思うわけです。
それにこの時期の学校ですから、まだまだ半日授業とかになる日も多いわけで、そういう時間は本当に堪能して欲しいですよね。……ふむ、今日は「恒例の健康診断と体力測定だけ」……身体……測定……も、あったと、見るべきでしょうか……?(ホタのスペックは?)(年度が上がってないとして、中学生三年)(女の子の成長時期としては)(……今が時、ってヤツじゃあないですか)(ただでさえ豊満なイメージのホタ)(「おしりがおおきい」というのは確定事項として)(あくまで自称で、実際には平均よりも小尻って可能性も十分にありますが……)(こまけぇことはいいんだよ!)(問題は、もっとこう、女性として大事な部分の発育っぷり)(……以下、延々と数十行に渡りとりとめなく思考が流れますので略)
まあともあれ、まだまだ春休み気分でいても、少なくとも下校途中とかぐらいならば、ある意味当然ですよね。短い休みなわけですし。
そんなわけで、今日はホタも、春の陽気をたっぷりと堪能したようですが……この「ふんわり、ほっこり、暖かくて――」って言い方は、さすがに本人自身がふんわりほっこりな感じのホタならではですよね。ホタほどふんわりほっこりしている子なんて、そうそういるものじゃないですよ。まさにホタホタした気分になれます。
ホタがうっとり眠ってしまう……その様子を想像するのも、それだけで快楽ですが、
お兄ちゃんと一緒に見たかったなって
つい――思っちゃいました♥
えへへ♥
……うん、まさに桃源郷。起きてても、うとうとと眠ってしまっても、常にトゥルー俺をハッピースプリング状態にしてくれるホタであります。
それはさておき、やはりというべきか――姉妹の中で「桜」が一番好きなのは、名前絡みでさくらなようです。ここんちの子たちはみんな、自分の名前にちなんだことを大事にしますよねー。海晴姉さんといい、小雨といい。
とまあ、そんなさくらのために、桜の花びらを採集してきたというホタ。それを「はい♥」って差し出してくれる仕草もまさに桜の花もビックリな華やかさなんでしょうが――ああ、なるほど。今日は立夏のお誕生日なので、それで桜のケーキに、と。ああ、相変わらず風情をとことん活かしきるこのセンスと手腕……流石はホタですね。
でも、霙お姉ちゃんの好きな桜餅は――
また葉っぱの季節が来てから、ですね。
ウフフフ――♥
……そして、定番の霙姉さんオチ。ああ、やっぱり、この季節になると、そういう催促があるんでしょうね、本人から。
あのね。
きりちゃんがきて――
おうち、
ずっとずっとおまつりなの♥
「きりちゃん」! もはや桐乃は完全にトゥルー姉妹たちの心を鷲づかみしておられるッッ!!?
いやまあ、桐乃本人自身が、小さい子たちともとっても仲良くしてるって何度も言ってますし、それになによりも、桐乃のあの喜びよう、幸せっぷり……あれだけ家族との交流を喜んでくれるいい子ならば、そりゃあここがトゥルー家族でなかろうとも、好感を持つに決まってますよね。
そんな桐乃とたくさん遊んだ幼年組の代表として、今日は虹子が、こちらのコラボ日記にご登場でありますよ。虹子って、まだ幼稚園にも通ってはいませんが、潜在的にかなり社交的だろうって感じはしますからね。あのかわいらしいおしゃまっぷりは、桐乃もきっと好感を持ったでしょうし、きっとお互い打ち解けるのも早かったことでしょう。
それに、家族みんなが桐乃と楽しく交流することで、「おうちがずっとおまつり」状態っていうのも、ますますその好感に拍車をかけてますよね。家に客人が長々と逗留するっていうのは、リアルで考えれば、なかなか難しいものがあるわけですけど、ここはトゥルー、それも、あの心温まる桃源郷であるところのトゥルー家ですからね。来た人はみんな誰だって幸せになれること間違いありません。トゥルー俺が誰よりもよく知ってます。来てくれた人を幸せにすることで、家族自身も幸せになる……そんな幸せの良い循環を、理屈って次元を超えたところで実践しているわけですよ。そりゃあ、幸せですよね。
ふんわふわ。
はるの風といっしょに、
きりちゃん、きたの。
そして、虹子の表現が非常に美しいッ! ちょ、二歳児の言語センスってレベルじゃありませんよ! はるの風といっても、春風さんのようなある意味突風とはまた違う、ふんわふわなイメージを桐乃及び、桐乃がいるトゥルー家に抱いているようです。ああ……ほんと、ここんちの子たちは、感受性が豊かでいいなあ。心が洗われるなあ。
もっとも、トゥルー兄からすると、ふんわふわというよりはもっと騒々しいノリの、強くて心地よい突風って印象だったりもするのですが、そこは立場や感性の差ってことでしょうか。ほんと、桐乃はトゥルー家族に遊びに来てくれたブーストサイクロンみたいな存在ですよ。
とにかく、「にじ、とーっても、たのしい♥」……この一言を導いてくれただけで、桐乃には感謝しても仕切れないぐらいです。
話を聞くと、虹子のどろんこを使ったおままごとにも付き合ってあげているようで……ううむ、これはかなり、本格的に優しくって子供好きな女の子なんですね。ますます好感度が高くなります。とまあその一方で、「きりちゃんもね、おにいちゃんみたいに――みんなみんな、だーい好きって!」……と、ヘタをするとトゥルー兄のお株すら奪われかねませんねこれは。
もっとも……
おひさまピカピカのお庭でするおままごと――
おにいちゃんがおとうさんで、
にじこがおかあさんで――
きりちゃんが――あかちゃんなの!
エヘヘヘへ♥
――虹子さん、ナイス提案ッッ! ……いや、間違いなくその条件でのおままごとには付き合ってくれないでしょうけど、虹子がどうしてもって言ったら、あるいは……? ただその場合、我が家の氷柱あたりからは間違いなく白い目以上の冷え切った視線が帰ってくること間違いなしなので自重いたしますが。
そして――さりげなく爆弾発言も。
あとね、
あとね。
きりちゃんも――
フレディ好きって!
――――ッ!?
見えるのか! あのトゥルークリーチャーをッ! こ、これは予想外……っていうか、少なくとも氷柱が現実の存在とは認識できなかったあのピンク色の特殊生命体を、桐乃の知覚は受け入れたってことでしょうか? それとも、虹子が言っているのを聞いて、それに調子を合わせただけとか……? いや、どうもそういう感じでもなさそうです。
これは……桐乃さん、想像以上に、トゥルーの資質があるような……? いや、トゥルー家族そのものである氷柱がそれを現実と認識しないぐらいなのだから、トゥルー云々ではなく、そういう空想的な存在への耐性があるかどうかってことなんでしょうね。オタである桐乃には、その素養が合った……とか? あまり深く考えてもキリがなさそうですが、これは色々とビックリです。
しかもあのピンク、桐乃の絵までバッチリ描いたらしいじゃないですか! ……いや、お絵かき能力を有しているっていうのは知ってましたけど(参考)、まさか、人物画まで行える能力があったとは……! っていうか、そんな色も能力も、そもそも存在していること自体も常識を超えているフレディを見て、桐乃はどう思ったんでしょうね。
もし可能ならば、明日以降、その感想を聞いて見たいところなのですが……
だから――
きりちゃん、かえっちゃうなんて――
いっちゃ、やだ。
……ありゃりゃ。もう、そんなお話が、出てきちゃってるんでしょうか。
企画の説明としては10日間と明記されてますが、少なくともトゥルー内部では、いつまでいるかなんて発言はなかったですしね。せっかく慣れ親しんできたトゥルー家族にしてみれば、これはちょっと悲しい出来事です。
……まあ、いうまでもなく、桐乃には自分自身の家族があるわけで……帰れるようになるのだとしたら、それはとても祝福すべきことなわけですが。
そんなこと言ったら、
にじこ――
ないちゃうの。
きっと、うぇんうぇんって――
……
うえぇぇ〜〜ん――
おにいちゃん――
にじ、ないちゃった――
うわぁ―――ん!
……うわあああああああああああっっ!! 虹子が! 虹子が泣いてしまった! あわわわ、これはどうしようもないこととはいえどうにかしたいッ!
というわけで、桐乃にはせめてもう少しだけでも、虹子たちとの思い出を作っていって欲しいところです。そう、せめてトゥルー俺を含めた桐乃赤ちゃんおままごとを行うまではッ!(←血走った目で)
……まあ、冗談はさておくとして。虹子のみならず、トゥルー俺としても、なかなかに別れは惜しいというか、いつまでもいて欲しいって気持ちがあるわけでして。想像していた以上に。それだけ、桐乃がきてくれたことが楽しかったって事なんでしょうけど――
よる、8時をすぎたら――
おばけのじかん。
そして今夜はさくらの時間! ……ええ、桐乃さんとのお別れの余韻に浸っている真っ最中でしたが、それはそれとして、日々のトゥルー家族との生活も忘れるわけにはいかないのですよ。そういうセンチメンタルも、こういう日々の営みに少しずつ薄れ行ってしまうのは、ある意味悲しく、そしてある意味で幸せな、大切なことですよね。
とまあ、そんなわけで、さくらの日記ですよ。小さい子たちも桐乃とは仲良くやっていたようなんですが、一番臆病なさくらはどうだったんでしょうね? 最初は怯えつつも、すぐに馴染んでくれたでしょうか? だとしたら、お別れの時にはそれこそ、昨日の虹子みたいにわんわん泣いちゃったかもしれませんが――そのあたりは、想像に任せることにいたしましょう。
そう、さくらは今、「おばけ」の恐怖に怯えているようなので――
おばけが――
ふわふわふわ――って。
とんできて。
ちっちゃなこどもを
さらいにくるの。
さくらさん、さらわれる的な想像をすることが多いですよね。節分のときとか思い出します。当然、怖いからこそそういう想像をするんでしょうけど、怖い怖いと意識しているものっていうのは、それだけそういうことばかりを考えているからなわけで、さくらの中ではいつも、自分がどんな相手に、どんな風にさらわれてしまうのか、その妄想のバリエーションが豊富にあったりするのかもしれませんね。
……いや、だからといって、さくら本人にとっては、ありがたい話でもなんでもなく――そして今日。読んだご本によって、その妄想のバリエーションがまた一つ、増えてしまったのでした。
おばけのじかんになっても
ちゃーんとおふとんで
ねんねしないで、
おきてるこどもは――
おばけにつかまって、
おばけのせかいに
つれていかれちゃうんだって!
なるほどなるほど……って、ここまで読んで、この手のおばけに、少しばかり心当たりが。いや、元ネタは立派に絵本なわけですから、そうであっても、別に不自然でもなんでもないわけですけれどね。
もし、さくらが読んだのが、この絵本だったのならば、それは確かに、もう絵からしてトラウマチックなインパクトがありますからねコレ。大人同士でさえ通じるのですから、臆病でちっちゃなさくらにとっては、それはもう……案の定、泣き出してしまっておりました。
しかしながら、そのおばけに対応する方法(=早く寝ちゃう)も、すでに知ってはいるようなのですが……
おばけにみつからないように
おめめやおくちをしっかり閉じて
ねんねしなくちゃいけないけど、
でも――
おめめつぶったら、
おばけがきてもわからないもの。
どうしたらいいの?
お兄ちゃん――
ちょ、さくらさん、その疑問かわいすぎですよ! ……ああもう、そんなこと言われたら、どこまでも破顔せずにはいられなくなってしまいますが、確かに道理といえば道理というか。おばけが「見えてしまう」ことこそ、恐怖の根源だってことを、ちゃんと本能的に理解してるんですよね。まあそりゃあ、本能に希求するからこその怖さなわけですが、そういう意味でも、さくらの感受性はこの家の子なだけあって優れているなあとも。
おばけは重いものはもてない、でも軽いさくらは大丈夫――という要素情報を見出して、更なる恐怖に怯える感性も、それはそれで優れているともいえますよね。いや、さくら自身にとっては今の時点では困ってしまうこと以外の何物でもありませんけれど。
でも、こうして自分の中に抱く世界を、たとえ怯えによるものであれ、どんどん豊かにしていってくれることは、兄としてもなんとなく嬉しい気分になれることだったりもするわけです。
お兄ちゃん、さくらがこわくなっても、
ちゃーんとおばけにみつからないように
おめめをつぶっていられるか――
さくらのことみはっててください……
そう、こんな風に、人に甘える方法だってバッチリ学んでいますしね! ああもう、さくらのこの庇護欲のかきたてっぷり……! いや、ただ甘えるだけが良いというのではなく、小さい頃にたくさん甘えた子というのは、きちんと健全に成長できれば、その甘えてきた分だけ、人に愛情を返せる子になれるので。その点、さくらにはそういう方向で期待が持てるわけなのですよ。そして今の時点でトゥルー俺を間違いなく幸せにしてくれますし。
あたしがこの家に来てから けっこーたったよね
そろそろこの家のみんなとも
ずいぶん仲良くなれた気がするかな
ああ……もう書き出しの文章からして、別れの雰囲気を感じさせる……!
ええ、まあ。いずれこの日が来ることは分かっていましたし(リアル俺側としてはその刻限まで)、昨日の虹子だってまさにそのことを言っていたわけで、心の準備は十分にできているはずなのです……が。それでもやはり、名残惜しい気持ちは拭えませんね。
本当、このコラボが始まると知ったときに、これほどまでに楽しい思いができようとは、正直思っていませんでしたよ。全くの部外者でありしかもいかにも商業主義的なコラボ企画とのことで、警戒心が先に立ってしまっていたというのも、無理なからぬ話しではあると思うのですが……しかしそれでも、そのときの自分は裁量だったという他なく。いざ来てみれば、最初は確かにその毛色の違いに戸惑ったものの、すぐに良い子だって分かりましたし、それよりも何よりも、トゥルー家族がみんな桐乃のおかげで楽しそうで、そのうえ俺たち的にも、日々の日記が倍になるという、大変うれしいことをもたらしてくれました。本当、感謝してもし切れないぐらいで……
……って、まだしんみりするのは早いですね。桐乃の日記は今日で恐らく終わっちゃうのでしょうが、まだ日記の最後まで読んでませんし、恐らくは明日、姉妹の誰かが書いてくれるでしょうし。
そんなわけなので、今日のこの日記、いつもよりも神妙に読ませていただこうかと。
そう、今日の日記で、まず何より先に切り出してくれたのが、この家の姉妹と仲良く過ごせたということ。最初からチョー仲良しだったのが、さらにチョーチョーと、思わずひだまりスケッチの校長ボイスを思い出すかのような言葉遣いでありますが、
いっしょにゴハン食べたり――
いっしょにオフロ入ったり――
いっしょに遊んだり――
ここでは書けないよーなお喋りも しちゃったりなんかして
……桐乃さん、そこ詳しく。
……って、もしかして釣り? 釣り糸? いや、桐乃さんの性格からして、ここまであからさまな言い方だと、その可能性も大いにありそうですが――ともあれ、それを聞き返すような雰囲気ではないので、トゥルー兄、ここはじっと自重です。
なにせ――
この家には たくさんの家族がいて
きょうだいみんなが 仲よくって
お互いのことが大好きでさ
それって
すごいことだよね
……こんな、トゥルーの根幹に関わるような大事なことを言われてしまってはね。自分などは、常日頃から、すごいすごいと連呼してはいますが――本当、あらためて、すごい家族なんだってことを思い知りますね。外からの視点でこういう評価をくれたからこそ。
当たり前に居るはずの家族。――だけど、それが本当は当たり前なんかじゃあない。そんなことを桐乃は、この家族と過ごすうちに思うようになったようで――
……あれ
自分で言っててワケ分かんなくなってきた
ごめん
話すの下手だから
あたし
なんというか……「話すの下手」だからこそ、伝わってくるものだって、あるわけでして。
ともあれ、そんな適切すぎる言葉なんていらないわけですよ。不器用だって、素直じゃ無くったって、「この家で暮らしてて幸せだなって 思ったもん」……この一言さえ聞ければ、それだけでもう、十分すぎるほどですよ。
……などと、少しずつ言葉を捜しながら、桐乃は、自分の本来の家に帰ることになった経緯を、とつとつと語ってくれ始めました。
その部分に関しては、まさに「あちらの家族」のことについてなので、とりあえずここでは引用せず、あったことだけを読み、心に刻み込ませていただきました。……なんというか、ねえ? 桐乃さん、実に、ストロングスタイルじゃあないですか。このあたりの部分については、それこそ、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の本編を読んで、そちらの兄側の視点でこそ感じ取らなければならないなって思った次第です。
とまあ、そんなわけで――桐乃は、「帰ります」と宣言してしまわれました。
もちろん、待っている人がいるならば、迷うことなんて無いぐらいに、それが一番だと思うわけですが――
……それで
えっと
その……
へへ……
こんなん 改めて言うの 恥ずかしいけど
みんなと会えて
この家で暮らして
すっごい 楽しかった!
……だからこそ。楽しかった時間が終わるのが寂しく、別れが惜しまれてやまないって気持ちにもなるわけで……。ああ、本当、寂しくなるなあ。……いやはや、まったく。第三部のポルナレフみたいな気持ちにさせられるなんて、ねえ?
……桐乃さんのおかげで、大変楽しかったです。本当。
ありがとね みんな
またね(^o^)ノ
ジャイアント・さらば!
すわ、なにやらステキな造語が日記タイトルに――!? とまあまずはそんなことを思ったわけですが、この興味を惹かれざるを得ないステキタイトルの日記を書くは、僕らの魔法少女・夕凪さんでありました。
しかし、なぜにいきなり「ケッコン診断」などという乙女度高めな単語が出てきたかというと――
夕凪ってばさ――
小さい頃って、ずーっと。
そう思ってたんだよねぇ。
学校に行く年になったら、
毎年春になると――
女の子は“ケッコン診断”するんだって。
……ああ、なるほど。しかし、これはなんとも、「あるある」とも思えつつも、実に女の子らしく可愛い思い込みっていうか……夕凪さんの趣味嗜好の様が端的に見て取れる認識でもありますね。この手のことについては、診断したりされたりして欲しくて仕方が無いのでしょうきっと。
そのような思い込みをしてしまった後は、さらにそれに対する想像を膨らませていたご様子。まあ、その名前の通り、どんなお嫁さんになるのかというのは基本として――
身長とか体重とか
いろんなとこ測って、
“診断”するんだ――
スゴイーやっぱり、
小学生って超オトナ!
ってそう思ってて――。
……い、いろんな、とこを測る……?(←YU-SHOWさんの目が妄想モードに突入しました) しかも、そういうところを測定したら、「スゴイ、やっぱり超オトナ!」って思ってしまうようなところを測定してしまうわけですね夕凪さんッッ! ああ、まだ小学校に入るか入らないうちから、そのような桃色めいた妄想を行っていただなんて……。いやいや、具体的な形はとらなくとも、妄想の中では、たとえ子供だってかなりピンク色の濃い妄想を行っていたりするものなのですよきっと多分いや必ずそうあって欲しいと願わずにはいられないッ!(←単なる願望モードに)
しかしまあ、そのようなステキ妄想を思うがままに羽ばたかせた後、恐らくは小学校に入学して後に――それが単なる「健康診断」と理解してしまったようです。ああ、夕凪さんのことですから、この手のうっかり勘違いは、日々の生活の中でもそう珍しくは無いんじゃないかって思わずにはいられないわけですが……
あ、はははははは――♥
夕凪って――
おばかさんだね――
……
い、いやいやいや! わりとそんな雰囲気があるのは否定できないとしても、それはやっぱり違いますよ夕凪さん。なぜなら、本当の意味でおばかさんなら、そもそも自覚がないわけですから。自分のことをおばかだって思える子は、本当の意味でおばかじゃないんです。ジョジョ第3部でアレッシーが似たようなことを言ってたから間違いありません!(←例がちょっとアレなのは全力で気にしない方向で)
……で。そんな過去のショックで落ち込んでいるかと思いきゃ、全くそんなことは無く――それどころか、なにやら不穏な動きをお見せになっておられますよ?
「じゃじゃーんっ♪ ゲットしてきちゃいました!」と、「ああ、また夕凪さん何かやらかしたんじゃ……」と真っ先に思ってしまうようなノリで、夕凪さんが見せてくれたのは……
見てください、お兄ちゃん!
なんと!!
この夕凪の手の中にある
ぴらぴらの1枚の紙は――
夕凪がさっき、
超マホウで蛍お姉ちゃんの
お机の上からゲットしてきた
お姉ちゃんたちの――
健康診断の結果なのだ!!!!
うわぁお――興奮〜♥♥♥
えへへへへへ♥
――ウワァアァアオォオォッッ!!
(参考テンション状態)
……ゆ、ゆゆゆゆゆゆゆ、夕凪さんッッ!!?? そ、それは……でかした! ……っていいたいところながら……危険(ヤバ)いッ! ヤバイですよ夕凪さん! どのぐらいヤバいかというと、氷柱の制服無断拝借したのの数十倍ぐらいにッッ!!
っていうかッ! っていうか、なんでこの子は毎回毎回、こうもデンジャラスすぎる橋を渡ろうとしますか! チャレンジャー? チャレンジャーなの!? 真の魔法使いには後退のネジなど存在しないっていう不退転の意思の表れなの!? ……いや、これは間違いなく夕凪さんの素のノリですね。ある意味、ホタ以上の大物ですよこの子は。恐れを知りつつ、なお恐れないという、もっとも逞しい部類の精神をお持ちであります。……そりゃあ、押入れとはいえ、三日間も日記とトゥルー俺をジャックした過去があるだけのことはありますね。
とまあ、夕凪さんの偉大さについてはさておき――た、大変なものを手に入れてしまいました。ああ、これはまさにパンドラの箱、デスノート、賢者の石クラスの超厄ネタ……! 喉から手が出るほど欲しい情報ながら、決して手に入れるべきではない情報であることもまた事実。
今回はどうやらホタのところからパクって来たようですが、いかに怒らないホタとはいえ、さすがにこれは……いや、怒られるだけならまだしも、本気で悲しまれたり幻滅されたりした日には、その時点でトゥルー俺としての命脈や生命活動そのものが絶たれてしまいますよ! こ、この状況、いったいどのように対応するのが賢い道か……!?
救いなのは、これを手にしているのが、ただただ純粋な目的で手にしている夕凪さんであるという点。さっきの「ケッコン診断」が勘違いであると知りつつ、まるでそれを忘れているかのごとく、この健康診断の数値を良いお嫁さん条件としてチェックしておられますですよ。……いや、全くの的外れってわけでもないのですが。
なにせ……
それとも――やっぱり――
『ボイン』かな――
……ぼ、ボイン!? ……とまあ、そのこと自体はさておき。
問題は。肝要なのは。
ここに、少なくとも、ホタという「豊満なのでは?」と思われている子の身体情報が、存在しているという一点。……し、知りたい……! あたかも「あのお方」の遺体を手に入れたブラックモアのごとく、「私だって、その数値が知りたい……!」と思ってしまっていますよ自分! ……それを自分の都合だけで知ることが、もれなく破滅に導かれる道であることを承知しつつ……!
お兄ちゃんも一緒に見る???
……ああ、可愛らしい悪魔が、堕落のお誘いをかけてきた……! どうする、どうすればいいッ!?
まったく――台風みたいなヤツだったな。
あの、桐乃ってヤツは。
いやいや、全く――と、この桐乃が来ていた日々を振り返る、コラボ日記最終日をつとめるのは、トゥルーの精神的お兄さん役であるところのヒカルでありました。うむむ、こういう締めの役割みたいなのが定着してきましたね。その度量といい、四女という立ち位置といい、ふさわしい役割だと思います。トゥルー俺が基本的に傍聴者であり受け手にならざるをえないので、ヒカルのこの、一番上の保護者でもない、まだ子供に分類される中学生組でもない、中間的なお兄さん立場っていうのは、こうして見ると、実質的には何も損なわれてないんだってことが改めて理解できます。
それはまあさておき。本当に、帰ってしまいましたね……。いかにべびプリ小説と同時に本家俺妹の3巻が出たとはいえ、やはり寂寥感は大きいです。
ところで、この『with 桐乃日記』がどこに書かれていたかというのが明らかに。なるほど、立夏の私物ノートだったんですね。「先週から立夏がなにかゴソゴソしてると思ったら――」って言い方をしてるところから、もしかするとこの日記、姉妹みんなに公開していたものではなく、たまたまその日記を知った姉妹がそれぞれ自発的に書き込んでいったものなんでしょうかね。
まあ、この桐乃日記に限らず、トゥルー日記というのは、なかなかに特殊な存在なので、わりとなんでもありって認識でもOKなんでしょうけど、やはり桐乃という外部の子が絡んでいる分、そういうところは気になりますよね。
ちなみにこのノート、立夏の日ごろの生活ぶりや勉強への取り組み方が如実に現れた状態になっているようですが……まあ、それは押して知るべしとして。
昨日の――桐乃の最後に残した言葉を受けて、ヒカルがなにやら、綺麗にまとめてくれているので、それをありがたく拝聴いたしましょう。
うちの家族は――
「チョーすごい」なんてこと、
全然ないよ。
ただの――家族だ。
もし何かがチガウとしたら――
ちょっと人数が多いのと――フフ。
ちょっとだけ。
たぶんみんな、
ちょっとだけ――
他の人より素直なだけ。
自分の気持ちを外に出すのも
他のきょうだいを想うのも――。
……これ。まさに、これですよね。トゥルー家族の「チョーすごい」ところ。あえて言うならば、まさにそうなのでしょう。
家族に向ける愛情なんて、家族ならば当たり前のことで。でも、ここの家では、その当たり前を、これでもかってぐらいに尊んで、喜んで、喜び合って、分かち合って――と。それが、普通の家族と比べて、ほんの少しではあっても、一線を隔した部分ではあるのでしょう。
いや……ヒカル、この子って想像以上に、ものごとを聡く的確に見抜いてるんですね。いや、聡明な女の子だってのは分かりますけど、どちらかというと自然体で、こういうことに関しては、考える以前に体で理解してるって感じの人だって思ってはいたんですが。ただ感じて理解するだけでなく、それをきちんと説明する能力にも長けていたとは――! いや、さすが、トゥルー家族の「お兄さん」ですよ。トゥルー俺も思わず関心せざるを得ません。
ともあれ、そういうところが特別なんだって話ではあるのですが、その「特別」がないからといって、むしろそれが普通のことなんだって付け加えるヒカル。
……そう。トゥルー家族が「特別」であって、「特別じゃない」っていうのも、まさにそれなわけで。トゥルー家族みたいに、日々が家族への愛情に溢れかえっているのがありありと分かる家は、そんなにあるわけないですしね。それは、たまたまトゥルー家族にとって、そういう過ごし方が自然なんだというだけで、それぞれの家族にとっての自然というのは、もっとさりげなく、当たり前にしか見えないことなんだっていうことを、改めてヒカルは説明してくれているわけです。……桐乃の家についても、含めて説明してるんでしょうね。もちろん。
うん。
だから。
私は。
オマエにも――
もっともっと、
幸せにいてほしい。
……と、ここで言ってる「オマエ」っていうのは、桐乃のことを言っているんでしょうかね。基本、トゥルー俺に向けているはずの文章なので、ちょっと分かり難い部分ではあるのですが……前の文章との兼ね合いからして。トゥルー俺はすでにトゥルー家族の中に居て、改めて普通の家族について説明される必要はないですからね。
ともあれ、そんな経緯で出来た、この特別なコラボ日記。それの最後に、ヒカルが実においしいところ――トゥルー俺を含め、恐らくはトゥルー家族のみんなが言ってあげたかった言葉をもって、締めてくれました。
……
桐乃、また遊びに来いよ?
本当、心からそう思います。楽しい10日間、本当にどうもありがとうございました!
……さて、リアル俺には、こちらから俺妹世界に遊びに行くという選択肢もあるわけで、べびプリ小説を読み次第、そちらを早速実行に移そうかなーと。
うーむ……桐乃がいた先週までの、平日二回&土日休みナシの日記更新に馴染みつつあったので、こうして通常更新になってしまうと、やはりどこか物足りないというか、物寂しい気持ちは拭えませんね。いやまあ、この通常時のトゥルー更新だって、一般的な商業作品基準からすれば圧倒的なまでの更新頻度&濃度なんですけれど。トゥルーという名前の幸福に馴染んでしまうと、人というのは何処までもそれに染まって貪欲になってしまうのかもしれません。
ここは一つ、初心に帰って、一日一日の更新をじっくりと楽しむという心境に帰り立ちたつべきではないかと思いますね。というわけで、早速今週一発目のトゥルー日記を。今日の書き手は吹雪、ですが……おや、なにやら、「何か」が起こっている雰囲気が?
家の中に――
かすかなノイズを感じます。
キーンと。
遠くから。
でもなぜかダイレクトに。
耳の奥に――
響いてくる感じが
します
吹雪の“感覚”が、「何か」感じ取っておられる――!? いや、吹雪といえば、普通の子とはどこか違う超知性と、熱に弱い眩暈体質が真っ先に思い浮かぶわけですが、この手の感覚神経に関しても、もしかしたら何か秀でたものがあったのでしょうか。今までは、ところどころ繊細で神経質なところがあるようにも思えましたが、そういう超感覚的なものがあったかというと……そこまでハッキリしたものは記憶に無いような。まあ、あえて言うならば、その髪の毛のアフォ毛部分が、ちょっぴりセンサーっぽいかなあ、なんて不埒な感想を、俺のみならず抱いていた人がいたのを見た気がしますが……まあ、そんなことはどうでもいいとして。
吹雪が感じているのは、何か高い周波数の音波みたいなものなのだとか――
吹雪と電波。……俺たち世代だと、某赤い夕焼けの学校屋上にたたずむ瑠璃子さんなんかを思い出してしまいかねない組合せですが、あいにくトゥルー家族は、そんな毒電波を身につけてしまうような家庭環境とは縁遠い場所なわけでして。
まあ、別に吹雪に限らず、人間誰しも、頭に「キーン」と来る感覚には覚えがあるでしょうけど――これが実際の音波なのかというと、どうなんでしょうね。少なくとも、吹雪の聴覚が常人並ならば、実際に他の子たちにも聞こえうる音がどこかで鳴っている、ということになるわけですけれど。
その音は、吹雪曰く「リアルじゃないと感じさせる音」……と。まあ、ここはリアルじゃなくてトゥルーですから……というメタは除外するとして、吹雪がまず想像したのは、コウモリの放つ音波。あれって人間には聞こえない類のものだった気もしますが、それより何より、このコウモリにイメージを結び付けられる霙姉さんがなんというかなんというか。そのくせ「霙姉さんはペットなんて飼うキャラクターじゃない」(意訳)と、SBRのマジェントみたいな扱いにてその説をあっさり却下させられたり。
吹雪のいう「春先のダスト」っていうのは、おおむね花粉のことなのでしょうけど、やっぱこの子、花粉に弱いんでしょうね。一般的な花粉症の症状が出るのか、もっと吹雪特有の問題があるのか、それは定かではありませんが、ダストに弱いというのは、先の着ぐるみ遊園地の件でも出ていた話なわけで。
ともあれ、そんなダストな季節に、こんなノイズまでが載るとあっては、吹雪の体内ノイズもハウリングを起こしてしまうと懸念しておられて――って、た、体内のノイズって……? ちょっと聞き逃せない単語が出てきた気もするのですが、ま、まあ、心音とかニューロンとかシナプスとか、そんな類のものに関する表現だと思うことにします、ええ。
今はとりあえず、それよりも、続く吹雪の爆弾発言について――
おまけに。
このノイズには
どこか覚えがあるような
気がするのです。
まさか氷柱姉の――
……
……この証言を見て、俺の脳裏に真っ先に思い浮かんだのは、氷柱が自分の部屋でこっそり、あたかも剛田武のような威容で一人カラオケを行って自分の世界に入り込んでいる姿だったわけなのですが。そのイメージは、氷柱にとてもとても似合うような気がするのですが。ほら、春ですしね。……しかしまあ、さすがにそれだけで決め付けるのはまだ早すぎるかな、とも。
氷柱の将来の夢のことを考えたら、自室に何か怪しげな研究装置なんかがあったとしても、飛びすぎな発想ってわけじゃありませんからね。もしかするとすでに、鈴凛ばりの科学力が身についている可能性だってあるわけですし。
ともあれ、桐乃が去った後も、トゥルー家族の中はまだまだ賑やかな状態は維持されそうです。毎日が平凡、そして毎日が事件! それがトゥルー家族なんですね。
あの。
まさか――
……
まさか――
……
あ。
――うぅん。
なんでもないんです。
――ホタの身に一体何が!?
……ええ、いや。ホタですホタ。今日の日記は、ホタの出番なのですが……な、なんだというのですかこの反応は。これは……なんといいましょうか。何かを疑問に思っているというか、いぶかしんでいるというか……。
もっとハッキリいうならば。これは――かなり確信めいた「疑い」を抱いてしまっている人間の反応では――!?
それも、恐ろしいことに、この日記でホタが直接語りかけている人物といえば、該当者はたった一名しかおらず――すなわち俺! トゥルー俺!?
いや、確かにトゥルー俺は、ホタのことを見るたびに、そのふんわり柔らかな雰囲気を感じると同時に、「ああ、きっとホタってば、性格や雰囲気だけでなく、その体に至るまでやわらかあったかなんだろうなーやわらかそうだなー」などという不埒な感情を抱いていないわけでもなかったりしますが、し、しかしながら、今回のこの反応に関しては、とりたてて心当たりと呼べるものがあるようなないような――と、思い切り動揺を隠せないで居る挙動不審なトゥルー俺であります。
いや――待てよ。心当たりというと、まさか……? ……などと思い立ったところに、更なる思考を行う暇も無くホタが続けざまに言葉を放ってくださいまして、
ただ、
まさか――
そんなこと、
ないです――
――よね?
……。
……なんかッ、どこぞの竜宮さんにも似た圧力(プレッシャー)を感じるのですが俺の気のせいだと思いたいッ! L5症状などとは無縁のトゥルー家であると頑ななまでに信じ込みたいッッ!!
いや、というのも、微妙に心当たりを思い出してしまったと言うかなんというか――まあともかく、あの純粋無垢なホタに、こんな風に疑念のまなざしを向けられてしまったら、どんな聖人君子であれ、「よりにもよってあのホタに疑われるなんて」という類の動揺を生じさせてしまうのは無理なからぬことでありましょう!
ええ、まあ、幸いというべきか、そんなトゥルー俺の様子を見て、「いつもと変わらない」と認識し、あの花のような笑顔を取り戻してくれたので、ほっと一息といえば一息なのですが――いや、このときのトゥルー俺の表情はきっと、笑いを堪える夜神月の如く引きつっていたことでしょう。
ああ――ッ! それにしても、心が痛い、痛すぎる! ……というのもですね。もうこのあたりの時点でバッチリ、その心当たりというものに思い至ってしまったわけなのですよ。「お兄ちゃんが――そんなことするはずないって決まってますもの!」などとあの天使(あまつか)の笑顔で言われた日には、それはもう、心が痛む、痛みすぎますとも!
――と、いうのも。
ホタね、今年保健委員で――
健康カードのデータを整理するのに
みんなの健康診断の結果を家に持ち帰って
いるんですけれど――
昨日見たら、その1番上の紙が妙に
しわくちゃになっていて――
誰か――触ったのかしら?って――
……ああ、有罪(ギルティ)――!
……いやいや、厳密なことを言えば、そりゃあ実行犯としては金曜日の夕凪さんということになるわけなのですが……なのですが……ッ! 問題は、それを行ったのが誰かなどという些細なことではなく、その健康診断結果を目の前にして、この健康で若い雄であるところのトゥルー俺が、その数値を「知りたい」と欲してしまったことの罪! ああ、これは許されない――! どのぐらい許されないかというと、あのお方の遺体を手にして「独占したい」と思ってしまったブラックモアと同じぐらいには重い罪!
……救いとしては、トゥルー俺が金曜日、夕凪さんが目の前にチラつかせたその紙に、一歳目を通さなかったという可能性が残っているということなのですが、それは少なくとも、トゥルー俺=YU-SHOWという概念の範疇においては、到底行うことの出来ない高貴な決断であり、すなわち何度も言いますが高校一年生の雄野郎が、たとえ家族のものとはいえ――否、家族のものだからこそ、そうした数値を知ろうとしないことなどありえないと断言せざるを得ないのが実情なのです。……ああ、駄目だ、どれほど強い精神力を持っていたとしても、あの状況で、「見ない」という選択肢を取ることなど不可能――!
……まあ、ホタ自身、家族に知られたところで――と、それこそ天使のように優しくて寛容なところを見せてくれているのが救いではあるのですが。そのうえ――
やっぱり――
えへ♥
やっぱり、もし見られたのがお兄ちゃんだったら
恥ずかしいなって、思って――
えへへへへへへ♥
俺をそのかわいらしい反応で萌え殺そうとまでしてくれてますよ! 罪悪感と萌え感情との両面焼きときましたか! これは流石に耐えられない――! ああ、天使蛍さん(←本名)、俺をどうか天界に……
……などと、個人的感情に打ち震えている場合ではないのでした。
もうこの際、はずかしいついでにとでも思ったのか、元々家族に対してはとてつもなくガードが低い子なのか、その両方か――ホタさんが、僕らの「おしりのおっきな」ホタが、極めて重要な告白を行ってくれたのですよ――!
ホタ曰く、最近少し体重が増えて――加えて、身長も伸びている、と。
――ええ。それはいいんじゃないでしょうか。成長期ですものね。
ただし。
成長期に、体が発育するということは、即ち――
だからおデブになったって言うんじゃなくて
それは、確かに胸囲もついに80超えちゃって
ちょっと太いっていうかだいぶん太くなったっていうか
でも、たぶんきっと――
>胸囲もついに80超えちゃって
>胸囲もついに80超えちゃって
>胸囲もついに80超えちゃって
>胸囲もついに80超えちゃって
……覚えたぞ。(←アヌビス神のスタンドに取り付かれたような表情で)
……そ、そうか、そうですか。ホタさんてば、すでに80オーバーであらせられましたか……!
まあ、最近の中学三年生ともなれば、とりあえず80という数字自体なら、むしろ平均より少し大きい程度とも思えるのですが、問題は、その数値が「8x」として、そのxに入る値がまるで確定していないという点。この口ぶりからして、前回の時点では越えていなかったのでしょうから、さすがに去年が78か9ぐらいとして、そこから一年で6〜7cm以上も成長したというのは考え難いので、この値には1〜4が当てはまる、とみなして良いでしょう。
さて、仮に最大値である4だったとすると……これは驚異的な事実です。それは、某おっぱいアイドル星井美希さんと同じ戦闘数値なのですから。ちょうど年齢的にもほぼ同じですしね。まああっちは、胸だけ極端に成長してて、他はモデル体型って感じの子なので、一概に比較は出来ませんが……
そして、数値が1や2だったとしても、ホタの身長154cmという数字を考えると……いや、これもまだ伸びているのでしょうが……巨乳とまでは行かないまでも、むしろ生々しく発育が良い女の子、という結論には達せられるのではないでしょうか。
それにしても……それにしても! 嗚呼! トゥルー俺がもし、金曜日時点で、この思わずミルクの臭いがしてしまいそうなぐらい生々しい数字を知ってしまっていたとしたら、きっとこの土日はずっと、悶々とした気分を持て余していたに違いありません! いや、高校一年生という年齢を思えば、この数字だけで、実用に至りかねないという懸念すら。むしろ、妄想力豊かな思春期においては、実物の肉体と同じぐらいの破壊力があるのではないかと。
……そんなトゥルー俺の悩乱っぷりも知らず、ホタはもう、そんな健全な成長のあかしすらも「言い訳ぽいかな」なんて言ってくれているのだから、もう罪悪感どころの話ではありません。
ええ、たとえトゥルー俺の年齢だろうと、リアル俺の年齢であろうとも! 女の子の肉付きの話については、それだけで一晩中悶々としてしまえるほどのパワーがあるのは間違いないわけです。ましてや姉妹でも一番その肉付きっぷりが興味深い子であるホタのものであればなおさら!
なぜなら俺は――
お兄ちゃんはやっぱり――ちょっとぽっちゃりの女の子は
キライですか?
キライどころか、「愛している」からです。そりゃあ「ぽっちゃり幼なじみ」なんてキャッチフレーズが堂々と用いられる今日この頃ですもの! ぽっちゃりは正義! ぽっちゃりはトゥルー!
……というか、「おデブ」って言い方がまた可愛いんですけど、そういう表現が似合うのは、せめて『みつどもえ』のみっちゃんクラスの雌豚っぷりに至らない限りは、ただの謙遜の表現以上の意味は持ち得ないわけですしね。
少なくとも、ホタの肉付きっていうのは、男から見てまさに最良のそれであり、古い観念からすれば「丈夫な子が産めそう」と、より近代的な俺たちからすれば「……柔らかそう」と、とにかくどのような観点からしても、日の打ち所の無い理想的女体であると思えます。それはもう、永谷園のお茶漬けで当てたフェルメールの裸婦像のような甘美さがホタの肉体にはきっと!
……っていうか、これ以上具体的に想像すると、大変なことになってしまいそうなので、このへんで。
さて――ホタは以前から、「おしりが大きい」と自称しており、それは確かにそうなのかも知れませんが――これは多分、女性らしいという範囲での大きさであり、そもそもこの年頃の女の子が理想とするスレンダー体型の方がむしろ不自然な状態と考えてしまうわけなのですが。
このトゥルー家族にはちょうど、そのモデル体型に該当者がおり――
1度でいいから、モデルさんみたいに細くて華奢な
氷柱ちゃんみたいなになってみたかったな――
……と。
いやあ、きっと氷柱は氷柱で、ホタみたいなふくよかさに憧れているであろうことは間違いないんじゃないかって思うわけなのですが。以前の水着姿でも、それはもう、哀れなまでの平面状態でしたし……
……ここでふと、YU-SHOWさん、大変なことを想像してしまいました。
先日の「健康診断結果」には、夕凪さんが「お姉ちゃんたちの――」と言っていたように、複数人分の情報が記されていたのでしょう。そこには恐らく、同じ中学である、氷柱のデータも記されていたのでしょう。
氷柱の、脅威数値。……それはもう、どこぞの72さんにすら迫る、哀れな数字が書かれていたことは、想像に難くありません。
まして氷柱は、大変な「負けず嫌い」です。その数字がよりにもよって、下僕に知られたとしたら――否、そんな事情を知らなくとも、きっと大きな屈辱を覚えたに違いないのです。
――そこで思い出すのが、昨日の吹雪の証言。
氷柱が発生源と思われる、「ハウリングを起こしそうなノイズ」……と。
思えば、金曜日にあんな爆弾行為があったというのに、明けた月曜日には、それをスルーしての吹雪の証言。そのままだと、何か不自然ですが――もし、この二つの日記に、関連性があったとしたら。
「健康診断」「謎のノイズ」。そしてそこに、ホタの言うような「バストの数字」という要素を加えると……俺の脳裏には、あるとてつもない妄想が思い浮かんでしまったのです――!
あくまで予想に過ぎませんが、それは……

――まさか。もしかすると……?
どうか、俺の思い込みであってくれますように……!(←などと言いつつ、期待に満ち溢れた表情で)
あさひハッピバースデー、あさひハッピバースデー! ええ、今日はみなさんご存知の通り! 我らがトゥルー19女・あさひさんの生誕日であらせられますよ!
いやあ、誕生日というのはある程度の年齢になると苦痛も伴いますが、このぐらい小さな子にとっては、まさに祝い事以外の何者でもありませんね! ああ、始めてあった時にはあんなに小さかったあさひさんも、この“トゥルー家”で過ごすうち、大変健やかな毎日を過ごされており、その成長も――
< ―― ノイズが発生しました ―― >
と、ともあれ! ともあれ、めでたい日なのであります! あさひさん、生誕x年、心より祝福ッッ!!
……いや、そろそろマジメに話しますが、最初の一年目においては、それぞれの進級進学という、時間の流れが確実に刻まれたこのトゥルー世界でありますが。この二年目においては、どうやらその兆候らしきものは見当たらず、お約束的なサザエさん時空――もっと言うなれば、妹が生まれたときだけ時間が進んで、その後は再び停滞時空に突入した『クレヨンしんちゃん』的な状況に突入したのだと思われます。
まあ、そのあたりの事情については、リアル俺たちにしてみれば、その手のお約束には幼い頃からことあるごとに接しており、すでに耐性が出来ている身なわけであり、今更どうこう言いたくなるってほどのことではないんですよね。
――ただ、トゥルー世界において厄介なのは、この停滞時空がクレしん的なトリッキーさを帯びていることと、そのトリッキーさが、この時空の創造主(ゴッド)によって、俺たちをわりと意図的に翻弄するために用いられているような気がしてならないという点でありましょう。ええ、これに関しては、確証こそありませんが――感じます。明らかに、俺たちを翻弄して喜ばそうとしている絶対意思の存在を感じずにはいられません。
その最たるものが――去年のこの日の翌日、恐らくは生まれて初めて体験した、あのワード。
「0歳の、誕生日」――!
いやまあ、この単語を出したのは何も、翻弄のためのみならず、この世界にどういう法則があって、どういう認識をすべきなのかということをこれでもかというほど端的に示すための象徴の役割を果たしていたというのは、およそ間違いの無いことでしょう。事実、この珍妙な言葉を目にしてから、トゥルー世界への接し方がよく分かりましたし。
ただ、そうしたことを分かっていて尚、インパクトが絶大すぎるっていうか――
まあ、気を取り直していきましょう。幸いにも、今年の誕生日には、このトゥルー家では珍しく、誕生日を迎えた本人自身が日記を書いてくれているわけですしね。
ええ、いかにあさひさんとはいえ、自らが「去年と変わらず0歳」という事実を認識しているとは思えないので。そんな安心感を抱きつつ、さっそくご機嫌なあさひさんの言葉の訳を見てみましょう――
ありがと――
ありがと――
0歳のお誕生日!
超うれしい!
うわーい♥
……………俺はまだ、トゥルー世界というものの深さを完全には理解していなかったようです。
自ら! 0歳児の赤さんが、自ら「0歳の誕生日を迎えた」と認識しておられる! あばばっばばばばばばばっばば(←あまりのことにむしろ自分の脳が0歳化。それも、あさひさんより確実に低レベルの)
ああ、なんということ……! いやまあ、この世界において、ある意味あさひって存在はチート的な要素がある子でもあるので、それはそれ、と理解する寛容かつ強靭な精神を養うべし、って訓示をもたらしてくれているのかもしれませんね。
しかしそれにしても、ある程度予想していたとはいえ、今年も再び、それも誕生日を迎える当の0歳児自身から、「0歳の誕生日」って単語を聞くことになろうとは思ってもいませんでした。なんというトゥルーの深淵か――!
もっとも、そんな俺の悩乱も、「んぱっぱ! ぽ――♥(超嬉しい! うわーい♥)」などと全力で喜んでおられるあさひさんを見ると、それだけで幸せがこみ上げてくるので、それだけで良しといたしましょう。うむっ、今日は良い0歳の誕生日だ――! ……こうして人は少しずつ、トゥルーへの体制を身につけていくのでした。そう――
大きくなったら、
おにいちゃんのおよめさんになるんだよ――
……このような、メタ的に理解してしまうと、とてつもないところに追い込まれるような殺し文句すら、真正面から受け止めてしまえるほどに――!
ぷっ♥
ククククク――。
――開始早々、霙姉さんが怪しい笑い声をあげておられますよ――!?
いやまあ、霙姉さんのクール系キャラなんて、もうとっくの昔に崩れ去っておりますし、このノリもテンションもすでに馴染みつつあるものではあるのですが……今日のこの笑いには、なんというか……「心当たり」があるだけに、体内の全細胞が瞬時に、いよいよ来たか的な臨戦態勢を取ろうと必死になっております。
……ええ、霙姉さんのこの笑みは間違いなく、小説でもとんでもない悪戯を仕出かした、生粋の傍観者であるがゆえのモノ――!
ひとしきり笑いが収まって、「うん、やっぱり」などと自分で納得し出すあたり、さすが霙姉さんマイペースだぜ、って感慨にふけりたくなりますが――まあ、霙姉さんのクスクス笑いはなんというか、歳不相応なぐらいの可愛らしさもあるので、これはこれで幸福だったりも。
なにやら姉さん特有の終末的な言い回しも、どこか勿体つけた感じで霙姉さんのテンションが伝わってくるかのようですが――要はアレですか。トゥルー俺の存在が、いわゆる「お約束的にいい仕事」を行ってくれたことへの感謝、みたいな。
……まあ、ここまで(ある意味)持ち上げられてしまえば、千秋からの話の流れ的に、おおよそのところはもう分かってしまった気もするのですが――ああ、この緊張感はまさに土壇場の光景。
その、霙姉さんいうところの「楽しいビッグバン」の正体とは――
まるでこの私たちの儚い人生が
消えはてる事に抵抗するかのように――。
健康診断の件で氷柱をひどく怒らせて――
私に久しぶりのほほのたこ焼きを
見せて、笑わせてくれたりする。
ククク♥
――お約束どおり!
(↑記憶を取り戻した夜神月の表情……と見せかけて、実際にはちんげダディのような恐怖に引きつった顔に)
……いや、いやいやいや。いやまあ、確かにこれは、ものすごく予想通り期待通りの展開なのですが……氷柱のそのリアクションが、想像のはるか上をいく可愛らしさ! ちょ、氷柱さん、ほっぺのたこ焼きが許されるのは麗ちゃんまでだよねーキャハハハハって夕凪さんあたりに笑われかねないぐらいその反応は子供! 俺を喜ばせ殺す気ですか!
とまあ、まさにそんな感情を霙姉さんも心の底から堪能してくれたようで……
氷柱もまだまだ子供だな。
もう一生見れないかと思っていた
ふくれてまっ赤になった頬のたこ焼き。
ああ……! その気持ち、わかる、分かりすぎる……! きっと氷柱って、今よりもっと小さい頃は、今の麗かそれ以上ってぐらいに、ちょっとしたことで可愛くむくれる女の子だったんでしょうね。これは霙姉さんでなくとも愛さざるを得ない。
さすがにある程度長じてからは、そこまでダイレクトなおかんむり感情表現を行うことは無かったようですが……いやはやこれは。もちろん、健康診断の結果も超気がかりではあるんですが(72の大台に迫るのか、あるいは超えるのか)、もうこの反応だけでもう十二分なぐらいに天国ですよ。
オマエのおかげで――
楽しませてもらったぞ♥
おかげで終末が遠のいてしまった
ような気さえするが――。
明日は礼におやつをやろう。
そのうえ、終末を遠ざける効果まで! おお、なんだか知りませんが、夕凪さんの悪戯×トゥルー俺の存在×ホタの成長っぷり=破壊力って感じなんでしょうか。とんでもない効果です。
おまけに霙姉さんからおやつを貰うという偉業まで! ……あの、食べる専門だった霙姉さんから直々にお菓子を下賜される日がこようとは! それだけの偉業だったってことなんでしょう。それにしても、この「おやつをやろう」って言い方には、なんだかえもいわれぬ貫禄がありますよね。まるで『姉、ちゃんとしようよ!』の雛乃姉さんみたいな雰囲気です。
しかしそれにしても――ああ、明日の氷柱(ほぼ確定ではないかと)の日記が、恐ろしい以上に楽しみすぎる。健康診断結果の漏洩に関してはまさに想像通りでしたが、こうなってくると、吹雪の言ってたノイズが気になってきます。まさか、本当にバストアップマシーンだったのか、それとも単に悔しがって「キーッ!」って叫んでいる声だったのか。Bの実数値と並んで気がかりです。
やはり来た! ――氷柱。今日の日記は、やはり……氷柱!
もう、氷柱の顔が出てきた時点で、興奮が隠しようも無いほどにテンションが高まってしまっています。ええ、それはもう――期待? 羞恥? 歓喜? ……そのいずれでもあり、いずれでもない何か――そのようなものが、体のうちを狂おしいほどに駆け巡っている次第です。
ええ。今日までの、件の顛末については、今更語るまでも無いとして――それに、どういう反応が来るのか。どういう結果が訪れるのか。氷柱という極上のリアクション少女に対して、そのような期待を抱いてしまうというのも、無理なからぬ話でありましょう――。
というわけで、さっそく神妙に、氷柱の発言を見て行きたいと思うのですが……なにやら、一見落ち着いているようなそぶりを見せておりまして。
トゥルー俺がなにやら今、チョコチップクッキーを食べているようなのですが……賞味期限切れ、ですと?
――は?
知ってるわよ、霙姉様にもらったってことぐらい。
うちの家族でチョコチップクッキーを人にあげるのは、
突然ダイエットに燃えだす時の春風姉様か、
テツドウでおなかいっぱいの時の麗か、
何か下心のある時の虹子か――それに、
どら焼きが手元にいっぱいある上に、
お菓子棚がいっぱいになっちゃってる時の――
霙姉様くらいだもの。
……なんかいきなり凄いうんちく説明が! ……っていうか、何? このクッキーは、生粋の餡子派であるところの霙姉さんがくれたものである、と? いや確かに昨日、上機嫌になった霙姉さんが、おやつをあげようと申し出てはくれたのですが……。
どういうつながりなのかと一瞬いぶかしくも思ったわけですが、まあ確かに、こうして説明されると、理にはかなっているというか、納得はできますよね。霙姉さんはお菓子好き、だけど餡子を最優先し、そのうえで他のお菓子が余っていれば、そっちは誰かにくれてあげてもいい、というスタンスであると。いや、非常に納得できます。気分屋なんだか思いやりがあるんだか一見分からないこのスタンス、実に霙姉さんらしいというか。……手元にあるのが餡子菓子だけだった場合、どういう対応になるのかが少々気がかりですが。
それはそうと、トゥルー家族内ではどうやら、チョコチップクッキーは極めて需要の高いお菓子なようで、それを誰かにあげるというような状況は、上記のシチュに限られるというぐらいなのだとか。
春風さんはあれでやっぱり、けっこうダイエットとか気にする人なんでしょうね。太る感じのイメージはありませんけど、そこはそれ、乙女としての嗜みってところでしょうか。小説版では勉強があまりできないことが明らかになっていたりと、春風さんのイメージがどんどん庶民的というか近しく親しみやすい感じになってきた感がある今日この頃。
麗に関してはこれはもう、ハマりだすとお菓子すらスルーしてしまうのでしょうね。甘いものは女の子の命ですが、麗にはそれより大事なことがままある、と。……うーむ、これは熱い。
そして一番注目すべきは、「何か下心のある時の虹子」。……虹子さん、俺たちが日ごろ見立てていた通り、貴女はその歳にしてすでに魔性の女なのですね。ああ、二歳児の下心! 何か歳相応なようで、歳をはるかに越えた「何か」を感じてしまわずにはいられません。
……ちなみに、上記のシチュエーション以外ではありえないって、たとえば綿雪とか星花、小雨やホタあたりまでそうなんでしょうか。まあ、頼めばくれるのでしょうけど、そうなる前にまずその場で食べてしまうってことなんでしょうね、この場合は。
まあ、チョコチップクッキーの話はいいとして。
何か、何か……氷柱が何か、トゥルー俺に、妙なテンションでプレッシャーをかけてきているのですが……?
せいぜい心の準備をしてから食べる事ね。
霙姉様は――乾き物のお菓子に関しては、
賞味期限は絶対に気にしないタイプよ♥
……つ、氷柱さん、それはなんというか、やたらみみっちいというか、プレッシャーの与え方として、あまりにも可愛らしすぎるというか……! 見ていて思わず顔面が崩れてしまいそうですよもう。
いや、霙姉さんのキャラと組み合わせると、非常に「あるある」って感じの指摘ではありますが、しかしまあ、日本のお菓子の賞味期限なんて、実質「美味しく食べられる最低限保障期間」であり、20世紀の遺物でもない限りは、そうそう気にする必要なんて実質ないとは思うのですが……そのあたりの知識を知っていて、なお素でこういうことを言ってしまう氷柱がかわいすぎですどうしましょうこの妹。
しかも、「霙姉様にはいつものこと」だなんて、妥当ではあってもナチュラルに失礼なことを言っておられますよこの人! いや、それどころか……
あ、トイレを占領するときは、
ちゃんとみんなに声かけなさいよね?
小さい子達が困るでしょ?
あ――恥ずかし。
おなか壊してトイレにこもるだなんて。
……えーと、その、氷柱さん? その言ってる内容そのものも、非常に大概っていうか、なんというか……発想の視点そのものが子供すぎでありすなわち可愛すぎなのですが。
それ以前に――去年のこの事件のことをすっかり忘れてそうなあたり、悶絶してしまっていいでしょうか。いや、チョコで腹を壊したのはもしかしたら濡れ衣かもしれませんが、それでもこの一件をナチュラルに忘れてしまっているのか、それとも覚えていて尚気にしないほどの豪胆さなのか。いずれにせよ、もうなんといいましょうか……氷柱最高ですよもう! どこまで俺の頬をニヤニヤさせれば気が済むんですかこの子は――!
クスクス――♥
あ、ほら――何よ、
手が止まってるわよ?
うん。
見ててあげる。
全部食べるトコ。
私だってたまには――下僕孝行しないとね!
そのくせ、このノリノリなサド気取りっぷり――! ああもう、この子供の嫌がらせ丸出しのサドっぷりは、仮面優等生の人のそれすら可愛らしさにおいて凌駕してますよ。
いや、もしかしたら、トゥルー的な何かによって、このチョコチップクッキーが本当にヤバいことになってる可能性もあるかもしれませんが……って、ああ! もしかして氷柱、去年の自分のチョコですらおなかを下したのだとしたら、市販の賞味期限切れクッキーなら、下痢を起こさないはずが無いとか、そういう発想でこの責めを行ってるんでしょうか? だとしたら……い、いかん、いとおしさが溢れて氾濫しそう……!
……とまあ、実質無害なままでそれを聞いているだけの身としては、ニヤニヤする他ないこの氷柱の責めっぷりですが……これはやはり、本人的には、怒っているつもりなんでしょうね。それも、表立って怒れない、内面のマグマを発散させんがためのやり口というか。
ではなぜ、そんな怒り方になっているのかというと――
ええ、もちろん――
アナタに対して、なーんにも。
――怒ってなんかないわよ?
だって健康診断の結果を見たのは――
夕凪だけだもの。
なに――!? ……と思いきゃ、
今年も変わりなかった
私のあのサイズを――
結果を下僕が見たなんてこと――
私は信じないわ!!
――「なかったことリストに追加」wwwwwww
氷柱さん現実逃避しておられるwwwwwwww ……いや、その一方で、トゥルー俺の人格からして、実は本当に見ていないという可能性も十分にあったりするので、氷柱的には半ば自棄で言っているこの言葉は、実は真実だったりすることも十分に考えられそうです。そう、トゥルー俺は、リアル俺が想像する以上に人格者なわけで。陽太郎しかり。それほどまでの紳士でなくては、この家の長男はつとまらないって考えには、確かに信憑性があります。
というわけで、トゥルー俺がその数値を知っているかどうかは、あくまで闇の中、俺たちの胸の中にだけ収められたこととして認識いたしましょう。知っているといえば知っているような、知らないといえば知らないような……と。
そんなことよりも、深刻なのは――「中学二年生」という、成長期真っ盛りの女の子であらせられるところの氷柱の、(どこの部分かは知りませんが……)あのサイズが、去年と全く変わっていなかったという点。……え、えーと。あのサイズってどこのサイズなんでしょうねえ?(白々しく) 視力とかでしょうか?
……などという遠まわしな嫌がらせはほどほどにしておくとして。
まあ実際、氷柱の体ってば、極端なぐらいにスレンダーなモデル体型ですし、これはこれで、ホタたち同世代の女の子たちの羨望の的なんですよね。氷柱が気にしていると思しき、某部分のサイズについても、まあ、肩がこらない、下着で困らない、男どもの視線を気にする必要がないなど、むしろメリットのほうが多いぐらいって気もしないわけではないのですが――まあ、そこはそれ。
某72アイドルのお方も、基本設定においては、それをコンプレックスに思っていたりなんてしてませんでしたし(企画が続くうち、ユーザーからのフィードバックで、すっかりまな板コンプレックスが身についてしまったようですが)、氷柱についても、そういう心境に行き着いて欲しいな……なんて賢者めいたことを表向き言いつつ、内心ではやはりニヤニヤしてしまうのでした。
夕凪さんは例によってオシオキされたようですが(またゲンコかな?)、こちらからはこっそりとお礼を申し上げなければなりませんね。チョコチップクッキーが普通に食べられるようなら、全部あげてしまっても言いぐらいですよ。無論、毒見はしますが。
ぽんぽこ、
ぽんっ♥
ぽんぽこ、
ぽんっ♥
ぽんぽこ。
ぽんぽこ。
ぽんぽこ――
ぽんっ♥
――その月曜日は、虹子のなにやら非常に楽しげな歌声から始まった!
というわけで、今週も俺たちの命の泉にして活力元たるトゥルー日記が始まったわけですが……今回はまた、なんともリズミカルかつ楽しげな雰囲気での始まりとなりました。そんな書き出しを行ったのは、僕らの超級二歳児・虹子さん。
ええ、虹子といえば、その二歳児どころか一般的な幼児という範疇を超えたようなドキリとする色香を時折見せ付けてくれる子なわけですが、だからといっていつもいつも、そんな雰囲気を出しているわけではないんですよね。むしろ普段は、これでもかってぐらい全力で子供子供しているわけですよ(二歳児としては色々超越してますが、まあ大家族ゆえってことで)。今日の出だしは、そんなことを改めて思い起こさせる雰囲気がありますね。
しかしながら、一体何をこんなに歌っているのかというと――「にじこの
おなかは――
ぱんぱか、
ぱんっ!」
って歌詞にヒントがあるようなのですが、それに関してはあとでじっくりと。今はとりあえず――
えへへ――♥
じょうず?
にじこのおどり。
――歌だけでなく、踊りまで踊っていたのか! それはもう、間違いなく見ただけで過剰な喜悦によって心拍とか血圧とかが危険域に至ったであろうこと間違いなし。いや、ホント、想像するだけで……あわわわ、妄想が止まらぬ。
それはそうと、何故にいきなり歌ったり踊ったりをしているのか。そんな疑問を抱いたトゥルー俺に、虹子が、その本領を発揮するかのように――
だって――
みて!
みてみてみて、
おにいちゃん。
ほぉら!
にじこの――おなか!
くすくすくすくす――♥♥♥
――――ッ!?
(参考ニコニコ動画。アマガミネタバレ注意!)
――助けて! 橘さんッ!!
妹が! トゥルー俺の大事な妹(注・二歳児)が、あなたの居る世界の領域に突入しようとしておられるんですよッ! いかにCEROなしの世界とはいえ、これは許されない、許されないですよ! ……いや、まあ、トゥルー俺は別に橘さんじゃないはずなので、ここまでのことにはならないと思うのですが(希望的観測)。
い、いや、それにしてもそれにしても……いやあ。冒頭で言った言葉が、言った傍から覆される……というか、立証されてしまいましたよ。さすが虹子さん。あらゆる意味で二歳児を超越した「女力」みたいなものを身につけております。
まあね、ごく善意的かつナチュラルに考えれば、二歳児にそんな羞恥も何も無いからって一言で片付けることは出来るんですが、でもねえ、虹子の場合、二歳児には本来無いはずの色香がすでに備わってしまっているので。虚無領域から突如発生する強烈なカオスみたいなものですよ中二病理論における。
まあ、それはさておき、何故におなかなのか。……もうね、そんなところを見せながらの「くすくすくすくす――♥♥♥」笑いだけで、こちらの男の部分を刺激されないわけが無いのですが、そんなテンションのところに……
おなか、ぽんぽこぽん――
こぉんなに、まんまるでっぱっちゃってるの!
だって――
にじこ――おなかいっぱいぱい、だから♥
……理由はさて置き、そんなおなかを見せられてしまっては、ねえ……? さすがにYU-SHOWさんは、そこまで踏み込んではいませんが……なんというか、特定ジャンルの中の、最もディープで業の深い性癖を持ってしまった人々が、どういう連想を起こしてしまうか、想像に難くありません。
まあね。まあ、その理由そのものは、シチューの食べすぎって実に可愛らしいものなので、その子供らしさに注目することで、妙な方向へ思考が飛ぶのをなんとか防ぎましょう。ああ……「おほしさまのにんじんのとうもろこしの」なんて言い方を聞いていると逆に安心する……。ちゃんと二歳児なんだなあ、って。かわいいのうかわいいのう。
とまあ、そんなおなかの様子をみて、ご本のたぬきさんを連想して、こんな踊りを踊ってしまっていたようですね。もともと、こういうお遊戯みたいなことは大好きそうですし、幼稚園デビューを果たした日には、それこそ園児達の中でもひときわ際立つ踊りを見せてくれることでしょう。
もともと踊り子というのは、神話の中でも人類の歴史の中でも、いわゆるセクシー要素に他なりませんからね。虹子が踊りを得意で大好きっていうのも、この子の持つ色香を思えば、実に自然なことなのでしょう。
おにいちゃんもたぬきのおにいちゃんになる?
にじこといっしょに――おどって♥
ぽんぽこぽんぽこ――ぽんぽこ、ぽんっ♥
そんな虹子に誘われた日には――それはもう。
今日は――
……
雨ねぇ。
はぁ――
のっけからいきなりアンニュイかつお色気の漂う雰囲気を放っておられますよ海晴姉さん! ……ええ、今日はリアルにおいても雨模様でありましたが、相変わらずトゥルーとリアルのリンクっぷりも忠実なようです。
しかしながら、「海晴」なんて名前の海晴姉さんが、こんな悪い天気の日についつい沈んでしまうというのも、それは無理なからぬ話ですよね。この日のエピソードなんかを思い出してみても、海晴姉さんが晴れの日を大好きであることがありありと読み取れますし。
毎日晴ればかりでも飽きちゃうけど――と言いつつも、やはり気分は浮かないご様子。いつもテンション高めでアゲアゲな雰囲気を漂わす海晴姉さんにしてはちょっと珍しいぐらい、言葉にしてしまうぐらい萎え気味の様子が見て取れます。
――と、いっても。
いつまでもそんな気持ちを引きずらないのが、海晴姉さんの良いところであり――ある意味、恐ろしいところでもあるわけで。
ええ、世の中では最近「草食系男子」なんて言葉がしばしば囁かれてますが。この海晴姉さんに関しては、もうトゥルー俺に関することに限って言えば、もう肉食も肉食、冬眠から覚めたばかりのホッキョクグマにすら匹敵するほどその獣性を奔放に解き放つお人なんですよね。このトゥルー俺がまごうことなき(内面はさておき外面では)草食系であると知りつつ――!
とまあ、そんな海晴姉さんの本質を改めて語ったのは、もうこの時点で、その兆候が現れているからであり――
あ――見て!
ほら――駅からとぼとぼ
歩いてきたから、
ストッキングのふくらはぎのところに
こんなに――泥ハネ!
……ほうら。一見、何事も無さげな単なるバッドエピソードを語っているようにも思えますが……いやいや。いやいやいや。海晴姉さんのふくらはぎ――ですよ? それも、ストッキングに包まれて、さぞや女性特有のムンムンとした香りを直接かげてしまいそうなシチュエーションで、見て見てって「お誘い」しておられるわけですよ。賢明なる草食系トゥルー俺としては、もはやこの時点で、超肉食獣たる海晴姉さんの殺(やる)気を感じないではいられません。それがトゥルー家という名前の弟肉姉食のサバンナを生き残る術であるわけなのですが――
果たして、そこで生き残れるかというと――
だから――ね。
慰めて♥
なんでもいいわ。
キミの好きな方法で♥
――ウオォォォォォ!?
お仕事に疲れて帰ってきた
お姉さんを――癒してちょうだい♥

ちゃーんと気持ちよくしてくれたら、
もちろん――
ウフフッ♥

草食系どころか、“バオー”化しました。
……ええ、海晴姉さんのせいで、草食系ではいられなくなったのだ!(散様のくちづけと同じ効果) ええもう、草食どころか寄生虫バオーに巣食われたかのごとき獣性を生じさせざるを得ませんよもう! 殺人猿マーチンや液グモぐらいなら捕食するぐらいの勢いで。
ええ、わかってはいました。わかってはいましたが……ああ、なんということ! このお姉さん、トゥルー弟を「食べる」気マンマンじゃあないですか!
それもタチがわるいのが、この誘惑方法、あくまでも海晴姉さんの発言の中に、「直接的」な要素が皆無な点。つまりですよ、いかに性欲をそそられるようなシチュエーションであれ、これでもし、トゥルー俺がその気になってしまったら……ええ、男の子が悪いということに。な、なんてタチの悪い……そして甘美な……!
この罠の面白いところは、海晴姉さんもこれで、本気で「求められる」ということに対しては、案外ウブな気持ちなんじゃないかってことです。ええ、海晴姉さんってば、すっかりトゥルー俺が草食系と確信していますからね。下のような発言を見る限り。
おこづかいでも、おみやげでも、
それとも何か特別の――
――フフン♥
あー嬉し♥
こんな楽しみが待ってたなんて――
弟がいる生活ってステキだわ――
まあ、トゥルー俺なり陽太郎に関して言えば、それは間違いないとは思うのですが……しかし、そこは男の子。どんな男にだって、心の中には一匹や二匹、寄生虫バオーを飼っているのですよ? そこのところまで知ってか知らずか……知っているとしたら、まさに究極の肉食獣ですし、もし無自覚なのだとしたら……海晴姉さんもまだまだ「少女」なんだなあ、ってことで、とにかくもうどうしましょう的な興奮が収まりませんいずれにせよ。
……しかしまあ、そのいずれにせよ、この海晴姉さんの幸福かつご満悦な様子を見てしまえば、心の内のバオーがいかに猛ろうとも、この笑顔のためならば……なんて思ったりする弟心もまた湧き上がってくる次第です。
さて、そんなどピンク色な誘惑の合間に、ゴールデンウィークの話題をさりげに出してきてますが……まだ予定は未定ってことで。今年の春休みはけっこう外出しましたから、今度はどうなるんでしょうね。まあ、トゥルー家なら、やはり大変だろうとなんだろうと、相当手の込んだことをしてくれそうですが……などと思索しているところに、
じゃ、あとで部屋で待ってるね!
……バルバルバルバルバルバルバルバルバルッ!(←トゥルーアームドフェノメノンが発動)
お兄ちゃん、
お兄ちゃんっ♥
さくらのテンションがのっけから高いですよ! しかも超嬉しそうにしてくれてますよ! ……もうね、今日の日記はこの開始二行の時点で俺の幸福度がマックスを振り切ろうってぐらいなんですが、なにはともあれ、いつもはわりと書き出しはおとなしめで、そのうち泣き出してしまう……って感じの流れが多いさくらにしては、実にニヤニヤな雰囲気がただよう今日の日記でございます! これもGWを控えた春真っ盛り特有の季節効果ってやつでしょうか。さくらの季節は関東ではもう終わってしまったでしょうが、トゥルーのさくらはいつだって満開でありますから。
……とまあ、こんな風にさくらがノリノリなのは、春の効果といえば春の効果なようです。
さくら曰く――「たけのこって、知ってる?」とのこと。
大きくなって――
お姫さまのたけになる前の
ちっちゃくって、
かわいい赤ちゃんなの。
たけのはやしにすんでるの。
……ほほう、なるほどなるほど……って、別にたけのこのことを改めて知ったわけではないんですけどね。いや、なんといいましょうか、なんでいきなりたけのこなのかなーってまず思ったわけなんですが、この後で語られる理由の前にも、この説明の時点で、さくらが気に入っている理由がなんとなく理解できてしまったというか。
ほら、さくらといえば、「赤ちゃんが欲しい」エピソードが何度もあったじゃあないですか。そんなこの子にとって、「竹のあかちゃん」って表現が、けっこうな勢いでクリティカルヒットだったんじゃあないでしょうか。
……しかしまあ、「たけのこ」とはまた、性的ミスディレクションがあからさまというかなんというか……いやいや、いやいやいや。「たけのこ」と聞いて何かヘンなことを連想するとしたら、それはそう考える脳のほうが異常なんですよ、って巧妙な誘導ではあるんですけどね。あたかも昨日の海晴姉さんのごとく。……ところで、あの後部屋で、一体どうなってしまったんだろう……
とまあ、それはさておき(あのネタ引っ張るようなことが合ったら、それこそ家族会議モノでしょうしね)、どうやらこのたけのこのお話が唐突に出てきたのは、実際にそれを掘りにいったからのようですね。この口ぶりからして。
「かくれんぼう、
とってもとっても
上手なの」って言い方が可愛いなあ――なんて思いつつ、やはりそう簡単にたくさん見つけられるものではないようで(そんなに難しいものでもなかった気がしますけど、まあ幼稚園児には)、いつもの泣きモードに……入るかと思いきゃ、持ち直しましたですよ! おお、さくら、立派! えらい! やっぱ、テンションが高いときはそうそう泣いたりしないみたいですね。良い言いふくめかたをしたらしいトゥルー俺GJ。
……ところで、もしや、あのトゥルー裏山に掘りに行ったのでは、という恐怖的発想が頭を掠めましたが――ああ、よかった、どうやら幼稚園の遠足だったようです。トゥルー裏山に自生している植物となると、少々身構えてしまいたくなるのは無理なからぬ話でありますよ。ほら、ピンク色とかしてそうですしね。
まあ、そんな心配などすることなく――
お兄ちゃんは――
たけのこ、好き?
よかった♥
――えへへ♥
……この、さくらの笑い。笑顔。これがもう、どんなものよりも極上のご褒美でございますゆえ。ああ、嬉しそうなさくらを見ていると本当に幸せになる……!
それにしても、このさくらたちが通っている幼稚園も、イベントが多くてとても楽しそうですよね。まあ、幼稚園って基本的に、こういうイベントごとと、その準備とが授業そのものみたいなものですから、学校に通っている子よりもこういうお話のネタが多くなるのは必然なんでしょうけど。でも、みんな非常に楽しそうな幼稚園生活を過ごせてそうで、嬉しく思います。
で、どうやら今回のイベントには、おみやげもあるようで――
たけのこごはんのおにぎり♥
さくらがつくったの!
ラップでにぎにぎしたんだよ――
さくらもたけのこ、だーい好き!
お兄ちゃんのおにぎり、おいしそうね♥
さくらがにぎにぎ!? あのちいちゃなおててで剥き立てツルツルのたけのこを!? ……と、大変失礼しました。
下世話な話はさて置き、確かに自分も幼稚園の頃、このラップでつくるおにぎりはやった記憶が。確かコレ、絵本かなにかに書いてあるんですよね。しかし、そんなお手軽方法とはいえ、さくらの作ったおにぎりが食べられるとは……なんという幸福。
……もっとも、「おいしそうね」なんて期待を込めたまなざしを向けられては、食べる量としては半分に抑えてしまうことになるのは必然なわけですが、それ以上におなかいっぱいであります!
あ――
おおう、今日の日記は立夏か……と、書き出しのテンションがなんか低い!? あのトゥルータイフーンともいうべき元気を常に放ちまくっているあの立夏が……と思いきゃ、
……
ったかくなってきたねぇ――
オニーチャンッ♥
溜めでした! ええもう、タップリ引きつけるだけ引きつけた絶妙なダブルサマーソルトのごとき良き溜めですよほんとにもう。
いやね、立夏のこちらでの日記は、密かにちょっと久しぶりなんですよね(参照) まあ、桐乃日記(←公開期間が今月の30日までですので、今の内に文章などは保存しておくと良いかと)のほうがあったので、ご無沙汰ってほど餓えてはいないんですが、それでもなにげに久方ぶりで嬉しいって感じです。
さてさて、書き出しの溜めっぷりから察せられるように、今日も立夏は実にハイテンションです! 理由はもちろん春だから。そりゃあねえ、他の姉妹だって気持ちが高揚しているのだから、この子がはしゃがないわけありませんとも。
いかにも立夏的な語彙をフルに駆使しつつ、いかに春が好きかということを語っておられますが――
リカねぇ――春、だーいスキだよ。
……ここの部分で、今年のバレンタインデーのことを思い出してしまい、軽く顔が赤くなったのはここだけの秘密です。うーむ、立夏の「スキ」には、今年いっぱいはドキドキさせられそうな予感が。
とまあ、そんなウキウキムズムズな春ですが、やはりYASEI力の強い立夏としては、薄着ができるって部分がクリティカルらしく――
おヘソは出すためにアルんだし♥
リカの基本は
ミニスカートにチューブトップ!
肌見せしなきゃ、女子じゃない!!
ウシシシシッ♥
「おヘソは出すためにある」!! 素晴らしい名言! パンツじゃないから恥かしくない的な風情も漂わす、立夏という子を象徴する言葉がここに誕生いたしました! 加えて、「肌見せしなきゃ、女子じゃない」発言まで。麗や小雨あたりが聞いたら、全力で首を横に振りそうなご意見ですが、トゥルー俺が幸せになれることは間違いないので、そのことをあえて指摘するなどという無粋はいたしませぬよウシシシシッ(←リアル俺がそう笑っても、せいぜい重ちーのようなキモカワ系笑いにしかなりません)
……この調子だと、立夏はあと数年もしたら、さぞや男子の視線を悩ませる存在になること間違いなしですね。いや、中学一年生現在の時点でもうかなり深刻かもしれませんが。
しかしながら――どうやら今日この日を境に、その男子を悩ませる要素が増えてしまうことになりそうでして。
というのも……
なにやら、海晴姉さん直々の、「そろそろネ♥」(←これは立夏の口調では……)の指令なるものが出たようで――
じゃじゃじゃじゃ――んっ♪♪♪
本日をモチマシて、
リカ嬢、ついにスポブラ卒業
なのでアリマースッ!!!!
うっきゃあ〜♥♥♥
――っていうか立夏さん、既にスポーツブラを装着してらしたのですかェcrtびゅhんjみおk、lp。@;ッッ!!??
……こ、これはッ……、い、以外、以外というか……なんというか……俺はてっきり! オレは……うああああっ、本当にてっきり!(←YU-SHOWさんの内部で、なにやら今までの認識に重大な問題が生じたようですが無害なので放置推奨)
い、いや……冷静になれば、当然というかなんというか……ねえ? 中学一年生でありますし。立夏の成長ぶりって、イラストで見るとまだまだぺったんこのようにも見えるんですが、しかしその反面、体全体のむっちりっぷりは、単なる脂肪というだけでなく、二次成長ならではの女性らしいふっくらさとも十分に相まっており、すなわち、控えめながらも確実にそのような部分がお育ちになってしまっていたとしても全くおかしくはないわけでして。……そのような事実……認めざるを得ず……!
し、しかし……だとすれば……俺は今まで、立夏の胸元やら脇の下に、何度無為な視線を贈り続けたことか……(←視姦の告白) いや! スポーツブラであれ、無為というわけではまったくないのですが! ないのですが……その意味に重大な変化が生じるというか……ノーブラ=チラ見の風情、みたいな美学が……なんというか……
などと、自分理論の中で深い悲しみに襲われるトゥルー俺でありますが……なにも悲しいことばかりではありません! ほら、立夏も今日からガチブラが装着できるということで、大いに喜んでいるわけですし! 俺も悦びますよ! このほのかに酸っぱめな香りの漂うお赤飯系統のイベントに!
いやまあ、「ブラボー 最強〜!!」などと立夏がはしゃいでいるのもとても嬉しいわけですが……
というワケで――
今度のお休みに、新しいブラ買いに行くから――
オニーチャンもモッチロン付き合って、ネ?
――ほうら、とびっきりのイベントが!
是非とも! たとえ血を売ってでも、その役目――とばかりに付いていきたいところなのですが、そこは、いざとなると……その……トゥルー俺なんかが行っても、アドバイスどころか、まったくの非戦力というか、むしろ羞恥プレイを要求されるというか……
というわけで、ここは是非、定番であるお姉ちゃんの誰かが一緒についていく、というのが理想的ではあるのですが……それはそれで、トゥルー俺の魂の尊厳が守りきれないような……。
う〜ん、よくわかんないけど――
ま、行ってみればわかるヨネ?
自信を持って言えますが――多分なんとかなりません! ああ、はじめてもブラというものが、こんなにも幸せに悩ましいイベントとは……!
この分だと、明日誰かがこの話を聞きつけて、一緒に行こうってことになりそうな気配なんですが……うーむ、一体誰が適任か。
ひとつだけ言えることは、立夏のお姉ちゃん達のうち、一人だけ戦力外がいるってことですが――その人物の名誉のため、あえて名前はいわない方向で。
なによ。
いったい――何が言いたいわけ?
――まさかここで麗の日記が来るとは――ッ!?
よ、予想外……というわけでもないんですが(日記のスパンからして)、そ、それにしてもまさか、この昨日の話の流れからして、もっとも強烈な反応が来るであろうこの子の出番がダイレクトにやってこようとは……! 俺はてっきり、お姉ちゃんズの誰かが来るかとばかり。
いや。いやいやいや。この手の内容である以上、小学校中学年以上の子であれば、誰であろうと極めて素晴らしい日記になるであろうことは間違いないわけなんですが――しかしそれにしてもここで麗とはッ! このトゥルー世界に創造主たる神(ゴッド)の存在があるならば、間違いなくその神は俺たちを愛してくれているに違いありません! ……そう、俺たちの期待という名前の欲望を!(←ちょっとメタ的発言)
……まあ、なにはともあれ、こののっけの反応からして――
その――目つき!
……
いやらしい。
やっぱり――オトコって
いやらしいわ!
まだ何も言ってもいないうちからこのBIN-KAN極まる過剰反応――ッ! ああもう、この子のリアクションっぷりときたら、期待を裏切らないにも程がありすぎますよ! 麗が何に対してであれ、その気持ちを昂ぶらせれば昂ぶらせるほど、俺たちももれなく幸福な気持ちを味わえるという法則は、このトゥルー家に来てからというもの、一度たりとも崩れたことがありません。
まあとにかく、特にこの手の話題の最中における、麗の一言一句が、我々の業界的にはご褒美という他ありません。ドM的な側面というよりも、単純に麗みたいな子が精神的にじたばたやあやあしている様が余りにも幸せ可愛いすぎるので。見るドラッグですよこの子はホントに!
……とまあ、前振りはこのへんにしておきましょう。
いよいよ。いよいよ、今日の本題なわけですが……そう! 昨日の! 昨日、俺たちにあらゆる意味での衝撃をあたえた、立夏スポブラ卒業宣言! あれに関して、俺たちときたら、ある種の悲しみと喜びとが入り混じった、あたかも両面焼きのハムエッグのような悶え苦しむが如き感情に襲われてしまったわけですが……
私には――
関係ないもの。
立夏ちゃんが――
ス、ス、ス、ス……
……
スポブラ卒業したことなんて!
――――――うっふぅ(←菩薩様かと見まごう程の神々しい表情に)
……ウフフフフそうですかそーうーでーすーかー。いやいや確かに関係はないような雰囲気というかオーラがバリバリですよねただし現時点では。
現在麗さん、小学五年生。まだまだ、そういうモノが無縁な状態であっても別段不思議ではありませんよね。ええ――今の時点では。
もっとも、某数値が去年と変わらなかったあの子ぐらいの歳でも、まだまだそういうのが必要ないって子も、世の中中にはいるわけですから、一概に「麗ももうすぐ身に着けざるを得なくなるのですよウフフ」的な感慨にふけるべきかどうかは意見が分かれるところかもしれませんが――麗って、どのぐらいの成長が期待できるでしょうね? ぱっと見、氷柱系統の細身系だから、たぶん大きな期待はできないんじゃないかって思うんですが――どうなんでしょうね。小説版のカラーイラストを見る限りでは、まだまだフラット状態だったので、最終的にもかなり控えめなままなんじゃないかって予感というか期待はあるわけなんですが――
……と、この手の話題になると、本当に誇張抜きでいくらでも話を続けられそうな気がするので、このへんで。
ええ、今はそんな将来の予想よりも大事なことがあります。明日より今なんですよ!(←ミスミじいさんの種もみをボリボリと食しつつ)
まあ、アレですよ。……ここまでの麗の反応で、ほぼ完全に予想というか確信ができる内容なわけですが……スポブラ話をなにやら全力で拒絶している麗が、続けた語った内容。それは……
だから――私になんか
聞いたりしたら怒るから。
おあいにくさま。
私は――ブラなんて、
そんな気持ち悪いもの――
まだ、ぜんぜん――
してませんから!!
……………………勝ったッ!(←量産型ガンタンクを全て破壊したノリスの表情で)
……いや、何が勝ったのか、自分でも言葉にできない感情ですが……ともあれ、なんでしょう。この感動。この達成感。かくあるべきものが、まさに理想どおりに現実のものとなっていることへの、この神々しいまでの感動……! 麗! この子は本当、どこまでもどこまでも……!
とりあえず、麗のそんな来るべきときのために、明日はたっぷり立夏と下調べをしてきます。麗がはたして、ためしにつけてみたことがあって「そんな気持ち悪いもの」って言ってるのか、それとも単なる拒否反応で言ってるのかはわかりませんが――女子にとってブラというものは、あたかも大魔王の如く逃れられない存在でありますゆえに!
ぶらじゃあ、とは――
なんぞや?
――週が明けてなお、ブラジャーの話題が続いてしまうだなんて!!(←歓喜のあまり絶叫)
オ、オ、オ……なんということでしょう! 通常このトゥルー日記においては、週をまたいで続く話題も多いものの、それは週末に唐突に始まった話題であることがほとんどであり、このブラの一件については、先週さんざん引っ張り続けて、金曜日に一応……ま、まあ、決着という感じとは程遠いものの、オチとしては実にニヤニヤな形で落ち着いたと思っていたので、それがさらに継続したっていうのは、このYU-SHOW、驚きと喜悦のあまり心や体からいろいろなものを迸らせてしまいそうです! ゴッドめ、俺たちが悦ぶ話題をあざといまでに的確かつ執拗に攻め立ててきおる……!
……とはいえ。今日の日記は、まだまだブラとは無縁な存在であるところの観月であります。観月は、話し方や情緒の安定性こそ際立って大人びてますが、あくまで子供な部分は子供のままであり、少なくともこの、「ブラジャーを装着するか否か」という一件に関しては、まだまだ他人事のスタンスというのが自然であり妥当。……そんな想像のとおりのリアクションがまずは来ているようです。
不思議じゃのぅ――
あのような物に、みな
一喜一憂しておって――
ただの。
山盛りになった、
おかしげな布じゃのに。
……確かに。
確かに、あれはただの布ではあります。単純に「乳バンド」と称しても一向に構わない役割を持っているだけの、単純な布の器具に過ぎません。まして、そんなものを身に着けるのはまだまだ先な観月にしては、それ以外にどう認識すればいいんだってぐらいの思いがあるのでしょう。
しかし……だが、しかし。
これを身に着けるようになるか否かという時期の女の子――(ついでに雄全般も含みますがそれはまた別件として)――にとっては、ある意味ゴールドクロスにすら匹敵する羨望を受ける着衣であることもまた事実なのですよ。
その羨望の端的な表現としては、先週の麗の反応こそが逆説的ながらも極めて良い例といえるでしょうね。……氷柱の反応も非常に気がかりですが、先週の土曜日、実際に立夏と買いに行ったんでしょうかね、トゥルー俺ってば。そうだとしたら、帰ってきた後の家族一部の視線が非常に痛かったことは間違いないのですが、そこのところの氷柱の反応が、良いリトマス試験紙になっただろうなあと惜しい気持ちも沸いてきます。
まあ、そのあたりのことはひとまず置いておきましょう。
兎に角、現在の観月にとって、ブラジャーなるモノが興味の対象にならないわけで。そんな観月が、干してあるブラジャー……(トゥルー俺もわりと気軽に見られるのではないかと思うと……?)を見ても、
わらわは、あれが干してあるのをみると
いつも砂をつめて――
おやまごはんの遊びをしたくなるのじゃ。
そんな風に思ってしまうようです。
ハハ、これはなんとも子供らしい――と思いつつ、おやまごはんという言葉が具体的には分からず、すかさずぐぐる先生にお尋ねした次第。うーむ、これって定番の絵本なんでしょうか。
まあ要は、チャーハンの類のことのようなのですが……なるほど。普段焼き飯を食べる器に関して色々思うところがあったみたいですね。それですかさずそんなことを思ったようです。
とまあ……
そんなわけで――
……観月としては、本当に、全く悪意なく、素直な思いを口にしたのでしょうが……
――それだけに、極めて高い信憑性を持った事実が明らかになってしまいました。
ええ。要は、ブラジャーのカップを、自分が使うための器と見立てているだけの話なのですが……
それに大きさや形もいろいろで――
うむ、わらわはあまり食が太くないのでな。
蛍姉じゃのよりは――
みぞ――
……
……「みぞ」?
……今。今、とても大変なことを耳にした気がします。気がしますが……はて、みぞ、みぞ。mizo……
…………………………。
………… ホタ > 霙
………………(がくがくぶるぶる)
まあ、そのようなことに
使用したら怒られるか。
や――
少し悪寒が――。
……観月が恐れているのは、単に、そんな悪戯をしちゃ駄目、っていう意識に基づく罪悪感以外のなにものでもないのでしょうが……
それを、その事実を。しっかりこの耳で聞いてしまった身としては……
……覚悟、しなければならないでしょうか。
いやまあ。ホタが中学二年生にしてはそれなりに立派ってことを思えば、霙姉さん……ゲフンゲフン、もとい「みぞ……」のブラとて、そんなに悲観するほどのものではないのかもしれませんが……でも、もしかすると、氷柱クラスという可能性宇宙も、完全には否定しきれないわけで。
ここで仮に「みぞ……」という単語を霙姉さんと定義しますと、この結果は、俺の想像というか期待にピッタリマッチしたものであり、それだけにこの場で歓喜のあまり踊りださんかの喜びを感じているのもまた事実ではあります。俺が勝利した!……と、そんな雄たけびを上げたい気分があることも決して否定は致しません。
しかし、こんなトップシークレットを不意にしってしまったとなると――
霙姉さんは、あの性格の上、例の終末理論があるので、表向き、そんなの気にしないってスタンスを取るような気はするんですが……しかし、あの人の内面は、ある意味非常に可愛らしいところがあるというか、まさに乙女のブラックボックス的な部分があることも間違いないわけでして。
そんなことを思うと、この狂喜的事実を知ってしまったことに、喜び以上の恐怖や罪悪感を覚えてしまうのも、無理なからぬことではないでしょうか……
……ともあれ、この話題が明日以降にも引きずるかはわからないのですが、最低限、覚悟だけはしておこうかと。
それよりも、今週末よりいよいいGWが本格的に始まるわけで、むしろ観月の意識はそちらに向いてテンションアップしているようですね。
なにやら「しおひがり」なんて単語が出てきたあたり、海晴姉さんがまだ未定だって言ってた予定も、そろそろ固まってきたのでしょうか。これは楽しみ。
明日から――
いよいよ♥
ゴールデンウィーク本番
ですね!
うふふ♥
背景も変わってとうとう新緑のゴールデンウィーク的雰囲気に! ……なると思ったら、なんというかその、まだまだ春のどピンク色がしっかりたっぷり濃厚に残っておりました。ええ、これほどまでのピンクオーラを日記の書き出しから醸し出せるような人は、トゥルー姉妹広しといえども、このお方、春風さん以外にはありえませんね。
まあ、ここのところのトゥルー日記ときたら、ずっとブラジャーの話題で持ちきりという、桃色どころの話ではない生々しささえ漂わす非常事態続きだったのですが、それもどうやら一段落――と、この時点では思っていたのです――って感じのようですね。話題としては、すでに明日以降のGW休みにどうするかってところが中心となりそうな感じです。
ただ、まあ……
今年も私の王子様といっしょに
ステキな休日が過ごせると思って
今から――
春風、楽しみにしています♥
―――きゅぅんっ♥♥♥
……この春風さんのテンションを見る限り、どんな季節で、どんな話題を持ってこようと、この濃厚極まる桃色オーラを払拭することなどは不可能と心の底から理解せざるをえません。ああ、春風さんの頭の中はいつだって強い恋という名前の春風が暴風の如く――!
この、春風さんの「きゅん」って、もはや単なる口に出す擬音を通り越して、ある種の威厳というか威容すら漂わせていますよね。あたかもラオウの「ぬぅん!」みたいな。
とまあそれはさておき。どうやら今年のGWは、たっぷりと予定が詰まった大忙しの休みになりそうです。お買い物にイチゴ狩り、牧場行きに潮干狩り――と、前後半あわせての予定だとしても、コレは相当のハードスケジュール。海晴姉さんが張り切ったのか、それとも今年は可能な限りみんなの意見を反映するようにしたのか。先の鉄道博物館&着ぐるみ遊園地の、両方に行ったのがみんなの満足に繋がったというのが、今年のGWの予定にも影響を及ぼしているのかもしれません。
とまあ、トゥルー俺としては、その予定を聞いて、ああ、楽しそうだけれど大忙しだなあ……って印象を受けたわけなのですが。
どうやら春風さん的には、それとはまた別の事柄が気になるようでして……
だって――
お泊まりがないなんて――
やっぱり――
メープルシロップのないホットケーキっていうか、
生クリームのついてないシフォンケーキっていうか、
リボンとレースの付いてないブラジャーっていうか――
……春風さん、強引にブラジャーネタを引っ張ってこられたー!?
ああ、さすがは春風さん。姉妹の皆が実に盛り上がる桃色トピックスで、トゥルー俺の心を身悶えさせているのを見て、自分も遅れてなるものかとばかりに、この強引なまでのたとえを用いてでもそのビッグウェーブに乗ろうというおつもりなのでしょうか。
しかしそれにしても、単なるたとえ話と見せかけて、自分の着用しているブラの情報をさりげなくトゥルー俺の脳裏に刷り込ませるという、春風さんの恐るべき本気っぷりの片鱗もばっちり垣間見させておられます。ああ、これはある意味、直接見せてもらう以上に効果大――! この年頃の雄にとっては、直接的なことよりもむしろ、妄想力を書きたてる断片的な情報を与えるだけにとどめた方がなお効果的と知って……? いや、それが素であるほうがなお恐ろしいといえましょう。
……とまあ、そんな恐ろしさの片鱗を見せ付けられた……と思いきゃ、
春風、物足りなくてなんだか――
フ・マ・ンッ♥
王子様と一緒のお部屋で
寝たかったのにな。
ぐっすり寝ちゃったステキな
寝顔を見て思わず――
――きゅぅぅぅぅんっ♥
なんて。
幸せになりたかったのにな。
本当に残念――
無呼吸連打きゅんきゅんで、俺の脳を激しく揺さぶりに来られました!
……こ、これは……いつものことながら、効くゥ……ッ! 「フ・マ・ンッ」なんて、ゴッドの申し子ならではの語彙を駆使してのストロングスタイルきゅんきゅんも強烈なのですが、今回に関しては、「――幸せになりたかったのにな」って言い方が、さりげなく強烈なツボに入りました。うわ、この人本当にかわいい……! 乙女乙女って普段から気軽に言ってますが、この発言は、ちょっとやそっとの乙女度では言葉に出ない表現ですよ。
……まあ。そんな自分の盛り上がった気分をそのまま、「王子様も同じ気持ち?」とすかさずこっちに向けてくるあたり、まさに無呼吸連打っていう以外の表現が当てはまらないなあ……と、ドキドキニヤニヤしつつも感心するかのように思ってしまう次第です。
それなら――
まずは、明日の
みどりの日のお休み。
春風、特別に王子様のところに
お泊まりに行っても――
うふふふふ♥
――さあ、楽しいGWの始まりですよどうしよう!
今年は――2回目の!
こいのぼり、ね♥
ウフフ♥
二年目のこいのぼり! それすなわち、トゥルーライフが二年目に突入していることの証明なわけですが――ま、まあ、0歳の誕生日というカオスを許容していることが前提の世界ですので、それ以上の追求は無用ってことで。ほら、マリーだって今年も大絶賛幼稚園児の真っ最中みたいですし。
というわけで、この4月最後、本格的GWを控えたこの日の日記は、マリーが書いてくれました。さすがに休みに入ってからあげるのは慌しいってことで、ちょうど今日この日に鯉のぼりをあげたんでしょうね。そういえば先日定山渓の温泉に行った時にも豪快にあげておりましたが、これを見ると本格的にお休み・行楽シーズンの到来って印象もあります。
ただ、このトゥルー家にとっては、そういうイメージよりもずっと大事な印象というものがあるようで……
というのも。幼稚園で行うイベントに関しては、いつも全力で先頭に立って楽しむのが常なマリーですが、こと、このこいのぼりを幼稚園で作るときだけは――
どこか遠いような――
つまらない気持ちでいたのに。
……とのこと。
幼稚園児で、「遠い気持ち」なんて表現が普通に使えるマリーの語彙というか感性がまずすごいな、って感心するのはさて置くとして。表向きには、いつものように全力で先頭に立って楽しむ――と。そのスタンスはほかの事をしていたのと同じだったはずなのに。
でもやはり――
でも――
前は。
心のどこかで――
どうせ、私には関係ないし!
つまんないな――
――って。
そんな風に思っていたもの。
……って事なんですよね。こと、この年頃の子供にとっては。マリーはなにかと大人びているところもある子ですが、やっぱりこういう素の感性の部分っていうか、幼児ならではのイベントを楽しむ際のスタンスとしては、本当、等身大の子供っていうか、本当の意味で「子供であること」を満喫しているって印象があります。
そんなマリーの感性からすれば、確かに自分と無関係なお祝い事には、むなしさを感じるのもやむなしなわけですが――それも、二年前までの話でして。
今は勿論、この家には一人、マリーを含むみんなから愛されている男子が一人居るわけでして――それを改めて言葉にするだけでも、なんだか面映い気持ちになってしまうわけなんですが…………ッ!?
……
――エヘ♥
(…………)
(人間……)
(こと、男子においては)
(女の子が不意打ち的に見せる、思わぬ顔や言葉というものに)
(とてつもない可愛らしさを感じ)
(脳髄を思い切りたたかれたような衝撃を受けたかのような思いを抱くことがありますが――)
――ええ、まさに、それが今!
……効ッ、効いたァ〜……ッッ!! あのマリーの、「ウフフ♥」に慣れ親しんでいた身に、唐突にこの「エヘ」笑いというのは、なんというか、その……ときめかざるを得ませんとも! ああ、こんな言葉の上だけではない、本質的にナチュラルな緩急まで使いこなせるだなんて、真璃という子は本当に天使という名前の王女様としか言いようが有りません。
とまあ、この笑い方だけでも全国海千の剛フェルゼンたちを嬉ションの海に沈めたことは請け合いなわけですが、
それが、我が家に1人でも。
男の子がいるだけで――
こんなにワクワクして自分ゴトに
なっちゃうなんて――
マリーも意外と単純よね?
ウフフッ――♥
このうえ、更にいつもどおりの「ウフフッ」で駄目押しをされては、更なる嬉ションをむせびこぼしてしまいますとも。ああ、笑い方もさることながら、この自嘲のこもった大人目線の発言……! ああ、マリーに翻弄されます。心から。
なにより深刻なのが、この大人目線を装った意見が、
でも――
やっぱり、マリーだって――
あの鯉のぼりの
おなかいっぱいに詰まった――
キラキラのキャンディやチョコとは
とってもとっても――
――関係したいもの♥
……この、ストロングスタイルなぐらいの子供的欲求から放たれている言葉だというのがとてもとても! ああもう、「――関係したいもの♥」だなんてアダルティ発言を、お菓子目当てに放つだなんて――! 世間広しといえども、マリーにしかなしえぬ境地です。
さらにはその鯉のぼりお菓子を、売切れてしまうからといって一緒に買いに行こうとせびるところまで、今日のマリーってば完璧すぎるじゃないですか。海晴姉さんからのグンシキンもすでに入手済みってことで、もはや史実のマリー・アントワネットよりも上の外交能力すら発揮しておられますし!
とまあ、そんなこんなで、最高のマリー分補給が本格的GW休みを前に行えたわけなのですが――
あ、あと――かしわ餅も
忘れずに買わなきゃね!
決めた。
こっちはフェルゼンの係よ――?
……はっ!?(←後ろに霙姉さんがいないか確認して)
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