「東寺」
金堂
 JR京都駅から、たった徒歩10分足らずの場所にあり、新幹線からもよく見える場所なのに、東寺は時間が止まったような静寂な場所です。金堂の中には、国宝や重要文化財の仏像や仁王像などの優れた彫刻が、まさにひしめいて鎮座し、立体曼陀羅を形作っています。私は、そのご尊顔を見つめているうち背中に汗が流れ、やがて、とても静かな気持ちになりました。堂内は撮影禁止のため、美しい仏像たちをご紹介できないのが残念です。
「東寺」
庭園
 この日の東寺は、外界とは別天地のような美しさをたたえていました。あなたもこの季節に一度、その地に立って見さえすれば、私の言っていることが大げさでないと言うことがわかるはずです。たとえて言うなら誇らかに、でも自慢せずに静かに生きている人の生き様にはっと気づいた時の気持ちに似ています。ただただ、人の心を安らかにしたい‥と、そのことのためだけに生きている人に出会ったときの小さな、けれど鋭い驚きと似ています。
「東寺」
五重塔
 東寺のシンボルは、まさにこの五重塔です。宗教や宗派を越えて、一つの建築芸術として眺めても、重文に存在価値のある偉大な塔です。京都・奈良にはたくさんの五重塔がありますが、東寺の五重塔は、塔そのものの形はややいかめしい造りではありますが、ダイナミックさでは群を抜いています。足下に美しい回遊式庭園を持っていることも、印象を際だたせる効果となっています。
「東寺」
遠望
 東寺遠望、といいつつも、これは敷地内からの撮影です。紅葉している木々の多くは桜で、春には幻想的な色彩に包まるとのこと。こんどいつか、花の盛りに訪れてみたいです。
「八坂ノ塔」
vol.1
 これは、打って変わって二年坂ちかくから撮影した八坂ノ塔です。この塔は、京都で最古の五重塔で、もとは、もっと広大な敷地と伽藍を持つ寺院の中にありました。いまは、その寺は亡く、周囲は割烹や旅館や商店、住宅などが建ち並んでいます。
「八坂ノ塔」
vol.2
古都保存条例が、いかに大切なきまりごとなのかわかるのは、こんなときです。昔ながらの町並みを保ちながら、しかも古い建築物と調和を保ちながら共存共栄していくために、背の高い建物は建ててはいけないのです。
どこまで歩いてても、どこまで遠ざかっても、まるで八坂ノ塔自身が意志を持って、私を眺めているかのように、ずっとその姿を遠望することができました。まるで、とても優しい人に見守られているかのように感じ、心が温かくなったのはなぜでしょう。
「八坂ノ塔」
vol.3
 雨が降っている日の撮影です。にもかかわらず、光を受けて輝いていました。京都最古の五重塔だとういのにもかかわらず、緑や赤に塗り分けられた色がほのかに残っているのは、いつの年代に塗られた色なのでしょうか。古色陶然(蒼然ではなく)となって、いつまでも眺めていました。
「産寧坂」
(三年坂)
晴れた日よりも、雨の方が、産寧坂は風情があります。不意に降り出した雨につぎつぎに開いていく傘の花の彩りが、京の町並みに色を添えます。

   三年坂に 紅さすごとくに 雨の色        【菜花】
「山茶花」
(清水寺にて)
椿、山茶花は私の好きな花のうちのひとつ。白く清楚な花が清水寺の山門脇に咲いていました。

  「さんさか」と 書けり山茶花 さんさんと咲く   【菜花】 
「清水寺」 この日は雨でしたけど、とてもたくさんの観光客や参詣の人が訪れていました。
「清水寺」 こんなに、美しい塔が雨に濡れている姿をたった1人で眺めているなんて‥
と、思いここに載せました。
   秋雨を 光に変えて 塔たたずめり       【菜花】 

  白菊を 手向けつ別る 音羽滝     【菜花】

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いつも風まかせ、お天気まかせのライターyoyoko
気まぐれ写真館、第2弾は京都を2回にわけて‥
錦秋に彩られた古都のあでやかさを、
私なりの心の目線で撮ってみました
§京都  編  その1§ 2000..nov. 撮影
                  文・写真 yoyoko

東寺の中庭
産寧坂

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