[01]yoyo恋愛詩 「濃霧」
煙は霧雨に消えた 男は去った
目覚めるとベットの上に着古された服
灰皿に吸いかけの煙草
居間のテーブルに開かれた新聞
女は脱ぎ捨てられた服に着替えた
吸殻はそのまま残したいつまでも
待っていた雨が枯れた濃霧の中で
煙は濃霧に消えた 男は去った
[02]yoyo恋愛詩 「失烙」
霧と雨の境は
渇望と陶酔の足跡
脆く危い存在は
マホガニーのテーブルで
一粒の会話を溢す
頷く深紅の口紅と
珈琲のカップを残して
背徳の日々は終わる
[03]yoyo恋愛詩 「慕情」
テーブルに残された珈琲カップ
柱時計の鐘はなる
ベットルームの脇の写真はセピア色に
乱れた痕跡の残り香
ロングヘアーの女は一人
一枚の薔薇の花びらを散らす
漆黒に掻き消される滴
全ての物語のエピローグの証
[04]yoyo恋愛詩 「珈琲」
ミルク入りは私のでブラックは君ので
冷めてゆく珈琲
繰り返される感情の行き違い
何度も何度も別れること
考えては入れなおす
これが最後と決めたから
熱い珈琲を作っておく
気づかぬ君に毒をもって
[01]yoyo前衛詩 「羽根の船」
アイスコーヒーのなかに
白い帆船のような
初夏の陽射しが渦巻いてた
カモメの真昼の海の家
くるりくるりと回って
ぽとんと一枚の羽根が落ちた