T:各地域、同時代並行の世界史
世界史・納得のツボ(人類編)
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前3500年〜前600年:2

(6) 大陸の個性が歴史を決めた

西洋人が世界を席巻するようになったのはなぜか。そうした疑問をとことん考え抜いた歴史家がいます。
彼によれば、アフリカやアメリカの文明は大陸が持つ特徴によって、初めから勝者になる運命から外されていました。

南北に細長いアメリカ大陸

アメリカ大陸は南北に細長く、地域間の風土の差が大きいために、文化が伝わりにくくかったと言うのです。しかも、ユーラシア大陸から孤立することになったアメリカ大陸には鉄や馬も伝わらず、強い影響力をもった文明が育たなかった、のだそうです。

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進入を拒み続けたアフリカ大陸

アフリカ大陸は、南北に走る大地溝帯が東部を縦断し、中央部には熱帯雨林、北部の大部分はサハラ砂漠が広がり、大陸内の各地域が互いに交流することが妨げられていました。したがって、海岸部はそれぞれがアフリカ以外の地域とのつながりをもち、発展してきたため、やはり影響力のある大文明が育たなかったのです。

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多様な風土のユーラシア大陸

北半球に位置するユーラシア大陸は、アメリカやアフリカの大陸に比べて、東西に幅広く、その西と東では対照的な世界が形成されました。また、南を東西に走るアルプス・ヒマラヤ山脈の北と南にも対照的な世界が生まれました。これにより、ユーラシア大陸には大きく区分して六つの特徴的な地域が形成されました。

中央アジア
ヒマラヤの北の中央アジアには、砂漠と草原が広がり、遊牧民とオアシア民の世界が形成されました。
ヨーロッパ
北西部のヨーロッパは、高緯度に位置する割には気温も高く、降水量に恵まれていましたが、氷河に浸食された土壌と夏に雨が少ないことによって、農作物は育ちにくく、牧畜に支えられながらの農耕文化が育ちました。
西アジア
冬期に雨が降る一部の地域、河川の周辺、灌漑が可能なオアシスなど恵まれた地域では農業も行われましたが、牧畜・遊牧を生業とする人たちは古くから商業に活路を求めてきました。
インド・東南アジア
北緯20度以南の高温地域、ヒマラヤの雪解け水が作る河川、海からの季節風による大量の雨、南北に走る山脈などにより、多様な風土をもつ南アジアは他の地域にはない珍しい物産に恵まれていました。
東アジア
夏は海からの風が雨を降らし、冬は大陸から乾いた季節風が吹く東アジアの風土は農業に適し、人口の多い豊かな文化が育ちました。
海洋アジア
南太平洋からインド洋に至る海洋には火山性の島々が並び、古くから海洋民の世界が展開しました。
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