形式的な平等を重視するあまり、学校は硬直的になりすぎています。改革のポイントの第一はこの点にあります。
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学力がいくら向上しても、平均点は60点前後に調整されしまい、子供がいくら努力してもその成果が成績に反映されません。また、意見が飛び交い、授業が盛り上がっても、テスト問題が作りにくい授業は教師にはつらいものです。今の評価の仕組みは子供の成長の邪魔になっています。これを変えましょう。
成績が出てしまったら、子供がいくら努力しても、成績は変更されません。学習成績は子供の成長を記録するものになっていません。教師は生徒の成長を助ける存在だといっても、制度はそのようになっていないのです。こうしてみてはどうでしょう。
学校は言葉の能力が高いものが有利になるようにできています。身体能力、感覚的な表現能力、人間関係の調整能力などさまざまな能力がもっと評価されるような仕組みはできないのでしょうか。こんなやり方があります。
校外の講師を依頼したり、校外での施設や自然環境を利用しようと思っても、日程が組みにくい。バスなどをチャーターすると移動に経費がかかる。一クラスや一学年の単位では規模が大きすぎて利用しづらい。こんな障害があって、子供の心を揺さぶるような学習のチャンスがなかなか作れないでいます。こんなふうに変えてみてはどうでしょう。
午前を3時間の授業とすると一週間(3×5=15)で、たとえば国語3時間、算数3時間、理科3時間、社会3時間、その他2時間、ホームルーム1時間の授業が午前中だけで可能になります。
午後を3時間の授業とすると一週間(3×5=15)で、午後だけで、たとえば音楽3時間、体育3時間、美術3時間、選択6時間の授業が可能になります。
各科目を8〜10単元に細分化し、評価は単元ごとに行います。
評価の内容は単元ごとの合否の結果と学習内容の概要のみを記録します。 従来の中・高校で行われてきた、評価を100点満点で表し、その合計によって順位を付けるやり方は止めます。それは数学と国語の成績を加えることは2キログラム+3メートルの計算をするようなものだからです。