12回目のイギリス旅行が決まったとき、ジョン(私の英会話の先生)に尋ねた。「お勧めのスポットはどこ?」。そうしたら、すかさず、ジョンが答えた。「断然、ソンベリー・キャッスルだよ。僕はあそこでランチを食べるのが大好きだった。イギリス人はよく、あそこに日帰りでランチに行くんだ」。ジョンの回想は続く。「まず、ホテルに着くとね、僕らは応接間に通されるんだ。その横にはライブラリーがある。この部屋で僕らは食前酒を飲む。もう、その雰囲気といったら、素晴らしいよ。彼らは本当にいい人たちばかりだから、きっと満足する旅になると思うよ、保証する!」
ここまで熱烈に勧められて、行かないってほうはないでしょ、と、早速、私は、旅の同伴者となるAkikoさんにソーンベリー・キャッスルに行ってみない?と、提案した。
日曜日のランチなら、予約しないとダメだと思うよ、とジョン。そこで、インターネットで検索し、ソーンベリー・キャッスル・ホテルにメールを書いた。「日本から手紙を書いています。イギリスが大好きで何度か訪問しています。英会話の先生の勧めもあって、そちらのホテルでランチを食べたいんですけど、3/17のランチを予約できますか?」
翌日、早速、返事が届いた。「12:45のランチでよければご用意できます。サンデーランチのサンプルメニューを添付しますので、ご覧ください。もしカラーのパンフレットが必要なら、住所を教えてくださればお送りしますよ」(そのメニューのおいしそうなことといったら、メニューを見ただけで、よだれもんですよ!!)
「12:45でけっこうですので、予約を入れていただけますか? カラーのパンフレットをお送りいただけるようであれば、下記までお願いします」
「ホテルまでどうやって来たらよいか、わかりますか?」「駅前にはいつも何台かタクシーが泊まっていますが、もし必要なら、あなた方のために、タクシーを手配しておきましょうか?」
こんなふうに、何度かメールを送ったが、そのたびに、必ず翌日には返事が届き、お願いしたパンフレットも約1週間で送られてきた。本当にジョンの言ったとおり、なんて親切な人たちなんでしょう! 行く前から私は、すっかり感激してしまった。
パンフレットによると、ソーンベリー・キャッスルには、ヘンリー8世が二度目の妻アン・ブリンと滞在したこともあるという。パンフレットに載っている部屋べやのなんと豪華なことかしら! ちょっぴり場違い、身分不相応の感があり、気後れしないでもなかったが、ここまできたら、えいや!っと、行ってみるしかない。私は腹を据えることにした。
ソーンベリー・キャッスル・ホテルに行くには、ロンドン、パディントンから列車に乗る。ウィークデーなら、パディントンから1時間半で最寄り駅のブリストル・パークウェイに着くのだが、不思議なことに、日曜日だけは、パディントンから2時間半の道のりとなる。「どうして」?、とジョンに聞いたら、「わからない、でも、日曜日の列車はなぜか遅いんだ」という答え。行ってみてわかったことは、行きと帰りでは、列車の通るコースが違うということである。行きは、パディントンを出発してから、レディング、チッペナム、スゥインドン、ブリストル・パークウエイと列車がとまるのに、帰りは、ブリストル・パークウエイの次はバース・スパ、そして行きと同じレディングにとまってパディントンへ戻る。しかも行きは、スゥインドンから、列車が逆方向に走りだしたのだから、相当な遠回りをして、ブリストル・パークウエイにたどりついているに違いない。つまり、おそらくウィークデーとは、列車の通る道順が異なるのだろう。
そして、ブリストル・パークウエイにたどり着いたら、今度はタクシーに乗って、20分あまり。ホテルの人たちの言うとおり、駅からホテルまでのタクシー料金は15ポンドだった。
予約よりずいぶんと前、12時ちょっと過ぎにお城にたどり着いた。「予約をしているものですけど・・」。
ジョンの言ったとおり、まずは応接間に通された。
応接間には、ステンドグラスがあった。窓の外には庭が見える。
応接間横のライブラリー。数々の本が飾られている。
それからしばらくして、応接間の椅子に腰掛けていると、「あなたたちのランチが準備できました」、と、案内係の人が私たちを呼びにきた。
※問い合わせは、ソーンベリー・キャッスル・ホテルまで
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