イギリスはおいしい。

dinner編
ルールズ(Rules)

 牛肉大好き。しかも、今まで10回以上もイギリスを訪れているにもかかわらず、いつもケチケチ旅行に徹していたせいか、高級感のある、洒落たレストランでローストビーフを食べたことがなかった。
 そこで、2003年の旅の締めくくりに、ローストビーフを食べに行こう!、と思い立った。有名なシンプソンズにするか、ルールズにするか・・・と悩みながら、当日の朝、友が電話を入れてみると、いずれのお店も予約でいっぱいだと言う。はっはは、やっぱりねー。結局、このときは、コヴェントガーデンにあるPortersで、庶民的なローストビーフをいただくこととなった
 そして、2004年。これまた牛肉好きの父と母と一緒に旅をすることになった。ならば、是が非でも、旅の仕上げはローストビーフでお願いしたい。前年の失敗は繰り返してはならじ、と、旅立つ前に予約を入れておくことにした。
 最初は、シンプソンズにしようかと思ったのだが、母があんまり格式ばっている所は嫌だという。ガイドブックを見ると、シンプソンズでは、「タイ着用のこと」とある。うーん。。。シンプソンズは、以前は、ピカデリーにあった*1ようだけど、場所も変わっているしなぁ・・・。そこで、前年、やはり予約がとれなかったRulesのHPをのぞいてみると、店内の装飾がなかなか素敵である。なんでも、1798年にThomas Ruleさんによってオイスターバーとして始められた、ロンドン一、古いレストランらしい。ネットでメニューを見てみると、14.95ポンド(お安い!)*2のライトサパーメニューもあるようだ。夜の10時以降のみオーダーできるらしいのは気になるが、ほかにも手ごろなコースがあるに違いない。というわけで、早速、ルールズに、旅の最後の夜のディナーの予約メールを送ってみた。ルールズからは、翌日には返事が届いた。「19時に3人様で、席をお取りしました」。
 よぉし、万全!!

*1 私は、以前ピカデリーサーカスにあったシンプソンがローストビーフで有名なシンプソンズの店の1つだと思い込んでいた。しかし、HPのお客様である迷子さんの指摘で、これは大いなる勘違いであったことが判明。が、私の英会話の先生であるジョン・Pによると、ピカデリーサーカスにあったシンプソンのレストランでも、とりあえずローストビーフを食べることができたという。
*2 2005年現在では、17.95ポンドの模様。


 そして、当日。ホテルに戻って身支度を整えてから、ルールズのあるコヴェントガーデンへ。そこら辺をちょっとうろついた後、ルールズへ向かった。店内には、ビジネスマン風の人や、家族団欒といった感じの人たち、友人同士、カップルたちがひしめいていて、とても活気があった。私たちは、窓に近い奥の席に案内された。
 どうせ、店内のメニューとネット上のメニューは違うだろうから、と思い、ぶっつけ本番でもなんとかなるだろうと、ネットで紹介されているメニューをろくろく見ずに、辞書すら持参しなかった私は、やはり無謀だったようである。メニューを開いてみると、わぁー、わっかんないやーって感じ(笑)。が、父も母も、全然わからないから、お任せするわ、という。まいったなー、と思いながら、必死でメニューと格闘し始めた私であった。
 まずはワインを。が、ライトサパーメニュー以外にコース料理らしいものは見当たらなかった。どうやら、ライトサパーメニューというのは、芝居帰りの人向けの軽い夕食らしい。となると、単品でオーダーしなくてはならない。それなら、カボチャのスープがおいしそうだ。そして、トマトのサラダを3人でシェアしようか。こんな感じに、なんとかオーダーは決まっていった。が、困ったことに、肝心のローストビーフが、どれなのかがわからない。唯一、メニュー上にある、「Roast Rib of Inverurie Beef, Yorkshire Pudding, Creamed Horseradish & Spinach: for two (per person)」というのが、ヨークシャープディングも添えられていて、それらしいが、どう考えてもヒレ肉ではない。もう、降参!、と、お店の人に、「ローストビーフを食べたいんですけど、どれをオーダーすればいいんでしょうか?」と、聞いてみると、思ったとおり、Roast Rib of Inverurie Beefを指し示す。「ほかにはないんですか?」、と聞くと、それしかない、という。「じゃぁ、それを3人で食べたいので」、と、お願いし、料理が運ばれてくるのを待った。
 お疲れ様ー、みんな元気で旅行できてよかったねー、と、まずワインで乾杯。この後、最初に運ばれてきたのはトマトのサラダだった。赤いトマトだけでなく、幾切れかの黄色いトマトが盛り付けられた上に、タマネギとドレッシングがかかっていて、色彩的にも美しく、とてもおいしかった。次に運ばれてきたのは、カボチャのクリームスープ。これまたおいしい!!

 そして、いよいよローストビーフの登場!!
 ローストビーフも、添えられていたポテトとヨークシャープディングも、味はすこぶるおいしかった。が、3人分で頼んだつもりだったが、それにしては量が少なく、そのうえ、リブなのでヒレと違って食べられる部分も少ない。これを3人でシェアするというのだから、量的にはかなり物足りなさが・・・(笑)。何か追加でオーダーをしようかとも思ったが、結局、食後にコーヒーとデザートを頼むことにし、家族で、遠慮(?)しながら、1切れ、1切れを嗜んで食べることに・・・。

上段:ローストビーフとヨークシャープディング。
下段左:母の食べたバナナのデザート。父にもちょっと分けてあげていたが、非常においしかったらしく、私には、味見をさせてくれなかった。(笑)
右:私の食べたカスタードクリームたっぷりのプディング。美味!

 その夜、ホテルに帰ってから、母が言う。「近くのテーブルでハンバーグみたいなのを食べてる人がいたけど、おいしそうだったわ。別にローストビーフじゃなくてもよかったのに・・・」。「それなら、その場で言ってよねー」、と私。
 ローストビーフの一件では、母にはつくづく物足りなさが残ったようで、旅行後も、「イギリスに行ったのに、肉らしい肉を食べた記憶がないわ」、と、、何度か嫌味(?)を言われたのであった。
 つまりは、ローストビーフを食べたいなら、ルールズではなく、シンプソンズに行けってことですかねぇ? 英会話の先生であるジョン.Pによると、ローストビーフを食べるなら、日曜日にホテルのブランチがいいらしい。それなら、次は、ホテルのブランチにチャレンジしてみますか。
 とはいえ、今回のいちばんの失敗の原因は、私が下準備もろくろくせずに、辞書すら持たずに、メニューを見て、オーダーを決めたってことでしょうか。はっははー。

(2005.3.19)
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