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           明確な欠陥の証拠がないと 
8月28日(月) 「預かったパソコンとスキャナーを持っていきます」と10時半頃連絡があった。午後1時ごろFさんが来て、夕方7時過ぎまでかかってセットアップをしてくれる。

 スキャナーはエプソンに替えてきた。 それはいいのだが、一言、交換の機種名くらい訊ねてもいいのではないかと思った。 私は迷惑をかけられたユーザーなのだ。 明日からこのメーカーから新機種が2,3種類発売になるのを知っていた。 まあ、このスキャナーはその後、とても順調に働いてくれているからいいようなものだが。


 持ち出すとき、大事なもののバックアップをとってくれたはずだが、何故かみんな駄目になっていた。
そのことはとやかくは言うまい。Fさんは販売部長で、技術者ではないということが遅まきながら分かってきたから。


 「どうしてこんなに長いことかかったんですか。パソコンのほうは問題がなかったんですか」という私の問いかけにはあまり明確な答えはなかった。 NECの下請けのようなところと突合せをしたといっていた。「彼らはこれこそ欠陥といった、明らかな証拠が見つからなければ、なかなか交換には応じてくれないから」というぼやきのような一言が気にかかった。 やっぱりどこか、気になる欠陥個所があったんだ。


 しかしお互い、大企業ではない労働者どうしの苦しさもあるのだろう。私も無理は言うまい。機械さえ正常に動けばそれでいいのだから。 

8月29日(火) 昨日接続できたはずのAプロバイダーに接続できない。 またか。今度こそはと信じていたのに。 サーッと周りから色が消えていくように真っ白になっている時、友人からの電話。展覧会の絵が入賞したと新聞に出ていたとのこと。 少し我に返る落ち着きがもらえた。 「直っていません」気を取り直して、Fさんの携帯電話にかける。 指示されたとおり、何もかもやってみるが駄目。