第17回 : Beethoven Bibliography Database
ある日、天の声ならぬ同僚(=大先輩)の声が聞こえました。「汝、サンノゼ州立大学(アメリカ)のベートーヴェン研究センターのホームページを覗くべし。すばらしいデータベースが見出せるであろうぞ」というのです。嘘か誠か? 探し出したホームページによれば、この研究所にはヨーロッパ以外では最大規模のベートーヴェン関連の資料があり、データベースも作っているというのです。今回は、そのデータベースの使い方をご紹介しましょう。

1)サンノゼへの道・・・
@まず、サンノゼ州立大学 ベートーヴェン研究センターのトップページにつなぎましょう(検索エンジンで探すと古いアドレスを教えてくるのもありますから、今回の記事を参考にしてください)。
http://www.sjsu.edu/depts/beethoven
AWelcome to the Ira F.Brilliant Centre for Beethoven Studies という画面が出てきます。
このページを、じっと見てください。次にクリックするのは、Beethoven Bibliography Databaseの個所です(小さい字ですよ)。
B画面が変わり「The Beethoven Bibliography Database」と大きく書かれた個所がすぐに見つかることでしょう。そのすぐ右にある、パソコンを描いたアイコン(四角く囲まれています)をクリックします。

C「INNOPAC Your Library Catalog」の画面が出てきます。このページのURLは
http://sjsu1.sjsu.edu:83/
ですが、ここを「お気に入り」(または「ブックページ」)に置いておく手もあります。先を急ぎましょう。
D「Go to the BEETHOVEN BIBLIOGRAPHY DATABASE」をクリックします。
あらためて「「INNOPAC Your Library Catalog」と出てきますが、今度は画面の下のほうへ目を移すと、Author, Title, Subjectなどなど、いくつもの検索項目を表わすコトバが並んでいます。

さあ、いよいよ検索項目を選んでクリックし、検索をはじめましょう。
図書、印刷楽譜、雑誌論文などが探せます。

2)検索方法について
Author
検索ボックスに人名を入力し、searchボタンをクリックします。
@姓のみ⇒ 例: Thayer
A姓,(カンマ)名 ⇒ 例: Thayer, Alexander
B姓 (スペース) 名 ⇒ 例: Thayer Alexander
いずれの入力の仕方でも検索できます。

Title
検索ボックスにタイトルを入力し、searchボタンをクリックします。
@Beethoven-Studienの-[ハイフン]を忘れて、Beethoven Studienと入力しても大丈夫。
Aタイトル冒頭の冠詞は、付けても付けなくても探せました。
Subject
検索ボックスにベートーヴェンに関する何らかの主題を入力し、searchボタンをクリックします。関連する図書や雑誌論文が探せます。
たとえば、旅行(travel)、スケッチブック(sketchbook)、楽器名などを試してみて上手くいきました。失敗したのはlover・・・(-_-;)

Genre
これは楽曲のジャンルで、印刷楽譜と文献を探してきてくれます。検索ボックスにジャンルを入力し、searchボタンをクリックします。

問題は、ジャンル名の入力の仕方です。
@オペラ『フィデーリオ』のような固有タイトルは出てきません。それはそうだろうとお考えになる方もいらっしゃることと思います。
Aピアノ・ソナタを「piano sonata」と入力してもダメです。こうなると「エッ!!」と驚く方が増えるのではないでしょうか?正解は、「Sonatas piano」と入力するのです。ここでのジャンルは、ソナタという楽曲形式で、しかもベートーヴェンは複数のソナタを作曲していますから複数形となります。そのあと、スペースで続けて演奏手段(ここではpiano)を続けるというわけです。
B交響曲はどうでしょうか? 複数の作品が残されていますから「symphonies」と複数。演奏手段はオーケストラですが、交響曲は、ほとんどの場合オーケストラなので演奏手段は付けません。

仮に「sonata piano」と楽曲形式を単数形で入力すると、<No matches found : nearby GENRES are:>
と表示されます。ひとまず「見つかりません」と言ってくるのですが、救いはジャンル名の近い形が表示されることです。あきらめずに、よく見ることをお勧めします。少し下の行に「Sonatas piano」と楽曲形式が複数形で書かれたものが見出せるでしょう。この、もう一粘りがいい結果を呼び込むことがあると思います。

該当する楽譜や文献(図書も雑誌論文も含まれます)が表示されるときは、まず簡略な表示になります。論文集や厚い雑誌などのように大量の論文を一冊にまとめた印刷物は、この簡略な表示だけでは図書か雑誌論文かの見分けがつきません。あとで詳細表示をみるようにしましょう。

Scores by OPUS, WoO, etc
楽譜のみ探せます。検索ボックスに入力して、searchボタンをクリックします。
@単に「125」と入力した場合: Anhang 13, Anhang 15, Hess 115, Hess 115 Text, Hess 12 が出てきます。
A作品125を探したい場合: opus 125と入力するのがコツみたいです。
BWoO125を探したい場合: WoO 125と入力するのがコツみたいです。
Keywords in title and contents
検索ボックスにキーワードを入力し、searchボタンをクリックします。すると、タイトルの一部に含まれる語と、詳細表示の目次に含まれる語をキーワードとして探し出します。
Titleの項では、タイトルの途中や終わりにあるコトバをうまく探し出せませんでしたから、この検索項目を上手く利用しましょう。私がSubjectで検索に失敗した lover という語も、ここでは何件か出てきました。

以下の検索項目は省略します。

3)特徴
・詳細表示にみられるノートなど、たいへん詳しいものが見受けられます。レスポンスが重く感じられる方もいらっしゃるでしょうが、これは少し残念なところです。
・雑誌論文がタイトル単位で探せるのもたいしたものです。でも、雑誌論文や論文集中のベートーヴェン関連論文、さらには図書中にあるもっぱらベートーヴェンを扱った章のデータベース化は、現在、生成途中のようですから、さらなる充実が期待できます。
・強いて難点を探すと、図書か雑誌論文か楽譜か? といった資料の種類を見極める時に、迷いやすいかなということです。
・このデータベースは、サンノゼ州立大学ベートーヴェン研究センター所蔵の資料だけかと思ったら、時々、カリフォルニア大学バークレー校(略号⇒US:BE)など他の大学図書館の名も見受けられます。
【2000年1月13日記】


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