第16回 : IRCAM Multimedia Library (3)Composers Files

IRCAM Multimedia Libraryの最終回は、Composers Files。直接、蔵書の検索を目的としたシステムではないのですが、使ってみると、これがなかなか面白いのです。

画面上の「composers」という箇所をクリックします。画面本体の中にある「Composers Files」の箇所は、どういうわけか該当箇所へのリンクが貼られていません。
早速つないでみましょう。次のURLにどうぞ
http://mac-texier.ircam.fr/index-e.html

Search
左側にSearch(検索)の列があり、その中には「Composers」「Work's title」「Information on works」といった3種類の検索項目が用意されています。
◆検索項目「Composers」には、苗字、苗字と名前(カンマで区切っても、スペースを空けても検索が可能です)などで探せるのは当然ですが、この項目の箇所には、生没年や国、職業などから検索することもでき、驚きました。
(入力例 1)1953と入力して、okボタンをクリック
→ この年に生まれたり亡くなったりした人名がわかります
(入力例 2)pianistと入力して、okボタンをクリック
→ たとえばピアニスト兼作曲家として紹介されている人の名がわかります
◆検索項目「Work's title」には、作品名やそのサブタイトルから探せるほか、作品番号や作曲年などからも探せます。
◆検索項目「Information on works」には、初演年、作品の出版社、スポンサー、献呈者などから探すことができます。

Composers
◆この列には「By name」「By date」「By country」「Birthday」の4種類が用意されています。Serachと異なるところは、どの項目も検索ボックスに自分でコトバを入力するのではなく、リストから選ぶようになっていることです。
◆私は「Birthday」をクリックして、私が生まれた1953年の個所をクリックしました。すると、この年に生まれた作曲家が一覧できるようになります。日本人作曲家では西村朗さんと野平一郎さんの名が見えます。ジョン・ゾーンという作曲家の名も覚えていましたが、いままでそのスペリングを間違えて覚えていたことも、偶然ですがわかりました。他の項目も、同様に使ってみれば良いわけです。

Works
ここは今回、します.

全体を通して言えることをメモしておきましょう。
◆ 使い方はシンプルです。
◆ 作曲家名をクリックすると、バイオグラフィー、作品(といっても網羅的とはいえない感じがします)、関連サイトなどが出てきます。バイオグラフィーはフランス語なので、私は弱ってしまうのですが、諦めずに関連サイトまで見ていきましょう。英語で書かれたサイトが見出せることもあります。といっても、バイオグラフィーを訳したものではありませんから、参考になるかどうかはケース・バイ・ケースです。
◆ フランス語でバイオグラフィーが読めない場合でも、ある作曲家が指示した人の名が出てきて、その箇所にリンクが張られて青い字になっていることがあります。こんな箇所を見つけると「へえ」と思うことがあります。
◆ 蔵書検索とは異なり、新作を発表したときのプログラム・ノートが掲載されたりしていますから、フランス語が読める人には、強い味方になるに違いありません。
◆ アクサンなどが付く文字は、漢字に化けてしまいます。この種の文字化けがやけに多く感じることもあるでしょう。

同時代の作曲家についてのさまざまなデータを知りたいときには、有力な手助けになるように思います。
【1999年12月2日】


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