第12回 : RISM Online <その2> RISM-U.S. Libretto Database (1999年9月28日)

きょう取り上げるLibrettoというのは某メーカーの携帯用PCのことじゃあありません。
実は何年か前のこと、オペラのリブレットを海外の図書館からいくつか取り寄せた記憶があります。その時は意外と苦労したことを覚えています。RISM Online を見てびっくりしたのは、Libretto US というデータベースが用意されていたことでした。このデータベースは11,000以上の書誌レコードで構成されています。オペラの最初期のものから20世紀初頭にいたる作品を対象に、印刷されたものも手稿のものも含まれているようです。見ていくと、所蔵館はLCのオンパレードだなという印象を受けます。Library of Congressが所蔵する、Albert Schaltzコレクションに含まれるすべてのリブレットが含まれていると書いてありますから、なるほどと納得です。
今にして思えば「あの時これを知っていればなあ」と思ってしまいます。まあ、ちょっと覗いてみましょう。

RISM-U.S. Libretto Database
http://rism.harvard.edu/cgi-bin/zform.CGI?RISMLib

使い方
◆適当な検索項目を選びます(▼を使って項目名を探し、クリック)
◆コトバを入力します
◆ Send query をクリックします
◆ リストが表示されます
◆ Record No.を選んでクリックすると詳細な表示が現れます

【検索例 1】
● 検索項目Title Wordに Walkureと入力して、send query をクリックしました
● 3件のリストが表示されます
⇒⇒⇒ 1件目はRing des Nibelungen. Libretto. German、2件目はRing des Nibelungen. Die Walkure. Libretto. German、3件目はRing des Nibelungen. Walkure. Libretto. Italianとあります。
⇒⇒⇒ いずれもリブレットであることが明記されていますね(当然ですが)。1件目はニーベルングの指輪全曲のリブレットと読めます。2件目と3件目は、この四部作から『ヴァルキューレ』が独立した1冊のリブレットとして刊行されているものですが、違いは本文の言語です。一冊はドイツ語、もう一冊はイタリア語ですね。

【検索例 2】
● 検索項目Nameに lullyと入力して、send query をクリックしました
● 5件のリストが表示されます
⇒⇒⇒「あれ?」と思う項目が含まれていました。たとえば1件目。
[Anonymous]. Acis et Galatee. Libretto. German
と書いてあります。作曲者が不詳なのです!! どういうことでしょうか? こういう時は詳細な情報を見るほかありません。Redord 1をクリックします。
⇒⇒⇒ ずうっと見ていくと、indexed conposerという項目があります。ここにLullyの名が見出せます。そして supposed composer、すなわち「推定される作曲家」と書いてあります。この種のものも含まれて表示されるということは覚えておくといいですね。

【検索例 3】
● シュトラウスというと何人かが思い浮かびますが、リヒャルト・シュトラウスを探したい場合を想定しましょう
● 検索項目Name, exactに Strauss, richardと入力します。苗字と名前のあいだはカンマ(,)です
⇒⇒⇒FeuersnotとGuntramの2件だけというのは意外でした。

ここで、詳細な書誌レコードに挙がってくる項目を見ておきましょう。
まず登場人物の名前が挙がっているのに驚きました。また、リュリの『アルミード』の一つは、1690年ローマで出版されたリブレットを、LCが1970年代になってマイクロフィルムにしたものが目録に挙がっているのだ、ということがわかります。LC以外にハーヴァード大学のアイシャム図書館ほかが、やはりマイクロフィルムでもっているという情報も掴めます。


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