第11回 : RISM Online <その1> Music MSS After 1600(1999年10月17日)

正式名称はRepertoire Internationale des Sources Musicales、日本語では「国際音楽資料総目録」と言うようです。略称はRISM、私たちはリスムと発音します(全世界的にそうでしょうけど・・・)。
RISMは国際音楽学会(IMS=International Musicological Society)と国際音楽資料情報協会(IAML=International Association of Music Libraries)が共同で行なっている事業で、手稿譜、印刷譜、音楽書を収録した目録を刊行してきました。加えて、世界中の図書館のディレクトリも世に送っています。
A〜Cシリーズまで刊行していて、Cシリーズは、その中でも私がもっとも使う頻度の高い図書館のディレクトリ。でも、AシリーズとBシリーズは手ごわいんです。私の職場では、これらの資料を使って解決する質問は少ないように思われますが、そのわりにモノは痛んでいます。つまり、使う必要のある人、使い方のわかっている皆さんが使っているに違いありません。
内緒の話ですけど、AシリーズやBシリーズは、ヨーロッパの中世やルネサンス期、バロック期などの楽譜や音楽理論書に関係する目録になっていて、それぞれ使い方も違って、私には手ごわいんです。ですから稀に質問をもらった時に、ついいつもより口数が少なくなるのですが、私が地味で内気で無口だからだと思っていたあなた、RISMのA,Bシリーズは種類も多く内容も難しく、よくわからないことが多いからおとなしかったのです、スミマセン。

そのRISMがホームページを開設しています(見たい人は こちら へどうぞ)。
そのうち、今回は次のデータベースを取り上げましょう。

RISM Online MSS After 1600
http://rism.harvard.edu/cgi-bin/zform.CGI?A2

このデータベースが扱っているのは1600年頃〜1850年ごろまでのあいだに作られた楽譜の手稿譜(Manuscript)です。

使い方
◆任意の検索項目を選んでコトバを入力し、検索します
【例1】
Nameに schutz と入力してみましょう。
(フルネームを入力する必要がある場合は、schutz, heinrich という具合に入力します。姓と名のあいだを、例のように必ずコンマで区切ります。姓と名のあいだは、単にスペースを空けるだけだと結果が「無し」と突きかえされてしまいますから要注意ですよ、みなさん。なお、ウムラウトやアクサンは無視します。)
【例2】
Title Word に Orfeo と入力して、検索します。
いろいろなOrfeoの手稿譜が表示されますね。
◆一覧表示が画面に出てきます。
◆ Record No.をクリックすると詳細なデータが表示されます
【注目!! すごいぞ】
たとえば、所蔵館の略号の箇所をクリックすると、アドレスがパッとわかります。
楽譜の一部まで出てきますから「ああ、これこれ」といった認識がしやすいわけです。
【例3】
Subject Word はオペラとか組曲とかハープシコードとかオルガンとか、具体的な作曲者や曲名がわからずに探したい楽曲の形式や楽器などがわかっているときに使います。
Subject Word に Partitas と入力してみましょう。
「あれ」と思った方も思わなかった方も、もう一度上の行をよ〜く見てください。例では Partitas と複数形で入力しています。こうしないと求める結果は、何度やり直しても「ゼロ」です。複数形、複数形。これがポイントとなっているようです。


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