第174回:身辺雑記 〜 PCウィルスへの対応に追われた8月(2003年9月2日)

9月に入りました。8月は冷夏でしたが、中旬に新手のコンピュータ・ウィルスが次々に登場しました。私個人のPCに関して言えば、ウィルスの感染にあわずにすみましたけれど、その対応に追われた夏となりました。まだまだ、それらのウィルスが終息したというわけでもなさそうですから、少しメモしておきましょう。

私はコンピュータ・ウィルスの被害にあうのも嫌ですし、ましてウィルスをもらったその後で他の皆さんに対して加害者になるのも嫌なものですから、昨年のはじめころからウィルス駆除ソフトを導入しました(やや遅いくらいだったかもしれませんけれど)。そして今年の初めころから、別メーカーのウィルス駆除ソフトに替え、くわえてそのメーカーのファイアウォールも導入しました。後者についてはハッキングの試みがあったその都度、モニターの画面に表示させるように設定していました。大雑把な言い方になりますけれど、この表示は30分に1度であったり、数分に1度であったり、数時間なかったりとまちまちでした。PCを使った作業がはかどってきたときに何度も攻撃を仕掛けられると、けっこうストレスとなり、快適なPCライフの妨げになるのですが、まあ、ファイア・ウォールを導入しているからといって、100パーセント、ハッカーの攻撃を免れる保障はありませんから、敢えて、こうした設定にして様子を見ていました。

7月中旬にマイクロソフト社が、ウィンドウズXPとウィンドウズ2000に致命的な欠陥があると公表しました。ウィンドウズ・アップデートでさっそく知らせが来ましたから、その数日後に一度更新を試みたのですが、一番丁寧なコースを選んだせいか1時間以上たってもインストールが終わりませんでした。これはかなわないと思い、その作業をキャンセルしてしまいました。そして、ファイアウォールの情報も、その都度画面に表示させることをしばらく続けたのでしたが、ハッキングの試みは確実に増えてきました。

8月の中旬が近づくと、お盆のころにPCウィルスが猛威を振るうだろうとの報道が各メディアで流されました。それとほとんど同時に、私のPCのほぼ特定のポートに対してアクセスが集中し始めました。それが8月11日の週のことでした。たしかこのポートを食い破られると、使用し始めたコンピュータが突然止まってしまい、そのうえ同様の悪さを他の人のPCでも行なうように拡がっていくというのを何かで読みました。ある新聞記事では、ウィルス駆除ソフトのメーカーの人が、もちろんこの種のソフトを搭載するよう勧めながらも、けっきょくは基本ソフトであるウィンドウズXPや2000を最新の状態に更新しておかなければだめだという内容を読み、その日の夜、ウィンドズ・アップデートにある重要な更新とその他若干の更新を、4時間以上の時間をかけて行ないました(いらいらしながら終了を待ったことは、いうまでもありません)。

ところがその翌週になると、別の箇所に他のPCからのアクセスが集中するようになったのです。この間、たぶん亜種も含めて、数種類の新しいウィルスが登場し、ウィルス駆除ソフトのメーカーからはソフトを最新の状態に更新して使うよう促されました(もちろん、その都度そうしました。これはたいして時間もかからないし)。中には、その前の週に頻発したウィルスを駆除するウィルス(!)なんていうのまで登場したそうで、そんな親切なウィルスだったら自分のPCに置いておいてもいいのかというと、とんでもない、善人面した悪人(?)には違いないので、きちんとガードせよというのまでありました。この辺りになってくると、アクセスが1分も間隔が空けば「久しぶりだね、元気?」と言ってしまいたくなるほどの間隔(←あっ、もちろん冗談ですよ)、40秒でも間隔が随分あいた方でしょうし、20〜30秒でさえましな方、2〜3秒から7〜8秒くらいの間隔でくる比率がうんと高まり、さすがに参ってしまいました。

そしてついに、その都度ファイアウォールのハッキング情報を画面に表示させることをやめました。ひとつにはこんな頻度になってはキリがないこと、もうひとつこれまでの経験則に照らせば、ま、ハッキングを100パーセント食い止めてきたことによります。ウィルス駆除ソフトにくわえてファイアウォールも搭載しておくと、どんなハッキングが試みられて、それが防げたかどうかわかります(防ぎやすくなるでしょう)から、両者を使うことは良いことだと思っています。ただ、誤解を招かないようにハッキリさせておきたいことがあります。それは、私がファイアウォールを使えばハッキングに対して万全な策をとったことになるとする考え方には与しないことです。基本ソフト(OS)を作るメーカー自身が欠陥をみるけることすらあるわけですが(今回の7月の例)、たとえば同様の欠陥をハッカーが先にみつける可能性はあると思っていなければいけないと考えるのです。ですから、どこかの国の総務大臣のように、事務方にファイアウォールをかけているのだから万全だという言い方は慎んでくれと適切なアドヴァイスをもらっているにもかかわらず、自分としては万全だと思っていると公言してはばからない無神経さは論外なのですよね(たとえば8月24日の「サンデープロジェクト」での片山発言)。

かくて8月は過ぎ去りました。知人の中にも、このたび初めてウィルス駆除ソフトを搭載したとか、実際にウィルスの被害にあったとかの話をききました。まだまだ油断は禁物だと思います。お互い気をつけましょう。


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