第171回 : 50歳代初の旅行〜釧路<その2>(2003年8月14日)

(承前)

■8月8日(金)■
泊まったホテルは釧路駅から目と鼻の先にありました。朝、目を覚ますと、かもめの声がしきりに聞こえます。ふだんはカラスばかり聞いていますから、なんとも新鮮で心地よく聞こえます。この日は遅めの時間に朝食をとりました。外はちょっと霧が濃くなりそうな気配です。10時30分ころ、釧路駅に到着。釧路湿原の中をゆっくり走るSL「くしろ湿原ノロッコ号」norokko-goというのがあるのですが、これに乗ろうというわけです。目的地は塘路(とうろ)という駅で、その間にある駅すべてに停車していきます。また、車内は要所要所で外に見える風景の解説がアナウンスされるなど観光客に対して親切な工夫が凝らされています。残念なことに、この日は霧が濃く、遠方までくっきりと見渡すことはできませんでした(そうそう《タイースの瞑想曲》などのBGMまで流してくれるのは、親切すぎる感もありましたけれど)。塘路駅で撮った写真を1枚ご紹介しておきましょう。








Tawadaira

ここからは昨日に続いて、再び森さんのお手を煩わせました。標茶(しべちゃ)という酪農地帯を通って、天候さえ良ければ絶景が見渡せるはずだった多和平へ。見てください、写真!!

残念といえば残念ですが、でもこれだけの景色は、土地の皆さんでもなかなか見られるものではありませんよね。逆に羨ましく思われる皆さんもいらっしゃることでしょうね!? (←ちょっと強がり・・・)





こうした天候なので、行き先を変更して「弟子屈欧羅巴民芸館」( http://www.mingeikan.jp/index2.html )へ。弟子屈は地名で「てしかが」と読みます。この民芸館は、18世紀以後のイギリスを中心とする伝統的な西洋家具類が売りですが、それのみならず楽器類、古地図類など幅広く収集されていいて、楽しませてもらいました。ビデオ撮影不可と掲示があり、じゃあデジカメはいいのかな、などと思ったりもしたのですが、面白がって見ているうちに写真はとらずじまいでした。というわけで、民芸館のHPを参照していただければ幸いです。このあと、川湯温泉駅構内にある「オーチャード・グラス」というレストランで昼食。

次に寄ったのが、同じ弟子屈にある硫黄山です。

iozan_1iozan_2

















国道を走って、この山に近づくにつれ硫黄の臭いが強くなってきます(私は嗅覚が弱いのですが、それでもはっきりわかりましたよ)。左の写真は、駐車場で車を降りて硫黄山を臨んだところ。硫黄の煙がもくもくと立ち昇っています。山に近づいていくと、右の写真にあるように硫黄が噴き出している箇所が何箇所も見出せました。自然の威力をまざまざと見せつけられた感じがしました。



Kussharoko
さらに足を伸ばして、屈斜路湖へ。いつ雨が降り出してもおかしくない(というか、車に乗せていただいている間は、けっこう降っていたのですよね)。民芸館を出た後、観光スポットにいるあいだは、どういうわけかひどい雨にたたられずに済みました。








摩周湖にも行こうとしましたが、いよいよ雨は本降り。釧路市内に戻ることにしました。市内に着いてからは、「珈琲卿」という喫茶店で一息入れて夕食をとり、一日が終わりました。

翌9日(土)は和商市場で土産物を買ったり、釧路市生涯学習センター「まなぼっと」の最上階から市内を一望したりして過しました。この日は、台風10号の影響が顕著になりつつあって、午前中からひどい雨がふったり止んだりしていました。午後になって釧路空港へ行く途中など、バケツをひっくり返したようなスコールになっていました。まあ飛行機も無事飛び、その日の夕方、私は羽田に到着していました。

今回の旅行は、ふだん見ることのできない雄大な自然を満喫して、自分の中にゆったりとした気持ちをもつことができました。こうしたことじたい、実に久しぶりのような気がします。出かけた甲斐があるというものです。くわえて、拙HPを通じて知己を得た「北方音楽展」を支える皆さんと面識をもつことができました。釧路市は20万人弱の人口だといいます。そこで年に1回、日本人作曲家の作品をプログラミングしてコンサートをもつ、そしてそこに200人とか250人という人たちが集って演奏に聴き入るのです。お目にかかった皆さんとお話してみると、忌憚無く語り合い、個性豊かな方々がいらっしゃるようにお見受けして、私はますますファンになってしまいました。・・・というわけで、とても充実して幸福感に満ちた旅行になりました。

食べたり飲んだりしたものの紹介はしないのか、とおっしゃる向きもおありでしょう。心得ていますよ。でも、それは項を改めることにしましょう。


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