第170回 : 50歳代初の旅行〜釧路<その1>(2003年8月12日)

50歳になった今年の1月に本欄で書いたことですが、これまでの私は出不精で、あまりあちらこちらに出かけていくことをしませんでした。でも、もう少し見聞を広げてもいいんじゃないかなと思い直し、この夏、どこへ行こうかと考えるようになっていました。

今回私が選んだ先は釧路でした。ふだん観ることのできない湿原地帯の景観などを観光して回りたいことが一つめの理由、もう一つは拙HPでは何回か書かせていただいている「北方音楽展」を支えている皆さんにお会いしたいな、と思ったからです。首尾よく二つの目的をかなえることができました。

8月7日(木)の午後に釧路空港に到着し、9日の午後帰京したのですが、今回は曇りか小雨のなかを観光してまわる結果となりました(私のふだんの行ないが良くなかったのでしょうか?)。しかし、「北方音楽展委員会」の森克樹さんのご好意で、短い時間のなかで効率よく湿原や酪農地帯などを観て回ることができました。1回で全部を書ききるのは無理でしょうから、2〜3回に分けて今回の旅行について書いてみましょう。

まずは、回った観光コースをご紹介していきましょう。

■8月7日(木)■
13時35分ころ、釧路空港に着陸。台風10号とは別の低気圧が北海道を覆っていたため、いつ雨になっても不思議はない空模様でした。14時00分ころから観光を開始しました。さいしょに行ったスポットは「釧路市湿原展望台」。ヤチボウズをモデルにした展望台の建物そのものが、すでに名所となっています。

Kushiroshi shitsugen tenbodai yori_1
この写真は、釧路市方面を望んで取った1枚ですが、遠方までははっきりと見えませんね。

展望台の中は、湿原に生息する動植物の展示や解説などがふんだんにありました。ただ、私としては、この建物が妙に目立って、ちょっと気になりました。



次いで、運がよければ丹頂鶴が見られるかもしれないという鶴見台という方面へ行きましたがやはり丹頂鶴は見られず、「鶴居どさんこ牧場」へとコースを変更しました。この牧場では、頼めば乗馬もさせてくれるようです(もちろん有料)。馬たちが、柵ごしに私たち人間の方へ近寄ってきます。見つめる馬の目の人なつっこさといったら、たまらなく可愛かったです。


Kushiro shitsugen 01
牧場をあとにしてコッタロ方面に向かった途中で、いかにも湿原らしい風景を目にすることができました。それが右の写真です。

一見田園地帯かと思われるかもしれませんが、違います。ガイドブックの受け売りになりますが、釧路湿原の場合でいうとこうなります。2万年ほど昔(!)の氷河期が、この湿原の創世期だといわれています。それが約1万年前に気温が上昇すると、地表の氷が解けて膨張した海が内陸に入り込みました。ですから、その当時ならば、この写真のあたりも海だったわけですね。6000年前後を境に気温は下がり、海水は海に戻りました。約3000年前にはほとんどの海水がなくなり、以後、土砂や枯れた植物などが堆積して広大な湿原が誕生したというわけです。

ですから、下はずぶずぶで、ところによっては深いといいます。湿原の測量をするアルバイトがあるそうですが、こうした事情を反映して、時給は高いと伺いました(それなりの危険がついて回りますから)。

Kushirogawa
左は釧路川。こんなそばを道路が通っていたのですね。流れはゆっくりと、そしてどんよりした感じで流れているのですが、おわかりいただけれるでしょうか?

また湿原地帯は、木々や植物の緑色が酪農地帯のそれと比べると薄く、それにいくらか弱々しいと言われました。目が慣れてくると、そうした言葉も納得がいきました。

今年だけのことかどうかわかりませんが、木々の多い場所でも、蝉の声がまったく聞けませんでした。



Toroko
こうして釧路湿原にあるスポットを少しずつ観ていきました。そして到着したのが、塘路湖。

ちょうど小腹がすいていましたので、ここでちょっと一休みしました。










さて、私にとってこの日の観光のメイン・イヴェントといえば、このあとに訪れた細岡展望台と細岡ビジターズ・ラウンジでした。細岡展望台からの眺めは、釧路の皆さんは裏湿原と呼んでいるそうです。表はもちろん釧路市湿原展望台からの眺めになるのですが、この両展望台はちょうど真向かい(といっても距離はかなりなモンですが・・・)に位置しています。


Hosooka tenbodai
1枚選んだのが左の写真です。いかがですか? 私は、ここからの風景がとても気に入ってしまいました。展望台そのものも、別にこれといって目立っているわけではありません。











さて、2日目と3日目の観光はどうなったのでしょうね? それはまた次回にしましょう。


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