第169回 : 身辺雑記〜駅の全面禁煙と電車の中の携帯電話(2003年7月6日)

前回の「コーヒーブレイク」を書いたのは5月1日でしたから、ずいぶん間があきました。私は長年電車通勤をしていますが、この2ヵ月ほどで変わったことや気付いたことがありましたので、忘れないうちにメモしておきます。

■その一■ 駅のホームが全面禁煙に
私は西武鉄道を使って通勤しているのですが、去る5月1日から駅構内が全面禁煙となりました(ちなみに、私自身はもともとタバコを吸いません)。関東の大手私鉄8社が実施したもので、西武鉄道もそのなかに入っていたわけです。4月の通勤電車の車中には、よりよい分煙の方途も探ったけれどもなかなか難しく、一方全面禁煙を望む利用者の声が強いため、駅のホームは終日全面禁煙とすることに踏みきったと書いてありました(もう時間がたってしまいましたけれど、大筋はまちがいないと思いますです、ハイ)。あ、それと健康増進法の成立なんてコトバも含まれていたかもしれませんが、こちらはあまり自信はありません。

いざ、これが実施されてみると、特に朝の通勤時に分煙コーナーにたかる人々がいなくなって空気もスッキリ。これぞ朝!! という感じで、爽やかそのものです。毎朝、駅のホームでの一服を楽しみにしていた人たちには気の毒には違いありませんけれど、まあ、これは世のため人のためです。なぜなら、タバコで一番有害とされているのは、喫煙者から吐き出される煙(主流煙)ではなくて、タバコからゆらゆらと立ち上る「副流煙」(手に持ったときや、吸わずに灰皿に乗せておくだけのときにタバコの火のところから出るヤツ)だからなのです。この「副流煙」は「主流煙」の何倍も性質(たち)が悪く、これで受動喫煙している方が、どれだけ危険かわからないというわけです。

こうして2ヵ月ほど経ってみると、公共の場で禁煙にすることは大事なことだと実感できるようになりました。私が理解できないのは、JRでは駅構内がまだ分煙で、ホームの一部でタバコが吸えることです。公共の場では禁煙、という社会的なシステムを早期に確立する意味からも、私鉄を見習って早いところ全面禁煙にしてほしいですね。

こうなると、街中の道路を大手を振って歩きタバコをする輩(男女も関係ありませんし、若いか中年か壮年か老年かといった年代も関係ありません)が、目についてなりません。往来ですから、副流煙にしても一過性だなどというのは屁理屈で、対面を通りすがる人の持ち物や衣類にタバコの火をつけそうになりながら、大手を振って、しかも平気な顔をして闊歩している連中が意外と多いのです。バカの見本にみえてしようがないのですが、本人たちは気付いていないようすです(幸せなことです!?)。一部の自治体で行なっているように、歩きタバコに罰金制度を導入する自治体が増えることを願ってやまないことも書き添えておきましょう。


■そのニ■ 車中の携帯電話
携帯電話(やPHS)が普及しましたが、電車の車中できく携帯電話に対するアナウンスは各社によって異なるようで、時には婉曲で遠慮がちに聞こえることもあります。わが西武鉄道も、たしかほかのお客様の迷惑になり、健康器具に悪い影響を与えることも考えられるため電車を降りてからご利用ください、といった調子でアナウンスしていると思います。

ところが6月のある日(具体的な日付は忘れてしまいました m(__)m)、「この電車にはペースメーカーを着けたお客様が乗車されています。皆さまには携帯電話のスイッチを切ってお乗りいただくようご協力をお願いします」といった内容のアナウンスがされました。こんなことは初めてでしたが、ラジオの番組などで、ペースメーカーを着けた方が電車に乗ると(超満員でなくても)携帯電話の電波を感じて息苦しくなる、といったハガキの紹介があったことを思い出しました。

ふと見ると、私の周囲でも、さっそく3〜4名の方々がバッグやポケットから携帯をとりだし、電源をオフにしていました。えっ、お前はどうしたのかというのですか? 私は、電車に乗るときは電源をオフにして乗るのが常で、そうしていました。

携帯電話は、もっていれば電車の中でも使いたくなるのが人情でしょうが、本来ならば、自分の便利さにかこつけて他人の健康に悪影響を与えてもいいというのは間違っています。一方、健康器具をつけている方々は、携帯電話を使う側のマナーだけに頼るわけにいかない現実と向き合っていらっしゃるのでしょうね。そうしたとき、電車に乗るときに、事前にわけを話しておいて、車掌さんにアナウンスしてもらうのは、本来からいえば順序が逆だといわれるでしょうが、現実的な方法だと思いました。

ちなみに、その後は、こうしたアナウンスを聞いたことはありません。
【2003年7月6日】


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