第165回 : 身辺雑記〜カナダ**からの手紙(2003年2月22日)

ふだん私の手許に届けられる郵便物は、残念ながらDMの類が多く、重要なメッセージの詰まったものは意外に少ないです。でもまあ、害にもならないものがほとんどなので、目を通します。ところが、今月「なんだ、これは?」という手紙が届きました。それをご紹介しようと思います。

先日、自宅に珍しく外国郵便が配達されてきました(住所も氏名も日本語で印字されていましたけれど)。心当たりのないL社という会社からです。この会社、宝くじ購入サービス会社で、カナダロトへの参加手続きを代行するのだそうです。それで「カナダ**」からの手紙というタイトルをつけたのですが、これでは何のことかわかりませんでしたね(スミマセン)。開封して取り出した書類には、大きな文字で「未払い賞金通知」とあり、文章が綴られていました。「カナダロト」とは外国宝くじの一つだそうで、次のような内容でした。

要約すると、カナダロト6/49の1回での抽選で6億円にもなる総額賞金を狙う、“記録・承認済”当選番号に関してのお知らせで、私に2組の”6億円番号”が公式に与えられるようになったというのです。私は多くの人々のなかから選ばれた、ということになるらしいですよ。ここから先がミソで、スピード申込書を参加料金5000円とともに返送すれば、私に与えられた2組の6億円番号でカナダロトに参加する手続きをとるというわけです。

ここで誤解のないように私から一言。私はジャンボ宝くじ(もちろん国内の)を買ったことはあります。でも、外国の宝くじは買ったことはなく(過去に、違法という話を聞いたこともありました・・・)、今回のように代行してくれる会社があるにしても、私はカナダロトに参加したいと希望したことはありません。私にこの手紙を送ってきたL社は、どのようにして私の住所や氏名を知り、私はどんな母集団から選ばれたのでしょうか? 薄気味悪さが残ります。

さてL社の文章には、まだ続きがありました。悪徳商法ではなく、決して疑わしいものではないので確信を持ってくださいというのです。そして、ご丁寧にも当選者として5名の方々の写真まで掲載されています。疑念をもって参加手続きをとらないばかりに、毎週、多額の賞金が他の人に支払われるのを見ているが、このご案内を真剣に受け止めなかった方々がいる
ために、このようなことが起こってしまうのです、とまあこんな調子です。しかも、申込用紙には、氏名・住所・生年月日・Eメールアドレス・電話番号を書く欄まであります。

うーん、こうなると私はますます用心してしまいます。「確信を持ってください」と言われたって、何を根拠に信じればいいのでしょうね。悪徳商法と決め付ける根拠もない代わりに、確信をもって疑わしくないともいいきれません(失礼ながら)。それに、先の氏名から電話番号までの5つの要素をむやみに教えるなんて、自分のプライバシーを裸にしてしまうようなもの(国内のジャンボ宝くじは、売場で自分で買いますから、どこの誰が買ったかまでは、その場ではわかりません)。それに相手は宝くじ、当たる人より当たらない方がずーーーっと多くて当たり前。当たるかもしれない、とは実にうまい心理作戦だと思いませんか。まあ、5000円で6億円の夢が見られるならそれもいいと考える方もいらっしゃるでしょうが、プライバシーの流出という点は、私は軽く見ることができませんでした。

というわけで、カナダロトには参加せず、です。

【2003年2月22日】


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