第155回 : 身辺雑記〜2002年9月のメモ(2002年9月27日)
1.自動ピアノを聴く

9月初旬、自動ピアノの演奏を聴かせていただくチャンスがありました。自動ピアノは、穴を開けたロール紙をセットして、人間ではなく、ピアノに送られる空気が鍵盤をたたき、音が出る仕組みになっているのですね。以前私は、コンロン・ナンカロウ(1912−1997)という作曲家が自動ピアノのために作った作品をヴィデオで見たことがありましたが、実物を目の前にして聴くのは初めてでした。

ウラディミール・デ・パッハマン(1848−1933)というピアニストの演奏を再現することになり、
超有名なワルツの演奏が始まりました。ピアノのキーは動くし、ペダルも動くのがわかるのです。で、曲の始まりのあたりから、ワンワン響く感じでした。さて、何を聴いたかというと、ショパンの《子犬のワルツ》です(別にワンワンとかけて言葉遊びをしたつもりはありませんです、ハイ)。よく聴かれる演奏とは随分印象が異なりました。普通に滑らかに喋ればいいのに、それを歌舞伎役者が舞台でやるような大仰な台詞回しでしゃべっているかのような、クセの強い演奏でした。聴いている人の中には、思わず笑っている方もいらっしゃるほど。まあ、好き嫌いは別として、それはメリハリの利いた演奏で、これだけ強い個性を表に出すことができることについて、ある意味で羨ましさを感じました。
2.平坦な話し方と抑揚のついた話し方
私は図書館で仕事をしています。そのせいもあってか、人と話すときに、相手に届くくらいのやや小さめの声で話していることがあります。声の大きさだけでなく、しゃべり方もどちらかというと平坦。ふと、わが身を振り返ってみると、そんな気がしてきました。きっと、パッハマンの強烈な自己主張を聴いたことに、どこか触発された面があるのでしょう。

そんな時でした。自分の言いたいことを人さまに伝えるときに、抑揚のある話し方をするといいよ、あなたはもう少しそのあたりを直した方がいいと言ってくださる方が現われました。お宅にお邪魔したり、出身高校でお会いしたりした、元校長のU先生がその方です。50代、60代、70代とまだまだ人の前で話をしなければならない機会は多いはずだと仰るのです。先日のコーヒーブレイクでも少しだけ触れましたが、高校を卒業して31年経って始まったお付き合いで、ごく自然にこうしたことを言っていただけるのは、ちょっと得した、嬉しい気分になれます。

実は、10月の下旬に人さまの前でお話しする機会が待っているのです。今は、その準備もしている最中なので、言っていただいた内容が身に沁みます。そういえば、つい先日テレビ朝日系で放映されていた『ツーハンマン』というテレビドラマが終了しました。このドラマ、ふだんは会社でクレーム処理を地味に処理している主人公(で、あだ名を「ジミー」というのですね)が、ふとしたことから、マスクをかぶりマントをつけて、通販商品のコマーシャルを絶妙の啖呵をきってやってのける、しかもその内容が人の心のひだにわけいるような良さをもっているというものでした。

わが図書館のジミー(?)こと、この私も、何か小道具を用意すればあざやかにヘンシンできるのでしょうか?
3.その他もろもろ
9月11日、近所のワインセラーからハガキが届きました。見ると、今年仕入れる予定のボージョレ・ヌーヴォー3種とその予約についてのお知らせでした。うかうかしていると、あっという間に11月、なんてことになりかねないぞと自戒したつもりになったことを思い出します。11月21日(木)に日本到着だといいます。どれを予約しようか、近いうちに飲みながら考えてみるつもりです。

10日ほど前になるでしょうか、朝、家から出て駅に着いた時のことでした。私と同年代くらいの男性が、自転車を止めて駅の売店でスポーツ新聞を買っているところでした。そこへカラスが舞い降りてきて、男性の自転車のカゴに入れてあったコンビニ弁当(だと思います、あの形と大きさは!)の包みをくわえて飛び去ろうとしたのです。一度は包みを落としたものの、再度くわえ直して、上空へずらかろうとしたのを見てビックリ仰天しました。その男性も半ばあきらめ顔でしたが、取り戻せたかどうか、見きわめることはできませんでした。皆さんもご注意を!!


トップページへ
コーヒーブレイクへ
前のページへ
次のページへ