第110回 : 今月取得した資格(2001年6月20日)

自宅の外に置いてあった荷物のそばで誰かが煙草のポイ捨てをして行ったらしく、火の手が上がったと思ってください。気が付いた家人は、あわてて消化につとめました。事なきをえましたが「私、その時に間違って母親にをかけちゃいました」・・・・・。でも火事のときは、さぞかし肝を冷やしたことでしょうね。

去る6月5日と6日、私は立川防災館で防火管理責任者資格講習を受けてきました。正直に言うと、ここで聞かされる講義って、かなり疲れるんですよね。講師の皆さん、ただ真面目だけの話し方の人が多く、一つ講義が終わるたびに「ふう〜っ」と大きな溜め息をつく、そんな感じでしたから。私は資格を取得した日に疲れをとろうと思って、うちの近所の飲み屋さんに立ち寄り、若いアルバイトさんから先ほどのエピソードを偶然聞いたのでした。

一定の人数以上を収容できる飲食店や映画館、劇場、百貨店、学校、病院などなどには、火災を未然に予防したり、万一火災が発生してもその被害を最小限にとどめる適正な防火管理をおこなうことが必要で、各事業所に防火管理者を置くことになっています。私が行った資格講習は、この資格をとってすぐに防火管理者となる予定の人たちもいれば、私のように資格だけとって必要な知識やノウハウを身につけて帰る人たちとがいます。お前は防火管理者にならないのかですって? これは、各事業所の相当の監督的地位にいる人がなるものだから、私はお呼びでないわけです、ハイ(笑)。もし防火管理が不行届きで不幸にも火災事故を起こし、裁判にでもなれば、防火管理者はその事業所の代表者と並んで責任を問われ、ヘタをすれば塀の中に入るのです・・・。こういうことを知ってしまうと、私の職場のように建物が何棟もあったり、人数が多いところでは、防火管理者と同等の知識をもつ人間が複数いるのはいいことで、今回、私の職場からは、いくつかの課から数人が講習に派遣されました。

受けた講習は甲種防火管理講習といって、受講者個人が一生もっていられる全国資格となります。どんな講習内容かというと、まず「防火管理の意義と制度の概要」と題して過去の火災事例とその教訓、防火管理制度の意義、共同防火管理制度などのビデオや説明があり、次いで「火災の現象」「施設・設備の維持管理」「出火防止と収容人員の管理」「消防用設備等の操作要領(実技・視聴覚等)」「危険物等の安全管理」「地震対策」「自衛消防」「防火管理の進め方と消防計画」といったメニューをこなしました。さいごに「効果測定」が待っていました。”これはテストではないが、点数は付ける。60点に満たない場合は、6ヵ月以内に再度講習を受けてもらう”というもので、なんだかんだと言っても、やっぱりテストでしょう(笑)。結果は受講者約80人、全員合格しました。こんなものらしいです。

ことがことだけに、私が知っている喫茶店のマスターも飲み屋さんも、こうした資格をもっていて、私は事前にどんな感じの講習なのか聞いていきました。そう、どこかの事業所の人が怖いことを言ってました。それは、合格した受講者に交付される「修了証」を、その事業所の金庫に入れて預かってやると言われたのだそうです。「修了証」には防火管理者に選任されたり解任されたりした時の記録を記入する欄などもあるわけですから、渡しちゃあダメです(不正使用されないためにも)。資格をもっている本人が責任を持って所持していないとね。

話がつまらなかったのは事実なのですが、火事には誰も好んで逢いたくないからでしょう、講習が終わってしばらく経ちますが、その内容は、不思議と印象に残っているものです・・・・・。


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