第88回 : 久しぶりの音楽図書館協議会(2000年11月18日)

11月16日と17日、毎年秋に行なわれる音楽図書館協議会(音図協)のセミナーがありました。16日は、有楽町にある東京国際フォーラムで初日を迎えた「第2回図書館総合展」の一環として、音楽図書館協議会の主催するセミナーがありました。「図書館のコピー・サービスが直面している問題」と題する講演会で案内されましたが、これは、音図協以外にも公開されました。実際のテーマは「日本複写権センターと大学図書館とのコピーサービス覚書と対応策」と、より具体的に絞られて、慶應義塾大学三田メディアセンターの加藤好郎さんをお招きして、お話いただきました。加藤さんは、十年以上にわたる複写権センターと国公私立大学図書館との話し合いの経緯や重要なポイント等をわかりやすく説明なさっていました。2つほど質問をいただいたところで時間切れとなり、司会の私の方で切り上げさせていただきましたm(__)m 今回の講演は、あまり省略して書くと誤解を招きかねないので、いつか機会があれば改めて書こうかなと思います。

さて、音楽図書館協議会加盟館は「音楽」を主題にして結びついた図書館のネットワークです。普段から、業務上の問合せをしたり、されたり、というのは自然の成り行きというものです。ただ、私自身は、大学図書館同士の別のネットワークに関係させていただいているためもあってか、音図協の会合に出席する機会は、昨年、インターネット関連の話題がテーマに挙がってくるまでは、それほど多くはありませんでした。ですから、こうしたセミナーの時に顔を合わせる機会があるのは、とても嬉しいことです。

そして16日の夜は、セミナーの会場から歩いてゆける「レストラン キハチ・銀座店」で、音楽図書館協議会創立30周年記念パーティが行なわれました。この会には、セミナー参加者のみならず、協議会加盟館で活躍され、いまは現役を退かれた諸先輩方や、関係の深い団体等の皆さんもお見えになりました。キハチ(KIHACHIとも書かれるようです)は、無国籍料理を謳って有名なレストランだそうです。ともかく美味しい料理が並びました。午後6時にパーティが始まりました。見ると、会場のあちらこちらで、話に花が咲いています。私も、ついつい引き込まれていきます。約2時間のパーティも、思えば、あっという間にお開きとなりました。

17日は会場を東京文化会館に会場を移しました。といっても、別にステージに上るわけではありません(当たり前か?)。会議室をお借りして、音図協だけのセミナーがもう一日というわけです。会場の下見は、前日、講演が終わった後でこちらにお邪魔し、ノート型PC、プロジェクタ、スクリーン、電話回線の位置などを確認し、おおよその会場設営の見当をつけておきました。当日、一部配置を変えて、準備OK。
午前9時から、受付開始。9時30分、定刻どおり基調報告が始まりました。「音楽図書館のレファレンス業務とインターネット」と題するもので、私から。まず当館の事情を若干お話し、次に図書館の多忙な業務(今回はレファレンス業務に限定)をこなす際にインターネットは、つよ〜い味方となってくれたこと、今は実践女子大学図書館のある館員の努力が、ウェブ上でも冊子でも入手できて、世界中の販売目録、図書館目録、オンライン書店、灰色文献等々ウェブ上で入手できる情報を体系的に知りえること、さらにメーリング・リストも業務に必要な情報のやりとりに活かせること、さいごにHP上に業務で使う便覧の類をたとえばPDFで掲載し、効率的に仕事をしたい(幸い音図協は、すでにHPをもっているのでコンテンツを拡充すればよい)、といったことなどをお話し、デモンストレーションとして、ふだん海外の図書館のWebOPACをどうやって活用してきたかを、プロジェクションしました。
午後12時30分、東京経済大学の山田晴通先生の講演「図書館の仕事とインターネット」が始まりました。先生は複数のメーリング・リストに参加されているばかりでなく、ご自身、メーリング・リストの管理者もなさっています。ある時、歌謡曲のタイトルだけをもとに、歌われた時期やその他の情報を知りたいという投稿があり、その問いに対するヒントが短時間のうちにいくつか続き、より確度の高い情報がその後も集まって、一区切りという具体的な実例の紹介も交え、メーリング・リストがもつ相互支援という考え方を展開され、音図協でも試験的にでもやってみてはいかがか、とアドヴァイスをいただきました(大賛成です!!)。
コーヒーブレイクをはさんで、会場全体で討論セッションを持ち、音図協でもメーリング・リストを活用したいと当日の司会者から提言が出されました。現場では、メーリング・リストを立ち上げて業務に関わる情報交換する効果は大ですから、一定の方向性が提示されたことは、大きな成果だと思いました。


トップページへ
コーヒーブレイクへ
前のページへ
次のページへ