第70回 : 今年の花粉症 <その3、または最終回?>(2000年5月14日)

喉もと過ぎればなんとやらで、今月に入って、私は花粉症の薬をほとんど飲んでいません。たしかにスギ花粉は、かなり少なくなり飛散量ゼロという日も記録されているようです。こうした状況を反映してか、慈恵医大耳鼻科の花粉症のページも、去る5月1日をもって定期的な情報提供を停止すると宣言しました。「えっ!」と思いましたが、不定期ながら情報提供を続けていますから、やはり見る価値は充分あります。

このHPから、東京都衛生局のページに飛ぶこともでき、重宝しました。前にも書いたことですが、もう少し詳しくまとめておきます。

東京都衛生局生活環境部の花粉症のページには、
千代田区  葛飾区  杉並区  北区  大田区 
青梅市  あきる野市  八王子市   町田市  調布市 小平市 
という具合に、都区内5箇所、市部5箇所のデータが月曜日から金曜日まで更新し(ただし祝日は除く)、いまも定期的に行なわれているようで心強いです。土・日が休みですから、月曜に更新されるデータは、金曜午前9時から月曜午前9時までの総和となり、一日一日の違いが把握でないのは残念です。一方、慈恵医大は品川区のみで定点観測をし、月曜から土曜まで更新していましたが、この辺の違いは、やむを得ないことでしょう。

私の場合、自宅が練馬区、職場が立川市なので、どうしても東京都衛生局のデータを参考にします。しかし、練馬区も立川市も直接のデータが掲載されるわけではないので、自宅ならば、杉並区と北区の中間くらいかな、立川市ならば小平市とあきる野市のあいだかな、などと推量するわけです。ただ、データは前日またはそれ以前のものなので、あの症状は納得だとか、変だなあなどと当たりをつけるときの参考にするのですね(こういう当たりのつけ方が適切かどうかは責任もてません。悪しからず・・・)。それにしても、東京都の23区とすべての市で、この種のデータをとって掲載するページができないものか、と何度考えたことでしょう。

このように過去のスギ花粉のデータがすぐに見られるのは、いいことです。しかし、4月も中下旬に至ると、スギ花粉もさることながら、ヒノキ花粉の飛散量が多くなり、スギとヒノキで主役が交代するのですね。このことは、今年、慈恵医大の観測データによってはじめて知りました。東京都衛生局のデータには、残念ながらスギ花粉しかありません。さらに、慈恵医大のデータには「その他の花粉」という項目があり、これもスギ花粉の量が下降線をたどる頃、上昇カーブを示すようになります。問題は、その正体が何なのか(あるいは何と何なのか)まったくわからないことです。慈恵医大さんには、このHPでたいへんお世話になっていますが、できれば正体を教えてほしいと思っています。

もう一つ。それはリアルタイムで花粉の飛散状況を捉えることができないかということで、実は慈恵医大でも聖路加病院に設置したリアルタイム花粉モニターの併用が有効であろうと述べています。しかし、示された図を見る限りでは、なぜ従来のデータと花粉モニターを用いたデータとで、大きな差が生じるのかなど、よくわからないことがあります。来年は、このあたりをもっと整理していただけれるとありがたいです。そうすると、リアルタイムのデータを見て、マスクはもちろん、しっかり薬を飲まなきゃなどといった自分なりの対処が早めに決断できるでしょうから。

花粉症と付き合うには信頼のおけるデータとともに。そんなことが言える時代になりつつあるのでしょうか?


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