第56回 : 池袋の美術館、CDショップ、プレイガイド(1999年12月5日)

私の家の最寄駅は、西武池袋線の江古田駅ですから、休みの日には池袋によく行ったり、とおったりします。今年一年を考えてみると、少し変化のあった年だったように思います。

2月。セゾン美術館閉館しました。東武美術館がどちらかというとオーソドックスな内容の企画を立てるのに対して、こちらは現代モノを得意とする館でした。所蔵作品による常設展は行なわず、企画展オンリーでやってきた館だったと記憶しますが、昨年夏に行なわれたロシア・バレエ団をテーマにした企画などは、ちょうど同じ時期の「東京の夏国際音楽祭」の企画ともマッチしたものでしたし、そのほかにも好企画をいくつも思い出すことができます。
駅の反対側にある東武美術館ですが、こちらも今年前半はよく行きましたが、9月以降一度も行っていません。私にすれば珍しいのですが、ちょっとした理由があります。これまで東武美術館では、比較的オーソドックスなヨーロッパの美術を中心に据えて企画を立ててきたように思います。近年はドーミエの版画を多く収集し、所蔵品としていますので、年に一回ほどドーミエ版画展を開催しているようです。常設展と言って良いのかどうかわかりませんが、いつか美術館が刊行しているパンフレット(機関誌)で美術館は所蔵作品による常設展ができるようにならなければ、という考えを目にした記憶があります。ところが、この夏から来年3月までの今シーズンの内容は、ほとんどが日本の美術による企画になりました。実は、4〜5年前からここの会員になっていたのですが、内容の変化が恒常的なものになるのかどうかを見極めようと、会員の期間更新をしなかったのです。阪神淡路大震災の影響で、海外から美術品が借りにくくなっているのかとも想像するのですが、ほかの美術館ではここまでの変化が見られず戸惑っています。

夏。ある百貨店の中にある大手CDショップの一つに行きました(店名がWで始まるところです・・・)。クラシックの売り場には変化が見られました。それまでは、クラシックのCDはクラシック売り場にレジがあり、店員さんもそこに何人か常駐していました。ですから、いざという時には質問をし、答えてもらえました。それが他のCD売り場とレジがいっしょになり、クラシックの売り場では商品の管理をする店員さんが最小限いるにすぎません。ですから、いわゆるレファレンスがどうしても手薄にならざるを得ないようです。クラシックも受容する人口が少ないですから、こうした措置をとられてしまったのかな? と考えてしまいました。

池袋に限りませんが、10月一杯でチケット・セゾンがプレイガイド業務から撤退しました。近い将来、パワーアップし、別の名でプレイガイド業務に復活してくれることを期待しますが、いざなくなってみると不便だと感じます。チケット・セゾンは、よほどのことがない限り、チケット購入時に座席を選ばせてくれるので好んで行っていました。もっとも池袋東武の3階にあるチケット・ぴあは、「ぴあ」の中では珍しく座席を選ばせてくれる店なので、こちらに頼ることが多くなるのでしょう。

池袋の美術館、CDショップ、プレイガイド。こうしてまとめてみると、お世辞にもハッピーな内容とはいえませんね。残念・・・


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